少女abc

菫川ヒイロ

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 依頼を済ませるのもそれなりに楽しい事ではあるけど、それはアヴィと一緒に
 行動しているからであって、別行動だった場合の私には依頼はただただ面倒で
 しかないのだ。だから疲労感がどっとやって来る。
 
 
 チャランドラと一緒だと余計にだ。
 それは性格上どうしようもない事ではあるけれど、だからこそ補充しておきたい
 のだ。アヴィ成分を少しでも。
 
 
 それは常に危険と隣り合わせではあったが、私には必要な事だった。
 だってこんなにも大好きなんだもん。
 
 
 私はもちろんアヴィの気持ちを理解しているつもりだ。
 だから自分の想いが届く事がないって事は分かっている。
 分かっているからこそ少しばかり意地悪をしてみたくなるのだ。
 
 
 でもそれも加減を間違えば思いもよらない事になってしまう事もあるのだ。
 だからそんなときは流石の私も少しばかり意固地になってしまうから少しだけ
 反省はするのだ。でもだからって私は変わったりはしない。その程度で対応を
 変えるような事をしたりはしないのだ。
 
 
 ここからどうすれば楽しくなるのかを考える。
 アヴィのどんな顔も全て見逃したりはしないし、全部を知りたいのだ私は。
 あえて地雷を踏みに行ったりしてしまう。
 
 
 嗚呼、そんな顔もするのね。
 
 
 また新しいアヴィを発見出来た喜びを噛みしめながら、最新の注意を払って
 言葉を紡ぐのだ。もっともっととはやる気持ちを抑えて、この大切な時間を
 少しでも長く続ける為に私はいつも必死なのだ。
 
 
 あの手この手を使って気を引くのは難しい事ではあるけれど、それでも私は
 アヴィにとっての特別になりたいのだから。
 
 




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