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しおりを挟む最近の男の子というのはつまらないなと思った。
私が思っていたのと大分違っていたから余計にそう思ってしまったのかもしれな
いが、でももっと初心な感じが欲しかったのだ。私はそういうのを期待していた
というのに、つまらない男だと思った。
娘はこんなつまらない子の何がよくて付き合っているのだろうか?
私にはまったく理解が出来なかったし、何だか気分が悪くなった。
最悪の気分だ。
私が若い頃はもっと楽しかったという思いでしかないが、全ては思い出補正で
実際は違っていたのだろうか? そんな事を考えてしまうくらいにつまらない
男だったという事だけは確かだ。
未来に期待できるものなど何も持ち合わせていないくせに、今を必死に生きて
いる訳でもないという残念な感じがどうも私には合わなかった。
「伸びしろがないとか絶望的なのよ」
きっと今が人生のピークなのだろう。
ここからゆっくりと下るよりは一気に終わらせてあげる方がいいと私は判断した
だけだ。だからこれは優しさから来る言葉だった。
「もう終わりにしましょう」
私の言葉に驚いた表情を浮かべるが、そんな顔がよく出来るなと感心した。
意外と図太いのかもしれない、でもそんな図太さは要らないのだ。
最初は何だかんだと必死に縋り付いて来たが、結局最後は罵倒された。
まあそんなものだろうと思っていたから特に私は何も感じたりはしなかった。
どれだけ言われても私には何のダメージもなかった。
とは言え、この事を知ったら娘はどうするのだろうか?
やっぱり怒ったりするのか? 私にはまったく予想が出来ないのだ。
だって私達親子はまったく感性が違う。
あんなにお腹を痛めて生んだはずの血を分けた存在の娘だが、私達親子の感性は
まったく違って別人のようだった。
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