ブルー

テジマ

１

「おい、テジマ。ジュース買って来て」

　
　また今日もいつものようにパシリにされるテジマ。
　ざわざわするこの感情にいつも気分が悪くなるが、結局俺は何もしない。
　何も出来ないし、何かした所でどうなる訳でもない。
　
　
　分かっていはいる。
　テジマは助かるかもしれない。
　でも俺は助からないし、テジマも助からない可能性もある。
　
　
　そう思うと結局何も出来なくて、このざわざわとどうにか折り合いをつける事を
　選んでしまう俺はどうしようもない。
　
　
　どうしてこんな思いをしてまで学校に来ないといけないのか？
　これは一体なにの勉強なのだろうか？
　
　
「あ、私の分も買って来てよテジマ！　」


　取り巻きの女がそんな事を笑いながら言ったので、俺は尚更気分が悪くなった。
　嗚呼、気持ち悪い。
　
　
「はあ？　何勝手にテジマ使おうとしてんだよ、殺すぞ！　」


「え？　あははは。冗談だって、ね。冗談。怒らないでよ～　」


　女が焦ってどうにか誤魔化そうとしているのが何故か心地よくなってしまった。