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菫川ヒイロ

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理不尽な婚約破棄をされ、家を追放された私は阿修羅になる

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 煙を確認したエヴァは正面から堂々と王宮へと入って行くが、
 王宮内は突然の爆発によって何が起きたのかが分からず、てんやわんやで
 警備はざるだった。
 
 
 だからと言って誰も彼女の侵入に気づかない訳ではなかった。
 
 
「おい、お前! 一体どこから入った! ちょっと待て! 」


「ノウマク」


 エヴァは警備兵を軽くあしらうとどんどん奥へと進んで行く。
 王宮の最奥を目指し進んで行く彼女を止める事はもはや誰も出来ない。
 
 
「サマンダ」


 進んで行く途中で糞野郎の部屋を見つけたので、挨拶がてら行ってみると
 エリーとよろしくやっている最中だった。
 
 
「こんばんわ糞野郎に偽乳、お元気そうで何よりです」


 私が挨拶すると二人は突然の事にまだ頭がついて来ていない様子だったので
 
 
「何だ、まだ気づかないのか? そう言えば私にはゴージャス感が無かったからな
 お前の大好きなゴージャス感って奴を見せてやるよ、ボダナン」
 
 
 二人はエヴァの目の前からあっという間にふっ飛んで、居なくなってしまった。
 エヴァの人生を台無しにしたロランド王子に対して何も思わなくは無かったが
 今の優先順位で言えばたいして高くない糞野郎に時間など割いてやる必要は無い
 
 
 エヴァは目的を達成するために先を急ぐ。
 エヴァは今、この国を自分の物にするために進んでいるのだ。
 王宮の最奥へとやって来たエヴァはそこに座っている国王に聞いた。
 
 
「今、私にこの国を渡すか、私に倒されて国を明け渡すかどちらかを選べ」


「おおお、お前は一体何なんだ! 」


 プルプルしながら絞り出したのはそんな答えだった。
 
 
「お前には質問する権利なんてものはないんだよ! 
 まったく、親子そろって糞だな。ラタンラタト」
 
 
 こうしてこの国の王はエヴァに変わったのだった。
 
 
 
 




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