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「ペリーヌ、私は君との婚約を解消しようと思う」
 
 
 いつものように月一のお茶をロドン伯爵としていた時の事でした。
 私は令嬢としての振る舞いとして、その場では大きな声など出せないので
 鼻から大きく息を吸い、口から息を吐きました。
 
 
「すぅ~~~~~」


 そうして一口、紅茶を口に含みゴクリと飲み込むと理由を尋ねました。
 
 
「それは一体、ど、どういう事なのですの? 」


 声が上擦ってしまったが、それくらいは許して欲しい。
 だって、この私が、この私がですよ?
 
 
 このどこからどう見ても完璧な私、ペリーヌ・アドベンチャーが
 たった今、婚約を破棄されたのですから
 そんなありえない事が今起こって、いくら私でも動揺してしまいます。
 
 
「ごめん、ペリーヌ。僕には君との結婚生活が想像出来ないんだ。
 だから、ごめん。もう許してくれーーーー」
 
 
 ロドン伯爵はそう言うとその場から走り去ってしまった。
 私はこのありえない事の連続にパニックになってしまい、
 しばらくその場から動く事が出来なかった。
 
 
 
 
 *****
 
 
 
 
「お嬢様、お嬢様! お気を確かに! 」


「はっ! 」


 私はメイドのコバルトの声で正気を取り戻した。
 どうやら、なかなか戻って来ない私を心配して来てくれたコバルトは
 反応を示さない私に、声をかけ続けてくれていたようだ。
 
 
 私とした事がなんという失態をしてしまったのだろう。
 これ以上の醜態をさらす訳にはいかないので、すぐにその場を後にした。
 
 
 



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