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菫川ヒイロ

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 エントリーナンバー1番、ユウナ・エルスト。
 特技は乗馬とお花を少々といった所でしょうか?
 これでも一応、ソロストの婚約者なんですよ?
 
 
 エントリーナンバー2番、ジーナ。
 ソロストとの事は子供の頃から知っている幼馴染。
 だから何だって話せる仲、らしいですよ?
 
 
 エントリーナンバー3番、ミラール
 ソロストが溺愛する妹。
 病弱な彼女ですが、具合が悪くなるタイミングには法則があるみたい?
 
 
 エントリーナンバー4番、コモロ
 ソロストの学友にして親友。、
 男同士にしか分からない事があるって話です。
 
 
 
 
 *****
 
 
 
 
「さあ、ソロスト。決めて下さい」

 
 優先順位をつけてもらおうじゃないかと、私が選んだ4人(私も含まれる)
 一体、ソロストはどんな順位をつけるのかが楽しみです。
 
 
 当然、私がぶっちぎりの1位になるのは分かっています、分かっていますが
 最近の彼の行動を見ていると疑いたくなるような事がちらほらと……
 ですからこれは仕方が無い事なんです!
 
 
「ユウナ、こういうのはよくないように思うのだが……」


「決めてください」

 
 顔は笑顔、心は鬼にして彼に言います。
 私としてはこんな事はしたくない、人に優劣をつけるなんてしたくはない!
 でも、婚約者としての私が求めるのです!
 
 
 『誰が大切なんですか? 』
 
 
 その答えさえ聞ければ私は安心できる、満足できるのです!
 彼が紙に順位をつけているのを笑顔で見守りながらも、ざわつく心。
 もし、私が1位でなかったら?
 
 
 その時は当然、婚約破棄です!
 決まっています、婚約者を一番に出来ないような人と一緒になんてなれません!
 さあ、私の順位は? 彼が順位を書いた紙を私は見ます。
 
 
「2、3、4」


 そこには私の番号はありませんでした。
 何という事でしょう! これはもう決定的です!
 分かりました、分かりましたとも、もう婚約破棄しかありません!
 
 
「そうですか、分かりました」
 
 
「ちょっと待ってくれユウナ! やっぱり僕には順位なんてつけられないよ」


「何を言っているんです! 現にこうやって順位をつけたじゃないですか! 」


「違うんだ、僕はユウナには順位なんてつけれないよ! だってそうだろ? 
 僕にとってユウナは特別なんだ! だから無理だったんだ! 」
 
 
 ソロストはそう言いました。
 特別だって、私は特別なので順位はつけられないって。
 
 
「そうですか、分かりました。婚約破棄しましょう」


「? どうして? 」


「どうしてですって? 私は順位をつけてって言ったのに、つけれないとかあり得
 ません! 私が一番じゃないとかよく言えますね? 」
 
 
「だから、特別だって」


「特別? 特別ならどうして1番にしないのですか? 特別って事は何よりも優先
 されるって事ですよね? なのに、どうして私は一番じゃないのよ! 」
 
 
「そ、それは」


 口ごもるソロストに私はいいます。
 
 
「婚約破棄です、さようなら」


 こうして私は、ソロストと婚約を破棄しました。
 私はいつだって1番じゃないと嫌なんです!
 
 
 
 
 

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