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菫川ヒイロ

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一週間で終わる結婚生活

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 私は婚約者のガイルと結婚したのは一週間前の事でした。
 これと言った喧嘩をする事もなく、私達は婚約期間を終え、式を挙げ、
 みんなに祝福されて結婚したというのに……
 
 
 私は初めはそんなに気になんてしていたなかったのです。
 どうして気づかなかったのでしょうか?
 恋は盲目と言うのでしょうか?
 
 
 私はどうかしていたのでしょう。
 きっと目が腐っていたのですね!
 ガイルの行動がどう見てもおかしい事に気付くまでこんなに時間を使って
 しまった事は痛恨の極み。


 もう無理、もう限界、私はガイルと別れる事を決意しました。
 きっとみんなは驚く事でしょう、こんなにも早く結婚生活が終わるという事に。
 でもそれは私が一番驚いているのです!
 
 
 お父様も、お母様も、きっと私が説明すれば理解してくれるはずです。
 私は必要最低限の荷物だけをまとめて部屋を出、ガイルが居るリビングへと
 向かいました。
 
 
 ドーンと乱暴にドアを開けてリビングに入った私にガイルは眉をひそめて
 言います。
 
 
「どうしたんだい? そんな大きな音を立てたらセリスが驚いてしまうだろ! 」


 またです。
 セリス、セリス、セリス、セリス。
 何かあればセリス。口を開けばセリス。
 
 
 私はもう、うんざりなんです!
 
 
「怖かったね? もう大丈夫だからね? 」


 ガイルは結局、私が怒っている理由なんかよりもセリスの事が気になって
 仕方がないのです。


「貴方が大切のなの私ではなくセリスなのですね! 」


 我慢の限界、私はガイルに言います。
 
 
「何だ、どうしたんだ? 何か変だぞ? 」


「私は気が付きました! 貴方との生活はもう無理です! さようなら」


 私は家を出て、実家に急いで帰る事にしました。
 こうして私が出て行ったにも関わらず、まったく追っては来ないガイル。
 やはり私の選択は間違っていませんでした。
 
 
 今頃セリスと仲良くやっているのでしょう。
 あんなのに負けたのかと思うと笏ではありますが、仕方ありません。
 寧ろ私がガイルを捨てたのですから、あいつ等は同類という事になるじゃ
 ありませんか!
 
 
 負け犬という生き物
 
 
 どうぞあの犬畜生と一緒に、精々仲良く暮らせばいいのです!
 
 
 こうして、私の結婚生活は一週間で幕を閉じました。
 
 
 
 
 
 
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