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菫川ヒイロ

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探し物

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 私にとってあの人は何なのだろうか?
 そんな事を考えてはイライラしてしまって、結局答えなんて導き出せないまま
 考えるのを止めた。
 
 
 まあ、単純に考えれば
 血縁者であり、親族であり、身内であって、家族であって、保護者で、父親だ。
 そう、ただ嫌いな父親だ。
 
 
 思い返してみれば昔はそうでも無かった。
 寧ろ、恥ずかしい事に父親っ子だった。
 将来はパパと結婚するなんて言っていた。
 
 
 でもアレは若気の至り。
 そもそもあれは誘導尋問に近いものがあったので、ノーカウントだ。
 私がそんな事を自ら言うはずが無い。
 
 
 いつの頃からか急に嫌いになった。
 存在自体が嫌いで許せなくて、毎朝顔を合わせる事が苦痛で、
 これは天罰なのかと神を疑いたくなるくらいだった。


 日に日に強くなって行くその感情。
 彼が出来た時はピークだった。
 何だかんだと言われるのが我慢ならなかった。
 
 
 だから婚約した。
 そうすれば文句など出るはずもない。
 何の問題もないのだから。
 
 
 彼への好きと父親への嫌いが同じように増えて行く。
 そんな私に彼が言うのだ、もう別れてくれと。
 それは私の思いが強すぎた所為なのか?
 
 
 当然のように返ってくる反動は大きく、婚約破棄された私は落ち込んだ。
 のめり込み過ぎたのだ。
 だからなのか……
 
 
 彼が死んだ。
 
 
 父が殺した。
 
 
 原因は私だ。
 
 
 この気持ちは何なのだろう?
 今私はどうするのが正解なのだろう?
 喜びも、悲しみも、全てがごちゃ混ぜになって
 
 
 今も探している
 
 
 私の中の答えを
 
 
 
 
 
 

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