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俺が孤児院を去った後、その孤児院に年下のオメガの子が入ったらしいと聞いたから、その子と親しくしようと思っていた。俺みたいに寂しい思いをしないようにせめて俺だけは会いに行って構おうと思って孤児院に行こうと思った。
朝のうちに行くし、買い物もして帰っても先生が仕事から家に帰ってくるよりは早く帰れるし、先生的には何も変わらないだろうけど一応先生にはあらかじめ話してあった。
孤児院に行くと、その子は案の定寂しそうに1人で遊んでいた。
「こんにちは! お前名前は?」
明るく声をかけると、少年は自分に話しかけられているとは思わなかったらしく、しばらくは困惑していた。
「……し、翔太」
「翔太、俺は静。たまにしか来れないんだけど、翔太と遊びたいんだ。俺の相手してくれる?」
「お、俺? 俺でいいの……?」
翔太は手を体の前に組んで、緊張しているようだ。
「俺は翔太と話したくてきたんだよ! 実はね、俺もオメガなんだ。だから翔太と仲良くなりたい。どうかな?」
「俺も……しずかと仲良くしたい」
「そうか! じゃあ、みんなには内緒だけどお近づきの印に、これ一緒に食べよう?」
俺がお菓子をこっそりと見せると翔太は目を輝かせた。
「おれ、こんなん食べたことない。いいの?」
「もっちろん!」
それから俺はすっかり翔太と仲良くなって、帰るのは予定よりも少し遅くなった。
けれど先生が仕事から帰ってくるまでには少し時間があるし大丈夫だろと思っていたら、玄関には靴があった。
先生の靴と、見知らぬ女ものの靴。
こんなのよくドラマとかで見るやつだ。
体が一気に緊張して、ドキドキと心臓が鳴った。
けれど買い物してきたものを冷蔵庫に入れないと、ダメになってしまうし。
恐る恐る家の中に足を踏み入れて、玄関の鍵をそっと閉めた。
『ぁ……んぁ、れいじっ、嶺二っ、気持ちいっ……』
先生の寝室から明らかに情事中の声が聞こえて俺の緊張は一気に高まった。
「はぁ……はぁ」
息が荒くなり、体が辛い。
俺は急いで買ってきたものを袋ごと冷蔵庫に突っ込んで、自分の部屋に戻り鍵をかけた。
「はぁ……はぁ……ぁ、なんで……」
まだヒートは1週間は先のはずなのに、体はヒートのように熱って後孔はアルファを受け入れようと勝手に濡れる。
転がるようにしてやっとのことで抑制剤の場所までたどり着いた俺は、震える手で注射状の抑制剤を太腿に打ち込んだ。
突発的なヒートだし、注射状の抑制剤なら1分もあれば治るはず。
けれどその1分がとんでもなく長く感じた。
「ぁ、先生……はぁ……はぁセンセ」
治るまで間、後ろに指を這わせて自分を慰める。
好きな人と一緒に暮らせているのに、その人の他の人との情事を聞いて、ヒートになって自分を慰めているのって、とても滑稽だ。
先生に気づかれていなければいいけど、先生はアルファだから匂いで気づいちゃうかもしれない。
「ぁっ、はぁ……んん」
抑制剤のおかげで、一度達した体はスッと熱が覚めて、余計に虚しくなる。
手には勝手に持ってきてしまった先生のシャツが握られていた。
気怠すぎる体を無理やり起こして、部屋を出ると、2人はもう家を出て行った後だった。
先生のシャツを洗濯機に入れて回した。
「1枚だけで回すなんてもったいないなぁ」
そんな事を呟いてみて、余計虚しくなった。
冷蔵庫から買い物袋を取り出して、それをきちんと並べて入れた。
今日の夜ご飯はオムライスだからそろそろご飯を炊かないと。
そうして準備している間に先生は帰ってきた。
玄関に走って行ってお出迎えをした。
「先生先生先生!! お帰りなさい! 今日はオムライスだよ!」
「っ……ああ、そうか。ただいま」
先生は驚いた顔をしてぎこちない返事をよこした。
「先生の好きなオムライスを聞くの忘れてて、今日のは普通のオムライスなんだけど、どれくらい食べる?」
「あー……普通盛りで」
「へへっ。りょーかい」
俺がいつも通りにすれば、先生もいつも通りに俺を受け入れてくれた。
「どう? 先生の好きなオムライスと同じ? それとも改善点ある?」
「うまいよ。やっぱりお前は料理上手だな」
「本当!? 嬉しいなぁ。先生好き!」
「……はいはい」
先生は困ったように笑った。
朝のうちに行くし、買い物もして帰っても先生が仕事から家に帰ってくるよりは早く帰れるし、先生的には何も変わらないだろうけど一応先生にはあらかじめ話してあった。
孤児院に行くと、その子は案の定寂しそうに1人で遊んでいた。
「こんにちは! お前名前は?」
明るく声をかけると、少年は自分に話しかけられているとは思わなかったらしく、しばらくは困惑していた。
「……し、翔太」
「翔太、俺は静。たまにしか来れないんだけど、翔太と遊びたいんだ。俺の相手してくれる?」
「お、俺? 俺でいいの……?」
翔太は手を体の前に組んで、緊張しているようだ。
「俺は翔太と話したくてきたんだよ! 実はね、俺もオメガなんだ。だから翔太と仲良くなりたい。どうかな?」
「俺も……しずかと仲良くしたい」
「そうか! じゃあ、みんなには内緒だけどお近づきの印に、これ一緒に食べよう?」
俺がお菓子をこっそりと見せると翔太は目を輝かせた。
「おれ、こんなん食べたことない。いいの?」
「もっちろん!」
それから俺はすっかり翔太と仲良くなって、帰るのは予定よりも少し遅くなった。
けれど先生が仕事から帰ってくるまでには少し時間があるし大丈夫だろと思っていたら、玄関には靴があった。
先生の靴と、見知らぬ女ものの靴。
こんなのよくドラマとかで見るやつだ。
体が一気に緊張して、ドキドキと心臓が鳴った。
けれど買い物してきたものを冷蔵庫に入れないと、ダメになってしまうし。
恐る恐る家の中に足を踏み入れて、玄関の鍵をそっと閉めた。
『ぁ……んぁ、れいじっ、嶺二っ、気持ちいっ……』
先生の寝室から明らかに情事中の声が聞こえて俺の緊張は一気に高まった。
「はぁ……はぁ」
息が荒くなり、体が辛い。
俺は急いで買ってきたものを袋ごと冷蔵庫に突っ込んで、自分の部屋に戻り鍵をかけた。
「はぁ……はぁ……ぁ、なんで……」
まだヒートは1週間は先のはずなのに、体はヒートのように熱って後孔はアルファを受け入れようと勝手に濡れる。
転がるようにしてやっとのことで抑制剤の場所までたどり着いた俺は、震える手で注射状の抑制剤を太腿に打ち込んだ。
突発的なヒートだし、注射状の抑制剤なら1分もあれば治るはず。
けれどその1分がとんでもなく長く感じた。
「ぁ、先生……はぁ……はぁセンセ」
治るまで間、後ろに指を這わせて自分を慰める。
好きな人と一緒に暮らせているのに、その人の他の人との情事を聞いて、ヒートになって自分を慰めているのって、とても滑稽だ。
先生に気づかれていなければいいけど、先生はアルファだから匂いで気づいちゃうかもしれない。
「ぁっ、はぁ……んん」
抑制剤のおかげで、一度達した体はスッと熱が覚めて、余計に虚しくなる。
手には勝手に持ってきてしまった先生のシャツが握られていた。
気怠すぎる体を無理やり起こして、部屋を出ると、2人はもう家を出て行った後だった。
先生のシャツを洗濯機に入れて回した。
「1枚だけで回すなんてもったいないなぁ」
そんな事を呟いてみて、余計虚しくなった。
冷蔵庫から買い物袋を取り出して、それをきちんと並べて入れた。
今日の夜ご飯はオムライスだからそろそろご飯を炊かないと。
そうして準備している間に先生は帰ってきた。
玄関に走って行ってお出迎えをした。
「先生先生先生!! お帰りなさい! 今日はオムライスだよ!」
「っ……ああ、そうか。ただいま」
先生は驚いた顔をしてぎこちない返事をよこした。
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俺がいつも通りにすれば、先生もいつも通りに俺を受け入れてくれた。
「どう? 先生の好きなオムライスと同じ? それとも改善点ある?」
「うまいよ。やっぱりお前は料理上手だな」
「本当!? 嬉しいなぁ。先生好き!」
「……はいはい」
先生は困ったように笑った。
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