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10 嫌がらせ
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バシャン!!!
「うぇっ!? 冷たっ」
午後の授業に向かうため、校舎の横を突っ切って歩いていると、なんと上から水が降ってきた。
どうやら校舎の2階の窓から水をかけたようだが、俺が上を向いた時にはすでにそこには人影は無かった。
「まどろっこしいなぁ!! 文句があるなら直接言えよ!」
叫んでみてももちろん誰も出てこない。
そりゃそうだ。
直接出てこられるようなやつなら、はなからこんなことをしたりはしないだろう。
「って、臭っ。これ水じゃねぇじゃん。まじアホか」
どうやらかけられたのは牛乳をまぜた水だったらしい。
しかも多分この牛乳は新鮮じゃない。
めんどくせぇなマジで。
これはもう授業欠席になるな。
俺は仕方なくその脇にあった水道に向かった。
下着までびしょびしょだ。
だがこんな場所で全裸になるわけにもいかない。
とりあえずは上着だけを脱いで頭から水をかぶる。
「冷てぇ~」
流石に4月といえど水をかぶれば冷たい。
「何をしている」
「はぁ? 見てわかんねぇの? 水浴びだよ」
後ろから声をかけられ、声のした方を見ることもせずに答えた。
まぁ、上裸で頭洗ってたら何をしてるのか聞きたくなるよね。分かるけど。
「なぜ水浴びをしている。この季節だ。水を浴びれば寒いだろう」
「いや、何故って聞かれても……ああっもう! てか。頭洗ってる最中に話しかけないでもらえる? あんまりよく聞こえないし」
いや、この人に切れても意味ないだろと心の中で自分を叱責しつつ、髪の毛を洗い終わったので顔を上げた。
そこにはえらく顔の整った目つきの悪い男が立っていた。
制服はかっちりと着込んでいるし、身長も高く見下ろされる形が気に食わない。いや、そもそもほとんどの男に見下ろされる身長ではあるが。
「なに? 俺になんか用? ああ、もしかしてさっきのやつ? 喧嘩売りに来たの?」
人にそういった嫌がらせをするようなタイプには見えないけど。
ギュッギュッと髪の毛を出来る限り絞りながら、そう言うと男は首を傾げた。
「さっきのやつ? というのではないが、タオルがないならこれを使え。小さいがないよりましだろう」
そう言ってハンカチを渡された。
なんだ。いいやつかよ。
これじゃ俺がめちゃくちゃ嫌なやつじゃんかよ。
クサクサした気持ちを振り払い、俺はそいつに笑顔をむけた。
「ありがとう。でもいいよ。どうせ、下も着替えないといけないから寮に帰るし。さっきは感じ悪くしてごめん。あんた良いやつだな」
「良いやつ……?」
「そんじゃあ、また会う機会があったら、なんかお礼させてよ。じゃあね」
そう言って寮に帰ってから、そういえば名前も学年も聞くの忘れたと気がついたが、まぁタオルも結局借りてないし大丈夫だろうと結論づけた。
「うぇっ!? 冷たっ」
午後の授業に向かうため、校舎の横を突っ切って歩いていると、なんと上から水が降ってきた。
どうやら校舎の2階の窓から水をかけたようだが、俺が上を向いた時にはすでにそこには人影は無かった。
「まどろっこしいなぁ!! 文句があるなら直接言えよ!」
叫んでみてももちろん誰も出てこない。
そりゃそうだ。
直接出てこられるようなやつなら、はなからこんなことをしたりはしないだろう。
「って、臭っ。これ水じゃねぇじゃん。まじアホか」
どうやらかけられたのは牛乳をまぜた水だったらしい。
しかも多分この牛乳は新鮮じゃない。
めんどくせぇなマジで。
これはもう授業欠席になるな。
俺は仕方なくその脇にあった水道に向かった。
下着までびしょびしょだ。
だがこんな場所で全裸になるわけにもいかない。
とりあえずは上着だけを脱いで頭から水をかぶる。
「冷てぇ~」
流石に4月といえど水をかぶれば冷たい。
「何をしている」
「はぁ? 見てわかんねぇの? 水浴びだよ」
後ろから声をかけられ、声のした方を見ることもせずに答えた。
まぁ、上裸で頭洗ってたら何をしてるのか聞きたくなるよね。分かるけど。
「なぜ水浴びをしている。この季節だ。水を浴びれば寒いだろう」
「いや、何故って聞かれても……ああっもう! てか。頭洗ってる最中に話しかけないでもらえる? あんまりよく聞こえないし」
いや、この人に切れても意味ないだろと心の中で自分を叱責しつつ、髪の毛を洗い終わったので顔を上げた。
そこにはえらく顔の整った目つきの悪い男が立っていた。
制服はかっちりと着込んでいるし、身長も高く見下ろされる形が気に食わない。いや、そもそもほとんどの男に見下ろされる身長ではあるが。
「なに? 俺になんか用? ああ、もしかしてさっきのやつ? 喧嘩売りに来たの?」
人にそういった嫌がらせをするようなタイプには見えないけど。
ギュッギュッと髪の毛を出来る限り絞りながら、そう言うと男は首を傾げた。
「さっきのやつ? というのではないが、タオルがないならこれを使え。小さいがないよりましだろう」
そう言ってハンカチを渡された。
なんだ。いいやつかよ。
これじゃ俺がめちゃくちゃ嫌なやつじゃんかよ。
クサクサした気持ちを振り払い、俺はそいつに笑顔をむけた。
「ありがとう。でもいいよ。どうせ、下も着替えないといけないから寮に帰るし。さっきは感じ悪くしてごめん。あんた良いやつだな」
「良いやつ……?」
「そんじゃあ、また会う機会があったら、なんかお礼させてよ。じゃあね」
そう言って寮に帰ってから、そういえば名前も学年も聞くの忘れたと気がついたが、まぁタオルも結局借りてないし大丈夫だろうと結論づけた。
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