代わりにくらいなれると思った

いちみやりょう

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水族館デート ※

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デートの前の日、俺は重鷹さんの部屋に泊まった。

「今日はカレーだ」
「やった! 俺、カレー大好きです!」

俺が1口食べるのを重鷹さんが凝視してくる。

「どうだ? うまいか?」
「うまいです! 今まで食べたカレーの中で一番美味しい!」
「食堂のよりか?」
「え? はい。食堂のより美味しいです!」
「そうか」

作ってくれた重鷹さんのほうが嬉しそうだ。

「重鷹さんは何でもできてかっこいいです」
「そんなことないが。カレーは食堂のより美味しく作れたみたいで良かった。もう食堂のカレーを食べる必要はないな」
「もしかしてこの間の食堂で食べたの、根に持ってます?」

にっこりと笑う重鷹さんが怖い。
とりあえずカレーはお代わりした。
食べ終わって重鷹さんに全身を洗われて、歯磨きまで重鷹さんにされた後、2人でソファで映画を見た。

「なぁ、カレー作ったご褒美くれるか?」

映画も終盤になった頃、重鷹さんが俺の耳元でささやいた。

「……ご褒美ですか? 俺があげられるものなら」
「柚紀。もう背中は大丈夫だろう? だから」

重鷹さんの言わんとしていることが分かって急に恥ずかしくなった。
でも、俺だってしたい。
重鷹さんの首に腕を回して抱きついて、意思表示をすると、重鷹さんはふっと笑って俺を横抱きにしてベットに運んでくれた。

「可愛い。柚紀」

俺の服をゆっくり脱がしながら重鷹さんが微笑んだ。
俺も負けじと重鷹さんの服に手を伸ばしてボタンを1つずつ外す。
久々すぎてうまく外せなかったけど、重鷹さんはそんな俺を優しく見守ってくれた。
重鷹さんは俺をひっくり返すとローションを纏わせた指で俺のアナルをじっくりじっくりと慣らす。
セフレの頃は俺が自分で準備してから来てたけど、付き合ってから準備は重鷹さんに任せることを約束させられた。

「ん……、しげ、た…か…さん。もっ、もう、むりぃ」
「なんだ?」
「いじわる……しない、でよ、んぁ、ぁぁあ、も、入れて……」
「まだだめだ」
「そんな」
「ほら……まだ、広げないと、はぁ、可愛いなぁ。柚紀」
「はや、くぅ、入れて。ねぇ、んん、ひぁ、も、十分ひろがった、からぁ」
「はぁ、分かった……。入れるぞ?」
「ひ、なに……ひゃあああぁぁぁ、んんっ!!!!」

背中の傷痕をレローンと舐められながら挿入された。
治りかけたそこは敏感になっているのかゾワゾワゾワと快感が走った。

「ちょ、んぁ、ま、って、んん、舐め、ぁぁっ!」
「気持ちい、な? 柚紀?」
「きもちぃ、んぁ、はぁ、んん……っぁ、あ、はぁ、しげたかさんっ、ん」
「はぁ、はぁ、ん、柚紀ん中、ドロドロ。はぁ、可愛い。気持ちい。柚紀、好きだ、愛してる」
「ぁぁっ!!、おれも、んんぁ、おれも、すきぃ、あいしてるぅ」
「はぁ、柚紀っ、柚紀っ、可愛い可愛いすぎる」

全身のありとあらゆる場所は、全部触られたし舐められたんじゃないかってくらいにされて俺はドロドロのベトベトのヘトヘトになった。
最後はお風呂に運ばれて、そこでも抱かれたけど、ヘトヘトの俺の体を綺麗にしてくれた。

朝、目が覚めたらやっぱり重鷹さんの腕の中だった。
重鷹さんも気持ちよさそうに眠ってる。

俺、今めちゃくちゃ幸せだ。
これが幸せってことなんだ。
恋をしたら世界に色が付くって本当だったんだ。
俺、ずっと重鷹さんといたい。改めてそう思った。

「起きたのか?」
「あ、はい。おはようございます!」
「おはよう。体は大丈夫か? 昨日はちょっとがっつきすぎた。ごめん」
「いえ! 平気です。というより、俺も背中怪我してる間も重鷹さんとしたいってずっと思ってたから」
「そうか。でも無理はしないでくれよ。まぁ今日は水族館だから、大丈夫だとは思うが」
「はい! 水族館楽しみです」
「俺も楽しみだ。じゃあそろそろ準備するか」
「はい。何だか夫婦みたいでドキドキしますね。同じ部屋からデートに行くなんて」
「そうだな」

重鷹さんも照れたようにニカっと笑ってくれた。

それから朝ごはんを一緒に食べて、一緒に部屋を出て、バスに乗って水族館に到着した。

「すっごい! 重鷹さん見て! でかい!!」
「うわっ、なんか、ゾワっとする見た目のやついる!」
「ペンギン! え!? 水族館ってペンギンいるの!?」

完全に一人ではしゃぎ回る俺を優しく見守る重鷹さん、あれ? デジャブ?

そして今回は2人でお揃いのイルカ型のカラビナキーホルダーを買った。
寮の鍵はこれに付けとこ。

「柚紀、少し歩いたところに海があるんだが、行かないか?」
「え? 海ですか? 行きます」
「よし。こっちだ」
「はい!」
「そういえばもう柚紀も2年になるんだなぁ」

海に向かいながら重鷹さんがポツリとつぶやいた。

「重鷹さんも3年生になりますね。今年はいろんなことがありましたね」
「そうだな。怒涛の一年だった。今年入ってくる1年生に、俺の近所に住んでる幼なじみがいるんだ」
「へぇ。仲がいいんですか?」
「ああ。少しわがままなところはあるが昔から俺に懐いてくれる可愛いやつなんだ。2つ年下だし、俺は兄弟がいないから弟のように接してきた」
「それは入学してくるのが楽しみですね」
「ああ。」

重鷹さんは本当に嬉しそうだ。
俺も重鷹さんが弟のように可愛がっているその子が入学するのが楽しみになった。
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