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咲夜サイド2
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見知らぬ男といちゃつく伊月を見て、俺の微かにあった理性も消えた。
男の前で見せつけるように伊月にキスをしてから、近くの小屋に運び込み、体調が悪いのだと言う伊月を無視してその体を無理やり押し開いた。
言葉や態度で俺を受け入れなくても、伊月のそこは俺を簡単に受け入れる。
けれど、その後も良くならない伊月の体調に流石の俺も申し訳ない気持ちになり、1ヶ月も看病をしに小屋に通った。
それからも梨乃を怯える伊月のために伊月の元に食事を運んだ。
梨乃がいるから俺を受け入れることはないと喚く伊月は可愛くない。
俺に従って、大人しく俺のそばにいれば良いのに。
抵抗されるならと、仕方なく伊月を縛り上げ体をつなげた。
「くっ……イク。出すぞっ……」
そう言って腰を打ち付けると、伊月は必死な様子で抵抗した。
「まっ、だめです! 中はぁ、んぁ、だめ! ぁぁ、出来ちゃうから! 赤ちゃ、出来ちゃうから」
言っていることは可愛いが、抵抗する理由としてはバカすぎる。
「ははっ。お前、気持ち良すぎて頭おかしくなったのか? 出来るわけねぇだろ」
伊月を見下ろしてそう言うと、伊月は涙目になった。
「……違う! 僕はっ、んっぁ、旦那様に……あぁぁ、妊娠出来る体になる薬を……ぁあ飲まされたんです」
「なに?」
妊娠できる薬?
そんなものがあったのか。
伊月が嘘を言っている様子はなく、それが本当のことなのだと信じられた。
ならば、俺の子を産むのは伊月でいい。
「本当です……。でも今は梨乃様がいらっしゃるから、子供ができたらここから追い出されてしまうんです」
伊月を追い出すのは俺が許すわけがない。
「はっ……なら……孕め。安心しろ。お前は一生ここで飼ってやるから」
「っ!? んぁぁあ……まって……やだっ」
それから伊月を好きなだけ揺さぶり、伊月はいつの間にか気を失っていた。
本当に、俺と伊月の子ができたら可愛いだろう。
何としても伊月に俺の子を孕ませたい。
こんな庭の片隅の小屋に居るのでは、監視の目もなく逃げようと思えばすぐにここから逃げ出してしまうだろう。
かと言って本邸に返せば親がうるさい。
俺は寝ている伊月の足をひと撫でしてから足に鎖を繋いだ。
それから俺は伊月を毎晩抱いた。
早く伊月を孕ませて俺の子を生ませたい。
けれどその頃、気まぐれに抱いていた梨乃が妊娠したと言って来た。
正直に言うとめんどくさい。
俺には梨乃との子など必要ないのに、子が出来たからと以前よりも纏わり付かれるのはうんざりだった。
だが、梨乃に子が出来たと言ったら流石に伊月も焦るかもしれない。
嫉妬もするかもしれないし、子作りにももう少し協力的になるかもしれない。
「梨乃が妊娠した」
伊月の足の鎖を繋いでいる部分を拭いながら伊月に報告しても伊月は何の感情も見せなかった。
「そうですか……おめでとうございます」
「お前も急がないとな」
伊月が梨乃に対するちゃんと自覚するようにそう言っても伊月はあまりよく分かっていなそうだ。
「僕は」
「なぁ……俺は、梨乃との子ではなく、お前との子が欲しいんだ。そうだな、きっとお前との子は女の子だ。可愛い子が産まれる。そしたら美香と名付けよう……な?」
俺と、伊月と、美香と、3人でずっと過ごして来たのだから、もう一人の補充が必要だ。
その後は、やっと伊月も自覚したのか俺の機嫌をとるように可愛い顔で笑いかけ従順だった。
「伊月、トイレから出たらもう一回しような、お前も早く子供が欲しいだろ」
「はい、咲夜様との子供と会えるのが楽しみです」
トイレに入った伊月に話しかけると何とも嬉しく可愛らしいことを言って来て俺は最高の気分だった。
けれどいつまで経っても中から出てこない伊月に、お腹でも壊しているのかと心配になり話しかけても、何の返事も帰ってこなくなった。
小屋のトイレのドアは少し強めに引っ張っただけでも簡単に壊れて開いた。
「くそっ」
トイレの中には伊月の姿はなく、壁の下に小さく掘られた穴があり、そこから逃げ出したのだろうと分かった。
すぐさま父親を叩き起こして伊月が逃げたことを伝え、探すための人を頼もうした。
「そんなもの、放っておけ。どうせここを離れても1人で生きていけるほどの力もあるまい。腹が減れば自分で帰ってくるだろう。それにもう梨乃さんにも子ができたことだし伊月に利用価値などないだろう」
父親は伊月に興味はないようで、もう一度布団に潜り込んで寝ようとした。
「ダメだ。今すぐ探さないと」
だが、どんなに頼み込んでも親父は協力してくれず、親父が動かなければ使用人たちも動かすこともできず、俺は一人途方にくれた。
自分一人で探すにはあまりにも広い範囲で、けれど協力者もいない俺は1人で探しに出た。
次の日の夜まで探しても伊月のことを見つけることはできなかった。
男の前で見せつけるように伊月にキスをしてから、近くの小屋に運び込み、体調が悪いのだと言う伊月を無視してその体を無理やり押し開いた。
言葉や態度で俺を受け入れなくても、伊月のそこは俺を簡単に受け入れる。
けれど、その後も良くならない伊月の体調に流石の俺も申し訳ない気持ちになり、1ヶ月も看病をしに小屋に通った。
それからも梨乃を怯える伊月のために伊月の元に食事を運んだ。
梨乃がいるから俺を受け入れることはないと喚く伊月は可愛くない。
俺に従って、大人しく俺のそばにいれば良いのに。
抵抗されるならと、仕方なく伊月を縛り上げ体をつなげた。
「くっ……イク。出すぞっ……」
そう言って腰を打ち付けると、伊月は必死な様子で抵抗した。
「まっ、だめです! 中はぁ、んぁ、だめ! ぁぁ、出来ちゃうから! 赤ちゃ、出来ちゃうから」
言っていることは可愛いが、抵抗する理由としてはバカすぎる。
「ははっ。お前、気持ち良すぎて頭おかしくなったのか? 出来るわけねぇだろ」
伊月を見下ろしてそう言うと、伊月は涙目になった。
「……違う! 僕はっ、んっぁ、旦那様に……あぁぁ、妊娠出来る体になる薬を……ぁあ飲まされたんです」
「なに?」
妊娠できる薬?
そんなものがあったのか。
伊月が嘘を言っている様子はなく、それが本当のことなのだと信じられた。
ならば、俺の子を産むのは伊月でいい。
「本当です……。でも今は梨乃様がいらっしゃるから、子供ができたらここから追い出されてしまうんです」
伊月を追い出すのは俺が許すわけがない。
「はっ……なら……孕め。安心しろ。お前は一生ここで飼ってやるから」
「っ!? んぁぁあ……まって……やだっ」
それから伊月を好きなだけ揺さぶり、伊月はいつの間にか気を失っていた。
本当に、俺と伊月の子ができたら可愛いだろう。
何としても伊月に俺の子を孕ませたい。
こんな庭の片隅の小屋に居るのでは、監視の目もなく逃げようと思えばすぐにここから逃げ出してしまうだろう。
かと言って本邸に返せば親がうるさい。
俺は寝ている伊月の足をひと撫でしてから足に鎖を繋いだ。
それから俺は伊月を毎晩抱いた。
早く伊月を孕ませて俺の子を生ませたい。
けれどその頃、気まぐれに抱いていた梨乃が妊娠したと言って来た。
正直に言うとめんどくさい。
俺には梨乃との子など必要ないのに、子が出来たからと以前よりも纏わり付かれるのはうんざりだった。
だが、梨乃に子が出来たと言ったら流石に伊月も焦るかもしれない。
嫉妬もするかもしれないし、子作りにももう少し協力的になるかもしれない。
「梨乃が妊娠した」
伊月の足の鎖を繋いでいる部分を拭いながら伊月に報告しても伊月は何の感情も見せなかった。
「そうですか……おめでとうございます」
「お前も急がないとな」
伊月が梨乃に対するちゃんと自覚するようにそう言っても伊月はあまりよく分かっていなそうだ。
「僕は」
「なぁ……俺は、梨乃との子ではなく、お前との子が欲しいんだ。そうだな、きっとお前との子は女の子だ。可愛い子が産まれる。そしたら美香と名付けよう……な?」
俺と、伊月と、美香と、3人でずっと過ごして来たのだから、もう一人の補充が必要だ。
その後は、やっと伊月も自覚したのか俺の機嫌をとるように可愛い顔で笑いかけ従順だった。
「伊月、トイレから出たらもう一回しような、お前も早く子供が欲しいだろ」
「はい、咲夜様との子供と会えるのが楽しみです」
トイレに入った伊月に話しかけると何とも嬉しく可愛らしいことを言って来て俺は最高の気分だった。
けれどいつまで経っても中から出てこない伊月に、お腹でも壊しているのかと心配になり話しかけても、何の返事も帰ってこなくなった。
小屋のトイレのドアは少し強めに引っ張っただけでも簡単に壊れて開いた。
「くそっ」
トイレの中には伊月の姿はなく、壁の下に小さく掘られた穴があり、そこから逃げ出したのだろうと分かった。
すぐさま父親を叩き起こして伊月が逃げたことを伝え、探すための人を頼もうした。
「そんなもの、放っておけ。どうせここを離れても1人で生きていけるほどの力もあるまい。腹が減れば自分で帰ってくるだろう。それにもう梨乃さんにも子ができたことだし伊月に利用価値などないだろう」
父親は伊月に興味はないようで、もう一度布団に潜り込んで寝ようとした。
「ダメだ。今すぐ探さないと」
だが、どんなに頼み込んでも親父は協力してくれず、親父が動かなければ使用人たちも動かすこともできず、俺は一人途方にくれた。
自分一人で探すにはあまりにも広い範囲で、けれど協力者もいない俺は1人で探しに出た。
次の日の夜まで探しても伊月のことを見つけることはできなかった。
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