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眠くても、気絶しても許してはもらえずに、お昼になって銀次さんは僕を風呂場に運んだ。
もう体力の限界で、これ以上したらいつ動ける体に戻れるのか分からないくらいになりそうで怖かった。
風呂場についてからは銀次さんは僕を椅子に座らせて丁寧に体を洗ってくれた。
柔らかいボディタオルにボディソープを出して泡立たせたもので、優しく体を洗われるのはとても心地良くて、先ほどまでの疲れもあってか僕はウトウトとしてしまった。
シャワーで体を洗い流される感覚で意識を浮上させると、今度はお湯を張った湯船に入れられてポカポカで気持ちがいい。
そこから仰向けに湯船の淵に頭を乗せられて、銀次さんは僕の頭を洗い始めた。
何から何までしてもらえて、そのどれもが心地良くて、まるで王族にでもなった気持ちだ。
銀次さんはそのあと、自分の体も洗って湯船に入ってきた。
2人で入っても十分にスペースのある湯船なのに、銀次さんはぴったりと僕にくっついてきた。
「ごめんね、少しやりすぎてしまった」
銀次さんが本当に反省しているようにポツリとこぼした。
「いえっ。銀次さんに求められるのは嬉しいです……。それに僕が銀次さんを信じきれなかったことが原因ですし」
「そうは言っても、今日のはやりすぎちゃったな。もう二度とこんな無茶はしないよ。伊月くんが俺の前からこっそり居なくならない限りは」
「……っ、はい。もちろん、今後はこっそり居なくなったりしません」
「それなら安心だ」
銀次さんはニコリと笑って僕を見た。
「だけど、『もっといじめてください』って、あれはビックリしたな」
からかうような声でそう言われて恥ずかしくなった。
「あ、あれは……、銀次さんが、その、そういうプレイが好きなのかと思って」
「え?」
「今までの普通のプレイじゃ満足してもらえてなかったんだと思って、でも、銀次さんがちゃんと満足できるエッチがしたいと思って」
そう言うと、銀次さんは珍しく慌て出した。
「あ、あれは俺の趣味のプレイではないよ!? ただちょっと恥ずかしがったりする伊月くんはかわいいと思うけど、俺だって今までの普通のプレイで満足してたからっ」
「そうなんですか?」
「そうだよ……。でも、可愛かったからたまにはそういうプレイもしたいな。どう?」
ニヤリと僕をからかうようにそう提案してきた銀次さんは、先ほど一瞬慌ててたことなど嘘のように余裕を醸し出していた。
「僕は、銀次さんが喜んでくれるなら……その、したい、です」
「っ……。伊月くん……君って子は」
銀次さんは困り果てた声を出したけど、案外満更でもなさそうに見えたので、そのプレイをする事になるのも時間の問題かもと思った。
しばらくして、僕を浴槽から抱え上げた銀次さんは僕を脱衣所の椅子に座らせてバスタオルで全身を拭いてくれた。
髪もドライヤーで乾かして、いつの間に買ったのかワンピースみたいなパジャマを上からかぶせて着せてくれた。
ベットのシーツも変えてくれて、正直椅子に座ったりするのも腰が辛いので、ベットに寝かせてもらった時は安心した。
銀次さんも横に来て、僕に腕枕をしてくれた。
やっぱり、病院の先生をしているからか面倒見が良くて、具合の悪い人を放っては置けない性格なのかもしれない。
そこまで考えたけど、もう極限に眠くて意識を失うように眠りについた。
目が覚めても、今までの幸せな日々が続いていくんだ。
銀次さんがいて、繋心がいて、3人で仲良く暮らしていける。
これは紛れもなく僕が手にしてもいい幸せなんだ。
銀次さんがそう信じさせてくれた。
咲夜様のところから逃げ出してよかった。
あの場所では何の感情もない物のように扱われていたけど、あそこから逃げ出して、銀次さんに出会えて繋心に出会えた。僕は2人に幸せをもらってるし、僕も2人に幸せをあげたい。
今の僕は胸を張って言える。僕の人生最高だ。
もう体力の限界で、これ以上したらいつ動ける体に戻れるのか分からないくらいになりそうで怖かった。
風呂場についてからは銀次さんは僕を椅子に座らせて丁寧に体を洗ってくれた。
柔らかいボディタオルにボディソープを出して泡立たせたもので、優しく体を洗われるのはとても心地良くて、先ほどまでの疲れもあってか僕はウトウトとしてしまった。
シャワーで体を洗い流される感覚で意識を浮上させると、今度はお湯を張った湯船に入れられてポカポカで気持ちがいい。
そこから仰向けに湯船の淵に頭を乗せられて、銀次さんは僕の頭を洗い始めた。
何から何までしてもらえて、そのどれもが心地良くて、まるで王族にでもなった気持ちだ。
銀次さんはそのあと、自分の体も洗って湯船に入ってきた。
2人で入っても十分にスペースのある湯船なのに、銀次さんはぴったりと僕にくっついてきた。
「ごめんね、少しやりすぎてしまった」
銀次さんが本当に反省しているようにポツリとこぼした。
「いえっ。銀次さんに求められるのは嬉しいです……。それに僕が銀次さんを信じきれなかったことが原因ですし」
「そうは言っても、今日のはやりすぎちゃったな。もう二度とこんな無茶はしないよ。伊月くんが俺の前からこっそり居なくならない限りは」
「……っ、はい。もちろん、今後はこっそり居なくなったりしません」
「それなら安心だ」
銀次さんはニコリと笑って僕を見た。
「だけど、『もっといじめてください』って、あれはビックリしたな」
からかうような声でそう言われて恥ずかしくなった。
「あ、あれは……、銀次さんが、その、そういうプレイが好きなのかと思って」
「え?」
「今までの普通のプレイじゃ満足してもらえてなかったんだと思って、でも、銀次さんがちゃんと満足できるエッチがしたいと思って」
そう言うと、銀次さんは珍しく慌て出した。
「あ、あれは俺の趣味のプレイではないよ!? ただちょっと恥ずかしがったりする伊月くんはかわいいと思うけど、俺だって今までの普通のプレイで満足してたからっ」
「そうなんですか?」
「そうだよ……。でも、可愛かったからたまにはそういうプレイもしたいな。どう?」
ニヤリと僕をからかうようにそう提案してきた銀次さんは、先ほど一瞬慌ててたことなど嘘のように余裕を醸し出していた。
「僕は、銀次さんが喜んでくれるなら……その、したい、です」
「っ……。伊月くん……君って子は」
銀次さんは困り果てた声を出したけど、案外満更でもなさそうに見えたので、そのプレイをする事になるのも時間の問題かもと思った。
しばらくして、僕を浴槽から抱え上げた銀次さんは僕を脱衣所の椅子に座らせてバスタオルで全身を拭いてくれた。
髪もドライヤーで乾かして、いつの間に買ったのかワンピースみたいなパジャマを上からかぶせて着せてくれた。
ベットのシーツも変えてくれて、正直椅子に座ったりするのも腰が辛いので、ベットに寝かせてもらった時は安心した。
銀次さんも横に来て、僕に腕枕をしてくれた。
やっぱり、病院の先生をしているからか面倒見が良くて、具合の悪い人を放っては置けない性格なのかもしれない。
そこまで考えたけど、もう極限に眠くて意識を失うように眠りについた。
目が覚めても、今までの幸せな日々が続いていくんだ。
銀次さんがいて、繋心がいて、3人で仲良く暮らしていける。
これは紛れもなく僕が手にしてもいい幸せなんだ。
銀次さんがそう信じさせてくれた。
咲夜様のところから逃げ出してよかった。
あの場所では何の感情もない物のように扱われていたけど、あそこから逃げ出して、銀次さんに出会えて繋心に出会えた。僕は2人に幸せをもらってるし、僕も2人に幸せをあげたい。
今の僕は胸を張って言える。僕の人生最高だ。
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