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5年後

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「お父さーん、見てほら! 僕が作ったきゅうりだよ!」

僕に向かってきゅうりを掲げ持って走ってくる繋心に転ばないかと心配になる。

「繋心、あんまり走ると危ないよ……うわあ、すごいね。大きくて美味しそう。今日の夕飯に出してパパにも食べてもらおうね」
「うんっ!!」

あれから5年が経ち、繋心は5歳になった。
ちゃんと愛情を持って育てられるのか不安に思っていたこともあるけど、そんな心配は喜憂で、実際は繋心が愛おしくてたまらない。

「ただいま~。2人とも庭にいたんだね」
「あれ、銀次さんお帰りなさい。今日は早かったんですか!?」
「うん。急なんだけど午後から休みにしちゃった」

銀次さんはへへっと笑った。銀次さんはたまにこうやって午後から休みにしたり、銀次さんが必ずいないといけない日じゃないときは休んだりして僕たちとの時間を作ってくれている。自分の病院だからと自由にしているけど、もちろん患者さんの容態によっては急な呼び出しも多くて一緒にいられる時間はかなり大事だ。

「パパ! パパ! 見て! これ僕が作ったきゅうりなんだよ!」
「おお、すごいね繋心。もうこんな立派なのがなったのかい」
「うん! すごいでしょぉ! 一緒に夜ご飯に食べてくれる?」
「もちろん。楽しみにしておくね」

ふわりと笑った銀次さんに頭を撫でられて、繋心はご満悦な表情だ。

夕飯にきゅうりをサラダにして出して、3人で食べて寝る支度をしたら、繋心はご満悦のまま自分の部屋に帰って行った。

繋心が4歳になった時、階段を上がって一番奥の、もともと銀次さんが使っていた部屋を繋心の部屋にした。
僕と銀次さんは1階の奥の部屋に一緒に住んでいるので、たまに寂しくなった繋心が部屋に訪れる時以外は銀次さんと2人きり。
始まりが始まりだっただけに2人きりという状況に慣れていなくて僕だけが毎日ドキドキしてしまって少し恥ずかしいのでバレないように必死だった。

「繋心はいい子に育ったね。やっぱり伊月くんの育て方がいいからかな」

僕を腕に抱きながら銀次さんが心地いい声で言った。

「銀次さんも一緒に育ててくださってるでしょ」
「俺は家にいる時間も少ないし、伊月くんに負担をかけてないか不安だな」
「そんなこと。銀次さんはいつも時間を見つけて僕たちとの時間をとってくださってていつも感謝してるんです」
「伊月くんは優しいな」
「んっ」

穏やかに話しながら胸を触られて思わず声が出てしまった。

「ぁ、繋心が、来るかも」

不安を口に出すと銀次さんはフッと笑った。

「ここ3ヶ月は夜にこの部屋に来てないね。今日も来ないんじゃないかな。繋心はいい子で強い子だから頼もしいな……俺はもう寂しくて我慢できないんだけど?」
「ひゃんっ」

乳首を摘まれて変な声をあげてしまうと、銀次さんはたくし上げていた僕のパジャマを一回おろして、ボタンを開け始めた。

「俺だって繋心が大好きだし大切だよ。だけどね、5年もずっと生殺しなんだ。いつもいいところで繋心が来て最後までできないでしょう? 今日は最後までしよう。ね?」

切羽詰まったような顔で真面目にそんなことを言う銀次さんに僕は申し訳なくなった。
そして銀次さんの目からは決して拒否できない圧を感じた。

いや、実を言うと僕だってずっと銀次さんとイチャイチャしたいと思ってた。
僕のそれはもう期待してギチギチに固くなっているし、後孔はジュクジュクに濡れていた。
銀次さんは僕のそこに性急に指を入れて慣らそうとしてくれている。

「銀次さんっ、そんなのもういいからっ、僕も……ほしいっ」
「ああっ、伊月くん。悪い子だ。ちゃんと慣らさないと辛いのは伊月くんだよ」
「銀次さんがほしいっ。くれない方が辛いっ……お願いです」

早く早くと急き立てると銀次さんは低く唸り声をあげて僕の後孔にゆっくりと侵入してきた。

「あぁぁッ……ん」
「ああ、伊月くん……やっとだ……」
「ひぁ、ん……あっぅ」

銀次さんはゆっくりと動きながら的確に僕の前立腺を突いてきて腰のあたりにゾワゾワとした快感がずっと続くような感覚になった。
銀次さんが言っていたように、僕たちは初めての子育てでてんやわんやしてあれからまともなセックスをしていない状態で、今この時が6年ぶりくらいのまともなセックスだった。
決して愛情が覚めたわけではないのに、長い長いセックスレスのような状態に陥ってしまって、お互いに我慢が効かなくなり、次の日の僕は生まれたての小鹿のように足がプルプルと震えてまともに立つことができなくなった。
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