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「俺、神宮寺さんが好きです。神宮寺さんが白木のことを好きだったことは知ってます。だから今俺のこと好きじゃなくても構わないんです。お試しでもいいから、付き合ってみませんか」
俺は一世一代の告白をした。
入社1年目の頃からずっと好きだった神宮寺さん。
神宮寺さんが秘書課の美人で有名な白木のことを好きだと言うのは知っていた。
だって神宮寺さんのことを1年間も追いかけていたから。
神宮寺さんは会社の3個上の先輩だ。
兄貴って感じで優しくて頼れるかっこいい人だし、見た目も鼻筋が通ってクールな印象のイケメンだし。
俺にはチャンスなんてないって諦めていたんだけど、最近白木に彼氏ができたと噂になった。
そしてその相手は神宮寺さんじゃなかった。
もちろん白木は女性で、神宮寺さんはノンケだけど、俺の可愛さを持ってすれば寂しさを紛らわすために付き合うくらいしてくれるはずと勇気を持って告白してみた。
「お前、ゲイだったのか?」
神宮寺さんは少し驚いてはいるものの、嫌悪感を抱いている様子はない。
「はい」
「分かった。だが、俺は中野のこと、好きにならないかもしんねぇぞ?」
「それでもいいです! 好きになってもらえるように頑張ります」
「そうか」
そうして俺は、神宮寺さんに付き合ってもらえることになった。
「んじゃあ、まぁ、後輩のお前しか知らねぇし、デートでもすっか」
「え! いいんですか」
「良いも何も、付き合ってんだからデートくらい行くだろ? お前が言ったのはそう言う意味での付き合うってことだろ?」
「そ、そうです! やったぁ。嬉しいです! じゃあ、どこに行きますか? 行きたいとこありますか?」
「知り合いから貰って映画のギフトカード持ってんだよ。だから映画とかどうだ?」
映画……まさしくデートじゃないすかぁ。
嬉しい。わーい。
「行きたいです!!」
「よし、じゃあ決まりだな」
そんな感じで、初デートは映画に行った。
切ない感じの映画でもなんでもなかったんだけど、どこに感動したのか神宮寺さんは号泣してた。
映画が終わったあと神宮寺さんは号泣したことを少し恥ずかしげにしてたけど、すぐに感情移入しちゃって泣けるところが、俺にはない魅力に感じてやっぱかっこいいなぁと思った。
神宮寺さんは道端で困ってる人がいたらすぐに声をかけて助けようとする。
おばあさんの荷物は家まで運んであげたりするし。
デート中も何回か人助けしてた。
神宮寺さんのそういう良いところが本当に好きだし尊敬してる。
だって俺は絶対人助けなんてしようと思えない。
無い物ねだりっていうのかな。だから俺は俺にない魅力を沢山持ってる神宮寺さんが大好きなんだ。
おうちデートも何回かした。
始めてのおうちデートの時、神宮寺さんの数少ない欠点の一つで、料理が壊滅的に出来ないということを知った。まぁ俺は神宮寺さんにできないことがあるのは少し嬉しかったから欠点だとは思っていないけど。
それからおうちデートの時は、俺が料理を作るか、惣菜を買ってくるか、デリバリーを頼むことにしている。
俺が作るといつも美味しそうに「うまい、うまい」ってほっぺをパンパンにしながら食べるのが嬉しかった。
料理ができないのに魚の骨を取り除くのはやたら得意みたいで、仕事終わりに居酒屋デートをする時に焼き魚を頼むといつも骨を取り除いてくれた。
酔い覚ましに家の近くを散歩しようとなった時も、やたらと長い足のくせに俺の歩調に合わせてゆっくり歩いてくれた。
楽しかったなぁ。
だけど。
倦怠期なんてまるでなかった俺たちは今日、別れることになる。
俺は一世一代の告白をした。
入社1年目の頃からずっと好きだった神宮寺さん。
神宮寺さんが秘書課の美人で有名な白木のことを好きだと言うのは知っていた。
だって神宮寺さんのことを1年間も追いかけていたから。
神宮寺さんは会社の3個上の先輩だ。
兄貴って感じで優しくて頼れるかっこいい人だし、見た目も鼻筋が通ってクールな印象のイケメンだし。
俺にはチャンスなんてないって諦めていたんだけど、最近白木に彼氏ができたと噂になった。
そしてその相手は神宮寺さんじゃなかった。
もちろん白木は女性で、神宮寺さんはノンケだけど、俺の可愛さを持ってすれば寂しさを紛らわすために付き合うくらいしてくれるはずと勇気を持って告白してみた。
「お前、ゲイだったのか?」
神宮寺さんは少し驚いてはいるものの、嫌悪感を抱いている様子はない。
「はい」
「分かった。だが、俺は中野のこと、好きにならないかもしんねぇぞ?」
「それでもいいです! 好きになってもらえるように頑張ります」
「そうか」
そうして俺は、神宮寺さんに付き合ってもらえることになった。
「んじゃあ、まぁ、後輩のお前しか知らねぇし、デートでもすっか」
「え! いいんですか」
「良いも何も、付き合ってんだからデートくらい行くだろ? お前が言ったのはそう言う意味での付き合うってことだろ?」
「そ、そうです! やったぁ。嬉しいです! じゃあ、どこに行きますか? 行きたいとこありますか?」
「知り合いから貰って映画のギフトカード持ってんだよ。だから映画とかどうだ?」
映画……まさしくデートじゃないすかぁ。
嬉しい。わーい。
「行きたいです!!」
「よし、じゃあ決まりだな」
そんな感じで、初デートは映画に行った。
切ない感じの映画でもなんでもなかったんだけど、どこに感動したのか神宮寺さんは号泣してた。
映画が終わったあと神宮寺さんは号泣したことを少し恥ずかしげにしてたけど、すぐに感情移入しちゃって泣けるところが、俺にはない魅力に感じてやっぱかっこいいなぁと思った。
神宮寺さんは道端で困ってる人がいたらすぐに声をかけて助けようとする。
おばあさんの荷物は家まで運んであげたりするし。
デート中も何回か人助けしてた。
神宮寺さんのそういう良いところが本当に好きだし尊敬してる。
だって俺は絶対人助けなんてしようと思えない。
無い物ねだりっていうのかな。だから俺は俺にない魅力を沢山持ってる神宮寺さんが大好きなんだ。
おうちデートも何回かした。
始めてのおうちデートの時、神宮寺さんの数少ない欠点の一つで、料理が壊滅的に出来ないということを知った。まぁ俺は神宮寺さんにできないことがあるのは少し嬉しかったから欠点だとは思っていないけど。
それからおうちデートの時は、俺が料理を作るか、惣菜を買ってくるか、デリバリーを頼むことにしている。
俺が作るといつも美味しそうに「うまい、うまい」ってほっぺをパンパンにしながら食べるのが嬉しかった。
料理ができないのに魚の骨を取り除くのはやたら得意みたいで、仕事終わりに居酒屋デートをする時に焼き魚を頼むといつも骨を取り除いてくれた。
酔い覚ましに家の近くを散歩しようとなった時も、やたらと長い足のくせに俺の歩調に合わせてゆっくり歩いてくれた。
楽しかったなぁ。
だけど。
倦怠期なんてまるでなかった俺たちは今日、別れることになる。
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