器量なしのオメガの僕は

いちみやりょう

文字の大きさ
上 下
27 / 43

25 ※

しおりを挟む
「本当によかったの?」

顔合わせも終わり、四宮の運転する帰りの車の中で四宮が尋ねた。

「え?」
「パーティー。断っても良かったんだよ?」

顔合わせの途中で、千秋は四宮の両親からパーティーに誘われていた。
名門のアルファ家系や、名門のオメガ家系が多く参加するパーティーらしく、そのパーティーは、四宮の父の春成が言うには四宮の仕事にもプラスになるらしい。

「ううん。大丈夫だよ。それに春成さんも沙織さんもとても喜んでいたから、1回くらいはいいかなと思って」
「あの人たちは、パーティーで千秋を連れ回して自慢したいだけだよ。でも、千秋が疲れたらすぐに帰ろうね」
「ふふ。晴臣は過保護だなぁ」

そう言いつつ千秋は幸せを感じていた。

屋敷に帰り、千秋にあてがわれた部屋のベットにダイブすると、洗い立てのシーツの香りがした。
少しアルコールの入っていた千秋は、頬が熱っていて、冷たいシーツが心地いい。



「疲れたね」

ネクタイを緩めながら言った四宮が、熱っぽい瞳で千秋を見つめた。

「うん」
「千秋」
「んっ」

優しく口づけを落とされ、けれどすぐに荒々しく千秋の口内に舌が侵入してきた。

「ふぁ、んん」

四宮の手は千秋の体を優しく撫でつけながら千秋のまとっている服を簡単に取り去っていく。

「千秋、愛してる」
「んん、僕もぉ」
「千秋のここぷっくりしてて可愛いね」
「はぁ、ん」
「乳首で感じてるの、可愛い、ああ本当に可愛い」
「ぁ、ぁ、ああ」

千秋の乳輪の輪郭をなぞるように撫でたり、突起に触れるか触れないかで触られて、千秋の腰は浮き上がり、四宮に擦り付けるように動いた。
四宮はその様子を見て、嬉しそうに小さく笑って千秋の小さな突起に吸い付いた。

「ひゃ、ぁあっ……はる、んん」

ぴちゃぴちゃと四宮が千秋の突起を舌で弄ぶ音が部屋に響く。
それは、どんどん移動して脇、そして、ひじ、腕、指先と、舐められていった。
また戻ってきて、今度は腹、右足の付け根、内腿、膝、スネ、足先、四宮によって千秋は全身舐め尽くされた。

「ふぁ、んん、も……もぅ、もうはるおみぃ……っ」
「ん、動かないで。千秋は、全部俺のだから、マーキングしておかないと。ね」
「ぁあ!!」

下から戻ってきて、今度は左足の内腿を舐められているときに、ジュっと吸われて、千秋は性器に触れられてすらいないのに衝撃で達してしまった。
四宮は千秋の腹に飛び散ったそれ見て嬉しそうに笑い指で掬い取って、あろうことかペロリと舐めてしまった。

「なっ、えっ、なっ舐めた?」
「うん。千秋の美味しいよ」
「だ、ダメだよ! 汚いよ!」
「千秋が汚い訳ないでしょう?」

四宮は、まるでおかしなことを言っているのは千秋の方とでもいうような顔でそう言ってのけた。

「それにしても触ってないのにイくなんてほんと、可愛いね」
「んんっ」

後孔にそっと指を這わされて千秋はびくりと体を震わせた。
全身を舐められて、千秋の後孔はドロドロに蜜が溢れていた。
周りを撫でていた指がそっと侵入して、2本、3本と増えていき、バラバラに動くその指は千秋は意識が飛びそうなほど気持ちいい。

「ふ……んんっ、晴臣ぃ、もう入れて……ぁっ」
「もう?」
「んんっ……はやくぅ、っぁぁ」
「……分かった」
「ぁっ」

ずるりと指を抜かれて、四宮のそれがすぐに侵入してきた。

「ひっぁあぁあっ」
「ああ……気持ちいい、千秋、好きだよ」
「僕も、ぁ、晴臣、好きっ」
「千秋、もう俺の前から居なくならないでね」

四宮が真剣な声でそう言った。

「うんっ、もちろん……ぁっ、僕はっ、ずっと晴臣と一緒にいるよ」
「本当に? 俺の前からいなくなったら、俺は何をするか分からないよ」

結衣斗の時は、死んでしまって四宮から離れ、千秋としての人生でも四宮から離れる選択をした。千秋は、自分自身が四宮を不安にさせてしまっていることに気がついて、反省した。

「ぁっ、んんぁ、絶対、晴臣の前から居なくならないぃ、ん」

千秋は、四宮に必死に答えた。

「絶対だよ。千秋、約束」

四宮は千秋をそっと抱きしめ耳にそっとキスをして、千秋の奥で達した。
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

【完結】何一つ僕のお願いを聞いてくれない彼に、別れてほしいとお願いした結果。

N2O
BL
好きすぎて一部倫理観に反することをしたα × 好きすぎて馬鹿なことしちゃったΩ ※オメガバース設定をお借りしています。 ※素人作品です。温かな目でご覧ください。 表紙絵 ⇨ 深浦裕 様 X(@yumiura221018)

事故つがいの夫は僕を愛さない  ~15歳で番になった、オメガとアルファのすれちがい婚~【本編完結】

カミヤルイ
BL
2023.9.19~完結一日目までBL1位、全ジャンル内でも20位以内継続、ありがとうございました! 美形アルファと平凡オメガのすれ違い結婚生活 (登場人物) 高梨天音:オメガ性の20歳。15歳の時、電車内で初めてのヒートを起こした。  高梨理人:アルファ性の20歳。天音の憧れの同級生だったが、天音のヒートに抗えずに番となってしまい、罪悪感と責任感から結婚を申し出た。 (あらすじ)*自己設定ありオメガバース 「事故番を対象とした番解消の投与薬がいよいよ完成しました」 ある朝流れたニュースに、オメガの天音の番で、夫でもあるアルファの理人は釘付けになった。 天音は理人が薬を欲しいのではと不安になる。二人は五年前、天音の突発的なヒートにより番となった事故番だからだ。 理人は夫として誠実で優しいが、番になってからの五年間、一度も愛を囁いてくれたこともなければ、発情期以外の性交は無く寝室も別。さらにはキスも、顔を見ながらの性交もしてくれたことがない。 天音は理人が罪悪感だけで結婚してくれたと思っており、嫌われたくないと苦手な家事も頑張ってきた。どうか理人が薬のことを考えないでいてくれるようにと願う。最近は理人の帰りが遅く、ますます距離ができているからなおさらだった。 しかしその夜、別のオメガの匂いを纏わりつけて帰宅した理人に乱暴に抱かれ、翌日には理人が他のオメガと抱き合ってキスする場面を見てしまう。天音ははっきりと感じた、彼は理人の「運命の番」だと。 ショックを受けた天音だが、理人の為には別れるしかないと考え、番解消薬について調べることにするが……。 表紙は天宮叶さん@amamiyakyo0217

当たり前の幸せ

ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。 初投稿なので色々矛盾などご容赦を。 ゆっくり更新します。 すみません名前変えました。

【完結】たとえ彼の身代わりだとしても貴方が僕を見てくれるのならば… 〜初恋のαは双子の弟の婚約者でした〜

葉月
BL
《あらすじ》  カトラレル家の長男であるレオナルドは双子の弟のミカエルがいる。天真爛漫な弟のミカエルはレオナルドとは真逆の性格だ。  カトラレル家は懇意にしているオリバー家のサイモンとミカエルが結婚する予定だったが、ミカエルが流行病で亡くなってしまい、親の言いつけによりレオナルドはミカエルの身代わりとして、サイモンに嫁ぐ。  愛している人を騙し続ける罪悪感と、弟への想いを抱き続ける主人公が幸せを掴み取る、オメガバースストーリー。 《番外編 無垢な身体が貴方色に染まるとき 〜運命の番は濃厚な愛と蜜で僕の身体を溺れさせる〜》 番になったレオとサイモン。 エマの里帰り出産に合わせて、他の使用人達全員にまとまった休暇を与えた。 数日、邸宅にはレオとサイモンとの2人っきり。 ずっとくっついていたい2人は……。 エチで甘々な数日間。 ー登場人物紹介ー ーレオナルド・カトラレル(受け オメガ)18歳ー  長男で一卵性双生児の弟、ミカエルがいる。  カトラレル家の次期城主。  性格:内気で周りを気にしすぎるあまり、自分の気持ちを言えないないだが、頑張り屋で努力家。人の気持ちを考え行動できる。行動や言葉遣いは穏やか。ミカエルのことが好きだが、ミカエルがみんなに可愛がられていることが羨ましい。  外見:白肌に腰まである茶色の髪、エメラルドグリーンの瞳。中世的な外見に少し幼さを残しつつも。行為の時、幼さの中にも妖艶さがある。  体質:健康体   ーサイモン・オリバー(攻め アルファ)25歳ー  オリバー家の長男で次期城主。レオナルドとミカエルの7歳年上。  レオナルドとミカエルとサイモンの父親が仲がよく、レオナルドとミカエルが幼い頃からの付き合い。  性格:優しく穏やか。ほとんど怒らないが、怒ると怖い。好きな人には尽くし甘やかし甘える。時々不器用。  外見:黒髪に黒い瞳。健康的な肌に鍛えられた肉体。高身長。  乗馬、剣術が得意。貴族令嬢からの人気がすごい。 BL大賞参加作品です。

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

俺のこと好きになってよ! 【オメガバース】

いちみやりょう
BL
泉 嶺二(医者) × 結城 静  先生と初めて話した時は、初めて人間扱いをされたような気持ちだった。 だから俺は、雛鳥が初めて見たものを親だと思うように、俺を初めて人間にしてくれた先生に恋をした。 「先生先生っ、俺18歳になったら孤児院を追い出されるんだけど、そしたらさ、俺を雇ってよ! 俺家事できるし!」 「はぁ? てめぇの世話くらいてめぇでできるわ。アホ」 「で、でもでも、俺、オメガだし就職するの難しいんだよ。雇ってくれるところがないんだよ! ね? お願い!」 ーーー どれだけ好きだと言っても、先生は答えてくれない。 嫌がらせにあっているのだと言っても、信じてくれない。 先生の中で俺は、孤児で甘え方を知らないうるさいガキでしかなかった。 寂しくて、嫌がらせを受けているなんて嘘を吐くようなガキでしかなかった。 そんなとき、静は事故にあった ※主人公うるさめ ※話のつながりは特にありませんが、「器量なしのオメガの僕は」に出てくる泉先生のお話です。

α嫌いのΩ、運命の番に出会う。

むむむめ
BL
目が合ったその瞬間から何かが変わっていく。 α嫌いのΩと、一目惚れしたαの話。 ほぼ初投稿です。

【BL】声にできない恋

のらねことすていぬ
BL
<年上アルファ×オメガ> オメガの浅葱(あさぎ)は、アルファである樋沼(ひぬま)の番で共に暮らしている。だけどそれは決して彼に愛されているからではなくて、彼の前の恋人を忘れるために番ったのだ。だけど浅葱は樋沼を好きになってしまっていて……。不器用な両片想いのお話。

処理中です...