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5.もっと早く気づけばよかった
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逃げ帰るように、自室に帰ってきて真っ先に目に飛び込んだのは、窓から入ってきたであろう弱り果てた姿のぴーちゃんだった。
「ぴーちゃん!? どうしたの」
ーーぴ
鳴く気力もなさそうで、僕はそっとぴーちゃんを抱き上げて自分のベットに運んだ。
水を飲ませて布団をかけて暖かくしてあげるけど、それ以外で何をすればいいのか分からない。
水でふやかしたパンを口元に運んでも食べてはくれなかった。
ーーぴ……ぴぃ
そうして、最後に一声鳴いてぴーちゃんの姿はスーッと消えて行ってしまった。
「あ、あぁ。なんで……ぴーちゃん……ぁあ」
魔物は死ぬときに死体を残さないと聞く。
だから、もしかしたらぴーちゃんは魔物だったのかもしれない。
魔物は人間の世界では嫌われているけど、僕はぴーちゃんが魔物だったとしてもなんでもよかった。ただ、ずっと一緒にいてくれればそれでよかったのに。
「ぅぅ……、ぴーちゃん、ぴーちゃん」
『あなたに可愛がられたから、死期が早まってしまったのですよ』
「あ……」
昔、使用人に言われた言葉を思い出した。
小さいときに飼ってたドブネズミが死んじゃったとき、使用人からそう言われたんだった。
『だから、もう何かを飼ってはダメですよ。わかりますよね? だってあなたにはそんな資格はないでしょう?』
そうだ。だからひょっとしたら、ぴーちゃんは僕の近くにいたから死んでしまったのかもしれない。
そうだ。きっとそうだ。
ああ、なんで忘れてしまっていたんだろう。
本当に僕は最低でバカな人間だ。
この血が悪いのなら、早く全て抜いてしまわなければ。
窓から外を覗く。
少し高さが足りないかもしれないけど、ここから落ちたらきっとたくさん血が出る。
そうしたら汚い僕はいなくなって、それで、きっとみんな僕を暖かい目で見てくれる。
ああ、なんでもっと早く気がつかなかったんだろう。
もっと早くこうしていればよかったんだ。
僕は躊躇うことなく、窓に足をかけ、外に跳びだした。
まるで鳥になった気分だった。
鳥のように羽ばたくことはできなくて、すぐに地面に叩きつけられちゃったけど。
ああ、でも、思った通りすごく血が出てる。
よかった、これできっと。
流れ出ている血の量に、僕は心の底からホッとして、安心してフッと意識を失った。
「ぴーちゃん!? どうしたの」
ーーぴ
鳴く気力もなさそうで、僕はそっとぴーちゃんを抱き上げて自分のベットに運んだ。
水を飲ませて布団をかけて暖かくしてあげるけど、それ以外で何をすればいいのか分からない。
水でふやかしたパンを口元に運んでも食べてはくれなかった。
ーーぴ……ぴぃ
そうして、最後に一声鳴いてぴーちゃんの姿はスーッと消えて行ってしまった。
「あ、あぁ。なんで……ぴーちゃん……ぁあ」
魔物は死ぬときに死体を残さないと聞く。
だから、もしかしたらぴーちゃんは魔物だったのかもしれない。
魔物は人間の世界では嫌われているけど、僕はぴーちゃんが魔物だったとしてもなんでもよかった。ただ、ずっと一緒にいてくれればそれでよかったのに。
「ぅぅ……、ぴーちゃん、ぴーちゃん」
『あなたに可愛がられたから、死期が早まってしまったのですよ』
「あ……」
昔、使用人に言われた言葉を思い出した。
小さいときに飼ってたドブネズミが死んじゃったとき、使用人からそう言われたんだった。
『だから、もう何かを飼ってはダメですよ。わかりますよね? だってあなたにはそんな資格はないでしょう?』
そうだ。だからひょっとしたら、ぴーちゃんは僕の近くにいたから死んでしまったのかもしれない。
そうだ。きっとそうだ。
ああ、なんで忘れてしまっていたんだろう。
本当に僕は最低でバカな人間だ。
この血が悪いのなら、早く全て抜いてしまわなければ。
窓から外を覗く。
少し高さが足りないかもしれないけど、ここから落ちたらきっとたくさん血が出る。
そうしたら汚い僕はいなくなって、それで、きっとみんな僕を暖かい目で見てくれる。
ああ、なんでもっと早く気がつかなかったんだろう。
もっと早くこうしていればよかったんだ。
僕は躊躇うことなく、窓に足をかけ、外に跳びだした。
まるで鳥になった気分だった。
鳥のように羽ばたくことはできなくて、すぐに地面に叩きつけられちゃったけど。
ああ、でも、思った通りすごく血が出てる。
よかった、これできっと。
流れ出ている血の量に、僕は心の底からホッとして、安心してフッと意識を失った。
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