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終わり
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「なんだよ。不服そうな顔して。俺と付き合うんだろ?」
「はい……でも俺は自分が許せなくて」
「許せない? なんで」
「どうせ付き合うことになるならもっと早くこうしていれば……マサの初めては俺だったのにって」
「はあ!?」
「いえ! わかってます。俺のわがままですから。あの、失礼ですが抱いた経験はありますか」
「は、え? なに?」
「だから、あの男には抱かれていたのでしょう? 抱いた経験はおありですか」
「ちょ、待てマジ意味わかんねぇんだけど」
「やっぱりありますよね。抱いた経験がないなら俺はマサの初めてがいただけると思ったのですが」
「おま、お前! 俺に抱かれるつもりか!? その図体で!?」
「俺は正直、始めてってことにこだわりはないと思ってました。でも、大切な人に初めての経験があるなら、それは俺とであって欲しいって……すみません。わがままが過ぎました。その年齢でマサほどの美貌の持ち主なら両方経験が」
「待て待て待て……その……」
「はい」
「ね……ねぇから」
「はい?」
「だからよ、どっちも経験ねぇから」
「え、でもホテルから……気を使わないでください」
「本当にねぇんだよ。な? 健とは添い寝だけの仲なんだ。人肌がねぇと眠れねぇんだと」
「……本当に……」
「ああ」
「では、どちらも俺とが初めてってことになるんですね?」
「どちらも……いや、まぁ……そう、だな? うん」
「嬉しいです」
そう言って笑った憲史の顔は俺が憲史に好きだと告げる前の憲史と同じだった。
俺はそれがすごく懐かしくて、嬉しくて、心が暖かくなったんだ。
完
この後の展開、憲マサになるのかマサ憲になるのか、リバになるのかはご想像にお任せします。
「はい……でも俺は自分が許せなくて」
「許せない? なんで」
「どうせ付き合うことになるならもっと早くこうしていれば……マサの初めては俺だったのにって」
「はあ!?」
「いえ! わかってます。俺のわがままですから。あの、失礼ですが抱いた経験はありますか」
「は、え? なに?」
「だから、あの男には抱かれていたのでしょう? 抱いた経験はおありですか」
「ちょ、待てマジ意味わかんねぇんだけど」
「やっぱりありますよね。抱いた経験がないなら俺はマサの初めてがいただけると思ったのですが」
「おま、お前! 俺に抱かれるつもりか!? その図体で!?」
「俺は正直、始めてってことにこだわりはないと思ってました。でも、大切な人に初めての経験があるなら、それは俺とであって欲しいって……すみません。わがままが過ぎました。その年齢でマサほどの美貌の持ち主なら両方経験が」
「待て待て待て……その……」
「はい」
「ね……ねぇから」
「はい?」
「だからよ、どっちも経験ねぇから」
「え、でもホテルから……気を使わないでください」
「本当にねぇんだよ。な? 健とは添い寝だけの仲なんだ。人肌がねぇと眠れねぇんだと」
「……本当に……」
「ああ」
「では、どちらも俺とが初めてってことになるんですね?」
「どちらも……いや、まぁ……そう、だな? うん」
「嬉しいです」
そう言って笑った憲史の顔は俺が憲史に好きだと告げる前の憲史と同じだった。
俺はそれがすごく懐かしくて、嬉しくて、心が暖かくなったんだ。
完
この後の展開、憲マサになるのかマサ憲になるのか、リバになるのかはご想像にお任せします。
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切ないけど展開が面白くて最後まで一気に読んでしまいました!今後の展開も想像が膨らみます!素敵な作品を書いていただきありがとうございました!
はー様
コメントありがとうございます😊
素敵な作品と言っていただけて嬉しいです(≧∀≦)
最後まで読んでくださりありがとうございました!