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薄い本2 ※リンタダ

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「っ」

はぁ、可愛い。可愛すぎる。

「凛太郎?」
「忠次、好き」
「ふふ、私も」

にっこりと嬉しそうに返してくれる忠次に嬉しくなった。

唇を吸って舐めて歯列を舌でなぞる。
クチュクチュと卑猥な音が響いた。

「んっ、はぁんん……りん」
「んん…ただつぐ、ぁ」

キスをしながら自分のネクタイを引き抜き、それで忠次の腕をひとまとめに縛る。
忠次のシャツをはだけさせれば肌がほんのり赤くなっていた。
涙目で俺を見る忠次に、ドクンと心臓がはねた。

ああ。忠次は今、何も抵抗できない。
忠次の全てを征服しているような、支配しているような仄暗い快感が湧き上がってきた。
サディストの気はないと思っていたが、そんなことはなかったらしい。
新たな扉を開いてしまった。

「忠次」
「ひゃぁ……んぁ」

小さな胸の突起を口に含んで転がせば、体をくねらせる。
ローションを手に取って同時に指で下を押し広げた。

「気持ちいい?」
「んんっ、きもちいいっ」
「俺がほしい?」
「ほしいっ、入れて? 凛太郎のほしいっ」

ああ、忠次はSMをするには素直すぎる。可愛い。
SMに対する知識が少ない俺には言葉責めはできそうにないし、忠次にひどい事はいえそうにない。

「入れるよ」
「んんぁああっ、りんたろっ」

結局我慢ができない俺は、少し慣らしただけのそこに入れた。
多少きついものの、忠次の中は俺をすんなりと受け入れた。

「あぁッ!? ひゃぁぁっ、んんっ」
「んっ……はぁ、すごい締め付け」

乳首を軽くつねってみると、忠次は体を仰け反らし、中をぎゅっと締め付けた。

「あぁっ、はぁあっ……んぁ」

そのまま忠次の足を肩に担いで忠次を抱きしめる勢いで押し込むと、より深くまで入って気持ちがいい。

忠次の瞳からこぼれ落ちた涙を吸い取り、そのまま頬にキスして、首筋を舐めて、耳タブを軽く食むと忠次はビクビクと痙攣し果ててしまい、体勢のせいで自分の顔に向かってポタポタと白濁したそれを垂れ流した。

その様が、なんとも卑猥で俺も限界が近づきゴムの中に吐精した。

「はぁ……、忠次、大丈夫か?」
「はい」

手を縛っていたネクタイをほどきながら尋ねると忠次はにっこり笑って応えてくれた。
俺は、忠次の体を拭って赤くなってしまった手首に薬を塗り込んだ。

「ごめん。少し擦れちゃったな。楽しかったけど、あんまりしょっちゅうはできないな」

「ふふ。凛太郎が楽しかったならよかった。私も新鮮でした」
「体痛くない? さっき漫画パラパラ見ただけだから、今度はもっと」
「ああ……実は、あの漫画は貰い物なんですよ。もちろん、勉強の息抜きに読んでいましたが、ラインナップは私の趣味で選んだものではありません」
「え!? え……」

つまり、忠次はSMに興味があるわけではないということ? つまり、俺がやったことは思いっきりひどい無体なんじゃないのか。
けれど忠次は俺を見て微笑んだ。

「でも、凛太郎の新たな一面が見られて嬉しいです。私も結構楽しんじゃいました」
「……忠次も楽しめたのなら、よかった」
「こういうのもたまには悪くないですね」

本当に嬉しそうな忠次を見て、俺もやっと安心した。
結局忠次の勉強の邪魔をしてしまったが、最近する時間がなかったので体は心地よい疲れで眠くなった。

「勉強の邪魔して、ごめん。明日早く起きて一緒に勉強しよう。朝飯も俺が作るし」
「私も最近していなくて実はソワソワしていたんです。今日はぐっすり寝られそうです。でも、朝食は楽しみにしておきます」
「まかせろ」

電気を消して、2人でくっついて眠ったら、よほど疲れていたのか忠次からはすぐに寝息が聞こえてきた。
そういう俺も、久々にぐっすりと眠れた。
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