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忠次サイド
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私が嫉妬して落ち込んでいたことを凛太郎が気にして、優生くんとお昼を食べるのをやめると言って来た時はびっくりしたし、申し訳なく思った。
その後、私も1ヶ月に1回は一緒に食べたいと言ったらとても嬉しそうな反応をしてくれて私も嬉しかった。
今日がその最初のお昼だ。
凛太郎に指定された場所に行くと、凛太郎の他に優生くんと琢磨くんがいて、凛太郎は私に向かって手をあげて笑った。
「忠次! 今日は弁当俺が作って来た!」
「えっ! 凛太郎が!?」
「おう。ちゃんと手ぶらで来てくれって言ったけど、本当に何も持って来てねぇよな?」
椅子に座った凛太郎はただ私を見上げただけなのだが、実質的には上目遣いでそう聞かれた私はコクコクと頷くしかできなかった。
凛太郎の手作りのお弁当。嬉しすぎる。
「副会長……ニヤニヤしてるのバレバレっすよ」
「なっ」
優生に指摘され自分の頬を触って確認してしまった。
「優生。忠次を見るなよ、減るだろ」
「榊さん! 人は見ても減らないっすよ!」
凛太郎が優生と言い合っている。
凛太郎のお弁当は大きめの弁当箱に入っていて、それが私と凛太郎の2人分らしい。
優生と琢磨はそれぞれ購買で買ったらしい弁当を持っていた。
「忠次、ほらここ座って!」
「はい」
凛太郎の横に座りたいが、狭いベンチなので4人は並んで座れない。
どうしようかと考える暇もなく、優生がひょいと琢磨を持ち上げ「琢磨さんはここでいいっすよね」と優生の膝に乗せてしまった。
「はっ、ちょ。何するんだよ!?」
慌てる琢磨に優生はあっけらかんとしている。
「え? だって4人で並んでは座れないじゃないっすか」
「だからって……。というか君、いつも地面に座ってるじゃないか!?」
「ま、そっすけど~。そう堅いこと言わず」
ヘラヘラと笑う優生に琢磨は諦めたようで大人しく優生の膝の上におさまることにしたようだ。
居心地悪そうにモゾモゾと動いて、それでもそこから抜け出る気は無いようなので、私も安心して凛太郎の横に座った。
「はい、箸」
「あ、ありがとうございます」
凛太郎に箸を差し出され受け取った。
「数とか気にしないで好きなだけ食べて。味は全然保証できねぇけど」
見てみると確かに見た目は歪な形のものが多い弁当だ。
その中からハンバーグみたいな物を箸でひとつ摘んで口に入れた。
「おいしい……。凛太郎、これ美味しいです。すごい……」
「そうか? ならよかった」
凛太郎は満足そうに笑った。
見た目が歪なハンバーグは、見た目とは裏腹にしっかりと下味がついた肉で中にチーズを入れてあった。料理をしない人の失敗あるあるの一つ、火が通っていないと言うこともなく、本当に美味しかった。
だし巻き卵も、ベーコンのオクラ巻きも、金平も、全部美味しくてびっくりした。
「凛太郎は料理も作れたんですね」
そう言うと、凛太郎は照れたように頭を掻いた。
「いや、からっきし出来なかったんだけどよ、母親に手伝ってもらったんだ」
「え……? 凛太郎のお母さんって」
重い病気で病院に入院しているはずじゃと聞こうとして凛太郎の顔を見た。
「ああ。その……通院は必要らしいんだが一応は元気になったらしい。それも今日忠次に伝えたくて。忠次のおかげでいろいろ乗り越えられたから」
凛太郎は晴れやかに笑ってそう言った。
琢磨達にも向き直ってお礼を言っている。
木陰の涼しい風が抜けていった。
よかった。
凛太郎の母親がちゃんと元気になってくれて。
その思いで胸がいっぱいになった。
その後、私も1ヶ月に1回は一緒に食べたいと言ったらとても嬉しそうな反応をしてくれて私も嬉しかった。
今日がその最初のお昼だ。
凛太郎に指定された場所に行くと、凛太郎の他に優生くんと琢磨くんがいて、凛太郎は私に向かって手をあげて笑った。
「忠次! 今日は弁当俺が作って来た!」
「えっ! 凛太郎が!?」
「おう。ちゃんと手ぶらで来てくれって言ったけど、本当に何も持って来てねぇよな?」
椅子に座った凛太郎はただ私を見上げただけなのだが、実質的には上目遣いでそう聞かれた私はコクコクと頷くしかできなかった。
凛太郎の手作りのお弁当。嬉しすぎる。
「副会長……ニヤニヤしてるのバレバレっすよ」
「なっ」
優生に指摘され自分の頬を触って確認してしまった。
「優生。忠次を見るなよ、減るだろ」
「榊さん! 人は見ても減らないっすよ!」
凛太郎が優生と言い合っている。
凛太郎のお弁当は大きめの弁当箱に入っていて、それが私と凛太郎の2人分らしい。
優生と琢磨はそれぞれ購買で買ったらしい弁当を持っていた。
「忠次、ほらここ座って!」
「はい」
凛太郎の横に座りたいが、狭いベンチなので4人は並んで座れない。
どうしようかと考える暇もなく、優生がひょいと琢磨を持ち上げ「琢磨さんはここでいいっすよね」と優生の膝に乗せてしまった。
「はっ、ちょ。何するんだよ!?」
慌てる琢磨に優生はあっけらかんとしている。
「え? だって4人で並んでは座れないじゃないっすか」
「だからって……。というか君、いつも地面に座ってるじゃないか!?」
「ま、そっすけど~。そう堅いこと言わず」
ヘラヘラと笑う優生に琢磨は諦めたようで大人しく優生の膝の上におさまることにしたようだ。
居心地悪そうにモゾモゾと動いて、それでもそこから抜け出る気は無いようなので、私も安心して凛太郎の横に座った。
「はい、箸」
「あ、ありがとうございます」
凛太郎に箸を差し出され受け取った。
「数とか気にしないで好きなだけ食べて。味は全然保証できねぇけど」
見てみると確かに見た目は歪な形のものが多い弁当だ。
その中からハンバーグみたいな物を箸でひとつ摘んで口に入れた。
「おいしい……。凛太郎、これ美味しいです。すごい……」
「そうか? ならよかった」
凛太郎は満足そうに笑った。
見た目が歪なハンバーグは、見た目とは裏腹にしっかりと下味がついた肉で中にチーズを入れてあった。料理をしない人の失敗あるあるの一つ、火が通っていないと言うこともなく、本当に美味しかった。
だし巻き卵も、ベーコンのオクラ巻きも、金平も、全部美味しくてびっくりした。
「凛太郎は料理も作れたんですね」
そう言うと、凛太郎は照れたように頭を掻いた。
「いや、からっきし出来なかったんだけどよ、母親に手伝ってもらったんだ」
「え……? 凛太郎のお母さんって」
重い病気で病院に入院しているはずじゃと聞こうとして凛太郎の顔を見た。
「ああ。その……通院は必要らしいんだが一応は元気になったらしい。それも今日忠次に伝えたくて。忠次のおかげでいろいろ乗り越えられたから」
凛太郎は晴れやかに笑ってそう言った。
琢磨達にも向き直ってお礼を言っている。
木陰の涼しい風が抜けていった。
よかった。
凛太郎の母親がちゃんと元気になってくれて。
その思いで胸がいっぱいになった。
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