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和馬の気持ち2
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リンくんを追いかけることはできなかったけど、リンくんがいつものベンチの方に向かうのは分かった。だから僕は空き教室に入って椅子に座ってイヤホンを耳につけた。
最初はリンくんが動く服の絹づれの音くらいしか聞こえなくて、ああ、またタバコでも吸ってるのかなと思った。
なのにしばらくしてリンくんは電話をかけ始めた。
ーー忠次? ねぇすぐエッチしようよ。今すぐきて
そうはっきりと聞こえた。
僕はショックで一杯になった。
そこでするつもりなの……?
僕たちの大切な場所じゃないの……?
ーーあ、ちょっと待ってよ。場所はさ、旧校舎横のベンチだよ。ていうか今どこ?
リンくんは呑気な声で副会長の居場所を聞いている。
ーーえぇ~。誰といるの。俺以外の男とあんま仲良くしないでよね
副会長がどこにいるのかなんて明白だ。
あの人はいつも生徒会室にいるんだから。
そしてこの時間なら会長といるはずだ。
だけど、すぐ電話を切った様子のリンくんに僕は思った。
やっぱり、あんな呼び出しにすぐ応じる副会長はビッチで間違い無いじゃん。
しばらくして副会長が駆けつけたのかリンくんが嬉しそうな声をあげた。
ーー忠次、会いたかった。旧校舎でしようよ
なんだ。そこではしないのか。
だけど、リンくんと副会長の決定的な写真さえ撮って学校にばらまけば、2人はきっと気まずくなったり喧嘩になったりで付き合っているのは難しくなるはず。
ーーはい。何だかするのは久しぶりな気がしますね
副会長がそう嬉しそうに答えた。
ーーああ。だからもう我慢できない
そう言ったリンくんの声を最後に2人は旧校舎に移動したようだった。
だから僕も急いで向かった。
旧校舎に入ろうとすると、いつものベンチにゆったりと座った会長が見えた。
会長は僕に気がつくとゆっくりと近づいてきた。
「お前、何してんだ?」
「あ、僕は……」
なんて言ってごまかせばいいのか分からずに言い淀むと、会長が困ったように頭をかいた。
「あ~、旧校舎は今行かない方が身のためだぞ」
「な、何でですか」
「今は……くそ。とにかく説明したくもねぇことが起きてる可能性が大きいんだよ」
「そうなんですか。あ、会長のことを先生が呼んでいましたよ」
「マジか。だりぃ」
案外簡単に騙せて、会長はめんどくさそうに職員室の方に向かって歩いていった。
僕が旧校舎に入るとシンと静まり返っていた。
奥に進むと、一つの教室から副会長とリンくんの話し声が聞こえてきた。
扉にそっと近づいて、そっと開けようとした。
ガラリ
僕が開ける前にリンくんが扉を開けて、僕を冷たく見下ろした。
最初はリンくんが動く服の絹づれの音くらいしか聞こえなくて、ああ、またタバコでも吸ってるのかなと思った。
なのにしばらくしてリンくんは電話をかけ始めた。
ーー忠次? ねぇすぐエッチしようよ。今すぐきて
そうはっきりと聞こえた。
僕はショックで一杯になった。
そこでするつもりなの……?
僕たちの大切な場所じゃないの……?
ーーあ、ちょっと待ってよ。場所はさ、旧校舎横のベンチだよ。ていうか今どこ?
リンくんは呑気な声で副会長の居場所を聞いている。
ーーえぇ~。誰といるの。俺以外の男とあんま仲良くしないでよね
副会長がどこにいるのかなんて明白だ。
あの人はいつも生徒会室にいるんだから。
そしてこの時間なら会長といるはずだ。
だけど、すぐ電話を切った様子のリンくんに僕は思った。
やっぱり、あんな呼び出しにすぐ応じる副会長はビッチで間違い無いじゃん。
しばらくして副会長が駆けつけたのかリンくんが嬉しそうな声をあげた。
ーー忠次、会いたかった。旧校舎でしようよ
なんだ。そこではしないのか。
だけど、リンくんと副会長の決定的な写真さえ撮って学校にばらまけば、2人はきっと気まずくなったり喧嘩になったりで付き合っているのは難しくなるはず。
ーーはい。何だかするのは久しぶりな気がしますね
副会長がそう嬉しそうに答えた。
ーーああ。だからもう我慢できない
そう言ったリンくんの声を最後に2人は旧校舎に移動したようだった。
だから僕も急いで向かった。
旧校舎に入ろうとすると、いつものベンチにゆったりと座った会長が見えた。
会長は僕に気がつくとゆっくりと近づいてきた。
「お前、何してんだ?」
「あ、僕は……」
なんて言ってごまかせばいいのか分からずに言い淀むと、会長が困ったように頭をかいた。
「あ~、旧校舎は今行かない方が身のためだぞ」
「な、何でですか」
「今は……くそ。とにかく説明したくもねぇことが起きてる可能性が大きいんだよ」
「そうなんですか。あ、会長のことを先生が呼んでいましたよ」
「マジか。だりぃ」
案外簡単に騙せて、会長はめんどくさそうに職員室の方に向かって歩いていった。
僕が旧校舎に入るとシンと静まり返っていた。
奥に進むと、一つの教室から副会長とリンくんの話し声が聞こえてきた。
扉にそっと近づいて、そっと開けようとした。
ガラリ
僕が開ける前にリンくんが扉を開けて、僕を冷たく見下ろした。
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