35 / 83
風紀委員長の企み
しおりを挟む
一服エリアで風紀委員の生徒と会ったあの日から俺はやたらと風紀室に呼び出されるようになった。あの生徒は風紀委員長だったらしくやたらと俺に雑用をさせたがる。
今も奴が押し付けてきた会議用の書類作成中だ。
永遠と5ページ分をホッチキスで止めていく作業を200部もやらなければ帰してもらえない。
大体、タバコもバレていないのになぜ俺がこんな雑用を言われるがままに引き受けているかと言うと、まぁ、特に大きな理由は無いのだが。
強いて言うなれば、生徒会と親密になり過ぎていた最近の自分を反省し、距離を置くにはちょうど良かったのと、風紀委員の顧問が俺の担任だったと言うことが理由だ。担任が言うには俺が手伝った分だけ足りていない単位をどうにかしてくれると言うので暇つぶしに手伝っている。
だがこの風紀委員長は俺を舐め回すような気持ちの悪い目で見てくる上、気持ちの悪いワイダンを真顔で言ってくるため俺はそれはもう本当に迷惑をしていた。
しかも、ことあるごとに『僕の家は反社会組織なのであまり逆らわない方が良いですよ』などとドヤ顔で言ってくるのも腹立たしい。
奴の体はヒョロヒョロで指先一つで吹っ飛んでいきそうな見た目のくせに気持ちの悪い目つきで俺を脅そうとするのがただただ不愉快だ。
だが俺は「そうなんですかぁ~、こわぁ~い」と繰り返しながら黙々と作業に没頭した。
ちなみに風紀委員の他のメンバーはと言うと、すっかり奴に萎縮してただただ言うことを聞く奴隷と化していた。
だが、そんな風に努力をしても琢磨と和馬には俺が嫌われようとしている理由を話してしまったし、今更距離を置こうとしても難しい話だ。
現に2人からはかなり心配されていて、生徒会から介入しようかとまで言ってくれてる。
「君はどうしてそんなに生徒会長なんかが好きなんだい?」
俺がホッチキスの芯を取り替えているときに風紀委員長にそう聞かれた。
「どうしてってぇ~、かっこいいしぃ、素敵じゃないですかぁ~。それにぃ、体育祭とかもぉ、2年のMVPとってたしぃ。僕は1年のMVPだったけどぉ。やっぱり運動神経いい人ってぇかっこいいですよねぇ」
暗にお前のことは好きにならねぇと伝えてみた。
こいつのヒョロヒョロな体じゃ50メートル走り切るのかすらも怪しい。
ちなみに言っておくが俺のタイプは運動神経がいい人じゃない。
物腰が柔らかくて誰にでも平等に接することのできる人がタイプだ。
そう。何て言うか、副会長みたいな。
いやいやいや。
何考えてんだ俺。
「どうしたんですか? 頭なんか振って。僕は夜の体育祭ならMVP獲れる自信がありますよ。どうです?」
きっしょ~。
こいつはまじで気色悪い事ばかり言ってくるから本当に嫌いだ。
どうです? じゃねぇよ。
「遠慮しときまぁす。僕はぁ、会長さま一筋なのでぇ」
「……そうですか」
今日はあっさりと引き下がるらしい。と俺は少しホッとした。
いつもならもっとしつこく誘ってくるのだ。
幾ら鈍い俺でも流石に気持ち悪ぃと思うくらいに。
それきり静かになった風紀委員長をよそに俺は書類作りに集中した。
そして生徒会長が何者かによってさらわれたという報告を聞いたのはそれから数日経ってからだった。
今も奴が押し付けてきた会議用の書類作成中だ。
永遠と5ページ分をホッチキスで止めていく作業を200部もやらなければ帰してもらえない。
大体、タバコもバレていないのになぜ俺がこんな雑用を言われるがままに引き受けているかと言うと、まぁ、特に大きな理由は無いのだが。
強いて言うなれば、生徒会と親密になり過ぎていた最近の自分を反省し、距離を置くにはちょうど良かったのと、風紀委員の顧問が俺の担任だったと言うことが理由だ。担任が言うには俺が手伝った分だけ足りていない単位をどうにかしてくれると言うので暇つぶしに手伝っている。
だがこの風紀委員長は俺を舐め回すような気持ちの悪い目で見てくる上、気持ちの悪いワイダンを真顔で言ってくるため俺はそれはもう本当に迷惑をしていた。
しかも、ことあるごとに『僕の家は反社会組織なのであまり逆らわない方が良いですよ』などとドヤ顔で言ってくるのも腹立たしい。
奴の体はヒョロヒョロで指先一つで吹っ飛んでいきそうな見た目のくせに気持ちの悪い目つきで俺を脅そうとするのがただただ不愉快だ。
だが俺は「そうなんですかぁ~、こわぁ~い」と繰り返しながら黙々と作業に没頭した。
ちなみに風紀委員の他のメンバーはと言うと、すっかり奴に萎縮してただただ言うことを聞く奴隷と化していた。
だが、そんな風に努力をしても琢磨と和馬には俺が嫌われようとしている理由を話してしまったし、今更距離を置こうとしても難しい話だ。
現に2人からはかなり心配されていて、生徒会から介入しようかとまで言ってくれてる。
「君はどうしてそんなに生徒会長なんかが好きなんだい?」
俺がホッチキスの芯を取り替えているときに風紀委員長にそう聞かれた。
「どうしてってぇ~、かっこいいしぃ、素敵じゃないですかぁ~。それにぃ、体育祭とかもぉ、2年のMVPとってたしぃ。僕は1年のMVPだったけどぉ。やっぱり運動神経いい人ってぇかっこいいですよねぇ」
暗にお前のことは好きにならねぇと伝えてみた。
こいつのヒョロヒョロな体じゃ50メートル走り切るのかすらも怪しい。
ちなみに言っておくが俺のタイプは運動神経がいい人じゃない。
物腰が柔らかくて誰にでも平等に接することのできる人がタイプだ。
そう。何て言うか、副会長みたいな。
いやいやいや。
何考えてんだ俺。
「どうしたんですか? 頭なんか振って。僕は夜の体育祭ならMVP獲れる自信がありますよ。どうです?」
きっしょ~。
こいつはまじで気色悪い事ばかり言ってくるから本当に嫌いだ。
どうです? じゃねぇよ。
「遠慮しときまぁす。僕はぁ、会長さま一筋なのでぇ」
「……そうですか」
今日はあっさりと引き下がるらしい。と俺は少しホッとした。
いつもならもっとしつこく誘ってくるのだ。
幾ら鈍い俺でも流石に気持ち悪ぃと思うくらいに。
それきり静かになった風紀委員長をよそに俺は書類作りに集中した。
そして生徒会長が何者かによってさらわれたという報告を聞いたのはそれから数日経ってからだった。
67
お気に入りに追加
1,412
あなたにおすすめの小説

心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

もういいや
ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが……
まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん!
しかも男子校かよ………
ーーーーーーーー
亀更新です☆期待しないでください☆

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。

俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる