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体育祭午後
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午後からの時間は会長の無様な様を見て盛大にウザく応援してやろうと思っていたのに、会長は思いの外活躍しやがって俺の気分は全然晴れなかった。
借り物競争の時間になり選手が走り出して落ちているカードを拾っていくのを見ていると、その中に会長がいるのを見つけた。
会長の野郎、こんな競技にも参加してるのか。
だがしかし、会長が誰かに物を借りにいくのは面白いかもしれない。
そう思っていると会長は全力でこちらの方に向かって走ってきた。
俺を見ているような気がしないでもないが、そんなはずはない。
少し端に避けようとした瞬間ガチっと腕を掴まれた。
「ゴミ虫……来い」
「え、ちょ、会長っさま」
そのまま俺は会長に腕を引っ張られ一緒にゴールした。
これはどこの少女漫画だよ。
相手が会長と俺じゃなきゃ恋に落ちてたね。
考えたくもないが。
「会長さま~。一体どんなお題だったんですか~?」
どうせ嫌いな奴、とかだろ。
体育祭運営の人間め。そんなお題なんか混ぜたら喧嘩とかいじめになるだろうが。
「…………なんでもねぇ」
会長はそう答えたがもしかして会長なりに嫌いな奴だと面と向かっていうのを躊躇っているのだろうか。
普段俺のことをゴミ虫と呼ぶ人間が?
いやいや、ねぇな。
「まぁ、僕は会長さまの借り物になれて嬉しかったです。手も繋げちゃったし~」
「っ……うぜぇ」
こいつまじで語彙力ゴミカスか?
こいつの口からうぜぇしか聞いてないんですけど。
まぁいいや。
次俺も競技だし。
「それじゃあ僕は次競技なので行きますねっ。頑張ってきますので応援してくれると嬉しいです!」
俺がそう言ってもしばらく無言でいた会長がやっと声を発したと思ったら小さすぎて聞き取れなかった。
「……れよ」
「え? なんて言ったんですか?」
「……何でもねぇ。じゃあな」
何と言ったのかは気になったが次の競技まで時間がなかったので俺は急いで更衣室に向かった。
そう。次の俺の競技は応援団だ。
応援団と言っても学ランを着てやる奴じゃなくて、女装させられてダンスをさせられる。
どちらかといえば応援団ではなく、チアリーディングという感じだ。
なので他の応援団のメンバーは男子校といえども可愛いどころの集まりで、俺だけ目の毒なのだが、俺は結構ノリノリだ。
なぜなら、せっかく可愛い応援団に俺が混ざることによって場の空気を凍らせることができるのだから、俺が嫌われることは確実だからだ。
でも誰にも文句は言わせないぞ。
俺の競技を決めたのは俺のクラスの連中と担任なんだからな。
「リン! めちゃくちゃ可愛いよ。背も高いのにここまで着こなせるなんてすごいっ」
「そう~? ありがとう書記さまぁ」
俺の着替えを手伝ってくれた琢磨はお世辞を言ってくれたが流石にそれを真に受けるほど俺もバカじゃねぇんだ。
入場ゲートに向かう途中も他の生徒にめちゃくちゃ睨まれてたしな。
だが俺を睨んだ生徒全員俺の特別ウインクをお見舞いしてやった。ザマァみろ。
踊り始めてから生徒会スペースを見たら会長も会計も琢磨も俺を凝視してたんで特別ウィンクをお見舞いしてやった。
琢磨はわーいって感じで喜んでいたが、会長も会計も顔を引きつらせて固まっていた。
俺はその後も可愛さ全開! という感じで頑張って踊りきり、達成感を味わいすっきりできた。ヤンキー時代とは違うやり方ではあるが、人を倒すということではこのやり方も悪くないかもしれない。
なぜなら、俺の気持ち悪さを見た生徒が何人か気絶したからだ。
運ばれていく生徒を見届けながら、あとでこの服装のまま生徒会エリア参りをしようと思った。
借り物競争の時間になり選手が走り出して落ちているカードを拾っていくのを見ていると、その中に会長がいるのを見つけた。
会長の野郎、こんな競技にも参加してるのか。
だがしかし、会長が誰かに物を借りにいくのは面白いかもしれない。
そう思っていると会長は全力でこちらの方に向かって走ってきた。
俺を見ているような気がしないでもないが、そんなはずはない。
少し端に避けようとした瞬間ガチっと腕を掴まれた。
「ゴミ虫……来い」
「え、ちょ、会長っさま」
そのまま俺は会長に腕を引っ張られ一緒にゴールした。
これはどこの少女漫画だよ。
相手が会長と俺じゃなきゃ恋に落ちてたね。
考えたくもないが。
「会長さま~。一体どんなお題だったんですか~?」
どうせ嫌いな奴、とかだろ。
体育祭運営の人間め。そんなお題なんか混ぜたら喧嘩とかいじめになるだろうが。
「…………なんでもねぇ」
会長はそう答えたがもしかして会長なりに嫌いな奴だと面と向かっていうのを躊躇っているのだろうか。
普段俺のことをゴミ虫と呼ぶ人間が?
いやいや、ねぇな。
「まぁ、僕は会長さまの借り物になれて嬉しかったです。手も繋げちゃったし~」
「っ……うぜぇ」
こいつまじで語彙力ゴミカスか?
こいつの口からうぜぇしか聞いてないんですけど。
まぁいいや。
次俺も競技だし。
「それじゃあ僕は次競技なので行きますねっ。頑張ってきますので応援してくれると嬉しいです!」
俺がそう言ってもしばらく無言でいた会長がやっと声を発したと思ったら小さすぎて聞き取れなかった。
「……れよ」
「え? なんて言ったんですか?」
「……何でもねぇ。じゃあな」
何と言ったのかは気になったが次の競技まで時間がなかったので俺は急いで更衣室に向かった。
そう。次の俺の競技は応援団だ。
応援団と言っても学ランを着てやる奴じゃなくて、女装させられてダンスをさせられる。
どちらかといえば応援団ではなく、チアリーディングという感じだ。
なので他の応援団のメンバーは男子校といえども可愛いどころの集まりで、俺だけ目の毒なのだが、俺は結構ノリノリだ。
なぜなら、せっかく可愛い応援団に俺が混ざることによって場の空気を凍らせることができるのだから、俺が嫌われることは確実だからだ。
でも誰にも文句は言わせないぞ。
俺の競技を決めたのは俺のクラスの連中と担任なんだからな。
「リン! めちゃくちゃ可愛いよ。背も高いのにここまで着こなせるなんてすごいっ」
「そう~? ありがとう書記さまぁ」
俺の着替えを手伝ってくれた琢磨はお世辞を言ってくれたが流石にそれを真に受けるほど俺もバカじゃねぇんだ。
入場ゲートに向かう途中も他の生徒にめちゃくちゃ睨まれてたしな。
だが俺を睨んだ生徒全員俺の特別ウインクをお見舞いしてやった。ザマァみろ。
踊り始めてから生徒会スペースを見たら会長も会計も琢磨も俺を凝視してたんで特別ウィンクをお見舞いしてやった。
琢磨はわーいって感じで喜んでいたが、会長も会計も顔を引きつらせて固まっていた。
俺はその後も可愛さ全開! という感じで頑張って踊りきり、達成感を味わいすっきりできた。ヤンキー時代とは違うやり方ではあるが、人を倒すということではこのやり方も悪くないかもしれない。
なぜなら、俺の気持ち悪さを見た生徒が何人か気絶したからだ。
運ばれていく生徒を見届けながら、あとでこの服装のまま生徒会エリア参りをしようと思った。
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