49 / 49
49 完
しおりを挟む
「これは、私からルーナストに。以前、ハンカチをくれた礼だ」
「これ、は。すごいですね……、嬉しいです。ありがとうございます」
ベルガリュードから手渡されたものは、ルーナストが作った刺繍と比べても良い勝負になりそうな妖怪の刺繍されたハンカチだった。お世辞にも出来は良いとは言えないけれど、ルーナストはそれをわざわざルーナストのために刺繍してくれたことが嬉しかった。
(閣下も、そうだったのかな)
いろいろと考えすぎて、突発的な行動をしてしまったことを後悔した。
「ルーナスト。特殊部隊ではなく、私の部隊に来てほしい」
「それは」
確かに、最初はベルガリュードの隊に入りたいと思っていた。
けれど、今は特殊部隊を結構気に入っている。
3ヶ月。それは訓練生として過ごした期間と同じで、とても濃厚な時間だった。
「すみません。とても嬉しい提案ですが、私は、特殊部隊を気に入っているんです」
「そうか」
一言そう言ってうなずいたベルガリュードに、ルーナストは少し申し訳なく思った。
けれどベルガリュードとは結婚すれば同じ屋敷に帰ることになるので、2人の時間はとれるはずだ。
「ルーナストが特殊部隊に居ることを望むなら私もそこに入るまでだ。まぁ、今の隊を率いる責任もあるからしばらくは兼任になるが」
「え」
「どうせ任務は個人が多いが、私はルーナストと同じ隊に所属しているというだけで嬉しい気持ちになる」
(そんな可愛らしいことを)
とてもドラスティールの鬼神といわれた男とは思えない言動に、ルーナストはドキドキと胸を弾ませた。
(閣下はこんなに可愛くて嬉しいことを言ってくれるのだから、私も)
「ベル、好きです」
結局何を言えば良いのか分からずに、それだけ伝えてみれば、ベルガリュードはルーナストをガバリと抱き寄せた。
「自室に」
ベルガリュードがボソリと低く呟いて、次の瞬間には広い部屋にベッドとソファが置かれた場所に移動していた。
「座って」
ソファに促され、ルーナストが大人しく座ると、ベルガリュードはルーナストの足に触れた。
「ひゃ、な、なんですか」
「ルーナストが特殊部隊に入ったと聞いてから、確かめたくて仕方がなかった。もう、我慢はできない」
「確かめたい?」
ベルガリュードはルーナストのスラックスの裾を上げ、足首に取り付けられた足輪を確認しているようだ。
「私の色だ」
その声は嬉しそうに弾んでいた。
けれどルーナストはその言葉を聞いて顔に熱が集まるのを感じた。
(そういえば、そうだった)
なんだか、本人にこうして見られるのは恥ずかしい。
「私も、特殊部隊に入ることにしたからな」
そう言って懐から新しい足輪を取り出した。
ベルガリュードがそれを自分の左足にキュッと結びつけると、その色は銀に近い色とターコイズブルーのストライプになった。
「ふふ。私の色ですね」
「ああ」
ベルガリュードが目を細めふわりと微笑んでうなずいた。
(柄は違うけど、色が同じだからショーンとお揃いみたい)
そう思ったルーナストだったが、そんなことを言ってしまえばベルガリュードの機嫌が悪くなるかもしれないと、さすがのルーナストもわかったので言うのはやめた。
✳︎✳︎
そしてルーナストはベルガリュードと結婚式当日を迎えた。
2人とも良く分からないものの、なんだかんだと楽しみつつ、一緒に選んだウェディングドレスに身を包み、ベルガリュードが部屋に来るのを待っているとトントントンとノックの音が聞こえた。
『入って良いか』
「はい」
ドア越しにやや緊張したようなベルガリュードの声が聞こえ、ルーナストも少し緊張しながら答えた。
きっと、ベルガリュードの方も2人で選んだタキシードを着ていることだろう。
帝国において男性の軍人の結婚式は軍服が普通だが、今更普通を気にするようなこともない。
ドアを開け、入ってきたベルガリュードはルーナストのウェディングドレス姿を見て、目を細め嬉しそうに笑った。
「綺麗だな」
「あ、りがとう……ございます。えっとベルも……その、綺麗です」
ルーナストは動揺しながらも言葉を返した。
そんなルーナストを見て、ベルガリュードは満足そうに笑った。
「お揃いだ」
してやったりと言う言葉がぴったりの表情だ。
そう。ベルガリュードはルーナストが着ているものと同じデザインのウェディングドレスを着ていたのだ。
「でも、なんで」
「こういうのも悪くないだろう? 私もルーナストも、お色直しではお揃いのタキシードを着よう」
「ははっ……、本当、大好きですベル」
「私も、ルーナストが大好きだよ」
父と共にバージンロードを歩き、途中でベルガリュードに変わる。
ルーナストの父は、ベルガリュードの服装を見て目を見開いていて、ルーナストは笑いを堪えるのに必死だった。
そして、ルーナストも薄々気が付いてはいたが、ベルガリュード側の親族席には、ルーナストが初めてのお茶会の時に出会ったスティールという名の、白髪紳士がニコニコと座っていた。その隣には上皇后と思わしき美しい女性も座っていた。そして、グランツェも。グランツェにはベルガリュードとルーナストが話し合い、無事もう一度結婚の約束を交わしたあと、土下座せんばかりの勢いで謝られた。弟の幸せを思ってのことだと、理解していたルーナストは快く許した。
ドラスティールの鬼神と、ブラクルトの女神の結婚は、多くの人に祝福された。
どちらもその戦いぶりから神と呼ばれるほどの武人で国を守る要だ。
帝国は、盤石の守りを固め、帝国の皇弟と縁を結んだブラクルト辺境伯領にも平穏が訪れた。
モルガンは反逆罪として炭鉱で働いていたが模範囚となり数年で刑期を終えて、平民として過ごしているのだと社交界では噂になっていた。
平民を馬鹿にしていたから、身を持って平民の生活を知ることが出来て良いだろうと王国の王太子が言っていたそうだ。
それから、リンローズはルートの正体がルーナストという女性で、ベルガリュードと結婚したことを知っても尚、ルーナストに言い寄ってくるので、ベルガリュードが嫉妬してルーナストは大変な思いをしている。
ショーンは無事、帝国の国籍を手に入れて、武功を立て一代限りだが男爵の位を賜った。
怒涛の1年間はあっという間に過ぎ、1年前は想像もすることはなかった日常がルーナストの前には広がっている。
愛し愛され幸せに。
ルーナストはこれから先ずっと2人で、そんな生活を送れるように努力していこうと誓った。
「これ、は。すごいですね……、嬉しいです。ありがとうございます」
ベルガリュードから手渡されたものは、ルーナストが作った刺繍と比べても良い勝負になりそうな妖怪の刺繍されたハンカチだった。お世辞にも出来は良いとは言えないけれど、ルーナストはそれをわざわざルーナストのために刺繍してくれたことが嬉しかった。
(閣下も、そうだったのかな)
いろいろと考えすぎて、突発的な行動をしてしまったことを後悔した。
「ルーナスト。特殊部隊ではなく、私の部隊に来てほしい」
「それは」
確かに、最初はベルガリュードの隊に入りたいと思っていた。
けれど、今は特殊部隊を結構気に入っている。
3ヶ月。それは訓練生として過ごした期間と同じで、とても濃厚な時間だった。
「すみません。とても嬉しい提案ですが、私は、特殊部隊を気に入っているんです」
「そうか」
一言そう言ってうなずいたベルガリュードに、ルーナストは少し申し訳なく思った。
けれどベルガリュードとは結婚すれば同じ屋敷に帰ることになるので、2人の時間はとれるはずだ。
「ルーナストが特殊部隊に居ることを望むなら私もそこに入るまでだ。まぁ、今の隊を率いる責任もあるからしばらくは兼任になるが」
「え」
「どうせ任務は個人が多いが、私はルーナストと同じ隊に所属しているというだけで嬉しい気持ちになる」
(そんな可愛らしいことを)
とてもドラスティールの鬼神といわれた男とは思えない言動に、ルーナストはドキドキと胸を弾ませた。
(閣下はこんなに可愛くて嬉しいことを言ってくれるのだから、私も)
「ベル、好きです」
結局何を言えば良いのか分からずに、それだけ伝えてみれば、ベルガリュードはルーナストをガバリと抱き寄せた。
「自室に」
ベルガリュードがボソリと低く呟いて、次の瞬間には広い部屋にベッドとソファが置かれた場所に移動していた。
「座って」
ソファに促され、ルーナストが大人しく座ると、ベルガリュードはルーナストの足に触れた。
「ひゃ、な、なんですか」
「ルーナストが特殊部隊に入ったと聞いてから、確かめたくて仕方がなかった。もう、我慢はできない」
「確かめたい?」
ベルガリュードはルーナストのスラックスの裾を上げ、足首に取り付けられた足輪を確認しているようだ。
「私の色だ」
その声は嬉しそうに弾んでいた。
けれどルーナストはその言葉を聞いて顔に熱が集まるのを感じた。
(そういえば、そうだった)
なんだか、本人にこうして見られるのは恥ずかしい。
「私も、特殊部隊に入ることにしたからな」
そう言って懐から新しい足輪を取り出した。
ベルガリュードがそれを自分の左足にキュッと結びつけると、その色は銀に近い色とターコイズブルーのストライプになった。
「ふふ。私の色ですね」
「ああ」
ベルガリュードが目を細めふわりと微笑んでうなずいた。
(柄は違うけど、色が同じだからショーンとお揃いみたい)
そう思ったルーナストだったが、そんなことを言ってしまえばベルガリュードの機嫌が悪くなるかもしれないと、さすがのルーナストもわかったので言うのはやめた。
✳︎✳︎
そしてルーナストはベルガリュードと結婚式当日を迎えた。
2人とも良く分からないものの、なんだかんだと楽しみつつ、一緒に選んだウェディングドレスに身を包み、ベルガリュードが部屋に来るのを待っているとトントントンとノックの音が聞こえた。
『入って良いか』
「はい」
ドア越しにやや緊張したようなベルガリュードの声が聞こえ、ルーナストも少し緊張しながら答えた。
きっと、ベルガリュードの方も2人で選んだタキシードを着ていることだろう。
帝国において男性の軍人の結婚式は軍服が普通だが、今更普通を気にするようなこともない。
ドアを開け、入ってきたベルガリュードはルーナストのウェディングドレス姿を見て、目を細め嬉しそうに笑った。
「綺麗だな」
「あ、りがとう……ございます。えっとベルも……その、綺麗です」
ルーナストは動揺しながらも言葉を返した。
そんなルーナストを見て、ベルガリュードは満足そうに笑った。
「お揃いだ」
してやったりと言う言葉がぴったりの表情だ。
そう。ベルガリュードはルーナストが着ているものと同じデザインのウェディングドレスを着ていたのだ。
「でも、なんで」
「こういうのも悪くないだろう? 私もルーナストも、お色直しではお揃いのタキシードを着よう」
「ははっ……、本当、大好きですベル」
「私も、ルーナストが大好きだよ」
父と共にバージンロードを歩き、途中でベルガリュードに変わる。
ルーナストの父は、ベルガリュードの服装を見て目を見開いていて、ルーナストは笑いを堪えるのに必死だった。
そして、ルーナストも薄々気が付いてはいたが、ベルガリュード側の親族席には、ルーナストが初めてのお茶会の時に出会ったスティールという名の、白髪紳士がニコニコと座っていた。その隣には上皇后と思わしき美しい女性も座っていた。そして、グランツェも。グランツェにはベルガリュードとルーナストが話し合い、無事もう一度結婚の約束を交わしたあと、土下座せんばかりの勢いで謝られた。弟の幸せを思ってのことだと、理解していたルーナストは快く許した。
ドラスティールの鬼神と、ブラクルトの女神の結婚は、多くの人に祝福された。
どちらもその戦いぶりから神と呼ばれるほどの武人で国を守る要だ。
帝国は、盤石の守りを固め、帝国の皇弟と縁を結んだブラクルト辺境伯領にも平穏が訪れた。
モルガンは反逆罪として炭鉱で働いていたが模範囚となり数年で刑期を終えて、平民として過ごしているのだと社交界では噂になっていた。
平民を馬鹿にしていたから、身を持って平民の生活を知ることが出来て良いだろうと王国の王太子が言っていたそうだ。
それから、リンローズはルートの正体がルーナストという女性で、ベルガリュードと結婚したことを知っても尚、ルーナストに言い寄ってくるので、ベルガリュードが嫉妬してルーナストは大変な思いをしている。
ショーンは無事、帝国の国籍を手に入れて、武功を立て一代限りだが男爵の位を賜った。
怒涛の1年間はあっという間に過ぎ、1年前は想像もすることはなかった日常がルーナストの前には広がっている。
愛し愛され幸せに。
ルーナストはこれから先ずっと2人で、そんな生活を送れるように努力していこうと誓った。
5
お気に入りに追加
375
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる