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70:筋肉に捕まる
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フランツは子供っぽい見た目だし、体つきだし、もしかしてオットマーみたいなガッチリした体になりたいのだろうか。そのために一緒に訓練したいのだろうか。
オットマーたちの訓練を一心に見つめるフランツを見てそんな風に思ったが、フランツに極力近づけない俺は、そっとその場を後にした。
やっぱりどこを見てもあちこちで筋骨隆々の男たちが訓練していて、目の保養だ。
『お前、ギースベルト閣下から歓迎されてないみたいだな』
『俺たちが使ってやろうか?』
『オメガはアルファを求めて体が疼いて仕方がないんだろ』
なんて。イベントが勃発して、もうめっちゃくちゃのドロドロにされるみたいな。まぁ、オメガは優遇されるこの国じゃ、そんな発言なかなかされないだろうけども。
でも、訓練所の薄暗い倉庫なんかの机に括り付けられて、固定型オナホみたいに扱われるなんて想像したら……。
ドン
「わっ」
あちこちキョロキョロして妄想をしながら歩いていたからか、前方不注意になって壁にぶつかってしまった。ぶつかった鼻が痛くて抑えると、上から影が差した。
「おい。ぶつかってきた癖に謝罪もなしか?」
「え……?」
呼びかけに見上げると柄の悪そうな筋肉が俺を見下ろしていた。
どうやら壁ではなく、目の前の筋肉にぶつかったようだ。
「あ……すみません!」
「まぁ、謝って済んだら衛兵はいらねぇよな」
「じゃ、どうすれば……?」
「お前、見たことねぇ顔だが、体小せえし顔も良い顔してんじゃねか。ココ、使わせてくれよ」
「ぅぁ」
筋肉は俺のケツをそっと撫で、服の上からアナルにぐっと指を突き入れてきた。
「女もオメガも、数が少なくていけねぇや。辺境の地で頑張ってる俺らには、そういう息抜きも必要だと思わねぇか? なぁ」
ニタリと笑った筋肉に、ヒクっとアナルが疼いた。
けれどここでノリノリになっていては、ドMの風上にも置けない所業だ。
「あ、あの。そう言うのはちょっと……、ぶつかったのは謝りますから」
「だーから。謝って済むなら衛兵はいらねぇんだって。大丈夫。ほんの4、50人程度相手にすれば、今日のところは解放してやるから」
ニタニタした顔でそんなことを言われ、俺の興奮は最高潮になった。
「でも、お腹に子供が……」
「あ~。お前オメガなのか。こんなところにオメガなんて珍しいな。大丈夫。今から向かう先にいるのは俺を含めて全員ベータだから。あーそうだ。ここを貸してくれるなら、お腹の子に危害は加えないと約束してやろう。だが、断ればどうなるだろうな」
「……はい」
しおらしく返事をした俺は内心気分上々だった。
やばい。妄想だけのつもりが、こんな展開最高じゃないか!
筋肉は俺の両腕を背中側で片手で簡単に拘束して、歩かせてきた。
たどり着いたのは、筋肉のアジトならぬ辺境伯領の兵のための宿舎のような場所だった。
オットマーたちの訓練を一心に見つめるフランツを見てそんな風に思ったが、フランツに極力近づけない俺は、そっとその場を後にした。
やっぱりどこを見てもあちこちで筋骨隆々の男たちが訓練していて、目の保養だ。
『お前、ギースベルト閣下から歓迎されてないみたいだな』
『俺たちが使ってやろうか?』
『オメガはアルファを求めて体が疼いて仕方がないんだろ』
なんて。イベントが勃発して、もうめっちゃくちゃのドロドロにされるみたいな。まぁ、オメガは優遇されるこの国じゃ、そんな発言なかなかされないだろうけども。
でも、訓練所の薄暗い倉庫なんかの机に括り付けられて、固定型オナホみたいに扱われるなんて想像したら……。
ドン
「わっ」
あちこちキョロキョロして妄想をしながら歩いていたからか、前方不注意になって壁にぶつかってしまった。ぶつかった鼻が痛くて抑えると、上から影が差した。
「おい。ぶつかってきた癖に謝罪もなしか?」
「え……?」
呼びかけに見上げると柄の悪そうな筋肉が俺を見下ろしていた。
どうやら壁ではなく、目の前の筋肉にぶつかったようだ。
「あ……すみません!」
「まぁ、謝って済んだら衛兵はいらねぇよな」
「じゃ、どうすれば……?」
「お前、見たことねぇ顔だが、体小せえし顔も良い顔してんじゃねか。ココ、使わせてくれよ」
「ぅぁ」
筋肉は俺のケツをそっと撫で、服の上からアナルにぐっと指を突き入れてきた。
「女もオメガも、数が少なくていけねぇや。辺境の地で頑張ってる俺らには、そういう息抜きも必要だと思わねぇか? なぁ」
ニタリと笑った筋肉に、ヒクっとアナルが疼いた。
けれどここでノリノリになっていては、ドMの風上にも置けない所業だ。
「あ、あの。そう言うのはちょっと……、ぶつかったのは謝りますから」
「だーから。謝って済むなら衛兵はいらねぇんだって。大丈夫。ほんの4、50人程度相手にすれば、今日のところは解放してやるから」
ニタニタした顔でそんなことを言われ、俺の興奮は最高潮になった。
「でも、お腹に子供が……」
「あ~。お前オメガなのか。こんなところにオメガなんて珍しいな。大丈夫。今から向かう先にいるのは俺を含めて全員ベータだから。あーそうだ。ここを貸してくれるなら、お腹の子に危害は加えないと約束してやろう。だが、断ればどうなるだろうな」
「……はい」
しおらしく返事をした俺は内心気分上々だった。
やばい。妄想だけのつもりが、こんな展開最高じゃないか!
筋肉は俺の両腕を背中側で片手で簡単に拘束して、歩かせてきた。
たどり着いたのは、筋肉のアジトならぬ辺境伯領の兵のための宿舎のような場所だった。
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