肉便器エンド!? それって最高じゃん

いちみやりょう

文字の大きさ
上 下
55 / 86

50:陛下 ※

しおりを挟む
「ぅ、ぁあっ……ひんっあ゛……っ」

入れられてから、かなり長い時間揺さぶられ、当然、2人と違い遅漏ではない俺は、その間に何度も何度も絶頂を迎えた。

「バトラル……っ、イく……、出すぞっ」

バイロンのその言葉が聞こえた時は、やっと解放されるのだと安堵した。

ドゥルルルルルッッ!!!!

「ひぃぁっ、あぁああっん゛っっ!!」

アナルに出されたそれは、かなりの粘度を感じ、腹の中に留まるように溜まっていくのを感じる。

ビュル、ビュルルル

最後の最後まで精液を俺の中に吐き出し終えたバイロンは、最後の仕上げとばかりにグリッと奥に差し込んでからグポォォと抜けていった。

「ぁ……」

確かに、辛いと感じるほどに快楽責めにあっていたけど、もうかなりの時間抱かれっぱなしだったので、抜かれると少し寂しさを感じた。

「そろそろ食事にしようか。お仕置き中とはいえバトラルはちゃんと食べないといけないからね。何か食べたいものはある?」
「……ぅぅん」

枯れた声でなんとか返事をすると、クライブはふむと考えるそぶりを見せた。

「そう? なら、食べやすいスープなどを持ってこさせようね」

(スープか。何でも良いって言ったけどできれば暖かいものが食べたいな)

散々抱かれて体力を使い果たしたので、暖かいものでホッと息をつきたい気分だった。
だが、俺がこの部屋に来るまで、謁見の間からかなり歩いたから、スープなんて持ってきてもらったら、食べる頃には完全に冷えているだろう。
そう思っていると、牢屋の外に出たクライブは俺が入ったドアとは違うドアの外に出て行き、すぐに戻ってきた。

「今、頼んだから。すぐに来るよ。それまで少し体を清めておこうか。食べ終わったらまた汚れるけど」
「……ん」

そうして、2人から、まるで介護のように体を拭かれている時、先ほどのドアからノックの音が聞こえた。今度はバイロンが出て行き、すぐにお盆を持って戻ってきた。

「スープが届いた。ほら、暖かいうちに食べろ」
「ぁ、りがと……」

バイロンの手によってスプーンに掬われたスープが、口に運ばれた。

「……ん、ん」

口に入ったスープは火傷しないほどに、ほどよく暖かく、野菜もお肉もたくさん入っていて美味しい。ホッと息を吐いて体の力が抜けた。さすがにドMの俺でも知らず知らずのうちに体に力が入っていたらしい。

「美味しいか?」
「ん」
「そうか」

もう一口、もう一口、と口に運ばれるままに食べる穏やかな時間が流れてる時だった。

トントントン。

また、先ほどの扉がノックされた。
そして先ほどと違いガチャリと勝手にドアが開いた。

「クライブ、バイロン……、バトラルの様子は……」

入ってきたのは皇帝陛下で、陛下は、俺と目があった瞬間、ガチリと固まった。

「陛下。バトラルは私の子を妊娠しました。それから、バトラルはここで生活することになりましたので、そちらのドア以外の出入り口を全て塞ぐ許可をいただきたいのですが」

クライブが陛下に向かってそういった。

「子を……? それはとても目出度いが……、バトラルは随分とボロボロじゃないか」
「私たちから逃げようとしたのです。二度とそのような気を起こさぬようにするためにも」
「いや」

クライブの言葉を陛下が途中で遮った。

「バトラルはお主らから逃げようとなどしてはいない。クライブとバイロンの2人がそう思うようにわしが仕向けたのだ」
「……はい?」

クライブは、訳がわからないというように、陛下に対し疑問の声を上げた。
それは俺も同じだ。陛下がそのようなことをする意味がまるでわからなかった。

「いやな。バトラルと仲の良い、ヨハイド・ファブランド公爵令息に、頼まれたのだよ。バトラルが絶対喜ぶ誕生日プレゼントをあげたいとな。彼は最近同盟を結んだダームドゥロード王国の皇太子妃になった訳だし、その意向にはなるべく添いたいと思っていたところ、コリン・サムソン男爵令息も一緒になって頼んできたものだから、間違い無いだろうとわしもその案に乗ったわけだ。今まであまり話す機会もなかった息子の婚約者を、喜ばせるのも悪くない。だが、バトラルはわしが思っていたよりもボロボロにされておるな」

陛下はそういって気遣わしげに俺を見た。

「ぼ、くは……問題、ないです」
「バトラル、そんな……私たちの勘違いだったって……その。本当なの?」
「バトラル」

クライブもバイロンも絶望みたいな顔をして俺を見ていた。

「バトラルには、近々学園を卒業するクライブに記念の剣をプレゼントする為の材料を取ってきてほしいと騙していたのだ。それをクライブのためならばと嬉々として引き受けてくれたバトラルが、2人から逃げようなどと思っているとは思えない。バトラルを愛しているという2人なら冷静に考えたら、分かったはずだ」

陛下の言葉に、クライブは愕然とした様子で肩を落とした。

「ぁ……そ、うだよね。ごめん……ごめん、バトラル」
「すまない。バトラルのことを考えると頭に血が上って……私は軍人失格だ」

2人はまた後悔の顔をしながら、俺に謝ってきた。
だが、謝る必要なんてまるでない。
だって俺は。

「なぜ、わしがファブランド公爵令息の案に乗ったと思っている。バトラルについて調べはついている。わしは、今回のことでバトラルは間違いなく喜んでいると思っている」
「……そんなわけ」

陛下の言葉を否定するように、クライブがポツリと呟いた。

「恋は盲目……いや、これじゃ使い方が違うか。とにかく、バトラルはちゃんと2人に伝えていたのだろう。わしはバトラルの望むことを叶える手伝いをしたまでだ。あとは3人でしっかり話し合いなさい。あと、誤解が解けたのなら、今日のところはバトラルを休ませてやりなさい」
「「……はい」」

2人が返事をすると陛下は満足そうに頷いて俺たちを残し、元来た扉から出て行った。

しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。 ※(3/14)ストック更新終わりました!幕間を挟みます。また本筋練り終わりましたら再開します。待っててくださいね♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

俺が総受けって何かの間違いですよね?

彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。 17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。 ここで俺は青春と愛情を感じてみたい! ひっそりと平和な日常を送ります。 待って!俺ってモブだよね…?? 女神様が言ってた話では… このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!? 俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!! 平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣) 女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね? モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

就職するところがない俺は男用のアダルトグッズの会社に就職しました

柊香
BL
倒産で職を失った俺はアダルトグッズ開発会社に就職!? しかも男用!? 好条件だから仕方なく入った会社だが慣れるとだんだん良くなってきて… 二作目です!

処理中です...