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すれ違……わない
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ヒート中のセックスでの妊娠はほぼ確実と言ってもいいらしい。
それなのに、僕のヒート中にセックスをしたのに、番になったのに。
僕は3ヶ月たった今もまだ妊娠していない。
長いことあの薬を飲まされていた僕は何かしらの副作用で妊娠できなくなったんじゃないかって僕は不安で不安でたまらないんだ。
「菜月くん? どうしたんだ、何か悩んでるのか?」
最近は常に子供のことを考えている。
そんな僕に迅英さんが心配そうに話しかけてくれた。
「い、いえ……別に。今日の夜は何が食べたいですか?」
僕は勤めて明るい声を出して迅英さんに心配をかけないようにした。
だけど、迅英さんは困ったように笑って僕をお姫様抱っこしてリビングのソファに運んで座らされた。
迅英さんはソファに座った僕の前に膝をついて目線を合わせてからもう一度困ったように笑った。
「菜月くん、何かあるなら言ってくれないか? 俺たちは言葉にしなければと学んだだろう? 何かあるなら話してほしい」
「迅英さん……」
そうだ。ひとりで悩んでいたら良くない方向にばかり進んでしまう僕たちだから何かあったら話さなきゃ。
「迅英さん……僕はもしかしたら赤ちゃんが産めない体なのかも、しれませ、ん」
話し始めたら途端に涙が溢れ出してきた。
「どうしてそう思うんだ?」
迅英さんは僕を優しく抱き寄せながらそう聞いてきた。
「だって、ヒート中のセックスはほぼ確実に妊娠するって、なのに僕、妊娠してない……迅英さん、僕、赤ちゃんできないかも、だけど、捨てないで、お願いです」
「……捨てる訳ない。今の段階で菜月くんが確実に妊娠できない体だと決まった訳じゃないだろう? もしかしたら俺の体に原因があるかも知れない。そうなったら菜月くんは俺を捨てるのか?」
「っ、捨てる訳ない!」
「だろう? 菜月くんはこれからどうしたい? 病院に行って検査をするなら俺も一緒に行って俺も検査をする。そして、どちらかに問題があったとしても治療をするなら俺も全力で頑張る。だが、俺は菜月くんと2人の時間がとても好きだから、菜月くんがどうしたいのかを聞きたいな」
迅英さんは自分の考えをちゃんと伝えてくれた。
お互い思いを伝えられなかった前までとは違うと感じて、不安だった心がポカポカと暖かくなった。
「僕も、迅英さんと2人の時間が好きです。だけど、僕も両親のように親になってみたい。だから僕はまず検査がしたいです」
「そうか……。じゃあ来週の月曜日に有給を取るから病院に一緒に行こう」
「はい」
そして次の週、僕たちは藤宮先生のいる私立病院に行った。
結果は僕の思った通り、長年あの薬を飲んでいた副作用で妊娠しづらい体になっていると言うことだった。
だけど僕はしっかりと迅英さんと話し合いが出来ていたからショックは思ったほど大きくなかった。
病院でしっかりと治療すれば妊娠する可能性は高まると言われた。
「僕、治療してみたいです」
家に帰って迅英さんにそう伝えた。
「もちろん、全力でサポートする」
迅英さんもそう言ってくれた。
そして治療を始めたら休みの日はそれ関係で潰れるだろうしと治療を始める前に旅行に行こうかと言う話になった。
それなのに、僕のヒート中にセックスをしたのに、番になったのに。
僕は3ヶ月たった今もまだ妊娠していない。
長いことあの薬を飲まされていた僕は何かしらの副作用で妊娠できなくなったんじゃないかって僕は不安で不安でたまらないんだ。
「菜月くん? どうしたんだ、何か悩んでるのか?」
最近は常に子供のことを考えている。
そんな僕に迅英さんが心配そうに話しかけてくれた。
「い、いえ……別に。今日の夜は何が食べたいですか?」
僕は勤めて明るい声を出して迅英さんに心配をかけないようにした。
だけど、迅英さんは困ったように笑って僕をお姫様抱っこしてリビングのソファに運んで座らされた。
迅英さんはソファに座った僕の前に膝をついて目線を合わせてからもう一度困ったように笑った。
「菜月くん、何かあるなら言ってくれないか? 俺たちは言葉にしなければと学んだだろう? 何かあるなら話してほしい」
「迅英さん……」
そうだ。ひとりで悩んでいたら良くない方向にばかり進んでしまう僕たちだから何かあったら話さなきゃ。
「迅英さん……僕はもしかしたら赤ちゃんが産めない体なのかも、しれませ、ん」
話し始めたら途端に涙が溢れ出してきた。
「どうしてそう思うんだ?」
迅英さんは僕を優しく抱き寄せながらそう聞いてきた。
「だって、ヒート中のセックスはほぼ確実に妊娠するって、なのに僕、妊娠してない……迅英さん、僕、赤ちゃんできないかも、だけど、捨てないで、お願いです」
「……捨てる訳ない。今の段階で菜月くんが確実に妊娠できない体だと決まった訳じゃないだろう? もしかしたら俺の体に原因があるかも知れない。そうなったら菜月くんは俺を捨てるのか?」
「っ、捨てる訳ない!」
「だろう? 菜月くんはこれからどうしたい? 病院に行って検査をするなら俺も一緒に行って俺も検査をする。そして、どちらかに問題があったとしても治療をするなら俺も全力で頑張る。だが、俺は菜月くんと2人の時間がとても好きだから、菜月くんがどうしたいのかを聞きたいな」
迅英さんは自分の考えをちゃんと伝えてくれた。
お互い思いを伝えられなかった前までとは違うと感じて、不安だった心がポカポカと暖かくなった。
「僕も、迅英さんと2人の時間が好きです。だけど、僕も両親のように親になってみたい。だから僕はまず検査がしたいです」
「そうか……。じゃあ来週の月曜日に有給を取るから病院に一緒に行こう」
「はい」
そして次の週、僕たちは藤宮先生のいる私立病院に行った。
結果は僕の思った通り、長年あの薬を飲んでいた副作用で妊娠しづらい体になっていると言うことだった。
だけど僕はしっかりと迅英さんと話し合いが出来ていたからショックは思ったほど大きくなかった。
病院でしっかりと治療すれば妊娠する可能性は高まると言われた。
「僕、治療してみたいです」
家に帰って迅英さんにそう伝えた。
「もちろん、全力でサポートする」
迅英さんもそう言ってくれた。
そして治療を始めたら休みの日はそれ関係で潰れるだろうしと治療を始める前に旅行に行こうかと言う話になった。
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