天使は誰

真白 雪和

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たどり着く先

ー真希ー知りたかった謎

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忍さんは私の家にまで来て、無理やり抱いてくるのに。

全く来なくなった。その方が助かるんだけど、また来るかもしれないと思うと不安になる。

仕事が忙しくなりだしたのかな。

好きでもない人にされるなんて、嫌。

優大君に見られて完全に嫌われてしまった。
あの時、助けてくれるんじゃないかって一瞬だけ期待した。

でも冷たくされた。ある意味良かったかもしれない。

優大君の冷たさはハル君との一件から違和感があった。
本当は優しい人じゃないのかもって。



私は一体、優大君の何を見ていて、何を知っていたんだろう。


きっと本当のことなんて何一つ知らない。

向けられていた笑顔も、告白の時の真剣な表情だって表の顔だったのかもしれないよね。


そんなことを考えてるとインターホンが鳴った。

また忍さんかもしれない。
前も来た時、拒んだらばらすと言われて仕方なく家に入れてしまった。

怖くて呼吸が苦しくなる。

誰かと思ったら、ハル君だった。

何で私の家に?
もしかして、ストーカーしてたのばらされた?

今はもうしてないけど、迷惑だったのかもしれない。

玄関を開けると、泣きそうな顔をしていた。

「ごめんな。忍から聞いたんだ」


やっぱり忍さん、ハル君に言ったんだ。

「……無理やり抱かれたって。辛かったよな。ごめんな。俺のせいだ」

え、ストーカーの話じゃないの?
謝らないでほしい。悪いのは私なんだから。

「ハル君のせいじゃないよ。確かに痛かったし、物凄く嫌だったけど、私が悪い」

「真希のせいじゃないから。忍はぶっ飛ばしといたから。もう2度と来ない。安心して」


もう、来ない。それは果てのない苦しみから解放されるってことだよね。

良かったと言ってもいいのだろうか。

ハル君が助けてくれた。

でも、私はストーカーしてたんだよ。

もしかして、気づいてないのかな。

謝らなきゃ。

「ねえ、ハルくん。嫌がらせしてたの、私。迷惑かけて本当にごめんなさい」

「知ってた。でもストーカーされたって嫌いにならないし、そこまでさせてしまって……ごめん」

「違う、違うの! 私が悪いんだから」


「俺は真希のしたこと全部許せるよ。だって愛してるから。何かもかも受け止められる」

そんな簡単に許せるなんて。ハル君はおかしい。

どうして、許すの。




自分のした行いが、どれだけ最低なのかおもい知った。なのにハル君は、許してくれる。


これほどまで大切に思ってくれるのは、きっと彼だけ。

なんで、こんなに私は好かれてるんだろう。

 
目にうつるのは、藍来にも見えるハル君。

前よりも似てきてるような。

いや、藍来?

そう見えてならない。

気になるからとりあえず、上がってもらおう。

「とりあえず、上がっていかない? 」

「うん。そうするよ。ありがとう」


怖い、何でハル君のはずなのに藍来に見えるんだろう。もはや、似てるとかのレベルじゃない。

私から聞いてみるべき?いや、でも……

「俺、真希に話したいことがあるんだ。聞いてくれる?」

もしかして、話してくれるのかな?

私の知らない、藍来とハル君のことを。


ずっと前から気になってたんだ。

あの時を思い出す。

ーー信じてもらえないかもしれないけれど俺、藍来でもあるんだーー


一体どうしてそうなったんだろう。

「知りたいよね。俺が藍来でもある理由」

知りたくないわけがない。
でも、本当に聞いても大丈夫なんだろうか。

「聞きたいけど、ちょっと怖い」

「そっか。そうだよね。そうだ、アールグレイ飲みたいんだけど、ある?あるなら飲みながら話そうよ」

リラックスした状態で話したいのかな?
紅茶なら常に置いてるから、あるんだけど。

ティーポットに入れるアールグレイはティーバッグだから簡単。



アールグレイを1口飲むと、彼は私に微笑みながら話し始めた。


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