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第78話『卒業式』
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3月15日、金曜日。
今日は卒業式。在校生として桜海高校に行くのは今日で最後になる。
僕らはみんな第一志望の大学に合格して、高校の方も留年するようなこともなくきちんと卒業することになった。そんな僕らを祝福しているように、今日は朝から快晴であり、雨が降る心配は全くないという。
「今日で高校を卒業しちゃうよ……」
朝、家の前で咲希と会った時点で、彼女の目からはさっそく雨が。そんな彼女の頭を明日香が優しい笑みを浮かべながら撫でている。
「そうだね。今日で卒業だから寂しいよね、さっちゃん」
「……うん。昨日までは桜海大学に受かった喜びの方が強かったけど、今日起きたら急に寂しくなっちゃって。桜海高校に行くのは今日が最後だし、明日香も、翼も、美波も、羽村君も……卒業したら東京に行っちゃうし」
そういえば、転入してきてすぐに進路とか卒業の話をしたときも悲しんでいたっけ。
「そう言われると、私も寂しくなってきたよ。3年間通ってきた桜海高校もこれで最後だもんね」
明日香と咲希はぎゅっと抱きしめ合う。何だか、もう卒業式が終わってしまって、あとは家に帰るだけって感じになっているな。そんな2人を見てか、芽依ももらい泣きしている。
「2人とも、もう卒業証書を受け取った後みたいになっているね。その涙は実際の卒業式の後まで取っておこうよ。さあ、4人で最後の登校をしよう」
僕らは最後の4人での登校をすることに。
陽差しも、風も、明日香の手もほんのりと温かいのに、どこか冷たくも思えて。学校へ向かう一歩一歩が普段よりも重く感じられる。
「去年の夏はまさか咲希ちゃんと一緒に登校できるんだってワクワクしたけど、いつしかそれが当たり前になって、今日のこの登校が最後だと思うと寂しいな。4月からはあたし1人になっちゃうし」
「でも、それは6年前や3年前と同じじゃない? あのときは咲希がいなかったけど」
「あのときだって寂しかったけど、2人とも変わらずに桜海にいたじゃない。だから、ちょっと変わっただけなんだって思えたけど。今回はお兄ちゃんと明日香ちゃんは東京の大学に進学するからさ。凄く寂しいよ。咲希ちゃんがいるからまだしも……」
「そういうことか……」
僕や明日香、芽依は生まれてからずっと桜海という街で育ってきた。だから、今回初めて桜海から離れることになる。芽依は僕や明日香のことが大好きだから、離れるのが寂しいんだろうな。
「お父さんもあと数年は異動の予定はないって言っていたから、家から桜海大学に通うよ。万が一、大学生の間に転勤とかになったら、鈴音先輩のアパートとかで1人暮らしするつもり。桜海から離れることはないから安心して、芽依ちゃん」
「……うん!」
芽依は嬉しそうな様子で咲希の腕を抱きしめる。咲希もとても嬉しそうな笑みを浮かべている。
「たまにでもいいから、4月以降は芽依のことを気に掛けてくれれば嬉しいよ。もちろん、僕や明日香も連絡は普通にするからさ」
「うん、分かった。……芽依ちゃんと同じく2人がいなくなるのは寂しいけど、芽依ちゃんや鈴音先輩がいるから頑張れそう」
「……そうか」
僕も咲希や芽依達のいる桜海から離れるのは寂しいけど、4月からは新しい場所で頑張っていこう。僕のすぐ側には明日香もいるんだし。今一度、明日香の手を強く握る。
そんなことを話していると、もう桜海高校の校舎が見え始めていた。生徒としてあそこに行くのも今日が最後か。学舎が見えた途端、今日で卒業するんだなと急に実感するようになってきた。
正門前には三宅さんなどの生徒会メンバーを中心に、多くの生徒が卒業生に赤い記章を胸に付けていた。
三宅さんは僕らのことに気付いたのか、笑顔でこちらにやってきた。
「先輩方と芽依ちゃん、おはようございます。そして、卒業おめでとうございます」
「ありがとう、三宅さん」
「……特に親しくさせていただいた先輩方には私が記章を付けたくて。さっき、宗久会長と美波先輩に付けたんですよ」
「そうなんだね、はるちゃん。最終日までみなみんと羽村君は早く登校するんだな」
「あの2人らしいよね」
「ふふっ、では、先輩方にも付けさせていただきますね」
僕、明日香、咲希は三宅さんに、ブレザーの胸ポケットのところに卒業の記章を付けてもらった。
そういえば、在校生代表としての送辞を三宅さんがやるんだよな。そして、卒業生代表の答辞は羽村がやる。2人は真面目だし普通にやると思うけど、2人は付き合っているので何かやらかしそうな気もする。特に羽村が。
「これでいいですね」
「ありがとう、はるちゃん」
「陽乃ちゃん、ありがとう。これを付けもらうといよいよ卒業って感じがするよ」
「ふふっ、みなさん立派ですよ。第一志望の大学の合格と卒業おめでとうございます」
三宅さんから祝福のメッセージをもらって、僕らは校舎の方へと向かう。
昇降口で芽依と別れて3人で3年1組の教室に行くと、そこには記章を付けた羽村と常盤さんがいた。
「みんな、おはよう。最終日まで3人で登校とは俺達も嬉しいぞ」
「そうだね、羽村君。おはよう、みんな。こういうのも今日で終わりだと思うと寂しいな」
常盤さんはそう言うと、明日香と咲希のことをぎゅっと抱きしめる。教室でこうしたほのぼのとした風景を見られるのもこれで最後か。
「学校でこうした興奮する風景を見られるのもこれで最後なのか、蓮見」
「……そうだね。大学でも似た風景を見られればいいね」
「ああ。東京にはたくさん人がいるから、俺は今から期待しているぞ!」
これが羽村と僕の違いなのかと卒業式当日に改めて思い知った。東京国立大学でも羽村の百合好きは広く知られることになり、もしかしたら同士と出会うかもしれない。僕も上京するので、彼とはこれからも定期的に会うことになるだろう。
「それにしても、うちのクラスの生徒の半分以上が、第一志望の大学や専門学校への進学や、会社への就職が決まって良かった」
「ああ、そうだな」
中には浪人が決定している友人もいるけど、自分なりに納得できる道を歩めれば何よりだと思う。
「卒業後もたまには会おう、羽村」
「そうだな。東京では色々とイベントもあるし、そのときはよろしく」
「ああ。これからもよろしくな」
「もちろんだとも!」
まだ、卒業式が始まったわけでもないのに、僕らは固い握手を交わした。その瞬間、よほどのことがない限り、彼とは親友の関係が続くのだと確信した。
「はーい。みんな席に着いて」
教室に入ってきた松雪先生は黒いスーツを着ていた。フォーマルな雰囲気だけど、胸に付いている白いコサージュおかげで華やいで見える。こうして見ると、松雪先生は立派で美しい大人の女性であるのだと今一度思う。女子を中心に何人ものクラスメイトが綺麗だと言っているな。
「おはようございます。……今日は卒業式です。みなさんにとって、桜海高校の生徒として登校するのは今日が最後になります。みなさんに言いたいことはたくさんありますが、それは卒業式の後にある最後のホームルームの時間で話しますね。人生に一度しかない大切な式典ですから、卒業式にはしっかりと参加しましょう。あと、羽村君。卒業生代表として答辞をしっかりと言ってね」
「はい、分かりました」
「……在校生代表の送辞が恋人の三宅さんだからといって、感極まって愛の告白なんて事態にはならないように」
「感極まるとは思いますが、そこは任せてくださいよ」
羽村がそう言うと教室中が笑い声に包まれる。変に緊張してしまったり、寂しげな雰囲気になってしまったりするよりかはいいか。あと、先生も羽村が何か言ってしまいそうだと思っていたのか。
和やかな雰囲気の中、僕らは卒業式の会場である体育館に移動する。在校生や保護者の方が多くいるのに、僕らそれぞれの両親や月影さん、在校生である芽依や三宅さんはすぐに見つかった。
それから程なくして、2018年度の卒業式が始まった。
喜ばしい式典ではあるけど、どこか緊張感があって厳かにも思える。そんな中、卒業生は1人1人、壇上に上がって証書を受け取った。
3年1組はもちろん最初であり、出席番号は男女混合なので明日香が最初に証書受け取る。また、咲希は6月からの転入生だけど、明日香の次に卒業証書を受け取っていた。
証書を受け取った後、在校生代表として三宅さんによる送辞と、卒業生代表として羽村による答辞が行なわれた。2人とも真面目に、そして立派に話していた。羽村はさすがだけれど、送辞を話している三宅さんの姿を見て、彼女も立派な生徒会長になったなと思った。あと、特に羽村が変なことを言わなかったので一安心。
特に何かトラブルが発生してしまうこともなく、卒業式は無事に終わったのであった。
今日は卒業式。在校生として桜海高校に行くのは今日で最後になる。
僕らはみんな第一志望の大学に合格して、高校の方も留年するようなこともなくきちんと卒業することになった。そんな僕らを祝福しているように、今日は朝から快晴であり、雨が降る心配は全くないという。
「今日で高校を卒業しちゃうよ……」
朝、家の前で咲希と会った時点で、彼女の目からはさっそく雨が。そんな彼女の頭を明日香が優しい笑みを浮かべながら撫でている。
「そうだね。今日で卒業だから寂しいよね、さっちゃん」
「……うん。昨日までは桜海大学に受かった喜びの方が強かったけど、今日起きたら急に寂しくなっちゃって。桜海高校に行くのは今日が最後だし、明日香も、翼も、美波も、羽村君も……卒業したら東京に行っちゃうし」
そういえば、転入してきてすぐに進路とか卒業の話をしたときも悲しんでいたっけ。
「そう言われると、私も寂しくなってきたよ。3年間通ってきた桜海高校もこれで最後だもんね」
明日香と咲希はぎゅっと抱きしめ合う。何だか、もう卒業式が終わってしまって、あとは家に帰るだけって感じになっているな。そんな2人を見てか、芽依ももらい泣きしている。
「2人とも、もう卒業証書を受け取った後みたいになっているね。その涙は実際の卒業式の後まで取っておこうよ。さあ、4人で最後の登校をしよう」
僕らは最後の4人での登校をすることに。
陽差しも、風も、明日香の手もほんのりと温かいのに、どこか冷たくも思えて。学校へ向かう一歩一歩が普段よりも重く感じられる。
「去年の夏はまさか咲希ちゃんと一緒に登校できるんだってワクワクしたけど、いつしかそれが当たり前になって、今日のこの登校が最後だと思うと寂しいな。4月からはあたし1人になっちゃうし」
「でも、それは6年前や3年前と同じじゃない? あのときは咲希がいなかったけど」
「あのときだって寂しかったけど、2人とも変わらずに桜海にいたじゃない。だから、ちょっと変わっただけなんだって思えたけど。今回はお兄ちゃんと明日香ちゃんは東京の大学に進学するからさ。凄く寂しいよ。咲希ちゃんがいるからまだしも……」
「そういうことか……」
僕や明日香、芽依は生まれてからずっと桜海という街で育ってきた。だから、今回初めて桜海から離れることになる。芽依は僕や明日香のことが大好きだから、離れるのが寂しいんだろうな。
「お父さんもあと数年は異動の予定はないって言っていたから、家から桜海大学に通うよ。万が一、大学生の間に転勤とかになったら、鈴音先輩のアパートとかで1人暮らしするつもり。桜海から離れることはないから安心して、芽依ちゃん」
「……うん!」
芽依は嬉しそうな様子で咲希の腕を抱きしめる。咲希もとても嬉しそうな笑みを浮かべている。
「たまにでもいいから、4月以降は芽依のことを気に掛けてくれれば嬉しいよ。もちろん、僕や明日香も連絡は普通にするからさ」
「うん、分かった。……芽依ちゃんと同じく2人がいなくなるのは寂しいけど、芽依ちゃんや鈴音先輩がいるから頑張れそう」
「……そうか」
僕も咲希や芽依達のいる桜海から離れるのは寂しいけど、4月からは新しい場所で頑張っていこう。僕のすぐ側には明日香もいるんだし。今一度、明日香の手を強く握る。
そんなことを話していると、もう桜海高校の校舎が見え始めていた。生徒としてあそこに行くのも今日が最後か。学舎が見えた途端、今日で卒業するんだなと急に実感するようになってきた。
正門前には三宅さんなどの生徒会メンバーを中心に、多くの生徒が卒業生に赤い記章を胸に付けていた。
三宅さんは僕らのことに気付いたのか、笑顔でこちらにやってきた。
「先輩方と芽依ちゃん、おはようございます。そして、卒業おめでとうございます」
「ありがとう、三宅さん」
「……特に親しくさせていただいた先輩方には私が記章を付けたくて。さっき、宗久会長と美波先輩に付けたんですよ」
「そうなんだね、はるちゃん。最終日までみなみんと羽村君は早く登校するんだな」
「あの2人らしいよね」
「ふふっ、では、先輩方にも付けさせていただきますね」
僕、明日香、咲希は三宅さんに、ブレザーの胸ポケットのところに卒業の記章を付けてもらった。
そういえば、在校生代表としての送辞を三宅さんがやるんだよな。そして、卒業生代表の答辞は羽村がやる。2人は真面目だし普通にやると思うけど、2人は付き合っているので何かやらかしそうな気もする。特に羽村が。
「これでいいですね」
「ありがとう、はるちゃん」
「陽乃ちゃん、ありがとう。これを付けもらうといよいよ卒業って感じがするよ」
「ふふっ、みなさん立派ですよ。第一志望の大学の合格と卒業おめでとうございます」
三宅さんから祝福のメッセージをもらって、僕らは校舎の方へと向かう。
昇降口で芽依と別れて3人で3年1組の教室に行くと、そこには記章を付けた羽村と常盤さんがいた。
「みんな、おはよう。最終日まで3人で登校とは俺達も嬉しいぞ」
「そうだね、羽村君。おはよう、みんな。こういうのも今日で終わりだと思うと寂しいな」
常盤さんはそう言うと、明日香と咲希のことをぎゅっと抱きしめる。教室でこうしたほのぼのとした風景を見られるのもこれで最後か。
「学校でこうした興奮する風景を見られるのもこれで最後なのか、蓮見」
「……そうだね。大学でも似た風景を見られればいいね」
「ああ。東京にはたくさん人がいるから、俺は今から期待しているぞ!」
これが羽村と僕の違いなのかと卒業式当日に改めて思い知った。東京国立大学でも羽村の百合好きは広く知られることになり、もしかしたら同士と出会うかもしれない。僕も上京するので、彼とはこれからも定期的に会うことになるだろう。
「それにしても、うちのクラスの生徒の半分以上が、第一志望の大学や専門学校への進学や、会社への就職が決まって良かった」
「ああ、そうだな」
中には浪人が決定している友人もいるけど、自分なりに納得できる道を歩めれば何よりだと思う。
「卒業後もたまには会おう、羽村」
「そうだな。東京では色々とイベントもあるし、そのときはよろしく」
「ああ。これからもよろしくな」
「もちろんだとも!」
まだ、卒業式が始まったわけでもないのに、僕らは固い握手を交わした。その瞬間、よほどのことがない限り、彼とは親友の関係が続くのだと確信した。
「はーい。みんな席に着いて」
教室に入ってきた松雪先生は黒いスーツを着ていた。フォーマルな雰囲気だけど、胸に付いている白いコサージュおかげで華やいで見える。こうして見ると、松雪先生は立派で美しい大人の女性であるのだと今一度思う。女子を中心に何人ものクラスメイトが綺麗だと言っているな。
「おはようございます。……今日は卒業式です。みなさんにとって、桜海高校の生徒として登校するのは今日が最後になります。みなさんに言いたいことはたくさんありますが、それは卒業式の後にある最後のホームルームの時間で話しますね。人生に一度しかない大切な式典ですから、卒業式にはしっかりと参加しましょう。あと、羽村君。卒業生代表として答辞をしっかりと言ってね」
「はい、分かりました」
「……在校生代表の送辞が恋人の三宅さんだからといって、感極まって愛の告白なんて事態にはならないように」
「感極まるとは思いますが、そこは任せてくださいよ」
羽村がそう言うと教室中が笑い声に包まれる。変に緊張してしまったり、寂しげな雰囲気になってしまったりするよりかはいいか。あと、先生も羽村が何か言ってしまいそうだと思っていたのか。
和やかな雰囲気の中、僕らは卒業式の会場である体育館に移動する。在校生や保護者の方が多くいるのに、僕らそれぞれの両親や月影さん、在校生である芽依や三宅さんはすぐに見つかった。
それから程なくして、2018年度の卒業式が始まった。
喜ばしい式典ではあるけど、どこか緊張感があって厳かにも思える。そんな中、卒業生は1人1人、壇上に上がって証書を受け取った。
3年1組はもちろん最初であり、出席番号は男女混合なので明日香が最初に証書受け取る。また、咲希は6月からの転入生だけど、明日香の次に卒業証書を受け取っていた。
証書を受け取った後、在校生代表として三宅さんによる送辞と、卒業生代表として羽村による答辞が行なわれた。2人とも真面目に、そして立派に話していた。羽村はさすがだけれど、送辞を話している三宅さんの姿を見て、彼女も立派な生徒会長になったなと思った。あと、特に羽村が変なことを言わなかったので一安心。
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