恋人、はじめました。

桜庭かなめ

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特別編6

第10話『おともだち-後編-』

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 ――ピンポーン。
 氷織が火村さんと葉月さんにあとどのくらいで来られるのか確認してから30分ちょっと。家のインターホンの音が鳴った。時間的にも来訪者は2人である可能性が高そうだ。

「沙綾さんと恭子さんかもしれませんね。愛莉ちゃん、一度、私の脚から立ち上がってくれますか?」
「はーい」

 愛莉ちゃんは氷織の脚から立ち上がる。ちなみに、マジキュアを観ている間も愛莉ちゃんはずっと氷織の膝に座っていた。
 氷織はクッションから立ち上がり、扉の近くにあるモニターのところまで行く。

「はい。……あっ、恭子さんに沙綾さん」
『愛莉ちゃんに会いに来たわよ!』
『どうもッス』
「すぐに行きますね。……恭子さんと沙綾さんでした。迎えに行ってくるので、愛莉ちゃんは明斗さんと一緒に待っていてください」
「はーい!」
「いってらっしゃい、氷織」
「いってきます」

 氷織は俺達に手を振ると部屋を出て行った。
 ここは氷織の部屋だけど、氷織と「いってきます」「いってらっしゃい」のやり取りをするの……凄くいいな。今は愛莉ちゃんがいるから、一緒に住んで、結婚して、子供が生まれたらこういう感じなのかなって想像してしまう。

「ねえねえ。あきとくんにもすわっていい? いままで、ひおりちゃんにすわってたから」

 愛莉ちゃんは俺の目を見てそんなお願いしてくる。可愛い。
 愛莉ちゃんは女の子だけど、保育園に通う6歳だし……脚の間に座らせるくらいなら大丈夫だろう。氷織も愛莉ちゃんを座らせちゃダメだとは言わないと思う。

「いいよ。ただ、俺はあぐらを掻いているから……脚の間に座ろうか」

 ここに、と脚の間のクッション部分を右手でポンポンと叩く。
 愛莉ちゃんは「うんっ」と首肯しながら返事する。俺の脚の間に腰を下ろし、そっと寄り掛かってきた。そのことで、お腹のあたりに愛莉ちゃんから優しい温もりが感じられる。

「座り心地はどうかな、愛莉ちゃん」
「すごくいい! ひおりちゃんよりかたいけど、きもちいい」
「それは良かった。ありがとう」

 愛莉ちゃんの髪が乱れてしまわない程度に、右手で頭を優しくポンポンと叩く。愛莉ちゃんは俺の方に顔を向けてニッコリと笑ってくれて。あぁ……すっごく可愛い。癒やされるなぁ。
 あと、俺が氷織より固いっていうのは……ああ、俺は男で胸がないからかな。氷織の脚に座っていたとき、愛莉ちゃんの後頭部がちょうど氷織の胸に当たっていたし。
 そういえば、氷織は愛莉ちゃんを座らせていたとき、後ろから抱きしめていたな。愛莉ちゃんを座らせてはいるけど、抱きしめるのはさすがに止めた方がいいかもしれない。そう考え、両手は床の上に置く形にする。

「ひおりちゃんも、こうやってすわったことあるの?」
「あるよ。昨日のお泊まりでアニメを観たときに、氷織が俺の脚の間に座ったんだよ。氷織のことを俺が後ろから抱きしめたんだ。抱きしめてほしいってお願いされてね」
「へえ、そうだったんだ! ひおりちゃん、あきとくんにはあまえんぼさんなんだね。かれしさんだからかな?」
「そうかもね」

 氷織はしっかりとした女の子だ。ただ、俺と2人きりでいるときを中心に、やりたいことやしてほしいことを言ってくれて。付き合っていく中でそういうことが増えていって。それが可愛いなって思うんだ。

「ただいま。恭子さんと沙綾さんを連れてきました」

 そう言って、氷織が戻ってきた。
 氷織に続いて、ジーンズパンツに肩開きの半袖のブラウス姿の火村さんと、膝丈のスカートにノースリーブのブラウス姿の葉月さんが部屋の中に入ってきた。
 また、火村さんは部屋に入った途端、「あらぁ……」と呟き、うっとりとした様子でこちらを見ている。きっと、愛莉ちゃんを見ているのだろう。

「おかえり、氷織」
「おかえり、ひおりちゃん!」
「2人ともただいま。愛莉ちゃん、明斗さんの脚の間に座っているんですね」

 ふふっ、と氷織は俺達を見ながら優しく笑う。この様子からして、愛莉ちゃんが俺の脚の間に座っている状況を嫌がってはいなさそうだ。

「いままで、ひおりちゃんにすわっていたから、あきとくんにもすわってみたくなったの。きもちいい」
「気持ちいいですよね」

 そう言う氷織の笑顔は楽しげなものに変わって。昨晩のことを思い出しているのだろうか。

「火村さんと葉月さん、こんにちは」
「どうもッス」
「こんにちは。……ねえ、氷織。紙透の脚の間に座っている銀髪美幼女が例の従妹の愛莉ちゃんかしら?」
「美幼女って。美少女はよく聞くッスけど」

 葉月さんは苦笑いをしながら火村さんにツッコむ。俺も火村さんが美幼女と言ったことにツッコみたいと思っていた。

「ふふっ。こちらの銀髪の子が、私の従妹の桃瀬愛莉ちゃんです。愛莉ちゃん、これまでのように恭子さんと沙綾さんにも挨拶しましょうか」
「うんっ!」

 元気良く返事をすると、すっと立ち上がり、火村さんと葉月さんの目の前まで向かう。そのことで、葉月さんはいつもの明るくニッコリとした笑顔に、火村さんは……さらにうっとりとした笑顔になる。

「はじめまして、ももせあいりです! 6さいです! ほいくえんにいってます! よろしくおねがいします!」

 愛莉ちゃんは火村さんと葉月さんに向かってはつらつとした声で挨拶し、ペコリと頭を下げた。ちゃんと挨拶できて偉いぞ。
 さっき、和男と清水さんに挨拶できたときのように、氷織は優しい笑顔で愛莉ちゃんの頭を撫でていた。銀髪だし、可愛い笑顔が似ているから、氷織が愛莉ちゃんのお姉さんや若いお母さんのように見えてくる。
 火村さんと葉月さんは笑顔になって、その場でしゃがむ。

「初めまして。葉月沙綾ッス。16歳ッス。ひおりんや紙透君、隣のヒム子と同じ学校に通う友達ッス。よろしくッス、あいりん!」
「初めまして、火村恭子です。16歳です。この3人のお友達よ。よろしくね、愛莉ちゃん」

 葉月さんと火村さんは愛莉ちゃんに自己紹介した。
 あと、葉月さんは親しい女子に対してはニックネームを付けるけど、初対面の愛莉ちゃんにも付けたか。あいりだから「あいりん」か。氷織のひおりんと同じメソッドかな。

「うんっ! さあやちゃん、きょうこちゃん、よろしくね!」

 愛莉ちゃんは元気良くそう言うと、葉月さん、火村さんの順番で握手する。葉月さんは変わらず明るい笑顔だけど、火村さんは「あぁ……」と声を漏らして恍惚とした表情になる。

「愛莉ちゃん、物凄く可愛いわぁ。手もちっちゃくて可愛い。まるで天使だわ。あたしの前に天使が舞い降りた感じがするわぁ」
「美幼女といい天使といい、ヒム子はあいりんを褒めまくりッスね」
「だって物凄く可愛いんだもの! さすがは氷織の従妹だわ! ちなみに、従妹というのはお母様の方? それともお父様の方? どちらも銀髪だけど」
「お母さんの方です。お母さんの妹の娘で。ちなみに、愛莉ちゃんのお母さんも銀髪です」
「そうなのね! 素晴らしい血筋だわ! あたしにドストライク・ザ・ブラッド!」

 と、火村さんはとても興奮した様子で歓喜の声を上げる。結構な大声だったけど、愛莉ちゃんは特に驚くことなく「あははっ」と楽しそうに笑っている。氷織も一緒に声に出して笑っている。

「ドストライク・ザ・ブラッドって。ラノベとかアニメのタイトルみたいだな」
「あたしも同じことを思ったッス」
「興奮し過ぎて、つい英語が出てしまったわ」
「えいごすごい! きょうこちゃんあたまいい!」
「ありがとう!」

 えへへっ、と嬉しそうに笑う火村さん。愛莉ちゃんに褒められて嬉しいのだろう。

「まあ、火村さんなら大丈夫だと思うけど、愛莉ちゃんに変なことをしないようにね」
「も、もちろんよ! 天使だものっ」

 ニヤニヤしながらそう言う火村さん。愛莉ちゃんをチラチラと見ているし……大丈夫かなぁ? まあ、ここには氷織も葉月さんも俺もいるし、何かあったら3人で愛莉ちゃんを助ければいいか。

「沙綾さんと恭子さんにも何か冷たいものを持ってきますね。何がいいですか? いつものようにコーヒーか紅茶がいいですか? 愛莉ちゃんが来ているので、今日はりんごジュースとオレンジジュースもありますよ」
「りんごジュースおいしいよ!」
「そうなのね! じゃあ、あたしは愛莉ちゃんオススメのりんごジュースにするわ」
「あたしは……オレンジジュースにするッス。大好きッスから」
「りんごジュースにオレンジジュースですね。では、持ってきますね。お二人は適当にくつろいでください」

 そう言い、氷織は部屋を後にした。

「ねえ、愛莉ちゃん。さっきの紙透みたいに、あたしにも座ってくれないかしら?」
「うん、いいよ!」
「ありがとう~!」

 とっても甘い声でお礼を言う火村さん。愛莉ちゃんにデレッデレだな。そんな火村さんに葉月さんは「ふふっ」と笑う。
 火村さんと葉月さんは、これまで俺達3人が座っていたクッションの向かい側にあるクッションに隣同士に座る。愛莉ちゃんは火村さんの脚の上に座った。
 俺はこれまで座っていたクッションに再び腰を下ろす。ちょうど葉月さんと正面で向かい合う位置だ。
 火村さんは愛莉ちゃんを後ろから抱きしめている。火村さんの顔には幸せそうな笑みが浮かんでいる。

「愛莉ちゃん。あたしの膝の座り心地はどう?」
「とてもいいよ! あと、ひおりちゃんほどじゃないけど、きょうこちゃんもやわらかくてきもちいい」
「良かったわぁ。あと、柔らかいのは胸のことかしら」
「きっと、そうじゃないッスか。あいりんの頭に胸が当たっているッスからね」
「やっぱり。あと、氷織の胸は大きくて柔らかいものね!」

 胸のことだけど、比較対象が氷織だからか火村さんは全く不機嫌そうな様子は見せない。むしろ上機嫌なままだ。

「あたしも愛莉ちゃんの抱き心地がとてもいいなって思うわ! 温かいし、髪の毛からいい匂いがするし」
「えへへっ。きょうこちゃんも、あたたかくていいにおいするよ」
「愛莉ちゃんにそう言ってもらえて嬉しいわぁ!」

 えへへへへっ、と火村さんは声に出して笑っている。火村さんに合わせて愛莉ちゃんも笑っていて。愛莉ちゃんを抱きしめ、愛莉ちゃんに褒められた今、火村さんはきっと有頂天な気持ちでいるのだろう。

「良かったッスね、ヒム子。高野駅で落ち合ってから、ヒム子はずっと、あいりんに早く会いたがっていたッスから」
「そうだったのか」

 ここに来るまでの火村さんのワクワクとした様子が、容易に頭に思い浮かぶ。
 愛莉ちゃんは火村さんと葉月さんに頭を撫でられる。そのことに愛莉ちゃんはとても嬉しそうにしていて。2人がここに来てくれて良かったとさっそく思うよ。

「お待たせしました」

 マグカップ2つを乗せたトレーを持った氷織が部屋に戻ってきた。氷織は火村さんと葉月さんの前にそれぞれマグカップを置き、トレーを勉強机に置くと、俺の隣のクッションに腰を下ろした。

「ふふっ。今度は恭子さんの脚の上に座っているんですね」
「うん! きょうこちゃんにおねがいされたから。きょうこちゃんもきもちいい」
「良かったですね。沙綾さん、恭子さん、ジュースをどうぞ」
「どうもッス。オレンジジュースいただくッス」
「ありがとう。りんごジュースいただきます」

 火村さんと葉月さんはそれぞれ、氷織が持ってきたジュースを飲む。2人とも暑い中歩いてきたからかゴクゴク飲んでいるな。

「あぁ……甘くて冷たくて美味しいわ! 愛莉ちゃんが美味しいって言っていただけあるわね!」
「でしょー?」
「オレンジジュースも美味しいッス! 暑い中歩いてきたんで冷たいのがたまらないッス!」
「2人にそう言ってもらえて良かったです」

 今の火村さんと葉月さんの感想を知ったら、ジュースを買ってきた亮さんはかなり喜ぶんじゃないだろうか。
 愛莉ちゃんと火村さんと葉月さんがジュースを飲む姿を見たら、俺も飲みたくなってきたな。俺も後でいただこうかな。

「オレンジジュースもおいしいんだ。……ねえ、さあやちゃん。オレンジジュースをのんでみたいな」
「いいッスよ」
「ありがとう!」

 そう言い、葉月さんは愛莉ちゃんの目の前までマグカップを動かした。
 愛莉ちゃんがオレンジジュースを飲みやすくするためか、火村さんは愛莉ちゃんへの抱擁を解く。ただ、火村さんの顔から笑みが消えており、真剣な目つきになっている。どうしたんだろう?
 愛莉ちゃんは両手でマグカップを持ち、オレンジジュースを飲む。

「あまずっぱくておいしい!」

 オレンジジュースもお気に召したようで、愛莉ちゃんはニコッとした笑顔でそう言った。

「オレンジジュース美味しいッスよね」
「うんっ!」
「……羨ましいわ、沙綾」
「えっ? 何がッスか?」

 火村さんは視線を愛莉ちゃんから葉月さんへと移す。

「愛莉ちゃんと間接キスして羨ましいわっ!」

 ちょっと悔しそうな様子でそう言う火村さん。
 間接キスが羨ましいか。だから、オレンジジュースを飲む前に愛莉ちゃんへの抱擁を解いたとき、火村さんの顔から笑みが消えていたのか。火村さんらしいというか。6歳の女の子との間接キスを羨ましがるのはヤバいというか。

「まさか、愛莉ちゃんとの間接キスを狙ってオレンジジュースを?」
「いや、普通にオレンジジュースの方が好きだからそっちを選んだだけッスよ」

 葉月さんは苦笑いをしながら答えた。氷織も苦笑いしていて。
 愛莉ちゃんとの間接キスを狙ってオレンジジュースを選ぶなんてこと、それこそ火村さんくらいしかやらないと思うぞ。

「……あ、愛莉ちゃん。あたしのりんごジュースも一口あげるわよ。どう?」

 さっそく愛莉ちゃんとの間接キスを狙いに来たな、火村さん。
 愛莉ちゃんは火村さんと同じりんごジュースを既に飲んでいるし、愛莉ちゃんのカップにまだ残っている。果たしてもらうのだろうか?
 愛莉ちゃんは火村さんの方に顔を向けて、

「ありがとう! きょうこちゃん!」

 明るい笑顔で火村さんにお礼を言った。その反応を受け、火村さんは見る見るうちに笑顔を取り戻していく。

「どうぞ!」

 とても可愛い声で火村さんはそう言った。
 愛莉ちゃんは火村さんのりんごジュースを一口飲む。その姿を火村さんがすぐ後ろから嬉しそうな様子で見ていた。

「おいしい!」
「りんごジュース美味しいわよねっ!」

 火村さんは甲高い声で愛莉ちゃんにそう言い、愛莉ちゃんの頭を撫でる。愛莉ちゃんと間接キスできたからか、火村さんは幸せそう。火村さん、良かったね……って思っていいのだろうか。

「あぁ、愛莉ちゃん本当に可愛いわぁ。いつでも見たいから写真撮りたいわぁ」
「いいッスね! あいりんと出会った記念に」
「そうだな。俺も夏休みの思い出に写真を撮りたいな」
「しゃしんほしい!」
「では、私のスマホで撮って、みなさんと愛莉ちゃんのお母さんのスマホに送りましょう」

 それから、氷織のスマホを使って写真撮影会となった。
 愛莉ちゃんと出会った記念という体なので、愛莉ちゃんが写る写真を中心に撮影していく。愛莉ちゃんのみの写真、愛莉ちゃんと俺達それぞれのツーショット写真はもちろんのこと、女子4人の写真、5人全員での写真など色々な写真を撮影するのであった。
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