恋人、はじめました。

桜庭かなめ

文字の大きさ
上 下
130 / 190
特別編4

第7話『クロールレース』

しおりを挟む
「ああっ、スポーツドリンク美味しいです」
「本当に美味しいな、氷織」

 海水をたくさんかけ合ったことや、高い波に飲み込まれた際に海水をちょっと飲んでしまったこともあり、氷織が「喉が渇きました」と言ってきた。なので、俺は氷織と一緒にレジャーシートまで戻ってきて、少し休憩することにしたのだ。
 水筒に入っているスポーツドリンクを一口飲むと、喉が潤っていくのが分かった。俺も氷織達と水をかけ合って遊んでいたから、気付かない間に喉が渇いていたんだな。
 喉の渇きは脱水症状のサインとも聞くし、真夏だから熱中症にかかってしまう危険もある。水分補給はこまめにしないといけないな。そう思いつつ、俺はスポーツドリンクをもう一口飲んだ。

「おっ、アキと青山」
「2人は休憩かな?」

 和男と清水さんがレジャーシートに戻ってきた。

「水分補給ついでに小休憩って感じだ」
「喉が渇きまして」
「そうか」
「夏だから水分補給は大切だよね。海水がちょっと冷たいから感覚が鈍くなりがちだけど、海で遊ぶのも結構な運動になるの。だから、気付かないうちにたくさん汗を掻いちゃって、熱中症になっちゃうこともあるんだよ」

 清水さんはいつもの可愛らしい笑顔でそう言う。さすがは陸上部のマネージャー。体のことや体調に関することの知識が豊富だ。

「俺もスポーツドリンクを飲んだら、喉が潤うのが分かってさ。清水さんの言うように、気付かない間に汗を掻いていたんだろうな」
「そうかもね。あたし達もビーチボールでたくさん遊んだから、水分補給をしに来たんだ」

 俺が見ていた範囲では、和男と清水さんは波打ち際でずっとビーチボールを使って遊んでいたからな。もしかしたら、俺や氷織よりも汗を掻いているのかもしれない。
 和男と清水さんは、それぞれ自分のバッグから水筒を取り出し、ゴクゴクと飲む。

「ぷはあっ! スポドリめっちゃ美味いぜ!」
「美味しいよね、和男君!」

 美味しいものを飲んだからか、和男も清水さんも幸せそうだ。そんな2人を見ていると、こっちまで気持ちが爽やかになっていく。きっと、陸上部の活動中も、こういう感じで休憩しているんだろうな。

「なあ、アキ。確か、6月に青山とプールデートをしたときに、青山からクロールを教わったんだよな」
「ああ。コツを教わって、25m泳げるようになったよ」
「あのときの明斗さんの成長ぶりは凄かったですね」

 当時のことを思い出しているのか、氷織は柔らかな笑顔になる。氷織に教えてもらうまでは全然泳げなかったからな。氷織の上手な教えもあって、25mを泳げるようになったのだと思っている。

「そうなのか。じゃあ、俺とクロールでレースしないか?」

 和男はニッコリと笑いながら俺にそんな提案をしてくる。

「やってもいいけど……勝負になるかなぁ。和男、去年遊びに来たときは結構泳いでいたし、速く見えたけど」
「いっぱい泳いだな。ただ、陸上では速く動けるけど、水中では人並みくらいだぜ。体力があるから、たくさんの距離を泳げるけど」
「そうなのか」
「おう! それに……こう言っていいのか分からねえけど、去年のアキは全然泳げなかった。だから、人並み程度の俺の泳ぎも速く見えたんじゃないか? それに、ここはプールじゃなくて海だ。穏やかだが波もある。もしかしたら、いいレースになるかもしれねえぞ?」

 和男は持ち前の明るく朗らかな表情でそう言ってくる。
 泳げなかった頃は、ちゃんと泳げる人を見ると凄いと思っていた。去年の夏の和男も、この前のプールデートでの氷織の泳ぎも速く見えて。和男の言う通り、泳げないことによるバイアスがかかっていたのかもしれない。

「分かった。じゃあ、一勝負してみるか」
「おう、勝負しようぜ!」

 嬉しさのあまりか、和男は俺の背中をバシンと強く叩いてくる。……痛い。このせいで、和男に勝てる確率が減ったかも。

「面白そう! 和男君と紙透君の試合を見ているよ」
「一緒に見ましょう、美羽さん。ただ、どういう形で勝負しましょうか」
「そうだね……互いにカップルだし、自分の恋人のところへ先に到着できたら勝ちにするのはどうかな?」
「それはいいですね!」

 普段よりも高い声でそう言うと、氷織は清水さんに向かって「うんうん」と頷いている。
 自分の恋人のいるところへ先にゴールした方が勝ちか。互いに恋人がいるからこそできる勝負だな。

「ナイスアイデアだな、美羽! 燃えてきたぜ!」
「面白そうだ。じゃあ、清水さんの言った形で試合するか」
「おう! やろうぜ!」

 俺はバッグから水中メガネを取り出し、氷織達3人と一緒に海へ入っていく。
 さっき、氷織と水をかけ合って遊んだときよりも波が穏やかになっている。これなら和男とレースをしても大丈夫そうだ。

「おっ、どうしたッスか。4人一緒に海に入ってきて」
「何か遊ぶのかしら?」

 引き続き、浮き輪やフロートマットに乗ってゆったりしていた火村さんと葉月さんにそんな言葉を掛けられる。

「これから、和男とクロールでレースをするんだ」
「自分の彼女に早く着いた方がゴールするっていうルールだ!」
「へえ、それは面白そうね」
「そうッスね。じゃあ、あたし達がスターターやゴールの判定をするッスよ」
「それは助かるぜ! よりレースっぽくなるな!」
「そうだな。お願いするよ」

 スターターやゴールの判定員がいた方がよりしっかりしたレースになりそうだから。
 火村さんと葉月さんが話し合った結果、葉月さんがスターターで、火村さんがゴールの判定員をすることになった。
 その後、みんなで俺の腰の深さくらいのところまで行く。
 俺は和男と葉月さんと一緒に、氷織達から離れていく。
 ここら辺でいいんじゃないか、と和男が言ったので立ち止まることに。氷織達との距離は……だいたい30mくらいだろうか。このくらいの距離なら一度も脚をつかずに泳ぐことができそうだ。
 俺と和男はそれぞれの恋人の正面となる場所に立つ。

「いやぁ、アキと一緒に泳げる日が来るとはな!」
「俺も同じことを思ってるよ。6月まで泳げなかったし」
「ははっ、そうか。今は遊びだけど試合だ。アキには負けないぜ!」
「俺も……精一杯頑張る」
「おう! お互い頑張ろうな!」

 和男は白い歯を見せて笑い、俺に向かってサムズアップ。いいスポーツマンシップの持ち主だと思う。俺は何のスポーツもやっていないけど、和男の心構えを見習いたい。俺も和男に向けてサムズアップした。

「男同士のいい友情ッスね。上半身裸ッスから本当に美しい光景ッス……」

 凄く満足そうに言う葉月さん。葉月さんはボーイズラブやガールズラブが大好物な女の子だからな。今、彼女の頭の中ではどんな世界が広がっているんだろうか。そこに俺と和男がいそうだけど、あまり考えないようにしよう。今はレースに集中だ。

「そろそろスタートするけどいいッスかー?」

 氷織達の方を向いて、葉月さんが大きな声で問いかける。
 すると、氷織達はこちらに向かって大きく手を振って、

『いいよー!』

 と返事が返ってきた。
 俺は水中メガネを装着して、両腕のストレッチをする。
 クロールを泳ぐのは氷織とのプールデート以来だ。あのときに氷織が教えてくれたコツを思い出して精一杯泳ごう。

「じゃあ、行くッスよー! 位置について。よーい……スタート!」

 スターター・葉月さんの号令によって、俺と和男によるレースがスタートした。
 プールのようにすぐ後ろに壁がない。だから、蹴伸びではなく、膝を曲げて、戻したときの勢いを利用して泳ぎ始める。氷織に向かって。
 今までも泳げているからか。それとも、体力の差なのか。スタート直後から、俺の右側を泳ぐ和男とは体半分との差がついている。……でも、焦るな。まずは氷織が教えてくれたクロールのコツを思い出すんだ。

 両脚はお尻から動かすようにする。
 ストロークは肩甲骨から大きく回すようにする。
 息継ぎはストロークと連動して、腕が水に入るときに顔を出して呼吸する。

 これらのコツを心がけて泳いでいく。
 知識だけでなく、体の動きとしても覚えているな。だから、多少波のある海だけど、スイスイと前へ進んでいけている。正面にある水着姿の氷織の下半身がはっきり見えてきた。

「いい調子ですよ、明斗さん! 頑張って!」
「和男君頑張って!」
「紙透なかなか泳げているじゃない!」

 ゴールが近づいてきたからか、息継ぎをしているときを中心に、ゴール地点で待っている氷織達の声が聞こえてくる。また、葉月さんの「2人ともいい泳ぎッスよ!」という声も。
 今も和男とは体半分ほどの差がついている。追いつくためにも、ラストスパートをかけ始める。
 しかし、和男に俺の考えを見抜かれていただろうか。和男のスピードが上がっていき、和男との差が広がっていく。
 それから程なくして、清水さんのところへ辿り着いて立ち上がる姿が見えた。その直後に俺は氷織のお腹に優しくタッチして、氷織の目の前で立ち上がった。

「倉木の勝ち!」

 火村さんが大きな声でレース結果を伝えた。

「やったぜ!」
「おめでとう、和男君!」

 俺の隣で、倉木と清水さんは嬉しそうに抱きしめ合っている。そんなカップルに俺と氷織は「おめでとう」と祝福の言葉を贈った。火村さんと葉月さんも2人に拍手している。

「負けたな。途中まで和男とは体半分の差だったから、もしかしたら……って思ったけど、和男は凄かったよ」
「明斗さんも終盤にスピードが上がりましたが、倉木さんはそれ以上でしたね」
「ああ。さすがは和男だ。何だか悔しいな」
「それだけいい試合ができていたということですよ。ただ、プールデートのときに私が教えたクロールのコツを覚えていて、今日もしっかり泳げていたことが嬉しいです! あのときのプール以上の距離があったと思いますし、ここは海ですから。一度も脚をつかずにここまで泳げた明斗さんは凄いですよ! 明斗さんの泳ぐ姿は素敵でした。そんな明斗さんにご褒美です」

 可愛らしい笑顔でそう言うと、氷織は両手を俺の頬に添えてキスしてきた。
 海で遊んでいるのもあってか、氷織の唇は普段よりも湿っていて、ふっくらとしていて。氷織がさっき飲んでいたスポーツドリンクの甘味もほんのりと感じられて。泳いだ疲れがすーっと抜けていく感じがした。
 10秒ほどして氷織から唇を離す。頬に添えていた両手を俺の背中の方に回し、俺のことを抱きしめる形に。氷織は俺を見上げて、ニコッと笑った。

「最高のご褒美をもらったよ、氷織」
「良かったです」
「あと、氷織が正面にいて、氷織が応援してくれたから一度も足をつかずに泳げたよ。ありがとう」

 氷織の頭を撫でると、氷織は目を細めて笑ってくれる。氷織がいなかったら、海でこういう時間を過ごすことはできなかっただろう。氷織には感謝の気持ちでいっぱいだ。

「何か、今のアキと青山を見たら、試合には勝ったけど、勝負には負けた感じがするぜ」
「2人とも嬉しそうだし、氷織ちゃんのおかげで紙透君は泳げるようになったもんね」
「試合には負けたけど、楽しく泳げたよ。ありがとう、和男」
「おう! 俺も楽しかったぜ! ありがとな!」

 和男は右手で清水さんを抱きしめながら、左手で俺に向かってサムズアップした。水もしたたる本当にいい男だ。
 今後も、和男と一緒に海で遊ぶときには、今みたいにクロールのレースをしたいな。できれば、いつかは勝ちたいものである。
しおりを挟む
読んでいただきありがとうございます。お気に入り登録や感想をお待ちしております。

『クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。』の続編がスタートしました!(2025.2.8) 学園ラブコメです。是非、読みに来てみてください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/89864889

『高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。』は全編公開中です。 学園ラブコメ作品です。是非、読みに来てみてください。宜しくお願いします。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/441389601

『まずはお嫁さんからお願いします。』は全編公開中です。高校生夫婦学園ラブコメです。是非、読みに来て見てください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/120759248
感想 2

あなたにおすすめの小説

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

兄貴がイケメンすぎる件

みららぐ
恋愛
義理の兄貴とワケあって二人暮らしをしている主人公の世奈。 しかしその兄貴がイケメンすぎるせいで、何人彼氏が出来ても兄貴に会わせた直後にその都度彼氏にフラれてしまうという事態を繰り返していた。 しかしそんな時、クラス替えの際に世奈は一人の男子生徒、翔太に一目惚れをされてしまう。 「僕と付き合って!」 そしてこれを皮切りに、ずっと冷たかった幼なじみの健からも告白を受ける。 「俺とアイツ、どっちが好きなの?」 兄貴に会わせばまた離れるかもしれない、だけど人より堂々とした性格を持つ翔太か。 それとも、兄貴のことを唯一知っているけど、なかなか素直になれない健か。 世奈が恋人として選ぶのは……どっち?

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

処理中です...