恋人、はじめました。

桜庭かなめ

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特別編

中編

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「明斗さん。両肩の凝りはほぐれたと思いますが、いかがでしょう?」
「どれどれ……」

 氷織による肩揉みマッサージを受け始めてから7、8分。氷織にそんなことを言われたので、俺は肩をゆっくりと動かしてみる。

「……うん。痛みもないし、肩が軽くなったよ」

 マッサージしてもらう前とは大違いだ。この短時間で、ここまで肩が楽になるとは。きっと、御両親の肩揉みマッサージをしているからこそできるのだろう。あと、肩だけじゃなくて、全身の疲れも取れた。

「ありがとう、氷織」

 背後に振り返って氷織にお礼を言うと、氷織はいつもの優しい笑顔を見せてくれる。そのことで、体だけでなく心も癒やされる。

「いえいえ。明斗さんの肩凝りが解消されて良かったです。マッサージするの楽しかったですよ。こちらこそありがとうございます。これからも、私がいるときに肩凝りを感じたらいつでも言ってくださいね。マッサージしますから」
「ありがとう。氷織はとても上手だし、そのときはお願いするよ」

 再びお礼を言い、俺は氷織にキスした。1、2秒の間触れる程度の短いキスだけど、唇からは氷織の温もりがはっきりと感じられて。その温もりは、マッサージを受けているときに感じた温もりと同じくらいに気持ち良かった。
 唇を離すと、氷織は頬中心に顔が赤くなっていく。そんな顔には嬉しそうな笑みが浮かんでいて。

「明斗さんからご褒美をもらった気分です」
「ははっ、そうか。初めてマッサージしてくれたのが嬉しかったし、気持ち良かったから」
「ふふっ」
「……なるほど。あたしもマッサージが終わったら、お礼にああいうことをしようかしら」
「氷織に変なことしないでくれよ、火村さん。あと、唇にキスするのは恋人の俺の特権だから」
「キ、キスはしないわよっ! 氷織のマッサージは気持ち良さそうだから、変な気分になっちゃうかもしれないけど。キスしないように努めるわっ!」

 ふんす、と鼻を鳴らして火村さんは俺に向かってサムズアップ。最初はしないと断言していたのに、最後は努力する方向になっちゃったよ。まあ、そういったところも火村さんらしいけど。万が一、火村さんが暴走してしまったときには俺が氷織を守ろう。
 氷織は火村さんの後ろまで移動する。

「ヒム子がどんな反応をするか楽しみッスね」
「凄く気持ち良かったからね。興味はあるけど、不安もあるかな」
「ひおりんLOVEッスからね、ヒム子は。何かあったときはあたし達で止めるッス」
「そうだね」

 葉月さんの今の一言で安心感が生まれる。それに、この部屋には和男と清水さんがいるし、いざという時には4人で場を収めよう。
 氷織達の方に視線を向けると、氷織が後ろから火村さんの両肩に手を乗せていた。だからか、火村さんの頬がほんのりと紅潮している。

「では、恭子さん。肩のマッサージを始めますね」
「お、お願いしますっ! 放課後だし、昨日はバイトがあったから、ちょっと肩が凝ってるわっ!」

 火村さんは弾んだ声でそう言った。もうすぐマッサージが始まることに興奮しているのだろうか。
 ふふっ、と氷織は上品に笑い、

「分かりました。では、いきまーす」

 俺のときと同じように可愛らしい掛け声を言って、火村さんへの肩揉みマッサージを始めた。

「はううんっ……」

 マッサージが始まった途端、火村さんはそんな可愛らしい声を漏らす。そんな火村さんの顔はうっとりとした表情を浮かべていて。氷織のマッサージが気持ちいいのかな。火村さんの場合、マッサージされていることの感激もありそうだけど。

「恭子さん、痛くないですか?」
「……ちょっと痛みはある。でも、凄く気持ちいいわ。さっき、紙透が感じていたのはこういう感覚だったんでしょうね」
「そうだと思う。俺もマッサージされ始めたときは、痛みと気持ちよさの両方を感じていたから」
「そうなんだ」
「気持ちいいなら良かったです。明斗さんほどではありませんが凝りがありますね。それが痛みの原因でしょう。とりあえずは、このくらいの強さで揉んでいきましょうか」
「うん! お願いします!」
「分かりました」

 氷織は気持ちいいと思える力加減を見つけるのが上手だなぁ。俺も揉まれてすぐにかなり気持ち良く感じたし。きっと、マッサージの経験が豊富だからなのだろう。
 氷織による火村さんへの肩揉みマッサージは続いていく。気持ちいいのか、火村さんは「あっ……」とか「うんっ……」といった甘い声を漏らしている。

「いい光景ッスね……」

 と、葉月さんはちょっと興奮気味に呟く。彼女はガールズラブやボーイズラブが大好きだからなぁ。意外と火村さんよりも彼女の方が暴走してしまったりして。
 火村さんの表情がまったりとしたものになってきた。マッサージを受けることで、肩凝りの痛みが和らいできているのだろうか。

「あぁ、本当に気持ちいいわ。たまらない。マッサージしてくれているのが氷織だから、もう気分が有頂天よ」
「火村さんがそう言う気持ち分かるよ」
「好きな人がマッサージしてくれたらたまらないわよね! さっき、幸せそうにしていた紙透の気持ちがよく分かるわ」

 そう言う火村さんの顔にはとても幸せそうな笑みを浮かんでいて。さっき、俺もあんな感じだったのかもしれない。あと、幸せな気持ちを共感してもらえるのは嬉しいな。

「そういえば、みんなって肩凝りはする方なの? 紙透はあまりないって言っていたけど」
「私は長い時間勉強したり、小説を書いたりした後に肩凝りすることが多いですね」
「あたしは長時間勉強やバイトをしたり、何日もバイトが続いたりすると肩凝ることがあるッス」
「俺は全然ねえな!」
「あたしも肩凝りはあまりないかな。部活の後とかたくさん勉強した後に疲れることはあるけど」
「へえ、そうなのね。あたしは沙綾と同じ感じ」

 肩が凝る人は勉強やバイトなどで疲れたときに凝るタイプなんだな。
 あと、和男と清水さんは1年の頃からの付き合いだけど、思い返してみると2人が肩凝りで辛そうな様子は見たことがないな。体質なのだろうか。ただ、和男の場合は部活で体をよく動かす習慣があるのも、肩凝りの起きない一因なのかも。そういえば、和男から体が故障してしまった話は一度も聞いたことがないな。

「恭子さん。肩もだいぶほぐれましたが……どうでしょう?」
「どれどれ……」

 火村さんはそう言うと、両肩をゆっくり回す。

「……うん! マッサージ前よりも軽くなったわ!」

 爽やかな笑みになって火村さんはそう言った。そんな彼女の反応を受け、氷織も嬉しそうにしている。

「良かったです」
「氷織はマッサージが本当に上手ね。凄く気持ち良かったし。本当にありがとう!」
「いえいえ。私でよければ、恭子さんにも肩揉みマッサージをしますからね」
「うん、ありがとう!」

 火村さんはお礼を言うと、嬉しそうな様子で氷織を抱きしめた。
 肩のマッサージ程度であれば、彼氏として何も言うことはない。マッサージ中も氷織に何かしてしまうことはなかったし。マッサージの後も、今のように抱きしめる程度ならいいと思う。

「ねえ、氷織。マッサージしてくれたお礼に、あたしも氷織に肩のマッサージをしたいんだけど……どう? 興奮して胸を揉まないように気をつけるから」

 そこまで言ってしまうところが火村さんらしい。
 胸のことを言われたが、氷織は特に恥ずかしがったり、嫌がったりする様子は見せない。むしろ、朗らかな笑みで「ふふっ」と上品に笑う。

「そうですね……じゃあ、お言葉に甘えましょう。今は放課後で課題もしましたから、ちょっと肩が凝っていますし。それに、マッサージしてもらうと疲れも取れますからね」
「分かったわ!」

 氷織は勉強会のときに座っていたクッションに戻り、俺の方を向いて正座する。
 火村さんは氷織のすぐ後ろまで移動し、膝立ちする。そんな火村さんはニヤニヤしており、両手の指がわきわきと動いている。今にも氷織に厭らしいことをしそうに見えるぞ。

「火村さん。肩だよ。肩だけだよ」
「わ、分かってるわよ」

 ちょっと不機嫌そうに言いながら、火村さんは氷織の両肩に手を乗せる。

「じゃあ、揉むわよ」
「お願いします」

 そんなやり取りが交わされ、火村さんによる氷織への肩揉みマッサージが始まる。

「あぁ……気持ちいいですね……」

 まったりとした様子でそう言う氷織。火村さんの揉み方がいいようだ。
 俺もお試しで付き合っているときに、この部屋で氷織の肩のマッサージをしたことがある。そのときも氷織はこういう感じだったのかな。当時は笑顔を見せてくれるようになる前のことだったけど。

「良かった。ちょっと凝っているから、こんな感じで揉み続けていくわ」
「はい、お願いします」
「了解。……肩でも氷織を揉めるなんて幸せだわ。温かいし、いい匂いするし……」
「ふふっ。恭子さんの温もりも気持ちいいですよ」
「……最高だわ。夢じゃないかしら」

 氷織にマッサージしているときと同じくらいに幸せな笑みを見せる火村さん。そんな反応をする彼女に凄く共感できる。
 それからも、氷織へのマッサージが続く。
 気持ちいいからか、氷織の表情が段々うっとりとしたものに変わっていく。さっきの火村さんのように「あっ……」とか「うんっ……」と言った甘い声が漏れて。そんな艶やかな氷織を見ていると、誕生日の夜に氷織と肌を重ねたときのことを思い出す。あのときの氷織……本当に綺麗で可愛らしかったな。段々とドキドキしてきた。

「どうしたんだ、アキ。ちょっと顔が赤くなってるが……」
「……マッサージを受けて気持ち良さそうにしている氷織が可愛いと思ったんだ」
「ははっ、そうか」

 どうやら、顔に出てしまっていたらしい。今になって、頬が熱くなっていることに気づいた。
 和男が快活に笑ってくれているのもあってか、氷織は俺のことを見ながら楽しそうに笑っているのであった。
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