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第19話『氷織のアルバム』
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お手洗い休憩をたまに挟みながら、俺と氷織は『みやび様は告られたい。』のアニメ第1期の最終話まで鑑賞した。氷織と感想を語り合いながらだったので、最終話まであっという間だったな。
「第1期、とても面白かったです」
「面白かったな。1日でこんなに多くの話を連続で観るのは初めてだよ。これはこれでいいなって思った。氷織と話しながらだったかもしれないけど」
「それはありますね。お互いに大好きな作品ですし。とても楽しい時間でした。あと、アニメ化されたエピソードについて原作漫画を読み返したくなりました」
「俺もだ」
原作の最初の方はしばらく読んでいないから。
あと、いずれはアニメの第2期のBlu-rayも、氷織と一緒に観たいな。きっと、今回のように楽しい時間になるだろうから。
「明斗さん。みやび様のBlu-rayを観終わりましたので、次は何をしましょうか?」
「そうだな……」
そう言いながら、部屋の中を見渡す。その中で目に付いたのは、本棚の一番下の段に入っている青い写真入れのようなものだ。
「あのさ、氷織」
「何ですか?」
「本棚の一番下の段に入っている青いやつ。あれってアルバムかな?」
右手の人差し指でその場所を指し示しながら、氷織にそう問いかける。もしアルバムなら、是非見てみたい。これまでの氷織がどんな雰囲気だったのか凄く興味がある。
氷織は俺の目を見ながら、小さく頷く。
「はい。あれは私のアルバムです」
「そうなんだ。アルバムを見てみたいな。いいかな?」
お願いしてみると、氷織は視線をちょっと下げる。そのせいか、氷織の表情が曇ったように見えた。
無言の時間が少し続いた後、氷織はゆっくりと頷く。
「明斗さんなら見ていいですよ」
「ありがとう。もし、見られたくないなって思ったら、アルバムを閉じたり、俺の目を手で覆ったりしていいから」
「そういったことはおそらくないと思いますが……分かりました」
氷織はゆっくりと立ち上がり、本棚の一番下の段から青いアルバムを取る。そのアルバムを俺に渡すと、再び俺の隣にあるクッションに座った。
「私が写った写真中心に貼ってあります。概ね時系列で」
「そうなんだね」
コーヒーの入っているマグカップを動かし、受け取ったアルバムをテーブルに置く。
小さい頃の氷織ってどんな感じなんだろう。きっと可愛いんだろうなぁ。そんな期待を抱きながら、アルバムの表紙をめくった。
「おおっ、赤ちゃんの頃の氷織可愛いな!」
最初のページに貼ってあったのは、氷織が赤ちゃんだった頃の家族写真。陽子さんに抱かれて、亮さんと3人で写っている。見ていて気持ちがほっこりとしてくる。
「いい写真だね。あと、陽子さんの髪型がストレートのロングヘアだから、氷織が大人になったらこういう感じになるのかなって思うよ」
「母の友人から、学生時代の母を思い出すと何度も言われたことがありますね。将来はこの写真のお母さんのようになるかもしれません」
「そうか。大人になった氷織がどんな感じになるのか楽しみだな」
できれば、正式な恋人になって近くで見てみたい。
ページをめくっていくと、写真に写る氷織は少し大きくなる。幼少期だろうか。写真の氷織は満面の笑みを浮かべている。ピースをする写真もあって。まるで、
「天使だ……」
「……そんな風に言われると、ちょっと恥ずかしくなりますね」
氷織の頬はほんのりと紅潮していた。
「ごめん。つい、気持ちが言葉に出ちゃって」
「いいですよ。褒めてくれているのは分かっていますから」
優しい声色で氷織は言った。
ページをめくって続きを見ていくと、妹の七海ちゃんが産まれる。それからは七海ちゃんや友達と一緒に写る写真も出てきた。
「どの写真も笑顔の氷織が可愛いね。あと、氷織の妹だけあって、七海ちゃんも産まれた頃から可愛い」
「小さい頃から、七海は明るくて可愛い妹ですよ」
そんな可愛い妹のことを話すからか、氷織の表情も明るい。
初めて会った俺にも気さくに話しかけ、可愛らしい笑顔を見せていた。これからも、七海ちゃんのあの明るさは変わらないと思う。
時系列に貼っているのもあり、ページをめくる度に氷織や七海ちゃんが成長していく。それがとても楽しい。
それにしても、小さい頃の氷織って笑顔で写真に写っているのがほとんどだ。七海ちゃんのような感じだったのかな。もちろん、笑顔の写真を多く選んで貼っている可能性はあるけど。
やがて、氷織は中学生になる。中学校の入学式の看板の隣で、セーラー服姿の氷織が写っている。ピースサインをして可愛らしく笑っている。小学生の頃までと比べて、大人らしさも感じられるな。
「氷織の中学の女子の制服はセーラー服だったんだ。似合っているね、可愛いよ」
「ありがとうございます。中学ですか……」
そう呟く氷織の声は、どこか儚さを感じさせるものだった。
次のページをめくると、氷織の表情が今にも通ずるクールなものに。俺も見たことがある微笑みの写真も。
「これまでは氷織の笑顔がたくさんあったけど、このページから今の氷織みたいになるね。笑顔の氷織も好きだけど、今のクールで落ち着いた雰囲気の氷織も好きだな」
「……そうですか」
俯きながら氷織はそう言う。すると、彼女はクッションからゆっくり立ち上がる。
「……お手洗いに行ってきますね」
「ああ。分かった」
氷織は部屋を出て行った。
一人で先のページを見てみる。クールで無表情な氷織の写真がメインで、たまに微笑む氷織が写る写真があるくらいだ。高校の入学式の写真は、完全に現在の氷織。
どうやら、中学生の頃に今のクールさが確立されたようだ。思春期を経てか。それとも、人間関係や環境によるものか。
「……遅いな」
部屋を出てから、もう10分以上経っている。お腹の調子が悪いのだろうか。
それとも、アルバムを見ているとき、俺が可愛い可愛いと言いまくるから恥ずかしくなっちゃったのかな。幼少期の氷織を天使だと言ったとき、ちょっと恥ずかしいと言っていたし。
あとは……中学の頃から、今みたいな氷織になるって言ったことが気に障ったのかな。俯いていた様子だったし。
何にせよ、俺はアルバムを見ながら色々と言い過ぎた。氷織が戻ってきたら謝らないといけないな。
ベッドに寄り掛かると、氷織の甘い匂いがふんわりと香ってくる。いい匂いだけど、その主はここにいない。寂しい気持ちが芽生える。
――ガチャ。
そんな音がしたので扉の方を見る。氷織がお手洗いから戻ってきた。
「遅くなりました。ごめんなさい」
「ううん、いいんだよ」
俺はクッションから立ち上がり、氷織の目の前まで向かう。
「氷織、ごめんなさい。氷織の写真を見て色々なことを言っちゃって。もし、俺が言った言葉の中に気に障ったことがあったなら……ごめん」
氷織に向かって深く頭を下げる。
氷織の写真に興奮してしまって、氷織の気持ちを考えていなかった。もし、不快にさせてしまったなら本当に申し訳なく思う。しかも、せっかくのお家デートのときに。
「顔を上げてください、明斗さん」
普段と変わらないトーンでそう言う氷織。
どんな様子で俺を見ているのか怖い気持ちもある。ただ、上げないわけにはいかない。ゆっくりと顔を上げると、そこにはいつものクールで無表情の氷織がいる。
「私、全く嫌な気持ちになっていませんよ。可愛い可愛いとたくさん言われて、気恥ずかしさはありました。でも、不快な気持ちはありません。むしろ、明斗さんに可愛いと言われることは嬉しいですから」
「そうか」
「ただ、その……今のような私になるまでには色々ありまして。それを明斗さんに話そうかどうか迷って、お手洗いに行ったんです」
「そうだったんだ」
クールな氷織になると指摘したとき、氷織は俯いていた。その様子から、あまりいい内容ではない可能性が高そうだ。
「明斗さんなら話しても大丈夫そうだと思って、ここに戻ってきました。明斗さん……聞きますか?」
「……聞くよ。氷織のために何かできるかもしれないし」
「……分かりました」
「もちろん、話せる範囲でいいから。無理しなくていいからね」
「はい」
中学に入学する頃まで、可愛らしい笑顔で写っている氷織の写真が多かった。いったい、氷織の中学時代に何があったのだろうか。
「第1期、とても面白かったです」
「面白かったな。1日でこんなに多くの話を連続で観るのは初めてだよ。これはこれでいいなって思った。氷織と話しながらだったかもしれないけど」
「それはありますね。お互いに大好きな作品ですし。とても楽しい時間でした。あと、アニメ化されたエピソードについて原作漫画を読み返したくなりました」
「俺もだ」
原作の最初の方はしばらく読んでいないから。
あと、いずれはアニメの第2期のBlu-rayも、氷織と一緒に観たいな。きっと、今回のように楽しい時間になるだろうから。
「明斗さん。みやび様のBlu-rayを観終わりましたので、次は何をしましょうか?」
「そうだな……」
そう言いながら、部屋の中を見渡す。その中で目に付いたのは、本棚の一番下の段に入っている青い写真入れのようなものだ。
「あのさ、氷織」
「何ですか?」
「本棚の一番下の段に入っている青いやつ。あれってアルバムかな?」
右手の人差し指でその場所を指し示しながら、氷織にそう問いかける。もしアルバムなら、是非見てみたい。これまでの氷織がどんな雰囲気だったのか凄く興味がある。
氷織は俺の目を見ながら、小さく頷く。
「はい。あれは私のアルバムです」
「そうなんだ。アルバムを見てみたいな。いいかな?」
お願いしてみると、氷織は視線をちょっと下げる。そのせいか、氷織の表情が曇ったように見えた。
無言の時間が少し続いた後、氷織はゆっくりと頷く。
「明斗さんなら見ていいですよ」
「ありがとう。もし、見られたくないなって思ったら、アルバムを閉じたり、俺の目を手で覆ったりしていいから」
「そういったことはおそらくないと思いますが……分かりました」
氷織はゆっくりと立ち上がり、本棚の一番下の段から青いアルバムを取る。そのアルバムを俺に渡すと、再び俺の隣にあるクッションに座った。
「私が写った写真中心に貼ってあります。概ね時系列で」
「そうなんだね」
コーヒーの入っているマグカップを動かし、受け取ったアルバムをテーブルに置く。
小さい頃の氷織ってどんな感じなんだろう。きっと可愛いんだろうなぁ。そんな期待を抱きながら、アルバムの表紙をめくった。
「おおっ、赤ちゃんの頃の氷織可愛いな!」
最初のページに貼ってあったのは、氷織が赤ちゃんだった頃の家族写真。陽子さんに抱かれて、亮さんと3人で写っている。見ていて気持ちがほっこりとしてくる。
「いい写真だね。あと、陽子さんの髪型がストレートのロングヘアだから、氷織が大人になったらこういう感じになるのかなって思うよ」
「母の友人から、学生時代の母を思い出すと何度も言われたことがありますね。将来はこの写真のお母さんのようになるかもしれません」
「そうか。大人になった氷織がどんな感じになるのか楽しみだな」
できれば、正式な恋人になって近くで見てみたい。
ページをめくっていくと、写真に写る氷織は少し大きくなる。幼少期だろうか。写真の氷織は満面の笑みを浮かべている。ピースをする写真もあって。まるで、
「天使だ……」
「……そんな風に言われると、ちょっと恥ずかしくなりますね」
氷織の頬はほんのりと紅潮していた。
「ごめん。つい、気持ちが言葉に出ちゃって」
「いいですよ。褒めてくれているのは分かっていますから」
優しい声色で氷織は言った。
ページをめくって続きを見ていくと、妹の七海ちゃんが産まれる。それからは七海ちゃんや友達と一緒に写る写真も出てきた。
「どの写真も笑顔の氷織が可愛いね。あと、氷織の妹だけあって、七海ちゃんも産まれた頃から可愛い」
「小さい頃から、七海は明るくて可愛い妹ですよ」
そんな可愛い妹のことを話すからか、氷織の表情も明るい。
初めて会った俺にも気さくに話しかけ、可愛らしい笑顔を見せていた。これからも、七海ちゃんのあの明るさは変わらないと思う。
時系列に貼っているのもあり、ページをめくる度に氷織や七海ちゃんが成長していく。それがとても楽しい。
それにしても、小さい頃の氷織って笑顔で写真に写っているのがほとんどだ。七海ちゃんのような感じだったのかな。もちろん、笑顔の写真を多く選んで貼っている可能性はあるけど。
やがて、氷織は中学生になる。中学校の入学式の看板の隣で、セーラー服姿の氷織が写っている。ピースサインをして可愛らしく笑っている。小学生の頃までと比べて、大人らしさも感じられるな。
「氷織の中学の女子の制服はセーラー服だったんだ。似合っているね、可愛いよ」
「ありがとうございます。中学ですか……」
そう呟く氷織の声は、どこか儚さを感じさせるものだった。
次のページをめくると、氷織の表情が今にも通ずるクールなものに。俺も見たことがある微笑みの写真も。
「これまでは氷織の笑顔がたくさんあったけど、このページから今の氷織みたいになるね。笑顔の氷織も好きだけど、今のクールで落ち着いた雰囲気の氷織も好きだな」
「……そうですか」
俯きながら氷織はそう言う。すると、彼女はクッションからゆっくり立ち上がる。
「……お手洗いに行ってきますね」
「ああ。分かった」
氷織は部屋を出て行った。
一人で先のページを見てみる。クールで無表情な氷織の写真がメインで、たまに微笑む氷織が写る写真があるくらいだ。高校の入学式の写真は、完全に現在の氷織。
どうやら、中学生の頃に今のクールさが確立されたようだ。思春期を経てか。それとも、人間関係や環境によるものか。
「……遅いな」
部屋を出てから、もう10分以上経っている。お腹の調子が悪いのだろうか。
それとも、アルバムを見ているとき、俺が可愛い可愛いと言いまくるから恥ずかしくなっちゃったのかな。幼少期の氷織を天使だと言ったとき、ちょっと恥ずかしいと言っていたし。
あとは……中学の頃から、今みたいな氷織になるって言ったことが気に障ったのかな。俯いていた様子だったし。
何にせよ、俺はアルバムを見ながら色々と言い過ぎた。氷織が戻ってきたら謝らないといけないな。
ベッドに寄り掛かると、氷織の甘い匂いがふんわりと香ってくる。いい匂いだけど、その主はここにいない。寂しい気持ちが芽生える。
――ガチャ。
そんな音がしたので扉の方を見る。氷織がお手洗いから戻ってきた。
「遅くなりました。ごめんなさい」
「ううん、いいんだよ」
俺はクッションから立ち上がり、氷織の目の前まで向かう。
「氷織、ごめんなさい。氷織の写真を見て色々なことを言っちゃって。もし、俺が言った言葉の中に気に障ったことがあったなら……ごめん」
氷織に向かって深く頭を下げる。
氷織の写真に興奮してしまって、氷織の気持ちを考えていなかった。もし、不快にさせてしまったなら本当に申し訳なく思う。しかも、せっかくのお家デートのときに。
「顔を上げてください、明斗さん」
普段と変わらないトーンでそう言う氷織。
どんな様子で俺を見ているのか怖い気持ちもある。ただ、上げないわけにはいかない。ゆっくりと顔を上げると、そこにはいつものクールで無表情の氷織がいる。
「私、全く嫌な気持ちになっていませんよ。可愛い可愛いとたくさん言われて、気恥ずかしさはありました。でも、不快な気持ちはありません。むしろ、明斗さんに可愛いと言われることは嬉しいですから」
「そうか」
「ただ、その……今のような私になるまでには色々ありまして。それを明斗さんに話そうかどうか迷って、お手洗いに行ったんです」
「そうだったんだ」
クールな氷織になると指摘したとき、氷織は俯いていた。その様子から、あまりいい内容ではない可能性が高そうだ。
「明斗さんなら話しても大丈夫そうだと思って、ここに戻ってきました。明斗さん……聞きますか?」
「……聞くよ。氷織のために何かできるかもしれないし」
「……分かりました」
「もちろん、話せる範囲でいいから。無理しなくていいからね」
「はい」
中学に入学する頃まで、可愛らしい笑顔で写っている氷織の写真が多かった。いったい、氷織の中学時代に何があったのだろうか。
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