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特別編3
第6話『おままごと-中編-』
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――ママ、おとうとかいもうとをうんで? パパとこどもをつくってほしい。
真面目な様子で美優先輩を見ながら言う芽衣ちゃん。
一人っ子で兄弟姉妹の憧れがあると知ったから、その願いを叶えさせてあげたい。
ただ、その……『こどもをつくってほしい』と言われたからドキドキしてしまう。昨日の夜は……そういったことを美優先輩とたくさんしたから。そのときの先輩の姿を思い出してしまう。俺と同じようなことを考えているのか、先輩の顔が赤くなっている。
「お、弟か妹がほしいんだね、芽衣ちゃんは」
「うんっ!」
「……それで、その……パパと一緒に子供を作ってほしいと」
「そうだよっ!」
「メ、メイメイ! 子供を作るって……どうすれば子供ができるのか知っているのかな? 本当のパパとママに作り方を教えてもらったの?」
芽衣ちゃんにそう問いかける風花の顔は真っ赤だ。まるでその赤みが伝染したかのように、美優先輩の顔の赤みが強くなる。俺も顔が熱くなっているから、2人と同じように真っ赤になっているんだろうな。
「うんっ! ママがおしえてくれたよ!」
太陽のような明るい笑顔で芽衣ちゃんは返事してくれる。果たして、理恵さんは芽衣ちゃんにどうすれば子供ができるのかと教えたのか。
「よるに『だいすき!』っていって、くちとくちでキスすると、おんなのひとのおなかのなかに、こどもができるかもしれないって」
「……な、なるほどね」
「理恵ちゃんはそう教えてくれたんだ」
ほっと胸を撫で下ろしている美優先輩と風花。
夜に好きだと言い合ってキスしたら、子供ができるかもしれない……か。キャベツ畑説やコウノトリ運搬説に比べると現実的な内容だ。保育園に通う女の子にとっては、キスでも過激かもしれないけど。
「……ど、どうします……どうしよっか、美優」
「……い、妹ならできるかもしれない」
「来てくれそうな人がいるんだね、お母さん」
「うん。……芽衣ちゃん。パパと頑張って妹を作れるかもしれない」
「つくれるの?」
芽衣ちゃん、目を輝かせて俺達を交互に見ている。おままごとでも、妹ができるのが嬉しいんだろうな。少しでも、芽衣ちゃんにお姉さん気分を味わわせてあげたい。
「よーし、メイメイ。お姉ちゃんの方に来ようか。お父さんとお母さんが子供を作る邪魔をしないために」
「うんっ!」
芽衣ちゃんは手招きする風花のところに行き、風花と寄り添いながら俺達の方を見る。
「じゃあ……あなた。子作りしましょうか」
「……そうだね、美優」
おままごとであり、子供を作る方法がキスだと分かっているとはいえ、子作りしようって言われると凄くドキドキする。
「……あ、あなた! 大好き!」
「お、俺も美優が大好きだ!」
そして、美優先輩と抱きしめ合い、俺からキスをした。おままごと中のキスでも、子作りのためのキスだと思うと凄くドキドキしてくる。「きゃー!」と芽衣ちゃんの黄色い声が聞こえてくるから尚更に。
ゆっくりと唇を離すと、そこには真っ赤な顔にうっとりとした表情を浮かべる美優先輩が。本当に可愛い人だ。今が2人きりだったら、このまま子供ができるかもしれない行為をおっぱじめていたところだ。
風花と芽衣ちゃんの方を見ると、風花は頬を赤くして視線をちらつかせ、芽衣ちゃんはワクワクした様子でこちらをしっかりと見ていた。
「うっ……!」
美優先輩は気分が悪そうな表情をして、右手で口元を押さえる。
「ど、どうしたんだ? 美優」
「ママ、だいじょうぶ?」
「お母さん!」
美優先輩の迫真の演技に、芽衣ちゃんはもちろんのこと、風花までも心配している。
美優先輩、本当に演技が上手だ。朱莉ちゃんや葵ちゃん、友達と一緒に、たくさんおままごとをしたからかな。
「……もしかしたら、赤ちゃんができたかもしれない。私、病院に行ってくるね。みんなはお留守番してて……」
微笑みながら言う美優先輩。先輩はゆっくり立ち上がり、食卓に置いてある自分のスマホを持ってリビングを後にした。
「ママ……」
「大丈夫だよ、メイメイ。お母さんはすぐに帰ってくるって」
芽衣ちゃんの頭を撫でながら、優しい声色で言う風花。本当の妹さんにもこうして接していたのかなと思わせる。あの演技が凄かったからか、芽衣ちゃんは今も心配そう。
風花は俺のところにやってきて、
「凄い演技だったけど、本当にできちゃったってことはないよね? その……旅行に行ったときにしたんでしょ? 2人のことだから、それ以降もたくさんしてそうだけど」
耳元でそう囁いてくる。旅行に帰ってきてからたくさんしているのは当たっているのでドキッとする。
「……そこは気を付けているから、本当にはできていないと思う」
「それならいいけど」
「ねえねえ、パパとふうちゃんはなにをはなしてるの?」
そう言って、芽依ちゃんは右手の人差し指で、風花の脇腹あたりをツンツンと突いている。
「えっと……も、もし赤ちゃんができていたら、男の子と女の子のどっちかなって話していたの」
「ずるーい! わたしもおはなしする!」
「ごめんね、メイメイ。お姉ちゃんは男の子な気がするけど、メイメイはどっちだと思う?」
「おんなのこ。だって、いもうとができるかもって、ママがいっていたから」
「あははっ、そうだったね! お姉ちゃんすっかり忘れてた!」
快活に笑いながらそう言うと、風花は芽衣ちゃんを後ろから抱きしめる。
美優先輩に告白してきた人は男子の方が多いけど、友達は女性の方が多いからな。俺以外に親しげに話す男子って、加藤と白金先輩くらいじゃないだろうか。そこから考えると、もし赤ちゃんが産まれるとしたら、その子はほぼ確実に女の子になるだろう。そして、妹役を誰がやるかはおおよその想像がついている。
「ただいま~」
数分ほどして、美優先輩はリビングに戻ってくる。そんな先輩の顔には嬉しそうな笑みが浮かんでいる。
「ママ、おかえり~」
「おかえりなさい、お母さん」
「おかえり、美優。ええと……どうだったかな。できたかもしれないって言っていたけど」
病院から帰ってきた設定なので、俺は美優先輩にそう問いかける。
美優先輩は笑みを浮かべながら俺のところにやってきて、俺の手をそっと掴んでくる。先輩の手はとても温かい。
「……できてたよ」
「そ、そうか! おめでとう! これで3人目だ!」
美優先輩に優しい声で言われたのでドキドキした。もし、いつか……本当に俺達の子供ができたときも今のように言うのかなと思えて。俺は先輩をそっと抱きしめる。
「やったー! ママおめでとう!」
「そうだね! これで弟か妹と会えるね、メイメイ!」
芽衣ちゃんが嬉しそうにバンザイしているので、風花も一緒にバンザイ。その姿がとても微笑ましく思えた。
「病院で検査したら、産まれてくる子が女の子だって分かったよ。私ね、女の子だったら名前は『瑠衣』にするって決めているの。みんな、それでもいいかな?」
「もちろん!」
「素敵な名前だね、お母さん」
「俺も瑠衣って名前がいいと思うよ」
やっぱり、花柳先輩が妹役としてここに来るのか。さっき、スマホを持ってリビングを出て行ったのは、花柳先輩に家に来てもらえないか連絡するためだったんだな。
「お医者さんに訊いたら、10分後くらいに産まれてくるだろうって。瑠衣ちゃん次第では、もっと早く産まれてくるかもしれないけど」
「そ、そっか。10分か」
「は、早いね、お母さん」
風花と俺はクスクスと笑ってしまう。さすがに、出産予定が10分後は非現実的過ぎるからな。
「るいちゃんにはやくあいたいな!」
興奮気味に話す芽衣ちゃん。
初めて花柳先輩に会ったとき、自宅からここまで徒歩10分かかるところを、自転車で3分くらいで来たからな。美優先輩の娘役をやってほしいと言われたら、今回も自転車で漕いできそうだな。しかも、芽衣ちゃんという美優先輩の従妹も来ているから。
――ピンポーン。ピンポーン。
美優先輩が戻ってきてから数分ほどでインターホンが鳴る。きっと、花柳先輩だろう。
「いたたっ……う、産まれる! お母さん、病院で瑠衣ちゃんを産んでくるからね。3人はここで待ってて」
陣痛だろうか。痛そうな表情をして、両手をお腹に当てた美優先輩はリビングを出て行った。モニターを確認せずに演技するってことは、おそらく、インターホンを2回鳴らしてほしいと花柳先輩に指示したのだろう。
それから程なくして、
「瑠衣ちゃんが産まれたよ~」
「みんな! はじめましてばぶー!」
美優先輩にお姫様抱っこをされた状態で、花柳先輩がリビングに入ってきたのであった。
真面目な様子で美優先輩を見ながら言う芽衣ちゃん。
一人っ子で兄弟姉妹の憧れがあると知ったから、その願いを叶えさせてあげたい。
ただ、その……『こどもをつくってほしい』と言われたからドキドキしてしまう。昨日の夜は……そういったことを美優先輩とたくさんしたから。そのときの先輩の姿を思い出してしまう。俺と同じようなことを考えているのか、先輩の顔が赤くなっている。
「お、弟か妹がほしいんだね、芽衣ちゃんは」
「うんっ!」
「……それで、その……パパと一緒に子供を作ってほしいと」
「そうだよっ!」
「メ、メイメイ! 子供を作るって……どうすれば子供ができるのか知っているのかな? 本当のパパとママに作り方を教えてもらったの?」
芽衣ちゃんにそう問いかける風花の顔は真っ赤だ。まるでその赤みが伝染したかのように、美優先輩の顔の赤みが強くなる。俺も顔が熱くなっているから、2人と同じように真っ赤になっているんだろうな。
「うんっ! ママがおしえてくれたよ!」
太陽のような明るい笑顔で芽衣ちゃんは返事してくれる。果たして、理恵さんは芽衣ちゃんにどうすれば子供ができるのかと教えたのか。
「よるに『だいすき!』っていって、くちとくちでキスすると、おんなのひとのおなかのなかに、こどもができるかもしれないって」
「……な、なるほどね」
「理恵ちゃんはそう教えてくれたんだ」
ほっと胸を撫で下ろしている美優先輩と風花。
夜に好きだと言い合ってキスしたら、子供ができるかもしれない……か。キャベツ畑説やコウノトリ運搬説に比べると現実的な内容だ。保育園に通う女の子にとっては、キスでも過激かもしれないけど。
「……ど、どうします……どうしよっか、美優」
「……い、妹ならできるかもしれない」
「来てくれそうな人がいるんだね、お母さん」
「うん。……芽衣ちゃん。パパと頑張って妹を作れるかもしれない」
「つくれるの?」
芽衣ちゃん、目を輝かせて俺達を交互に見ている。おままごとでも、妹ができるのが嬉しいんだろうな。少しでも、芽衣ちゃんにお姉さん気分を味わわせてあげたい。
「よーし、メイメイ。お姉ちゃんの方に来ようか。お父さんとお母さんが子供を作る邪魔をしないために」
「うんっ!」
芽衣ちゃんは手招きする風花のところに行き、風花と寄り添いながら俺達の方を見る。
「じゃあ……あなた。子作りしましょうか」
「……そうだね、美優」
おままごとであり、子供を作る方法がキスだと分かっているとはいえ、子作りしようって言われると凄くドキドキする。
「……あ、あなた! 大好き!」
「お、俺も美優が大好きだ!」
そして、美優先輩と抱きしめ合い、俺からキスをした。おままごと中のキスでも、子作りのためのキスだと思うと凄くドキドキしてくる。「きゃー!」と芽衣ちゃんの黄色い声が聞こえてくるから尚更に。
ゆっくりと唇を離すと、そこには真っ赤な顔にうっとりとした表情を浮かべる美優先輩が。本当に可愛い人だ。今が2人きりだったら、このまま子供ができるかもしれない行為をおっぱじめていたところだ。
風花と芽衣ちゃんの方を見ると、風花は頬を赤くして視線をちらつかせ、芽衣ちゃんはワクワクした様子でこちらをしっかりと見ていた。
「うっ……!」
美優先輩は気分が悪そうな表情をして、右手で口元を押さえる。
「ど、どうしたんだ? 美優」
「ママ、だいじょうぶ?」
「お母さん!」
美優先輩の迫真の演技に、芽衣ちゃんはもちろんのこと、風花までも心配している。
美優先輩、本当に演技が上手だ。朱莉ちゃんや葵ちゃん、友達と一緒に、たくさんおままごとをしたからかな。
「……もしかしたら、赤ちゃんができたかもしれない。私、病院に行ってくるね。みんなはお留守番してて……」
微笑みながら言う美優先輩。先輩はゆっくり立ち上がり、食卓に置いてある自分のスマホを持ってリビングを後にした。
「ママ……」
「大丈夫だよ、メイメイ。お母さんはすぐに帰ってくるって」
芽衣ちゃんの頭を撫でながら、優しい声色で言う風花。本当の妹さんにもこうして接していたのかなと思わせる。あの演技が凄かったからか、芽衣ちゃんは今も心配そう。
風花は俺のところにやってきて、
「凄い演技だったけど、本当にできちゃったってことはないよね? その……旅行に行ったときにしたんでしょ? 2人のことだから、それ以降もたくさんしてそうだけど」
耳元でそう囁いてくる。旅行に帰ってきてからたくさんしているのは当たっているのでドキッとする。
「……そこは気を付けているから、本当にはできていないと思う」
「それならいいけど」
「ねえねえ、パパとふうちゃんはなにをはなしてるの?」
そう言って、芽依ちゃんは右手の人差し指で、風花の脇腹あたりをツンツンと突いている。
「えっと……も、もし赤ちゃんができていたら、男の子と女の子のどっちかなって話していたの」
「ずるーい! わたしもおはなしする!」
「ごめんね、メイメイ。お姉ちゃんは男の子な気がするけど、メイメイはどっちだと思う?」
「おんなのこ。だって、いもうとができるかもって、ママがいっていたから」
「あははっ、そうだったね! お姉ちゃんすっかり忘れてた!」
快活に笑いながらそう言うと、風花は芽衣ちゃんを後ろから抱きしめる。
美優先輩に告白してきた人は男子の方が多いけど、友達は女性の方が多いからな。俺以外に親しげに話す男子って、加藤と白金先輩くらいじゃないだろうか。そこから考えると、もし赤ちゃんが産まれるとしたら、その子はほぼ確実に女の子になるだろう。そして、妹役を誰がやるかはおおよその想像がついている。
「ただいま~」
数分ほどして、美優先輩はリビングに戻ってくる。そんな先輩の顔には嬉しそうな笑みが浮かんでいる。
「ママ、おかえり~」
「おかえりなさい、お母さん」
「おかえり、美優。ええと……どうだったかな。できたかもしれないって言っていたけど」
病院から帰ってきた設定なので、俺は美優先輩にそう問いかける。
美優先輩は笑みを浮かべながら俺のところにやってきて、俺の手をそっと掴んでくる。先輩の手はとても温かい。
「……できてたよ」
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「やったー! ママおめでとう!」
「そうだね! これで弟か妹と会えるね、メイメイ!」
芽衣ちゃんが嬉しそうにバンザイしているので、風花も一緒にバンザイ。その姿がとても微笑ましく思えた。
「病院で検査したら、産まれてくる子が女の子だって分かったよ。私ね、女の子だったら名前は『瑠衣』にするって決めているの。みんな、それでもいいかな?」
「もちろん!」
「素敵な名前だね、お母さん」
「俺も瑠衣って名前がいいと思うよ」
やっぱり、花柳先輩が妹役としてここに来るのか。さっき、スマホを持ってリビングを出て行ったのは、花柳先輩に家に来てもらえないか連絡するためだったんだな。
「お医者さんに訊いたら、10分後くらいに産まれてくるだろうって。瑠衣ちゃん次第では、もっと早く産まれてくるかもしれないけど」
「そ、そっか。10分か」
「は、早いね、お母さん」
風花と俺はクスクスと笑ってしまう。さすがに、出産予定が10分後は非現実的過ぎるからな。
「るいちゃんにはやくあいたいな!」
興奮気味に話す芽衣ちゃん。
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――ピンポーン。ピンポーン。
美優先輩が戻ってきてから数分ほどでインターホンが鳴る。きっと、花柳先輩だろう。
「いたたっ……う、産まれる! お母さん、病院で瑠衣ちゃんを産んでくるからね。3人はここで待ってて」
陣痛だろうか。痛そうな表情をして、両手をお腹に当てた美優先輩はリビングを出て行った。モニターを確認せずに演技するってことは、おそらく、インターホンを2回鳴らしてほしいと花柳先輩に指示したのだろう。
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