105 / 238
続編
第38話『水着のご披露の時間ですよ。』
しおりを挟む
美優先輩とのキスに夢中になったせいで、美優先輩と俺は10分ほどの遅刻をしてしまった。待ち合わせ場所のエレベーターホールに行くと、4人とも待っていてくれた。
「あっ、由弦と美優先輩が来ましたよ」
「ごめんなさい。遅れてしまいました」
「すみません。部屋の雰囲気やバルコニーからの景色が良くて。ゆったりとした気分になってしまいました」
美優先輩が事情を説明する。まあ、部屋の雰囲気やバルコニーから見える景色が良かったのは嘘ではない。
しかし、花柳先輩はニヤリと笑って、
「それにしては、結構顔が赤くなっていると思うけど。特に美優は。2人きりになったから、たくさんキスして時間を忘れちゃったんじゃない?」
「……せ、正解です。瑠衣ちゃん」
美優先輩は顔を真っ赤にして、しゅんとした感じに。
「ふふっ、やっぱり。2人きりの旅行なら全然OKだけど、あたし達も一緒に来ているから少しは考えてくれると嬉しいな」
「花柳さんの言う通りね。でも、今回は修学旅行や部活の合宿ではなく、プライベート。10分くらいの遅刻は大目に見ましょう。ただ、集まる時間を事前に決めたときは、なるべく間に合うよう行動するように。遅れるときは電話やメッセージなどでその旨を伝えること。時間になっても来なくて、連絡もないと心配になってしまうから」
「ポットのお湯でヤケドしたんじゃないかって心配していたもんね、一佳ちゃん」
「……か、可能性の一つとして考えたんですよ」
霧嶋先生は頬をほんのりと赤くし、少し不機嫌そうな様子でそう言う。
「由弦も美優先輩も無事に来て良かったです。さあ、全員揃いましたし、さっそくプールに行きましょうよ! あたし、このホテルにプールがあると分かってから、ずっと楽しみにしていたんです!」
風花のその言葉や表情から、心の底から楽しみにしていることが伝わってくるので、それまでの微妙な空気が一気に明るいものへと変わった。もしかしたら、部活のときは今のように明るく元気に振る舞って、水泳部の部員を元気づけているのかも。
俺達はエレベーターで屋内プールのある1階へ。
1階に降りると、俺達が来たときよりもフロントには多くの人がいる。ちょうど今くらいの時間がチェックインのピークなのだろうか。そんなことを思いながら、俺達はプールの方へと向かう。
「これが屋内プールへの入口のようね。そこに男女別で更衣室があるから、着替え終わったらこの入口前で待つことにしましょう」
「それがいいですね、一佳先生。由弦、あたし達の水着姿を楽しみにしているからって覗きに来ちゃダメだよ」
「はいはい。入口前で楽しみに待っているから、安心して着替えておいで」
まったく、風花は。俺は常識外れの変態じゃないって。
俺は1人で男性用の更衣室に入っていく。男女別なので当たり前だけど、1人で行動するのは少し寂しい気持ちに。
更衣室の中、あんまり人がいないな。宿泊するお客さんは多くても、この時期にプールに入ろうっていうお客さんは少ないのだろうか。それとも、男性が少なくて女性が多いとか。うちも男1人の女5人だもんな。
そんなことを考えながら、俺は昨日買った青い水着に着替える。ポケットに水中メガネを入れ、スマートフォンを入れた防水ケースを首からかける。
更衣室を出ると、そこにはまだ誰もいなかった。気長に待つことにしよう。
ちなみに、屋内プールがどんな感じになっているのか覗いてみると、それなりに賑わっているな。結構広くて、ウォータースライダーのコースも見える。ホテルそのものも結構立派だけあって、プールもかなり立派そうだ。
「これなら十分に楽しめそうだな」
「何が楽しめそうなのかしら? 桐生君」
霧嶋先生の声がしたので、更衣室の方に振り返ると、そこには黒のクロスホルタービキニを着た霧嶋先生が立っていた。
「プールの方を覗いていたんです。あと、先生、その水着よく似合っていますね」
「あ、ありがとう、桐生君。あなたがそう言ってくれて嬉しい。よく考えて選んだ甲斐があったわ。桐生君も水着がよく似合ってる」
霧嶋先生は頬を赤くしながらそう言ってきた。以前から思っていたけど、先生って結構スタイルがいいよな。肌も白くて綺麗だし。黒い水着を着ているから大人の色気もかなり感じられて。
「そ、そんなにじっと見られると恥ずかしいのだけれど」
「ごめんなさい。とてもよく似合っていますし、綺麗ですから思わず見とれてしまいました」
「……ど、どうもありがとう。でも、それは恋人の白鳥さんにもちゃんと言ってあげなさい」
「……先輩の水着姿を見たら、きっと言うと思います」
美優先輩の水着姿……どんな感じなんだろう。本当に楽しみだ。もちろん、風花や花柳先輩、大宮先生の水着姿も。
「白鳥さんが恋人でなければ、君が更衣室に入らないように腕を組んでいるのだけれど。実は姫宮さんから君の監視をお願いされて。更衣室に来ないことはもちろん、あなたはかっこいいから逆ナンされて連れ去られないようにと」
「ははっ、そうですか。更衣室には入りませんよ。それに、知らない人だったら、俺と霧嶋先生が一緒にいるところを見たら姉弟や恋人に思うんじゃないですか」
俺は霧嶋先生のことを先生と言っているけれど。パッと見ただけで、教師と生徒っていう関係を見抜く人はそうそういないだろう。
「こ、恋人ね。そう見られるかもしれないのね。……なるほど、なるほど」
霧嶋先生は顔を真っ赤にして、口元が緩んでいる。そんな先生はとても可愛らしい。
「あらあら、一佳ちゃん。桐生君と2人きりでドキドキしているのかな?」
「そ、そんなことありませんっ! ただ、その……教え子に水着が似合っていると言われて嬉しいだけですっ!」
「ふふっ、乙女だねぇ」
大宮先生は落ち着いた笑みを浮かべている。大宮先生は白いパレオ付きのビキニを着ている。爽やかで落ち着いた雰囲気があるけれど、胸の存在感が半端ない。美優先輩よりも大きいんじゃないだろうか。
「桐生君。あたしのことをじっと見ていてくれているけれど、この水着……似合ってるかな?」
「とてもよく似合っています」
「ありがとう。高校生でも男性だから、そう言われると嬉しくてドキドキしちゃう。一佳ちゃんの気持ちがよーく分かるよ」
大宮先生は楽しげな様子で霧嶋先生のことを抱きしめている。何だかとても癒される光景だな。あと、大宮先生が抱きしめたことで2人からいい匂いが。
「3人ももうすぐ出てくると思うよ」
「そうですか。とても楽しみです」
待ち遠しいな。なるべく早く彼女達の水着姿を見たいものだ。
「由弦、お待たせ」
「お待たせ、桐生君」
女性更衣室から、水着姿の風花と花柳先輩の2人が姿を現した。
「あれ? 美優先輩はどうしましたか?」
「美優も水着を着たんだけど、いざ桐生君に水着姿を披露するとなると緊張しちゃうみたいで。勇気を溜めてから出てくるって」
「そうですか。じゃあ、それまで待っていましょうか」
以前、スクール水着を着た状態で、一緒に家の風呂に入ったことがあるんだけどな。
昨日、新しい水着がどんなものかプールに入るまで秘密って約束をした。それもあってなのか、水着を実際に着た途端に緊張してしまうのかも。俺にどんな反応をされるかとか、水着が似合っているかどうかとか考えてしまうのかもしれない。
「由弦、あたしや瑠衣先輩の水着は似合ってる?」
風花はオレンジ色のホルターネックビキニで、花柳先輩は水色のフレアビキニか。
「2人ともよく似合っていますよ」
「……由弦がそう言ってくれて嬉しいな」
「良かったね、風花ちゃん」
風花は頬を赤くしながらもじもじとしている。
こうして見てみると……美優先輩の大きな胸に見慣れているからか今まで感じなかったけれど、風花ってそれなりに胸があるんだな。
「桐生君。今、美優の大きな胸を見慣れているからか今まで感じなかったけれど、風花ちゃんってそれなりに胸があるんだ……って思いながら、風花ちゃんの胸のあたりを見てなかった?」
「そ、そうなの? 由弦」
「……その通りでございます。ごめん、じっと見ちゃって」
というか、思っていることをそのまま言われてしまったので、ちょっと寒気がしたぞ。
「いいよ。水着姿だし。それに、由弦なら絶対に見てくると思ってたし。むしろ、こういう姿だから見てくれて嬉しい気持ちもあるよ。由弦はあたしの好きな人だからね。あと、あたしの胸はCカップだから、そこそこなサイズじゃないかな。もちろん、美優先輩や先生達と比べたらちっちゃいけれど……」
風花はさっきよりも顔を赤くなり、視線をちらつかせながらはにかんでいた。水着姿ということもあってか、普段よりも艶やかで大人っぽく感じる。不覚にもそんな彼女の姿を見てキュンときてしまった。
「ねえ、風花ちゃん、瑠衣ちゃん。そこに……由弦君はいる?」
女性用更衣室の方から美優先輩の声が聞こえてくる。
「いますよ、美優先輩」
「桐生君は楽しみにしているし、きっと可愛いって言ってくれるよ」
「……分かった。じゃあ、そっちに行くね」
間もなく、美優先輩の水着姿を見られると思うとドキドキするな。
そして、女性更衣室から赤いビキニ姿の美優先輩が登場した。俺と目が会うや否や彼女ははにかむ。
「由弦君。どう……かな? 色々迷って、最終的にはシンプルな三角ビキニにしたんだけど」
「……凄く似合っています。とても可愛いです」
「ありがとう! 由弦君の水着姿もとても似合っていてかっこいいよ」
シンプルな水着だからこそ、美優先輩の可愛らしさやスタイルの良さが映えると思う。濃い赤という水着の色は美優先輩に似合っている。
あと……どうしても、とても豊満な胸に視線を向けてしまう。谷間が凄すぎる。何度も一緒に入浴しているから、彼女の体は見たことがあるのに、水着を着るとどうしてここまで艶やかに感じられるのだろう。
「似合っているって言ってくれるのは嬉しいけど、まじまじと見つめられると恥ずかしいな。2人きりならともかく、風花ちゃん達もいるから」
「すみません。とても素敵なので釘付けになってしまいました。旅行の思い出として、今すぐにでもその姿を写真に収めたいくらいです」
「由弦君ならいいよ」
その後、屋内プールに入って、美優先輩の水着姿を何枚か撮影した。先輩は笑顔を見せてくれたり、ピースサインをしてくれたりしたので可愛い写真を何枚も撮ることができた。あと、先輩が俺と腕を絡ませてきたので、先輩とのツーショット写真も撮った。あとでこの写真は先輩に送っておこう。
また、変なことに使わないことや、ネットなどにアップしたり、この旅行メンバー以外の人に送ったりしないという風花からの約束を守ることを条件に、風花達の水着姿の写真もスマホで撮影するのであった。
「あっ、由弦と美優先輩が来ましたよ」
「ごめんなさい。遅れてしまいました」
「すみません。部屋の雰囲気やバルコニーからの景色が良くて。ゆったりとした気分になってしまいました」
美優先輩が事情を説明する。まあ、部屋の雰囲気やバルコニーから見える景色が良かったのは嘘ではない。
しかし、花柳先輩はニヤリと笑って、
「それにしては、結構顔が赤くなっていると思うけど。特に美優は。2人きりになったから、たくさんキスして時間を忘れちゃったんじゃない?」
「……せ、正解です。瑠衣ちゃん」
美優先輩は顔を真っ赤にして、しゅんとした感じに。
「ふふっ、やっぱり。2人きりの旅行なら全然OKだけど、あたし達も一緒に来ているから少しは考えてくれると嬉しいな」
「花柳さんの言う通りね。でも、今回は修学旅行や部活の合宿ではなく、プライベート。10分くらいの遅刻は大目に見ましょう。ただ、集まる時間を事前に決めたときは、なるべく間に合うよう行動するように。遅れるときは電話やメッセージなどでその旨を伝えること。時間になっても来なくて、連絡もないと心配になってしまうから」
「ポットのお湯でヤケドしたんじゃないかって心配していたもんね、一佳ちゃん」
「……か、可能性の一つとして考えたんですよ」
霧嶋先生は頬をほんのりと赤くし、少し不機嫌そうな様子でそう言う。
「由弦も美優先輩も無事に来て良かったです。さあ、全員揃いましたし、さっそくプールに行きましょうよ! あたし、このホテルにプールがあると分かってから、ずっと楽しみにしていたんです!」
風花のその言葉や表情から、心の底から楽しみにしていることが伝わってくるので、それまでの微妙な空気が一気に明るいものへと変わった。もしかしたら、部活のときは今のように明るく元気に振る舞って、水泳部の部員を元気づけているのかも。
俺達はエレベーターで屋内プールのある1階へ。
1階に降りると、俺達が来たときよりもフロントには多くの人がいる。ちょうど今くらいの時間がチェックインのピークなのだろうか。そんなことを思いながら、俺達はプールの方へと向かう。
「これが屋内プールへの入口のようね。そこに男女別で更衣室があるから、着替え終わったらこの入口前で待つことにしましょう」
「それがいいですね、一佳先生。由弦、あたし達の水着姿を楽しみにしているからって覗きに来ちゃダメだよ」
「はいはい。入口前で楽しみに待っているから、安心して着替えておいで」
まったく、風花は。俺は常識外れの変態じゃないって。
俺は1人で男性用の更衣室に入っていく。男女別なので当たり前だけど、1人で行動するのは少し寂しい気持ちに。
更衣室の中、あんまり人がいないな。宿泊するお客さんは多くても、この時期にプールに入ろうっていうお客さんは少ないのだろうか。それとも、男性が少なくて女性が多いとか。うちも男1人の女5人だもんな。
そんなことを考えながら、俺は昨日買った青い水着に着替える。ポケットに水中メガネを入れ、スマートフォンを入れた防水ケースを首からかける。
更衣室を出ると、そこにはまだ誰もいなかった。気長に待つことにしよう。
ちなみに、屋内プールがどんな感じになっているのか覗いてみると、それなりに賑わっているな。結構広くて、ウォータースライダーのコースも見える。ホテルそのものも結構立派だけあって、プールもかなり立派そうだ。
「これなら十分に楽しめそうだな」
「何が楽しめそうなのかしら? 桐生君」
霧嶋先生の声がしたので、更衣室の方に振り返ると、そこには黒のクロスホルタービキニを着た霧嶋先生が立っていた。
「プールの方を覗いていたんです。あと、先生、その水着よく似合っていますね」
「あ、ありがとう、桐生君。あなたがそう言ってくれて嬉しい。よく考えて選んだ甲斐があったわ。桐生君も水着がよく似合ってる」
霧嶋先生は頬を赤くしながらそう言ってきた。以前から思っていたけど、先生って結構スタイルがいいよな。肌も白くて綺麗だし。黒い水着を着ているから大人の色気もかなり感じられて。
「そ、そんなにじっと見られると恥ずかしいのだけれど」
「ごめんなさい。とてもよく似合っていますし、綺麗ですから思わず見とれてしまいました」
「……ど、どうもありがとう。でも、それは恋人の白鳥さんにもちゃんと言ってあげなさい」
「……先輩の水着姿を見たら、きっと言うと思います」
美優先輩の水着姿……どんな感じなんだろう。本当に楽しみだ。もちろん、風花や花柳先輩、大宮先生の水着姿も。
「白鳥さんが恋人でなければ、君が更衣室に入らないように腕を組んでいるのだけれど。実は姫宮さんから君の監視をお願いされて。更衣室に来ないことはもちろん、あなたはかっこいいから逆ナンされて連れ去られないようにと」
「ははっ、そうですか。更衣室には入りませんよ。それに、知らない人だったら、俺と霧嶋先生が一緒にいるところを見たら姉弟や恋人に思うんじゃないですか」
俺は霧嶋先生のことを先生と言っているけれど。パッと見ただけで、教師と生徒っていう関係を見抜く人はそうそういないだろう。
「こ、恋人ね。そう見られるかもしれないのね。……なるほど、なるほど」
霧嶋先生は顔を真っ赤にして、口元が緩んでいる。そんな先生はとても可愛らしい。
「あらあら、一佳ちゃん。桐生君と2人きりでドキドキしているのかな?」
「そ、そんなことありませんっ! ただ、その……教え子に水着が似合っていると言われて嬉しいだけですっ!」
「ふふっ、乙女だねぇ」
大宮先生は落ち着いた笑みを浮かべている。大宮先生は白いパレオ付きのビキニを着ている。爽やかで落ち着いた雰囲気があるけれど、胸の存在感が半端ない。美優先輩よりも大きいんじゃないだろうか。
「桐生君。あたしのことをじっと見ていてくれているけれど、この水着……似合ってるかな?」
「とてもよく似合っています」
「ありがとう。高校生でも男性だから、そう言われると嬉しくてドキドキしちゃう。一佳ちゃんの気持ちがよーく分かるよ」
大宮先生は楽しげな様子で霧嶋先生のことを抱きしめている。何だかとても癒される光景だな。あと、大宮先生が抱きしめたことで2人からいい匂いが。
「3人ももうすぐ出てくると思うよ」
「そうですか。とても楽しみです」
待ち遠しいな。なるべく早く彼女達の水着姿を見たいものだ。
「由弦、お待たせ」
「お待たせ、桐生君」
女性更衣室から、水着姿の風花と花柳先輩の2人が姿を現した。
「あれ? 美優先輩はどうしましたか?」
「美優も水着を着たんだけど、いざ桐生君に水着姿を披露するとなると緊張しちゃうみたいで。勇気を溜めてから出てくるって」
「そうですか。じゃあ、それまで待っていましょうか」
以前、スクール水着を着た状態で、一緒に家の風呂に入ったことがあるんだけどな。
昨日、新しい水着がどんなものかプールに入るまで秘密って約束をした。それもあってなのか、水着を実際に着た途端に緊張してしまうのかも。俺にどんな反応をされるかとか、水着が似合っているかどうかとか考えてしまうのかもしれない。
「由弦、あたしや瑠衣先輩の水着は似合ってる?」
風花はオレンジ色のホルターネックビキニで、花柳先輩は水色のフレアビキニか。
「2人ともよく似合っていますよ」
「……由弦がそう言ってくれて嬉しいな」
「良かったね、風花ちゃん」
風花は頬を赤くしながらもじもじとしている。
こうして見てみると……美優先輩の大きな胸に見慣れているからか今まで感じなかったけれど、風花ってそれなりに胸があるんだな。
「桐生君。今、美優の大きな胸を見慣れているからか今まで感じなかったけれど、風花ちゃんってそれなりに胸があるんだ……って思いながら、風花ちゃんの胸のあたりを見てなかった?」
「そ、そうなの? 由弦」
「……その通りでございます。ごめん、じっと見ちゃって」
というか、思っていることをそのまま言われてしまったので、ちょっと寒気がしたぞ。
「いいよ。水着姿だし。それに、由弦なら絶対に見てくると思ってたし。むしろ、こういう姿だから見てくれて嬉しい気持ちもあるよ。由弦はあたしの好きな人だからね。あと、あたしの胸はCカップだから、そこそこなサイズじゃないかな。もちろん、美優先輩や先生達と比べたらちっちゃいけれど……」
風花はさっきよりも顔を赤くなり、視線をちらつかせながらはにかんでいた。水着姿ということもあってか、普段よりも艶やかで大人っぽく感じる。不覚にもそんな彼女の姿を見てキュンときてしまった。
「ねえ、風花ちゃん、瑠衣ちゃん。そこに……由弦君はいる?」
女性用更衣室の方から美優先輩の声が聞こえてくる。
「いますよ、美優先輩」
「桐生君は楽しみにしているし、きっと可愛いって言ってくれるよ」
「……分かった。じゃあ、そっちに行くね」
間もなく、美優先輩の水着姿を見られると思うとドキドキするな。
そして、女性更衣室から赤いビキニ姿の美優先輩が登場した。俺と目が会うや否や彼女ははにかむ。
「由弦君。どう……かな? 色々迷って、最終的にはシンプルな三角ビキニにしたんだけど」
「……凄く似合っています。とても可愛いです」
「ありがとう! 由弦君の水着姿もとても似合っていてかっこいいよ」
シンプルな水着だからこそ、美優先輩の可愛らしさやスタイルの良さが映えると思う。濃い赤という水着の色は美優先輩に似合っている。
あと……どうしても、とても豊満な胸に視線を向けてしまう。谷間が凄すぎる。何度も一緒に入浴しているから、彼女の体は見たことがあるのに、水着を着るとどうしてここまで艶やかに感じられるのだろう。
「似合っているって言ってくれるのは嬉しいけど、まじまじと見つめられると恥ずかしいな。2人きりならともかく、風花ちゃん達もいるから」
「すみません。とても素敵なので釘付けになってしまいました。旅行の思い出として、今すぐにでもその姿を写真に収めたいくらいです」
「由弦君ならいいよ」
その後、屋内プールに入って、美優先輩の水着姿を何枚か撮影した。先輩は笑顔を見せてくれたり、ピースサインをしてくれたりしたので可愛い写真を何枚も撮ることができた。あと、先輩が俺と腕を絡ませてきたので、先輩とのツーショット写真も撮った。あとでこの写真は先輩に送っておこう。
また、変なことに使わないことや、ネットなどにアップしたり、この旅行メンバー以外の人に送ったりしないという風花からの約束を守ることを条件に、風花達の水着姿の写真もスマホで撮影するのであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
56
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる