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特別編-オータムホリデイズ-
第8話『もしもし』
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飲み物が出されてから少し経った後、今度は仁実ちゃんによって料理が運ばれてきた。
「お待たせしました。オムライスにカルボナーラ、魚介和風パスタになります。以上でご注文の品はお揃いでしょうか?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
「それではごゆっくり」
さすがは仁実ちゃん。スムーズに料理を僕達に運んできてくれた。これも美来にとって参考になるんじゃないかと思う。
「それじゃ、いただきます」
「いただきます!」
「いただきます。カルボナーラどんな感じかな……」
僕達はお昼ご飯を食べ始める。
僕が頼んだ魚介和風パスタは……うん、さっぱりとしていて美味しい。付け合わせのコンソメスープもいいなぁ。今度、社食でパスタを食べてみようかな。
「オムライス、美味しいです!」
「カルボナーラも美味しいよ」
美来も有紗さんも嬉しそうな表情を浮かべながらモグモグと食べている。そんな2人を見ていると、こっちまで嬉しい気持ちになってくるな。
「美来や有紗さんも魚介和風パスタを一口食べてみますか?」
「いいんですか? 食べてみたいです!」
「あたしも食べてみたいなぁ。じゃあ、みんなで一口ずつ交換し合おっか」
有紗さんの提案により、僕達はお互いに頼んだものを一口ずつ食べることに。オムライスやカルボナーラもとても美味しいな。
「カルボナーラも美味しいですが、さっぱりとした和風パスタもいいですね!」
「クリーム系のパスタを食べることが多いけれど、和風もなかなかいいね。でも、オムライスもとても美味しいよ!」
どうやら、今後も3人でこの喫茶店に何度かご飯を食べに来ることになりそうだ。メニューも豊富だし頻繁に通うことになるかも。
「話が変わるんですけど、もし、私達で入れ替わりが起こったらどうなるんでしょうか?」
突然、美来は何を言い出すかと思ったけれど、今日観た映画で入れ替わりが重要な要素だったからそんなことを思ったのか。
「映画だと2人の間で入れ替わっていたよね。例えば誰と誰かな、美来ちゃん」
「映画では男女なので、私と智也さんとか? 実は映画を観ながらそんなことを考えたりしていました」
「あぁ、あたしも映画を観ながら思った。自分も智也君と入れ替わったらどうなるかって」
僕は全然考えなかったな。入れ替わった主人公とヒロインがきちんと生活できるかどうかが心配になっちゃって。
「じゃあ、まずは私と智也さんが入れ替わったらどうするかです」
「……ちゃんと話し合うつもりなんだね」
「せっかくですからいいじゃないですかぁ。智也さんは私と入れ替わったらどうします? 色々と1人でしちゃいますか?」
「……多分、元の体に戻る方法をずっと考えているんじゃないかな。あとは、有紗さんや乃愛ちゃんや亜依ちゃんとか、身近な人にこのことを知らせてさ。お互いの生活を送らなきゃいけないし。高校の授業について行けるかどうか不安だな……」
「随分と現実的な考え方ですね。私の体を楽しまないんですか?」
「……それができるほどの余裕が出ればいいよね。あと、喫茶店で変に誤解されるような言葉を使うんじゃありません」
きっと、女の子の体になるんだから、色々と戸惑うんじゃないだろうか。確認のために胸を揉んだり、鏡の前で自分の体をじっと見たりすることはあるかもしれない。
「高校の勉強についていけるかどうかは不安になるよね。部活もそうだけど。あとは女子校っていうのも智也君にはハードル高そうだなぁ」
「共学ならまだしも、女子校だと1日ちゃんと過ごせるかどうか不安ですね」
多分、クラスメイトの乃愛ちゃんや亜依ちゃん、先輩の玲奈ちゃんや花音ちゃんにサポートしてもらわないと精神的に耐えられない気がする。
「じゃあ、美来は僕と入れ替わっちゃったらどうするの?」
「まずは、鏡の前で智也さんの姿を見つめながら幸せな気分に浸りますね」
「……それで?」
「私と入れ替わった智也さんと状況を確認して、そうしたら……男性としての快感を知るために智也さんとイチャイチャしようかなと。もちろん、お仕事も一つ一つ覚えながら頑張ります!」
「……前向きだね。美来らしい」
むしろ、前向きすぎて恐いくらいだけれど。
「智也君の言う通り、美来ちゃんらしいといえば美来ちゃんらしいかな。何か、智也君のお仕事もすぐに覚えそう」
確かに、美来なら周りの人に分からないことを訊きながら、どんどんと仕事をこなしていきそうだ。
「じゃあ、次は智也さんと有紗さんが入れ替わったらどうしますか?」
「今度は有紗さんか。……やっぱり、女性の体になって戸惑うんじゃないかな。それで、有紗さんと美来と明美ちゃんにこのことを教えると思う。平日だったら、景子ちゃんにだけ事情を説明して有紗さんの仕事をするかな」
「立場は違っても、同じ案件について仕事しているもんね。まあ、私も平日だったら智也君の仕事をちゃんとするかな。連絡を取り合いながら」
「さすがは智也さんと有紗さん、大人ですね。ただ、智也さんと有紗さんが入れ替わったらイチャイチャできなくなるんですね……」
美来、がっかりしているな。というか、彼女にとって重要なところはイチャイチャなのかい。その気持ちも分かるけれど。確かに、僕が誰かと入れ替わったら、これまで通りの美来との性……いや、生活ができなくなるか。
「もし、智也さんが誰かと入れ替わってしまったら、元の体に戻るように協力するしかないですね」
「そうだね。入れ替わるってことは、僕だけのことじゃないからね。心と体の持ち主が一致しているからこそ、平穏な生活を送ることができるんだろうね」
入れ替わりという現象は起きないと思いたいけれど、夏に美来と旅行に行ったホテルで20年以上前に亡くなった女性の幽霊と出会っているし。そう考えたら急に寒気が。
「智也さんの言う通りかもしれませんね。ただ、最後に……有紗さんと私が入れ替わったらどうなるでしょう?」
「女子校に行くのはいいとして、授業についていけるかどうかが心配だなぁ。歌うのは好きだけれど、美来ちゃんみたいに上手く歌える自信もないし……」
「クラスには乃愛ちゃんや亜依ちゃんっていう親友もいますし、部活の方も事情を話せばきっと大丈夫ですよ!」
もしもの話なのに、美来は真剣になって有紗さんをフォローしている。こういうところも可愛らしくて、和ませてくれる。
「年下の女の子に囲まれながらの生活もいいかもね。高校生活をもう一度送ることができると思うと案外いいかも。10年ぶりくらいだし」
「……年齢を感じさせる言葉ですね」
「何よ、智也君」
「いえいえ、24歳のおじさんの呟きですよ。可愛いなぁと思いまして」
有紗さんがもし女子校に通っていたら……結構さっぱりとしていて、かっこいいところもあれば可愛らしいところもあるのでとても人気が出そう。
「まあ、自分が通った制服を電車で見ると懐かしく思えるけれどね。……美来ちゃんの方は、智也君が同じビルにいるっていうだけでお仕事を頑張れそうなイメージだけど」
「もちろんです! 智也さんに分からないところを訊きながらやっていきたいと思っています」
「確かに、美来ならそれである程度の仕事をこなせそうな気がするよ」
気付けば、有紗さんや僕よりもできる人になっていそうだ。そう思わせてくれるほどに美来はポテンシャルのある女の子だと思っている。
「お仕事をしたら、智也さんと一緒にマンションに帰って、元の体に戻るまでの間は有紗さんと3人で暮らすんです」
「それが一番いいかもね。美来ちゃんや智也君と一緒に元の体に戻る方法を考えて、色々と試したりしてね」
そう言って、美来と有紗さんは笑い合っている。入れ替わっても2人が一緒に家にいるときはそれなりに楽しんでいそうな気がするよ。
それからも映画や文化祭のことを話しながら、楽しい昼食の時間を過ごすのであった。
「お待たせしました。オムライスにカルボナーラ、魚介和風パスタになります。以上でご注文の品はお揃いでしょうか?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
「それではごゆっくり」
さすがは仁実ちゃん。スムーズに料理を僕達に運んできてくれた。これも美来にとって参考になるんじゃないかと思う。
「それじゃ、いただきます」
「いただきます!」
「いただきます。カルボナーラどんな感じかな……」
僕達はお昼ご飯を食べ始める。
僕が頼んだ魚介和風パスタは……うん、さっぱりとしていて美味しい。付け合わせのコンソメスープもいいなぁ。今度、社食でパスタを食べてみようかな。
「オムライス、美味しいです!」
「カルボナーラも美味しいよ」
美来も有紗さんも嬉しそうな表情を浮かべながらモグモグと食べている。そんな2人を見ていると、こっちまで嬉しい気持ちになってくるな。
「美来や有紗さんも魚介和風パスタを一口食べてみますか?」
「いいんですか? 食べてみたいです!」
「あたしも食べてみたいなぁ。じゃあ、みんなで一口ずつ交換し合おっか」
有紗さんの提案により、僕達はお互いに頼んだものを一口ずつ食べることに。オムライスやカルボナーラもとても美味しいな。
「カルボナーラも美味しいですが、さっぱりとした和風パスタもいいですね!」
「クリーム系のパスタを食べることが多いけれど、和風もなかなかいいね。でも、オムライスもとても美味しいよ!」
どうやら、今後も3人でこの喫茶店に何度かご飯を食べに来ることになりそうだ。メニューも豊富だし頻繁に通うことになるかも。
「話が変わるんですけど、もし、私達で入れ替わりが起こったらどうなるんでしょうか?」
突然、美来は何を言い出すかと思ったけれど、今日観た映画で入れ替わりが重要な要素だったからそんなことを思ったのか。
「映画だと2人の間で入れ替わっていたよね。例えば誰と誰かな、美来ちゃん」
「映画では男女なので、私と智也さんとか? 実は映画を観ながらそんなことを考えたりしていました」
「あぁ、あたしも映画を観ながら思った。自分も智也君と入れ替わったらどうなるかって」
僕は全然考えなかったな。入れ替わった主人公とヒロインがきちんと生活できるかどうかが心配になっちゃって。
「じゃあ、まずは私と智也さんが入れ替わったらどうするかです」
「……ちゃんと話し合うつもりなんだね」
「せっかくですからいいじゃないですかぁ。智也さんは私と入れ替わったらどうします? 色々と1人でしちゃいますか?」
「……多分、元の体に戻る方法をずっと考えているんじゃないかな。あとは、有紗さんや乃愛ちゃんや亜依ちゃんとか、身近な人にこのことを知らせてさ。お互いの生活を送らなきゃいけないし。高校の授業について行けるかどうか不安だな……」
「随分と現実的な考え方ですね。私の体を楽しまないんですか?」
「……それができるほどの余裕が出ればいいよね。あと、喫茶店で変に誤解されるような言葉を使うんじゃありません」
きっと、女の子の体になるんだから、色々と戸惑うんじゃないだろうか。確認のために胸を揉んだり、鏡の前で自分の体をじっと見たりすることはあるかもしれない。
「高校の勉強についていけるかどうかは不安になるよね。部活もそうだけど。あとは女子校っていうのも智也君にはハードル高そうだなぁ」
「共学ならまだしも、女子校だと1日ちゃんと過ごせるかどうか不安ですね」
多分、クラスメイトの乃愛ちゃんや亜依ちゃん、先輩の玲奈ちゃんや花音ちゃんにサポートしてもらわないと精神的に耐えられない気がする。
「じゃあ、美来は僕と入れ替わっちゃったらどうするの?」
「まずは、鏡の前で智也さんの姿を見つめながら幸せな気分に浸りますね」
「……それで?」
「私と入れ替わった智也さんと状況を確認して、そうしたら……男性としての快感を知るために智也さんとイチャイチャしようかなと。もちろん、お仕事も一つ一つ覚えながら頑張ります!」
「……前向きだね。美来らしい」
むしろ、前向きすぎて恐いくらいだけれど。
「智也君の言う通り、美来ちゃんらしいといえば美来ちゃんらしいかな。何か、智也君のお仕事もすぐに覚えそう」
確かに、美来なら周りの人に分からないことを訊きながら、どんどんと仕事をこなしていきそうだ。
「じゃあ、次は智也さんと有紗さんが入れ替わったらどうしますか?」
「今度は有紗さんか。……やっぱり、女性の体になって戸惑うんじゃないかな。それで、有紗さんと美来と明美ちゃんにこのことを教えると思う。平日だったら、景子ちゃんにだけ事情を説明して有紗さんの仕事をするかな」
「立場は違っても、同じ案件について仕事しているもんね。まあ、私も平日だったら智也君の仕事をちゃんとするかな。連絡を取り合いながら」
「さすがは智也さんと有紗さん、大人ですね。ただ、智也さんと有紗さんが入れ替わったらイチャイチャできなくなるんですね……」
美来、がっかりしているな。というか、彼女にとって重要なところはイチャイチャなのかい。その気持ちも分かるけれど。確かに、僕が誰かと入れ替わったら、これまで通りの美来との性……いや、生活ができなくなるか。
「もし、智也さんが誰かと入れ替わってしまったら、元の体に戻るように協力するしかないですね」
「そうだね。入れ替わるってことは、僕だけのことじゃないからね。心と体の持ち主が一致しているからこそ、平穏な生活を送ることができるんだろうね」
入れ替わりという現象は起きないと思いたいけれど、夏に美来と旅行に行ったホテルで20年以上前に亡くなった女性の幽霊と出会っているし。そう考えたら急に寒気が。
「智也さんの言う通りかもしれませんね。ただ、最後に……有紗さんと私が入れ替わったらどうなるでしょう?」
「女子校に行くのはいいとして、授業についていけるかどうかが心配だなぁ。歌うのは好きだけれど、美来ちゃんみたいに上手く歌える自信もないし……」
「クラスには乃愛ちゃんや亜依ちゃんっていう親友もいますし、部活の方も事情を話せばきっと大丈夫ですよ!」
もしもの話なのに、美来は真剣になって有紗さんをフォローしている。こういうところも可愛らしくて、和ませてくれる。
「年下の女の子に囲まれながらの生活もいいかもね。高校生活をもう一度送ることができると思うと案外いいかも。10年ぶりくらいだし」
「……年齢を感じさせる言葉ですね」
「何よ、智也君」
「いえいえ、24歳のおじさんの呟きですよ。可愛いなぁと思いまして」
有紗さんがもし女子校に通っていたら……結構さっぱりとしていて、かっこいいところもあれば可愛らしいところもあるのでとても人気が出そう。
「まあ、自分が通った制服を電車で見ると懐かしく思えるけれどね。……美来ちゃんの方は、智也君が同じビルにいるっていうだけでお仕事を頑張れそうなイメージだけど」
「もちろんです! 智也さんに分からないところを訊きながらやっていきたいと思っています」
「確かに、美来ならそれである程度の仕事をこなせそうな気がするよ」
気付けば、有紗さんや僕よりもできる人になっていそうだ。そう思わせてくれるほどに美来はポテンシャルのある女の子だと思っている。
「お仕事をしたら、智也さんと一緒にマンションに帰って、元の体に戻るまでの間は有紗さんと3人で暮らすんです」
「それが一番いいかもね。美来ちゃんや智也君と一緒に元の体に戻る方法を考えて、色々と試したりしてね」
そう言って、美来と有紗さんは笑い合っている。入れ替わっても2人が一緒に家にいるときはそれなりに楽しんでいそうな気がするよ。
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