184 / 292
特別編-ラブラブ!サンシャイン!!-
第34話『スキンシップ』
しおりを挟む
昨日と同じように、僕は美来と一緒に部屋のお風呂に入ることに。
有紗さんのことは一件落着して、僕もこの話は終わりだと言ったのに……さっきから普段以上に丁寧な態度になっている。
「さあさあ、智也さん。髪と体を洗ってあげますね」
「2日連続で洗ってもらっていいのかな……」
「もちろんですよ、旦那様」
あぁ……なるほど。お風呂から上がったらメイド服を着てほしいって言ったから、その影響で今からメイドさん気分なのか。
今の美来は髪を纏め、ヘアクリップで留めているので、普段とちょっと違う雰囲気にはなっている。
「どうしたんですか、旦那様。鏡越しで私のことを見て」
「美来の髪って普段はストレートじゃない。だから、今みたいにクリップで髪を纏めているのが新鮮だなって。……あと、僕のことは旦那様じゃなくて、普段通りの呼び方で呼んでほしいかな」
「かしこまりました。……智也、さん」
どうして、いつも通りの呼び方で言う方が恥ずかしそうなのか。
「じゃあ、まずは髪を洗いますね」
「ありがとう。じゃあ、よろしくお願いします」
「はーい。では、始めますね」
僕は美来に髪を洗ってもらう。シャンプーの香りと、美来の絶妙な力加減のおかげでとても眠くなる。さっき、美来を叱ったこともあってか、酔いはだいぶ醒めたけど、目を瞑っていると普段よりも眠気が押し寄せてくるな。
「智也さん、どうしましたか? コクコク頷いて」
「あぁ、ごめん。あまりにも気持ちよくてつい眠気が」
「ふふっ、そうですか。智也さん、お酒を呑むといつもそうですよね。では、今日も私が髪や体を洗っているときは湯船に浸からない方がいいですね」
「うん、そうするよ」
湯船に入ったら、眠気に負けてすぐに眠りに落ちてしまい、湯船に沈んで溺死してしまうかもしれない。
「今日もとても楽しかったですね。温泉に入って、観光して、スイーツを食べて、プールで遊んで。忘れられない1日になりました」
「……そうだね」
ちょっとだけ目を開けて、鏡越しに美来のことを見ると、美来は嬉しそうな顔を浮かべているのが見えた。さっき、有紗さんのことで叱っちゃったから、それを変に気にしていないかどうか心配だったけど、これなら大丈夫そうかな。
「智也さん、泡を落としますので目を瞑ってください」
「うん」
シャワーで美来に髪に付いたシャンプーの泡を落としてもらう。あぁ、頭に温かいお湯がかかると気持ち良くて眠くなるなぁ。
「はーい、終わりました」
そう言うと、美来はタオルで僕の髪を拭いてくれる。ここまでやってもらうと有り難いと思うと同時に申し訳なくなるな。
「次は体ですね。プールに入るときに日焼け止めを塗ったので、お肌は大丈夫だとは思いますが……」
「そうだね。今日は晴れていたし、観光したから首回りと肘から手まで焼けたくらいで。それも痛くはないから大丈夫だよ」
「そうですか。じゃあ、タオルを使って優しく洗いますね」
「うん、お願いするよ」
タオルで体を洗ってもらうことに。
「智也さん、どうですか?」
「……気持ちいいよ。痛みも感じない」
「良かったです。でも、肘とか首は日焼けしていますので、手で洗いますね」
「うん」
すると、タオルよりも柔らかい感触のものが首に。タオルでも大丈夫そうな気がするけれど。
「どうですか?」
「気持ちいいよ」
この気持ち良さは美来の優しさなんだろうな。指だからくすぐったいけれど。
「じゃあ、シャワーで泡を落としますね」
「うん」
美来に体に付いた泡をシャワーで落としてもらうと、今度は美来が髪と体を洗うために鏡の前にある椅子に座った。僕は昨日と同じように、湯船には入らずに湯船の横で脚を伸ばすことに。
「ふふっ、やっぱり湯船に浸かると眠ってしまいますか?」
「うん。それに、こうしているといい感じに眠気がなくなっていくんだよね」
「ふふっ、そうですか」
僕はゆっくりと目を瞑って今回の旅行のことを思い出していく。色々なことがあったけど、そこにはいつも美来の笑顔があったな。それがとても嬉しかったのであった。
有紗さんのことは一件落着して、僕もこの話は終わりだと言ったのに……さっきから普段以上に丁寧な態度になっている。
「さあさあ、智也さん。髪と体を洗ってあげますね」
「2日連続で洗ってもらっていいのかな……」
「もちろんですよ、旦那様」
あぁ……なるほど。お風呂から上がったらメイド服を着てほしいって言ったから、その影響で今からメイドさん気分なのか。
今の美来は髪を纏め、ヘアクリップで留めているので、普段とちょっと違う雰囲気にはなっている。
「どうしたんですか、旦那様。鏡越しで私のことを見て」
「美来の髪って普段はストレートじゃない。だから、今みたいにクリップで髪を纏めているのが新鮮だなって。……あと、僕のことは旦那様じゃなくて、普段通りの呼び方で呼んでほしいかな」
「かしこまりました。……智也、さん」
どうして、いつも通りの呼び方で言う方が恥ずかしそうなのか。
「じゃあ、まずは髪を洗いますね」
「ありがとう。じゃあ、よろしくお願いします」
「はーい。では、始めますね」
僕は美来に髪を洗ってもらう。シャンプーの香りと、美来の絶妙な力加減のおかげでとても眠くなる。さっき、美来を叱ったこともあってか、酔いはだいぶ醒めたけど、目を瞑っていると普段よりも眠気が押し寄せてくるな。
「智也さん、どうしましたか? コクコク頷いて」
「あぁ、ごめん。あまりにも気持ちよくてつい眠気が」
「ふふっ、そうですか。智也さん、お酒を呑むといつもそうですよね。では、今日も私が髪や体を洗っているときは湯船に浸からない方がいいですね」
「うん、そうするよ」
湯船に入ったら、眠気に負けてすぐに眠りに落ちてしまい、湯船に沈んで溺死してしまうかもしれない。
「今日もとても楽しかったですね。温泉に入って、観光して、スイーツを食べて、プールで遊んで。忘れられない1日になりました」
「……そうだね」
ちょっとだけ目を開けて、鏡越しに美来のことを見ると、美来は嬉しそうな顔を浮かべているのが見えた。さっき、有紗さんのことで叱っちゃったから、それを変に気にしていないかどうか心配だったけど、これなら大丈夫そうかな。
「智也さん、泡を落としますので目を瞑ってください」
「うん」
シャワーで美来に髪に付いたシャンプーの泡を落としてもらう。あぁ、頭に温かいお湯がかかると気持ち良くて眠くなるなぁ。
「はーい、終わりました」
そう言うと、美来はタオルで僕の髪を拭いてくれる。ここまでやってもらうと有り難いと思うと同時に申し訳なくなるな。
「次は体ですね。プールに入るときに日焼け止めを塗ったので、お肌は大丈夫だとは思いますが……」
「そうだね。今日は晴れていたし、観光したから首回りと肘から手まで焼けたくらいで。それも痛くはないから大丈夫だよ」
「そうですか。じゃあ、タオルを使って優しく洗いますね」
「うん、お願いするよ」
タオルで体を洗ってもらうことに。
「智也さん、どうですか?」
「……気持ちいいよ。痛みも感じない」
「良かったです。でも、肘とか首は日焼けしていますので、手で洗いますね」
「うん」
すると、タオルよりも柔らかい感触のものが首に。タオルでも大丈夫そうな気がするけれど。
「どうですか?」
「気持ちいいよ」
この気持ち良さは美来の優しさなんだろうな。指だからくすぐったいけれど。
「じゃあ、シャワーで泡を落としますね」
「うん」
美来に体に付いた泡をシャワーで落としてもらうと、今度は美来が髪と体を洗うために鏡の前にある椅子に座った。僕は昨日と同じように、湯船には入らずに湯船の横で脚を伸ばすことに。
「ふふっ、やっぱり湯船に浸かると眠ってしまいますか?」
「うん。それに、こうしているといい感じに眠気がなくなっていくんだよね」
「ふふっ、そうですか」
僕はゆっくりと目を瞑って今回の旅行のことを思い出していく。色々なことがあったけど、そこにはいつも美来の笑顔があったな。それがとても嬉しかったのであった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ
桜庭かなめ
恋愛
高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。
あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。
3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。
出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!
※特別編4が完結しました!(2024.8.2)
※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サイキック・ガール!
スズキアカネ
恋愛
『──あなたは、超能力者なんです』
そこは、不思議な能力を持つ人間が集う不思議な研究都市。ユニークな能力者に囲まれた、ハチャメチャな私の学園ライフがはじまる。
どんな場所に置かれようと、私はなにものにも縛られない!
車を再起不能にする程度の超能力を持つ少女・藤が織りなすサイキックラブコメディ!
※
無断転載転用禁止
Do not repost.
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる