91 / 292
本編-ARIA-
第90話『自吐く-前編-』
しおりを挟む
――氷室を逮捕してほしいと頼んだ。
――父親はそんな自分の頼みを聞いてくれた。
つまり、真犯人は柚葉さんで協力者は父親の佐相警視か。ただ、それだけを聞いて、この事件を解決したとは到底言えるはずもない。
「柚葉さん。近くの公園に行って、事件のことについてゆっくりと話をしたい。大丈夫だろうか?」
「……もちろんです。あと、朝比奈さん。嫌なことをしてごめんなさい……」
どうやら、柚葉さんは嘘を信じ込んで美来さんをいじめてしまったことに相当堪えているようだ。その心があるだけ、まだいいのかもしれない。
すると、美来さんは真剣な表情をして柚葉さんのことを見て、
「佐相さん。あなたの言葉を借りるなら……今、あなたが今の状況に置かれているのは当然の報いなのかもね。私をいじめたことの罰なんだと思うよ。1回謝れば済む話じゃないのはあなたも分かっているはずだよね。許すつもりは全くない。学校からの処分や法の裁きをしっかり受けて。そして、一生をかけて償いなさい」
厳しい言葉を柚葉さんにぶつける。おそらく、自分がいじめられたことだけでなく、氷室を逮捕させたことも含んでいるのだろう。
「さあ、公園に行きましょう」
「……そうだな」
重い空気が漂っているが、それも仕方ないことか。あとで、3人に好きな飲み物を1つずつ買ってあげるとしよう。
柚葉さんの家から歩いて2、3分の所に大きい公園があり、そこには木製テーブルと長いベンチがあった。私、美来さん、浅野さんの3人で並んで座り、テーブルを挟んだ向かい側のベンチに柚葉さんと詩織さんが座る。
「もう一度確認するが、氷室を恨んだことを理由に、父親の佐相警視に氷室が逮捕されるように頼んだのだな」
「……はい。朝比奈さんのことも、う、恨んでいたので……被害者は朝比奈さんということで逮捕してほしいと言いました。そうすれば、朝比奈さんや氷室さんにより精神的なダメージを与えられると思ったので」
「なるほど。……あと、美来さん。落ち着かないなら、詩織さんや浅野さんと一緒にちょっと離れたところに行ってもいいが。あそこに自動販売機があるから、好きな飲み物を買って気分転換でも……」
「いえ、大丈夫ですから。このまま話を続けてください」
美来さん……柚葉さんのことを殺すと言わんばかりの表情をしながら睨んでいる。そうなってしまうのは当たり前か。浅野さんが美来さんの手をぎゅっと掴んでいる。
逮捕されるだけでも氷室にショックを与えることは可能だと思うが、被害者が美来さんというところが重要なのだろう。しかも、罪状はわいせつ行為による児童福祉法違反。そうすることで美来さんにもダメージを与え、氷室は世間から強いバッシングを受けることになる。最近は性的なことの犯罪に対する世間の目はとても厳しいからな。
「佐相警視に頼んだのはいつのことだろうか?」
「月曜日の夜です。先週の木曜日に氷室さんと朝比奈さんのお父さんと学校で会いました。ですが、金曜日の朝にはテレビで朝比奈さんのいじめが報道されて、ホームページにもいじめのことが掲載してあって。学校に行ったらクラスでいじめに遭いました。詩織ちゃんだけが守ってくれましたけど……」
「報道では、当事者が未成年なのもあって、いじめられた生徒もいじめた生徒も名前は出ない。しかし、1年1組の生徒は事情が分かっている。そして、美来さんをいじめたという口実で、次なるいじめのターゲットが君になった」
「……何度も言われました。お前のせいで朝比奈さんはいなくなったんだって」
「……そうか」
実際には昨日、氷室が逮捕されたことが影響して、再び美来さんのことを悪く言う生徒もいたそうだが。都合良く人を悪く言う生徒が多いようだ。1年1組には。
「金曜日はずっと嫌なことを言われて。それがとても辛くて。こうなったのは氷室さんと朝比奈さんのせいだと思い続けることで1日乗り越えて。土曜日と日曜日、家でゆっくりすれば少しは心が軽くなるかなと思ったら、月曜日が近づくにつれて学校に行きたくない気持ちが強くなって。今週の月曜日からは学校を休んでいます」
「そして、休み始めた月曜日に、恨む相手である氷室と美来さんに復讐するため、氷室の逮捕計画を佐相警視に伝えたのか」
父親がある程度の権力を持っている警察官だからこそ思いつく考えであり、実行できたのだな。
「計画を話したときの佐相警視はどんな感じだっただろうか?」
「普段はお父さんとあまり話さないので、あたしと話せることにとても喜んでいた感じでした。しかし、話す内容が内容なので……話し終わったときには凄く怒っていました。何が何でも氷室智也を逮捕して、地に落としてやると言っていました」
以前、娘がいるかどうかを確かめるため、プレゼントについて嘘の相談をしたときに娘のことを溺愛しているように思えたが、やはりそうだったのか。それなら、昨日の夕方に私達に対してあのような態度を取ったことも納得である。
「我々の捜査により、火曜日の昼前に佐相警視が美来さんの受診した病院に診断書を発行してもらったことを本人も認めている。それについては何か言っていたか?」
「……火曜日の夜、仕事から帰ってきたお父さんが明日、氷室さんを逮捕できると嬉しそうでした。逮捕状でしたっけ。それを発行することが決まったって」
「なるほど……」
虚偽の逮捕でも、佐相警視は氷室が法を犯したと捉えられるような証拠が必要だと思ったのだろう。いじめについての報道の中で美来さんが体にケガを負っていると言っていたので、どこかの病院で既に受診していると考え、美来さんが受診した病院を探し、診断書を発行してもらったという流れだと思われる。
「水曜日になって、昼前にお父さんから氷室さんを逮捕したとメールが届きました。それでテレビを点けたら、ニュースで氷室さんが逮捕されたことを確認しました。児童に対する強制わいせつ行為という理由で」
「そのときの佐相警視の様子はどうだっただろう」
「仕事から帰ってきたお父さんは、ちゃんと羽賀さんに捜査を任せられたから、氷室さんが起訴されるのは時間の問題だと言っていました。羽賀さんは優秀だから大丈夫だと。起訴されれば計画は完遂すると言っていました」
なるほど。氷室が逮捕された事件について任されたとき、児童わいせつ事件があったことさえも私の耳に入っていなかった。担当するようになってからずっと、私に担当させるように指示した人物は誰なのかと考えていたが、やはり佐相警視だったのか。ただ、今の柚葉さんの言葉……何か引っかかる。
「でも、羽賀さんに任せたのが何よりの間違いでしたね! 氷室さんの親友であり、氷室さんが無実であると誰よりも信じていましたから!」
「きっと、お父さんもそこまでは予想できなかったと思います」
「……ちょっと待ってくれ」
やはり、水曜日の佐相警視の様子を話してくれたときの柚葉さんの言葉……1カ所、違和感がある。
「……佐相警視は、私にちゃんと捜査を任せられたと言っていたのか?」
「ええ、そうですけど」
「それだと、まるで端から私に捜査をさせるつもりだったように思えるのだが」
この事件の担当を任された水曜日には、私は特に事件の捜査はしていなかったが。
「ええ。だって、そうしろって言われましたから」
柚葉さんの言葉に一瞬、耳を疑った。
「そうしろと言われた?」
まさか、前提から間違っていたというのか? 私はずっと真犯人は柚葉さんで協力者は佐相警視だと思っていたが。
「柚葉さん。氷室の逮捕の計画を考えたのは君ではないのか? 君の考えに佐相警視が助言したというわけでもないのか?」
「はい、そうですけど」
「では、私達が証拠として受け取っている2枚の写真や、美来さんの診断書というのも」
「診断書はお父さんが火曜日に発行してもらったと言っていました。でも、2枚の写真は私がSNSで受け取ったものですよ?」
「それはこれらの写真だろうか?」
スーツの内側のポケットから、例の2枚の写真を取り出してテーブルの上に置く。
「はい、その2枚です。写真のデータは、私のパソコンからお父さんのUSBメモリに保存しました」
「SNSと言っていたが、我々の捜査ではその写真のデータはネット上にはないという結果になった」
「ちょっと私から質問してもいいですか、羽賀さん」
「いいですよ、浅野さん」
「ありがとうございます。佐相さん。SNSはいくつかありますが、具体的にはどれを?」
SNSについてのことを訊きたいのか。私はあまり詳しくないので、浅野さんが訊いてくれるのはありがたい。ただ、今後のために勉強しなければならないな。
「Tubutterです。メッセージ機能で送られてきたんです」
「メッセージ機能、というのは何だろうか?」
「メールだと思っていただければいいと思います。転送機能はありませんけど。送信者と受信者しか見ることができません」
なるほど。特定の人物しか見ることのできない場所でやり取りをしているのであれば、捜査をしても写真のデータは見つからないわけだ。
「この2枚の写真を使えば、氷室さんと朝比奈さんの関係性が証明できる。おそらく、朝比奈さんは病院に行っていると思うから、受診した病院を探せば診断書も発行できるだろうって。診断書があれば、氷室さんが朝比奈さんに暴力を振ったと説明できる。これらの証拠があれば、仮に氷室さんの無実かもしれないと考える警察官が出てきても反論できなくなるだろうと。そういうメッセージが来たんです。この通りにやれば、必ず氷室智也と朝比奈美来に復讐できると」
「そうだったのか……」
この事件に関わっている人物がもう1人いるのか。
その人物は氷室のことも、美来さんの受けたいじめのことも、柚葉さんの現在の心境も、柚葉さんのご家族のことも。そして、私が警察官であることも知っている。その人物こそ、見えないところから柚葉さんと佐相警視のことを操った黒幕か。
――父親はそんな自分の頼みを聞いてくれた。
つまり、真犯人は柚葉さんで協力者は父親の佐相警視か。ただ、それだけを聞いて、この事件を解決したとは到底言えるはずもない。
「柚葉さん。近くの公園に行って、事件のことについてゆっくりと話をしたい。大丈夫だろうか?」
「……もちろんです。あと、朝比奈さん。嫌なことをしてごめんなさい……」
どうやら、柚葉さんは嘘を信じ込んで美来さんをいじめてしまったことに相当堪えているようだ。その心があるだけ、まだいいのかもしれない。
すると、美来さんは真剣な表情をして柚葉さんのことを見て、
「佐相さん。あなたの言葉を借りるなら……今、あなたが今の状況に置かれているのは当然の報いなのかもね。私をいじめたことの罰なんだと思うよ。1回謝れば済む話じゃないのはあなたも分かっているはずだよね。許すつもりは全くない。学校からの処分や法の裁きをしっかり受けて。そして、一生をかけて償いなさい」
厳しい言葉を柚葉さんにぶつける。おそらく、自分がいじめられたことだけでなく、氷室を逮捕させたことも含んでいるのだろう。
「さあ、公園に行きましょう」
「……そうだな」
重い空気が漂っているが、それも仕方ないことか。あとで、3人に好きな飲み物を1つずつ買ってあげるとしよう。
柚葉さんの家から歩いて2、3分の所に大きい公園があり、そこには木製テーブルと長いベンチがあった。私、美来さん、浅野さんの3人で並んで座り、テーブルを挟んだ向かい側のベンチに柚葉さんと詩織さんが座る。
「もう一度確認するが、氷室を恨んだことを理由に、父親の佐相警視に氷室が逮捕されるように頼んだのだな」
「……はい。朝比奈さんのことも、う、恨んでいたので……被害者は朝比奈さんということで逮捕してほしいと言いました。そうすれば、朝比奈さんや氷室さんにより精神的なダメージを与えられると思ったので」
「なるほど。……あと、美来さん。落ち着かないなら、詩織さんや浅野さんと一緒にちょっと離れたところに行ってもいいが。あそこに自動販売機があるから、好きな飲み物を買って気分転換でも……」
「いえ、大丈夫ですから。このまま話を続けてください」
美来さん……柚葉さんのことを殺すと言わんばかりの表情をしながら睨んでいる。そうなってしまうのは当たり前か。浅野さんが美来さんの手をぎゅっと掴んでいる。
逮捕されるだけでも氷室にショックを与えることは可能だと思うが、被害者が美来さんというところが重要なのだろう。しかも、罪状はわいせつ行為による児童福祉法違反。そうすることで美来さんにもダメージを与え、氷室は世間から強いバッシングを受けることになる。最近は性的なことの犯罪に対する世間の目はとても厳しいからな。
「佐相警視に頼んだのはいつのことだろうか?」
「月曜日の夜です。先週の木曜日に氷室さんと朝比奈さんのお父さんと学校で会いました。ですが、金曜日の朝にはテレビで朝比奈さんのいじめが報道されて、ホームページにもいじめのことが掲載してあって。学校に行ったらクラスでいじめに遭いました。詩織ちゃんだけが守ってくれましたけど……」
「報道では、当事者が未成年なのもあって、いじめられた生徒もいじめた生徒も名前は出ない。しかし、1年1組の生徒は事情が分かっている。そして、美来さんをいじめたという口実で、次なるいじめのターゲットが君になった」
「……何度も言われました。お前のせいで朝比奈さんはいなくなったんだって」
「……そうか」
実際には昨日、氷室が逮捕されたことが影響して、再び美来さんのことを悪く言う生徒もいたそうだが。都合良く人を悪く言う生徒が多いようだ。1年1組には。
「金曜日はずっと嫌なことを言われて。それがとても辛くて。こうなったのは氷室さんと朝比奈さんのせいだと思い続けることで1日乗り越えて。土曜日と日曜日、家でゆっくりすれば少しは心が軽くなるかなと思ったら、月曜日が近づくにつれて学校に行きたくない気持ちが強くなって。今週の月曜日からは学校を休んでいます」
「そして、休み始めた月曜日に、恨む相手である氷室と美来さんに復讐するため、氷室の逮捕計画を佐相警視に伝えたのか」
父親がある程度の権力を持っている警察官だからこそ思いつく考えであり、実行できたのだな。
「計画を話したときの佐相警視はどんな感じだっただろうか?」
「普段はお父さんとあまり話さないので、あたしと話せることにとても喜んでいた感じでした。しかし、話す内容が内容なので……話し終わったときには凄く怒っていました。何が何でも氷室智也を逮捕して、地に落としてやると言っていました」
以前、娘がいるかどうかを確かめるため、プレゼントについて嘘の相談をしたときに娘のことを溺愛しているように思えたが、やはりそうだったのか。それなら、昨日の夕方に私達に対してあのような態度を取ったことも納得である。
「我々の捜査により、火曜日の昼前に佐相警視が美来さんの受診した病院に診断書を発行してもらったことを本人も認めている。それについては何か言っていたか?」
「……火曜日の夜、仕事から帰ってきたお父さんが明日、氷室さんを逮捕できると嬉しそうでした。逮捕状でしたっけ。それを発行することが決まったって」
「なるほど……」
虚偽の逮捕でも、佐相警視は氷室が法を犯したと捉えられるような証拠が必要だと思ったのだろう。いじめについての報道の中で美来さんが体にケガを負っていると言っていたので、どこかの病院で既に受診していると考え、美来さんが受診した病院を探し、診断書を発行してもらったという流れだと思われる。
「水曜日になって、昼前にお父さんから氷室さんを逮捕したとメールが届きました。それでテレビを点けたら、ニュースで氷室さんが逮捕されたことを確認しました。児童に対する強制わいせつ行為という理由で」
「そのときの佐相警視の様子はどうだっただろう」
「仕事から帰ってきたお父さんは、ちゃんと羽賀さんに捜査を任せられたから、氷室さんが起訴されるのは時間の問題だと言っていました。羽賀さんは優秀だから大丈夫だと。起訴されれば計画は完遂すると言っていました」
なるほど。氷室が逮捕された事件について任されたとき、児童わいせつ事件があったことさえも私の耳に入っていなかった。担当するようになってからずっと、私に担当させるように指示した人物は誰なのかと考えていたが、やはり佐相警視だったのか。ただ、今の柚葉さんの言葉……何か引っかかる。
「でも、羽賀さんに任せたのが何よりの間違いでしたね! 氷室さんの親友であり、氷室さんが無実であると誰よりも信じていましたから!」
「きっと、お父さんもそこまでは予想できなかったと思います」
「……ちょっと待ってくれ」
やはり、水曜日の佐相警視の様子を話してくれたときの柚葉さんの言葉……1カ所、違和感がある。
「……佐相警視は、私にちゃんと捜査を任せられたと言っていたのか?」
「ええ、そうですけど」
「それだと、まるで端から私に捜査をさせるつもりだったように思えるのだが」
この事件の担当を任された水曜日には、私は特に事件の捜査はしていなかったが。
「ええ。だって、そうしろって言われましたから」
柚葉さんの言葉に一瞬、耳を疑った。
「そうしろと言われた?」
まさか、前提から間違っていたというのか? 私はずっと真犯人は柚葉さんで協力者は佐相警視だと思っていたが。
「柚葉さん。氷室の逮捕の計画を考えたのは君ではないのか? 君の考えに佐相警視が助言したというわけでもないのか?」
「はい、そうですけど」
「では、私達が証拠として受け取っている2枚の写真や、美来さんの診断書というのも」
「診断書はお父さんが火曜日に発行してもらったと言っていました。でも、2枚の写真は私がSNSで受け取ったものですよ?」
「それはこれらの写真だろうか?」
スーツの内側のポケットから、例の2枚の写真を取り出してテーブルの上に置く。
「はい、その2枚です。写真のデータは、私のパソコンからお父さんのUSBメモリに保存しました」
「SNSと言っていたが、我々の捜査ではその写真のデータはネット上にはないという結果になった」
「ちょっと私から質問してもいいですか、羽賀さん」
「いいですよ、浅野さん」
「ありがとうございます。佐相さん。SNSはいくつかありますが、具体的にはどれを?」
SNSについてのことを訊きたいのか。私はあまり詳しくないので、浅野さんが訊いてくれるのはありがたい。ただ、今後のために勉強しなければならないな。
「Tubutterです。メッセージ機能で送られてきたんです」
「メッセージ機能、というのは何だろうか?」
「メールだと思っていただければいいと思います。転送機能はありませんけど。送信者と受信者しか見ることができません」
なるほど。特定の人物しか見ることのできない場所でやり取りをしているのであれば、捜査をしても写真のデータは見つからないわけだ。
「この2枚の写真を使えば、氷室さんと朝比奈さんの関係性が証明できる。おそらく、朝比奈さんは病院に行っていると思うから、受診した病院を探せば診断書も発行できるだろうって。診断書があれば、氷室さんが朝比奈さんに暴力を振ったと説明できる。これらの証拠があれば、仮に氷室さんの無実かもしれないと考える警察官が出てきても反論できなくなるだろうと。そういうメッセージが来たんです。この通りにやれば、必ず氷室智也と朝比奈美来に復讐できると」
「そうだったのか……」
この事件に関わっている人物がもう1人いるのか。
その人物は氷室のことも、美来さんの受けたいじめのことも、柚葉さんの現在の心境も、柚葉さんのご家族のことも。そして、私が警察官であることも知っている。その人物こそ、見えないところから柚葉さんと佐相警視のことを操った黒幕か。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
管理人さんといっしょ。
桜庭かなめ
恋愛
桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。
しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。
風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、
「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」
高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。
ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!
※特別編10が完結しました!(2024.6.21)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編7-球技大会と夏休みの始まり編-が完結しました!(2024.5.30)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
異星人王女とのまったりラブライフ
桜庭かなめ
恋愛
「1999年の7の月。恐怖の大王が現れる」
ある予言者のその言葉に、幼い頃の風見宏斗は興味を抱いていた。1999年7月のある夜、近所の山に流れ星が落ちるところを見たが、落ちたものを見つけることはできなかった。
それから20年後の7月。社会人となった宏斗は、仕事帰りにダイマ王星の第3王女であるエリカ・ダイマと出会いプロポーズされる。エリカは例の予言通り、20年前の7月、ダイマ王星の支部計画遂行のために地球にやってきていたのだ。しかし、寝具が気持ち良すぎて、宇宙船の中で20年間眠り続けていた(ポンコツなところもあるヒロイン)。
あまりに突然のプロポーズだったので返事ができない宏斗だが、地球でのエリカの居場所を与えるため、彼女と一緒に住むことに決める。宏斗を溺愛する美女のエリカとの生活が始まった。
ゆるく、温かく、愛おしく。一緒にご飯を食べたり、寝たり、キスし合ったり……とドキドキすることもあるまったりとしたラブストーリー。
※完結しました!(2020.9.27)
※お気に入り登録や感想などお待ちしております。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※特別編8が完結しました!(2024.7.19)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ
桜庭かなめ
恋愛
高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。
あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。
3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。
出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!
※特別編4が完結しました!(2024.8.2)
※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる