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本編-ARIA-
第49話『天頂バス-後編-』
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「じゃあ、まずは髪を洗いますからね」
僕は美来の髪を洗わなかったけれど、美来は僕の髪を洗ってくれるようだ。
「お願いします」
有紗さんは体だけ洗ってくれたけど、美来は髪も洗ってくれるのかな。ここは彼女のご厚意に甘えさせてもらおう。
「気持ちいいですか?」
「ああ、気持ちいいよ」
優しい手つきで洗ってくれるからかとても気持ちがいい。こうしていると段々と眠くなってくるな。
「智也さん、眠くなっていませんか? 頭がコクコクと動いていますよ」
「ご、ごめんね」
まずいまずい、本当に眠ってしまうところだった。それだけ、美来の髪の洗い方が上手な証拠なんだろう。
「智也さん、泡を流すのでしっかりと目を瞑ってくださいね」
「はーい」
まるで、僕が小さい子供のように言ってくるな。将来……美来がお母さんになったら、こういう風に子供の髪を洗っていそうだ。
シャワーで泡を落として、美来はバスタオルで僕の髪を優しく拭いてくれる。
「これで髪は終わりですね。次は体ですけど、私のときみたいにボディータオルで洗いますか? それとも手や胸で……」
「最後に凄い選択肢が聞こえた気がしたけど、今日はボディータオルの気分かな。あと、これは有紗さんにも言ったんだけど、僕、元々は乾燥肌で。小さい頃は肌の悩みが多かったんだよ」
「そうだったんですか。今はとても綺麗な肌をされていますが。意外です」
「うん。このボディータオルは柔らかいから大丈夫そうだ」
「そうですか。分かりました」
前身の方はもちろん自分で洗おう。
すると、僕の背中には何かが触れているのが分かる。このふわっとした感じはボディータオルかな。
「智也さん、こんな感じで大丈夫でしょうか? 痛くはありませんか?」
「うん、大丈夫だよ。気持ちいいよ」
まさに、美来の優しさを肌で感じている。
「智也さんのお背中を流すのは小さい頃からの夢でしたので、それが叶ってとても嬉しいですよ」
「可愛らしい夢だね。でも、叶えさせてあげることができて良かった」
「……欲を言えば、これからもずっと、こうして智也さんの背中を洗いたいです」
遠回しに僕と一緒にずっといたいと言っているとすぐに分かった。本当に僕のことが好きなんだな。そうだよな、10年近くも僕を想い続けていたんだもんね。
でも、美来は今も僕のことを近くにいながら待っているんだ。それはきっと、有紗さんにも言えることで。僕はもしかしたら、美来をいじめている人間よりもひどいことを2人にしているのかもしれない。
「……美来、ありがとう。そろそろ泡を落とそうか。それで、一緒に湯船に浸かろう」
「分かりました!」
また自分で自分を追い詰めるところだった。そうだ、まずは今、目の前にいる美来の側にいよう。彼女の受けるいじめを解決しよう。だから、美来の家に何日間かお世話になることにしたんじゃないか。
シャワーで全身に付いている泡を洗い流して、僕と美来は一緒に湯船に浸かる。
僕の家よりも浴槽が広いので、脚を伸ばすようなことがなければ、美来の体と触れてしまうことはない。
「こうした状態で向き合うのは初めてですね」
「……そうだね」
「ふふっ、心も体もポカポカです。そして、とっても幸せですよ」
「それは良かった」
すると、美来はそっとキスをしてきた。
「智也さん、好きです。大好きです」
そう言ってくれたときの笑顔はとても可愛らしく眩しかった。今の僕にもこんなに素敵な笑顔を見せてくれるのがとても嬉しく思う。
「これで、月村さんと同じことができましたか?」
「うん、そうだね。昨日はお酒が回っていたから眠気が来ちゃって、お風呂から上がったらすぐに寝たよ。実は今も結構眠気が来ていてさ……」
「ふふっ、そうですか。では、今日もお風呂から出たら、すぐに眠ましょうか」
「うん、そうしよう」
有紗さんと同じことができたことが分かってか、美来はとても満足そうな笑みを浮かべていた。
それから程なくしてお風呂から出て、僕は美来のベッドで彼女と一緒に眠るのであった。
僕は美来の髪を洗わなかったけれど、美来は僕の髪を洗ってくれるようだ。
「お願いします」
有紗さんは体だけ洗ってくれたけど、美来は髪も洗ってくれるのかな。ここは彼女のご厚意に甘えさせてもらおう。
「気持ちいいですか?」
「ああ、気持ちいいよ」
優しい手つきで洗ってくれるからかとても気持ちがいい。こうしていると段々と眠くなってくるな。
「智也さん、眠くなっていませんか? 頭がコクコクと動いていますよ」
「ご、ごめんね」
まずいまずい、本当に眠ってしまうところだった。それだけ、美来の髪の洗い方が上手な証拠なんだろう。
「智也さん、泡を流すのでしっかりと目を瞑ってくださいね」
「はーい」
まるで、僕が小さい子供のように言ってくるな。将来……美来がお母さんになったら、こういう風に子供の髪を洗っていそうだ。
シャワーで泡を落として、美来はバスタオルで僕の髪を優しく拭いてくれる。
「これで髪は終わりですね。次は体ですけど、私のときみたいにボディータオルで洗いますか? それとも手や胸で……」
「最後に凄い選択肢が聞こえた気がしたけど、今日はボディータオルの気分かな。あと、これは有紗さんにも言ったんだけど、僕、元々は乾燥肌で。小さい頃は肌の悩みが多かったんだよ」
「そうだったんですか。今はとても綺麗な肌をされていますが。意外です」
「うん。このボディータオルは柔らかいから大丈夫そうだ」
「そうですか。分かりました」
前身の方はもちろん自分で洗おう。
すると、僕の背中には何かが触れているのが分かる。このふわっとした感じはボディータオルかな。
「智也さん、こんな感じで大丈夫でしょうか? 痛くはありませんか?」
「うん、大丈夫だよ。気持ちいいよ」
まさに、美来の優しさを肌で感じている。
「智也さんのお背中を流すのは小さい頃からの夢でしたので、それが叶ってとても嬉しいですよ」
「可愛らしい夢だね。でも、叶えさせてあげることができて良かった」
「……欲を言えば、これからもずっと、こうして智也さんの背中を洗いたいです」
遠回しに僕と一緒にずっといたいと言っているとすぐに分かった。本当に僕のことが好きなんだな。そうだよな、10年近くも僕を想い続けていたんだもんね。
でも、美来は今も僕のことを近くにいながら待っているんだ。それはきっと、有紗さんにも言えることで。僕はもしかしたら、美来をいじめている人間よりもひどいことを2人にしているのかもしれない。
「……美来、ありがとう。そろそろ泡を落とそうか。それで、一緒に湯船に浸かろう」
「分かりました!」
また自分で自分を追い詰めるところだった。そうだ、まずは今、目の前にいる美来の側にいよう。彼女の受けるいじめを解決しよう。だから、美来の家に何日間かお世話になることにしたんじゃないか。
シャワーで全身に付いている泡を洗い流して、僕と美来は一緒に湯船に浸かる。
僕の家よりも浴槽が広いので、脚を伸ばすようなことがなければ、美来の体と触れてしまうことはない。
「こうした状態で向き合うのは初めてですね」
「……そうだね」
「ふふっ、心も体もポカポカです。そして、とっても幸せですよ」
「それは良かった」
すると、美来はそっとキスをしてきた。
「智也さん、好きです。大好きです」
そう言ってくれたときの笑顔はとても可愛らしく眩しかった。今の僕にもこんなに素敵な笑顔を見せてくれるのがとても嬉しく思う。
「これで、月村さんと同じことができましたか?」
「うん、そうだね。昨日はお酒が回っていたから眠気が来ちゃって、お風呂から上がったらすぐに寝たよ。実は今も結構眠気が来ていてさ……」
「ふふっ、そうですか。では、今日もお風呂から出たら、すぐに眠ましょうか」
「うん、そうしよう」
有紗さんと同じことができたことが分かってか、美来はとても満足そうな笑みを浮かべていた。
それから程なくしてお風呂から出て、僕は美来のベッドで彼女と一緒に眠るのであった。
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