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本編-ARIA-
第48話『天頂バス-前編-』
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服を脱ぐところを見られるのはまだ恥ずかしいとのことなので、美来が先に浴室に入る。
『智也さん、入ってきていいですよ』
浴室からそういう声が聞こえたので、僕も服を脱ぎタオルを巻いた状態で浴室へ。
すると、中にはタオルを巻いた状態で湯船に浸かる美来がいた。
「よ、ようこそ我が家のお風呂へ!」
「……お邪魔します」
美来、ガッチガチに緊張してるな。このままだったら、ちゃんと体を洗ってもらい、ゆっくりと湯船に浸かるだけで終わりそうな気がする。
「お、お背中を流しましょうか! それとも髪を洗いましょうか!」
「……まずは美来が先に髪と体を洗ってくれないかな。僕、ちょっと湯船で脚を伸ばしたい気分なんだ。あまり、美来の方は見ないようにするから」
そうすることで、少しは美来の緊張がなくなればいいなと思っている。
「……分かりました。では、お言葉に甘えて私から先に洗いますね。その後に智也さんの髪と体を洗わせてください」
「ああ、分かった」
美来と交代する形で湯船に浸かろうとするけど、脚を伸ばす形で腰を下ろすとなると、鏡があるので美来のことが見えてしまう。どうしよう。
「そうだ、目を瞑ればいいじゃないか……」
ただし、お酒が回っているから、うっかり眠ってしまわないように気をつけないと。
「……智也さん、そのまま目を瞑っていると眠ってしまいますよ」
「そうだけど……見たらまずいと思って」
「……月村さんが髪や体を洗っている姿は見ていたんでしょう?」
「いいや、昨日は有紗さんが髪と体を洗い終わってから浴室に入ったんだよ。それで、有紗さんに僕の体を洗ってもらったんだ」
「そうだったんですか」
どうやら、有紗さんだけにしているというのが美来にとっては嫌なようだ。本当に有紗さんのことをライバル視していることが伺える。
「それなら、見るか見ないかは自由で。ただ、見ていてくれると嬉しいな……なんて」
鏡越しに微笑まれると、何だか見なければいけない気がしてきたぞ。ど、どうすればいいんだろう?
そんなことを考えている間にも、美来は髪を洗い始めていた。
今は髪を洗っているので、タオルを巻いている状態。だから、まだ大丈夫だ。美来が体を洗い始めたら、目を閉じよう。そうすれば……。
「智也さん」
「は、はいっ!」
「……体を洗うのを手伝ってくれませんか?」
せっかく目を閉じようとしていたのに。有紗さんがしてもらっていないから、ここで僕に体を洗ってもらって一歩リードしようとしているのかな。
「背中を洗っていただけますか。このボディータオルを使ってください」
「分かったよ」
良かった、手で洗ってほしいとか言われなくて。もしそうだとしたら、理性を保ち続ける自信がない。
僕はボディータオルを使って美来の背中を流す。その際に美来の肩を触るけど……もっちりとした肌だな。
「このくらいの力加減で大丈夫かな」
「はい、ありがとうございます。とても気持ちがいいです」
「じゃあ、このまま続けるね」
「……お願いします」
僕はなるべく無心に、そして丁寧に美来の背中を洗っていく。これで少しは美来がリラックスしてくれると嬉しい。
「智也さん、ありがとうございました。あとは自分で洗いますので。湯船でゆっくりと浸かっていてください」
「分かったよ」
僕は再び湯船に戻ってゆっくりと浸かる。美来のことを見てしまわないように右手で両眼を覆い、眠ってしまわないように気を付ける。
ゴシゴシと体の洗う音がするけれど、やがて水の流れる音が聞こえてくる。体に付いた泡でも落としているのかな。
「智也さん、体も洗い終わりました。髪と体を洗いますので湯船から出てきてください」
「うん」
僕は美来とポジションを交代するのであった。
『智也さん、入ってきていいですよ』
浴室からそういう声が聞こえたので、僕も服を脱ぎタオルを巻いた状態で浴室へ。
すると、中にはタオルを巻いた状態で湯船に浸かる美来がいた。
「よ、ようこそ我が家のお風呂へ!」
「……お邪魔します」
美来、ガッチガチに緊張してるな。このままだったら、ちゃんと体を洗ってもらい、ゆっくりと湯船に浸かるだけで終わりそうな気がする。
「お、お背中を流しましょうか! それとも髪を洗いましょうか!」
「……まずは美来が先に髪と体を洗ってくれないかな。僕、ちょっと湯船で脚を伸ばしたい気分なんだ。あまり、美来の方は見ないようにするから」
そうすることで、少しは美来の緊張がなくなればいいなと思っている。
「……分かりました。では、お言葉に甘えて私から先に洗いますね。その後に智也さんの髪と体を洗わせてください」
「ああ、分かった」
美来と交代する形で湯船に浸かろうとするけど、脚を伸ばす形で腰を下ろすとなると、鏡があるので美来のことが見えてしまう。どうしよう。
「そうだ、目を瞑ればいいじゃないか……」
ただし、お酒が回っているから、うっかり眠ってしまわないように気をつけないと。
「……智也さん、そのまま目を瞑っていると眠ってしまいますよ」
「そうだけど……見たらまずいと思って」
「……月村さんが髪や体を洗っている姿は見ていたんでしょう?」
「いいや、昨日は有紗さんが髪と体を洗い終わってから浴室に入ったんだよ。それで、有紗さんに僕の体を洗ってもらったんだ」
「そうだったんですか」
どうやら、有紗さんだけにしているというのが美来にとっては嫌なようだ。本当に有紗さんのことをライバル視していることが伺える。
「それなら、見るか見ないかは自由で。ただ、見ていてくれると嬉しいな……なんて」
鏡越しに微笑まれると、何だか見なければいけない気がしてきたぞ。ど、どうすればいいんだろう?
そんなことを考えている間にも、美来は髪を洗い始めていた。
今は髪を洗っているので、タオルを巻いている状態。だから、まだ大丈夫だ。美来が体を洗い始めたら、目を閉じよう。そうすれば……。
「智也さん」
「は、はいっ!」
「……体を洗うのを手伝ってくれませんか?」
せっかく目を閉じようとしていたのに。有紗さんがしてもらっていないから、ここで僕に体を洗ってもらって一歩リードしようとしているのかな。
「背中を洗っていただけますか。このボディータオルを使ってください」
「分かったよ」
良かった、手で洗ってほしいとか言われなくて。もしそうだとしたら、理性を保ち続ける自信がない。
僕はボディータオルを使って美来の背中を流す。その際に美来の肩を触るけど……もっちりとした肌だな。
「このくらいの力加減で大丈夫かな」
「はい、ありがとうございます。とても気持ちがいいです」
「じゃあ、このまま続けるね」
「……お願いします」
僕はなるべく無心に、そして丁寧に美来の背中を洗っていく。これで少しは美来がリラックスしてくれると嬉しい。
「智也さん、ありがとうございました。あとは自分で洗いますので。湯船でゆっくりと浸かっていてください」
「分かったよ」
僕は再び湯船に戻ってゆっくりと浸かる。美来のことを見てしまわないように右手で両眼を覆い、眠ってしまわないように気を付ける。
ゴシゴシと体の洗う音がするけれど、やがて水の流れる音が聞こえてくる。体に付いた泡でも落としているのかな。
「智也さん、体も洗い終わりました。髪と体を洗いますので湯船から出てきてください」
「うん」
僕は美来とポジションを交代するのであった。
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