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第73話『2人きりの夜』
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お風呂から出た後、俺と咲夜は部屋に戻って、お互いの髪をドライヤーで乾かした。
「よし、これでいいかな」
「ありがとう。颯人君、上手だね。小雪ちゃんにやってあげたりしているの?」
「ああ。一緒にお風呂に入ったときはやるよ。咲夜の髪は艶があって素敵だと思う。黒い髪を触ることができて感動もしている」
お風呂に入る前と比べて、咲夜の髪は黒光りしていて、シャンプーの甘いいい匂いがしてくる。
「ふふっ、何それ。……でも、颯人君の気持ち分かるかも。颯人君ほどの綺麗な白い髪の人はなかなかいないからね」
咲夜はクスクスと笑いながらそう言った。
その後、お風呂上がりということで、咲夜は冷たい麦茶を持ってきてくれた。俺達は隣り合って座り、風呂から戻る際に咲夜が持ってきた麦茶を飲む。
「お風呂上がりの後だとより美味しいね」
「ああ。風呂の後の冷たいものは最高だよな」
ただ、隣に座っている咲夜を見ると、ドキドキして体が熱くなっていくけれど。
「そういえば、池津のときとは違って、今日はキャミソールなんだな」
「う、うん。今日は颯人君と一緒にベッドで寝るし、このくらいがちょうどいいかなって。……どうかな?」
「とても可愛いよ。水色だから爽やかな感じもするし。似合ってる」
「あ、ありがと」
咲夜は軽くキスをすると、頬を赤くして俺のことをチラチラと見ている。池津で見た寝間着姿と比べて肌の露出が多いから艶っぽく感じる。
キャミソール姿のことを褒めたからか、咲夜はたまに麦茶を口にするだけで言葉を発しなくなった。ただ、腕や脚など、咲夜と触れている箇所から、彼女の温もりを感じる。時間が経つにつれて、その温もりは強くなっていく。
こうして寄り添っていると、湯船の中で抱きしめ合いながらキスしたことを思い出してしまう。あのときはとても幸せに感じて。だから、もっと先のことまでしたくなってくる。咲夜も同じことを考えているのだろうか。
お互いにチラチラと見ている状況だけど、はっきりと目線が合うと咲夜ははにかむ。
「……こ、これからどうやって過ごそうか。まだ9時にもなってないね。せっかく颯人君が泊まりに来て、2人きりだからこのまま寝るのももったいないなって思ってる」
咲夜は左手で髪を弄りながらそう言う。2人きりの夜だからか、そんな仕草もとても可愛らしく思える。
「俺も……このまま寝るのはもったいないなって思う。できれば、咲夜と一緒に何かできればいいなって思ってる。2人きりだし」
「……颯人君も同じように思ってるんだね」
そっかそっか、と呟いて咲夜は再び俺のことをチラチラと見るように。
咲夜もまだ寝たくないか。必死に何をしようか考えるけれど、一緒にお風呂に入った後だからか、浴室での咲夜のことばかり考えてしまう。咲夜の温もりはもちろんのこと、シャンプーやボディーソープの甘い匂いで興奮してくる。
「颯人君」
咲夜は俺の名前を口にすると、俺の脚に跨がり向かい合うようにして座る。彼女は真剣な様子で俺のことを見つめ、キスをしてきた。風呂に入っているときに何度もしたのに、彼女と唇を重ねるとすぐに体が熱くなって、鼓動が激しくなる。
咲夜の方から唇を離すと、彼女はそのまま俺のことをぎゅっと抱きしめてくる。そんな彼女の体はとても熱くて。
「……この先のことを颯人君としたい」
耳元で囁かれたその言葉に俺は思わず体をビクついた。咲夜も考えているかなと思っていたけれど、実際に言われると心をぎゅっと掴まれた気がしたのだ。
俺は咲夜を見つめると、彼女にキスをした。
「……俺もしたい」
素直にそう言うと、咲夜は顔を真っ赤にするものの、やんわりとした笑みを浮かべる。
「良かった。颯人君をお泊まりに誘いたいって考えたときから、そういうことをしたいってずっと考えてて。もちろん、お互いの体を考えて、颯人君に……つけてもらうものも買ってきてあるよ」
「そうだったのか。俺も……咲夜の家で2人きりで泊まることが決まってから、咲夜とそういうことをしてみたいって考えてた。実際にそうなったときのためにも、昨日、駅前のドラッグストアで買ってきた。今はバッグの中に入ってる」
「そうなんだ。……する前から嬉しい気持ちだよ」
咲夜は彼女らしい笑みを浮かべる。
キスよりも先がしたいという気持ちが咲夜と重なったことがとても嬉しい。俺は彼女のことをぎゅっと抱きしめる。
「颯人君。あたし……そういう経験は一度もないから、優しくしてくれると嬉しいな。同中出身の彼氏持ちの先輩から、その……初めてのときは痛かったって聞いているから」
「分かった。俺も初めてだから勉強していかないとな」
「じゃあ、課題にはないけれど、2人だけの夏休みの自由研究にしようか」
「ははっ、何だそれ。自由研究って。でも、これからのためにも大切なことだよな」
「そうだね。じゃあ……よろしくお願いします」
「ああ。こちらこそよろしくお願いします」
それから、咲夜と俺は彼女のベッドの中で愛し合った。
初めてだったからか、最初のうちは咲夜は涙を浮かべていたけれど、段々と笑顔を見せることが多くなって。美しい姿を見せてくれたり、可愛らしい声を聞かせてくれたり。そんな彼女が愛おしく思えて。
咲夜も同じようなことを考えたのか、俺達は何度も好きだと言い合った。
「……夢みたい。颯人君とこんな時間を過ごせるなんて。幸せだな」
咲夜と寄り添いながらベッドの上で横になっていると、彼女は優しい笑顔を浮かべながらそう言ってきた。
「俺も幸せだよ。咲夜、体の方はどうだ? 特に最初の方は痛がっていたけれど」
「今はもう大丈夫だよ。最初は痛かったけどね。ただ、途中から幸せな気分で……大きな声をたくさん出ちゃった。家にあたし達しかいなくて良かったよ。颯人君のことを感じることができて嬉しかった」
「そっか。咲夜のことがとても可愛いって思ったぞ。積極的なところもあったし、咲夜にもそういう一面があるんだなって思った」
「……もう」
咲夜は俺に軽く唇を重ねてきた。笑顔を見せて俺の胸に頭をすりすりしてくるところも可愛らしい。
「そう言う颯人君だって、あたしに色々としたじゃない。今日のことで、颯人君は特に胸と太ももと腋とお尻が好きなんだって分かったよ」
「……その4カ所は確かに気に入っているな」
「す、素直だね。颯人君ってイメージとは違って、意外とえっちだよね」
「咲夜こそ」
「……そうだね。あたし、颯人君が好きだって自覚してから……ひ、一人ですることもあったよ」
恥ずかしがりながら言われると、厭らしさよりも可愛さの方が勝るな。
「あと、男の子は狼になるって言うけれど、それも本当だなって思った。でも、颯人君の場合は優しくて素敵な狼さんだったけど」
「ははっ、そっか。普段から言われているからか、今、こういう状況で咲夜に狼って言われると不思議な感じがするな」
「そうなんだ、アドルフさん」
狼とかアドルフって言われて馬鹿にされるのは嫌だけど、笑顔を浮かべながら咲夜に言われるのはいいなと思えてくる。
「ふああっ。颯人君とたくさん体を動かしたからか眠くなってきちゃった」
「いい運動になったな」
「うん! 颯人君。その……改めて、これから恋人としてよろしくお願いします。いつかはお嫁さんにしてね」
「もちろんだ。これから恋人としてよろしくな。好きだ、咲夜」
「あたしも颯人君のことが好きだよ」
今回は咲夜の方からキスをしてくる。お風呂から戻ってきてから、これで何度目のキスになるだろう。たくさんしてきたけれど、いいなと思えてドキドキできるのはきっと彼女のことが本当に好きだからだと思う。
俺は抱きしめ合いながらゆっくりと目を瞑る。彼女のことを抱きしめるのは気持ちいいと思いながら、眠りにつくのであった。
8月2日、土曜日。
ゆっくりと目を覚ますと、そこには優しい笑みを浮かべながら俺のことを見てくる咲夜の姿があった。俺と目が合うとにっこりと笑ってくる。
「おはよう、颯人君」
「……おはよう、咲夜」
「颯人君の寝顔、やっぱり可愛いね。だから、何度もキスしちゃった。それで起こしちゃったのならごめん」
「ううん、そんなことないさ。凄くいい目覚めだった」
「……良かった。ねえ、おはようのキスして?」
「もちろんだ」
俺は咲夜を抱きしめながらキスをしていく。唇以外からも柔らかな感触と優しい温もりが伝わってきて。昨日の夜のことは本当にあったのだと実感する。
俺が唇を離すと、咲夜はうっとりとした様子で俺を見つめてくる。今のような顔、昨日の夜はたくさん見せてくれたな。
「……今までの中で一番幸せな朝かもしれない」
「俺も幸せな朝だなって思う。こういう朝が増えるといいし、そうなっても幸せに思えるようになりたいな」
「……あたしも。さてと、一緒にシャワーを浴びましょう? そうしたら、朝食を作るよ。簡単なものなら作れるから」
「そうなのか。咲夜の作った朝食が楽しみだな」
「任せておいて!」
咲夜、凄く気合いが入っているな。なぜか、ちょっと不安に思えてきた。
それから、俺は咲夜と一緒に浴室に行ってシャワーを浴びた。昨日の夜のこともあってか、今も彼女の体を見るとドキドキする。
シャワーを浴びた後は朝食を作る咲夜を見守ることに。豆腐とわかめの味噌汁と目玉焼きを作るとのこと。
目玉焼きが少し焦げ付いたり、豆腐のサイズがバラバラだったりしたけれど、目玉焼きも味噌汁も美味しかった。あと、純子さんが3日前に作ったひじきの煮物も食べたけどそれも美味しくて。家とは具材や味付けが少し違ったのでいい参考になった。
美里さんの帰りは明日。健介さんと純子さん旅行から帰ってくるのは夕方なので、それまでの間は咲夜と2人きりの時間を楽しむのであった。
「よし、これでいいかな」
「ありがとう。颯人君、上手だね。小雪ちゃんにやってあげたりしているの?」
「ああ。一緒にお風呂に入ったときはやるよ。咲夜の髪は艶があって素敵だと思う。黒い髪を触ることができて感動もしている」
お風呂に入る前と比べて、咲夜の髪は黒光りしていて、シャンプーの甘いいい匂いがしてくる。
「ふふっ、何それ。……でも、颯人君の気持ち分かるかも。颯人君ほどの綺麗な白い髪の人はなかなかいないからね」
咲夜はクスクスと笑いながらそう言った。
その後、お風呂上がりということで、咲夜は冷たい麦茶を持ってきてくれた。俺達は隣り合って座り、風呂から戻る際に咲夜が持ってきた麦茶を飲む。
「お風呂上がりの後だとより美味しいね」
「ああ。風呂の後の冷たいものは最高だよな」
ただ、隣に座っている咲夜を見ると、ドキドキして体が熱くなっていくけれど。
「そういえば、池津のときとは違って、今日はキャミソールなんだな」
「う、うん。今日は颯人君と一緒にベッドで寝るし、このくらいがちょうどいいかなって。……どうかな?」
「とても可愛いよ。水色だから爽やかな感じもするし。似合ってる」
「あ、ありがと」
咲夜は軽くキスをすると、頬を赤くして俺のことをチラチラと見ている。池津で見た寝間着姿と比べて肌の露出が多いから艶っぽく感じる。
キャミソール姿のことを褒めたからか、咲夜はたまに麦茶を口にするだけで言葉を発しなくなった。ただ、腕や脚など、咲夜と触れている箇所から、彼女の温もりを感じる。時間が経つにつれて、その温もりは強くなっていく。
こうして寄り添っていると、湯船の中で抱きしめ合いながらキスしたことを思い出してしまう。あのときはとても幸せに感じて。だから、もっと先のことまでしたくなってくる。咲夜も同じことを考えているのだろうか。
お互いにチラチラと見ている状況だけど、はっきりと目線が合うと咲夜ははにかむ。
「……こ、これからどうやって過ごそうか。まだ9時にもなってないね。せっかく颯人君が泊まりに来て、2人きりだからこのまま寝るのももったいないなって思ってる」
咲夜は左手で髪を弄りながらそう言う。2人きりの夜だからか、そんな仕草もとても可愛らしく思える。
「俺も……このまま寝るのはもったいないなって思う。できれば、咲夜と一緒に何かできればいいなって思ってる。2人きりだし」
「……颯人君も同じように思ってるんだね」
そっかそっか、と呟いて咲夜は再び俺のことをチラチラと見るように。
咲夜もまだ寝たくないか。必死に何をしようか考えるけれど、一緒にお風呂に入った後だからか、浴室での咲夜のことばかり考えてしまう。咲夜の温もりはもちろんのこと、シャンプーやボディーソープの甘い匂いで興奮してくる。
「颯人君」
咲夜は俺の名前を口にすると、俺の脚に跨がり向かい合うようにして座る。彼女は真剣な様子で俺のことを見つめ、キスをしてきた。風呂に入っているときに何度もしたのに、彼女と唇を重ねるとすぐに体が熱くなって、鼓動が激しくなる。
咲夜の方から唇を離すと、彼女はそのまま俺のことをぎゅっと抱きしめてくる。そんな彼女の体はとても熱くて。
「……この先のことを颯人君としたい」
耳元で囁かれたその言葉に俺は思わず体をビクついた。咲夜も考えているかなと思っていたけれど、実際に言われると心をぎゅっと掴まれた気がしたのだ。
俺は咲夜を見つめると、彼女にキスをした。
「……俺もしたい」
素直にそう言うと、咲夜は顔を真っ赤にするものの、やんわりとした笑みを浮かべる。
「良かった。颯人君をお泊まりに誘いたいって考えたときから、そういうことをしたいってずっと考えてて。もちろん、お互いの体を考えて、颯人君に……つけてもらうものも買ってきてあるよ」
「そうだったのか。俺も……咲夜の家で2人きりで泊まることが決まってから、咲夜とそういうことをしてみたいって考えてた。実際にそうなったときのためにも、昨日、駅前のドラッグストアで買ってきた。今はバッグの中に入ってる」
「そうなんだ。……する前から嬉しい気持ちだよ」
咲夜は彼女らしい笑みを浮かべる。
キスよりも先がしたいという気持ちが咲夜と重なったことがとても嬉しい。俺は彼女のことをぎゅっと抱きしめる。
「颯人君。あたし……そういう経験は一度もないから、優しくしてくれると嬉しいな。同中出身の彼氏持ちの先輩から、その……初めてのときは痛かったって聞いているから」
「分かった。俺も初めてだから勉強していかないとな」
「じゃあ、課題にはないけれど、2人だけの夏休みの自由研究にしようか」
「ははっ、何だそれ。自由研究って。でも、これからのためにも大切なことだよな」
「そうだね。じゃあ……よろしくお願いします」
「ああ。こちらこそよろしくお願いします」
それから、咲夜と俺は彼女のベッドの中で愛し合った。
初めてだったからか、最初のうちは咲夜は涙を浮かべていたけれど、段々と笑顔を見せることが多くなって。美しい姿を見せてくれたり、可愛らしい声を聞かせてくれたり。そんな彼女が愛おしく思えて。
咲夜も同じようなことを考えたのか、俺達は何度も好きだと言い合った。
「……夢みたい。颯人君とこんな時間を過ごせるなんて。幸せだな」
咲夜と寄り添いながらベッドの上で横になっていると、彼女は優しい笑顔を浮かべながらそう言ってきた。
「俺も幸せだよ。咲夜、体の方はどうだ? 特に最初の方は痛がっていたけれど」
「今はもう大丈夫だよ。最初は痛かったけどね。ただ、途中から幸せな気分で……大きな声をたくさん出ちゃった。家にあたし達しかいなくて良かったよ。颯人君のことを感じることができて嬉しかった」
「そっか。咲夜のことがとても可愛いって思ったぞ。積極的なところもあったし、咲夜にもそういう一面があるんだなって思った」
「……もう」
咲夜は俺に軽く唇を重ねてきた。笑顔を見せて俺の胸に頭をすりすりしてくるところも可愛らしい。
「そう言う颯人君だって、あたしに色々としたじゃない。今日のことで、颯人君は特に胸と太ももと腋とお尻が好きなんだって分かったよ」
「……その4カ所は確かに気に入っているな」
「す、素直だね。颯人君ってイメージとは違って、意外とえっちだよね」
「咲夜こそ」
「……そうだね。あたし、颯人君が好きだって自覚してから……ひ、一人ですることもあったよ」
恥ずかしがりながら言われると、厭らしさよりも可愛さの方が勝るな。
「あと、男の子は狼になるって言うけれど、それも本当だなって思った。でも、颯人君の場合は優しくて素敵な狼さんだったけど」
「ははっ、そっか。普段から言われているからか、今、こういう状況で咲夜に狼って言われると不思議な感じがするな」
「そうなんだ、アドルフさん」
狼とかアドルフって言われて馬鹿にされるのは嫌だけど、笑顔を浮かべながら咲夜に言われるのはいいなと思えてくる。
「ふああっ。颯人君とたくさん体を動かしたからか眠くなってきちゃった」
「いい運動になったな」
「うん! 颯人君。その……改めて、これから恋人としてよろしくお願いします。いつかはお嫁さんにしてね」
「もちろんだ。これから恋人としてよろしくな。好きだ、咲夜」
「あたしも颯人君のことが好きだよ」
今回は咲夜の方からキスをしてくる。お風呂から戻ってきてから、これで何度目のキスになるだろう。たくさんしてきたけれど、いいなと思えてドキドキできるのはきっと彼女のことが本当に好きだからだと思う。
俺は抱きしめ合いながらゆっくりと目を瞑る。彼女のことを抱きしめるのは気持ちいいと思いながら、眠りにつくのであった。
8月2日、土曜日。
ゆっくりと目を覚ますと、そこには優しい笑みを浮かべながら俺のことを見てくる咲夜の姿があった。俺と目が合うとにっこりと笑ってくる。
「おはよう、颯人君」
「……おはよう、咲夜」
「颯人君の寝顔、やっぱり可愛いね。だから、何度もキスしちゃった。それで起こしちゃったのならごめん」
「ううん、そんなことないさ。凄くいい目覚めだった」
「……良かった。ねえ、おはようのキスして?」
「もちろんだ」
俺は咲夜を抱きしめながらキスをしていく。唇以外からも柔らかな感触と優しい温もりが伝わってきて。昨日の夜のことは本当にあったのだと実感する。
俺が唇を離すと、咲夜はうっとりとした様子で俺を見つめてくる。今のような顔、昨日の夜はたくさん見せてくれたな。
「……今までの中で一番幸せな朝かもしれない」
「俺も幸せな朝だなって思う。こういう朝が増えるといいし、そうなっても幸せに思えるようになりたいな」
「……あたしも。さてと、一緒にシャワーを浴びましょう? そうしたら、朝食を作るよ。簡単なものなら作れるから」
「そうなのか。咲夜の作った朝食が楽しみだな」
「任せておいて!」
咲夜、凄く気合いが入っているな。なぜか、ちょっと不安に思えてきた。
それから、俺は咲夜と一緒に浴室に行ってシャワーを浴びた。昨日の夜のこともあってか、今も彼女の体を見るとドキドキする。
シャワーを浴びた後は朝食を作る咲夜を見守ることに。豆腐とわかめの味噌汁と目玉焼きを作るとのこと。
目玉焼きが少し焦げ付いたり、豆腐のサイズがバラバラだったりしたけれど、目玉焼きも味噌汁も美味しかった。あと、純子さんが3日前に作ったひじきの煮物も食べたけどそれも美味しくて。家とは具材や味付けが少し違ったのでいい参考になった。
美里さんの帰りは明日。健介さんと純子さん旅行から帰ってくるのは夕方なので、それまでの間は咲夜と2人きりの時間を楽しむのであった。
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