サクラブストーリー

桜庭かなめ

文字の大きさ
上 下
185 / 194
特別編7-球技大会と夏休みの始まり編-

第6話『夏休み初のバイト』

しおりを挟む
 
 人の口には戸を立てられないというけれど。
 どこでウワサを聞きつけたのか、リスターナにもちょろちょろと人が戻り始めた。
 が、まだまだ足りない。
 せっかく賊どもを一掃し、立派な道路を通して、田畑を耕し、ついでに庭付き一戸建て住宅をポコポコ建てまくり、廃村も見違えるように整備したというのに、住民がいなければ意味がない。
 いま入居してくれたら、もれなく家と畑がワンセットでプレゼント。
 しかも当面は税も免除にて、いろいろ公的支援も受けられる。
 さらば暗黒時代、バラ色の新生活がキミを待っている。
 ……自分で散々っぱら協力しておいてなんだが、どうやらやりすぎたようだ。
 あまりにも好待遇過ぎて、かえってウソくせえ。
 表向きは国主体の事業となっているのも足を引っ張っている。
 カーク王子のせいで国に対する民の信頼は地に落ちているので、自国民ですら信じてくれない。なんとか見学会に参加してくれても、「これはスゴイ! でもこんなのがタダなんてありえない。きっと何か裏があるんだ」と勘ぐられて、やっぱり敬遠される。
 テレビとかのメディアがないから情報伝達と拡散がとにかく遅い。基本、口こみメインだし。
 そのくせ「うさんくさい」というウワサだけが千里を走りやがる。ものすごい猛ダッシュにて、気づいたときにはすでに手遅れだった。
 空き家の手入れは地味にたいへん。目を離すとすぐに敷地内に雑草が生えるし。あいつら抜いても抜いても生えてきやがる。
 ほぼゴーストタウン化しているところに、多元群体化したルーシー人形がぞろぞろ管理していたら、それが目撃されて「なんかアソコやばい」なんて悪いウワサがますます広がる一方。
 現在のところ全体で埋まっているのは、せいぜい三割程度。
 主都にこもっている連中を、各地に放出すれば五割ぐらいにはなりそうだけど、政治不信が拭いきれていないらしく、なかなか応じてもらえない。
 そこで王さまや宰相さんらと協議の結果、移民を募ることにしたのだけれども、他国に赴いて勧誘するのは、これがちょいと難しい。
 だって住人もまた国の財産だもの。
 人口が減少すれば税の収入も減り、国が衰退する。
 それなのに勝手に他所さまの国に入り込んで、「へい、うちにおいでよ」なんて触れ回ったら、たちまちお縄となる。最悪、戦端が開かれかねない。
 かといって国同士の話し合いを挟むと、これまたややこしくなる。
 そこで目をつけたのが難民たち。
 なにせ現在のノットガルドは世界大戦の真っ只中にて、そこかしこにて争いをしている。
 幸いなことにリスターナの周辺はいまのところ落ち着いているけれどね。
 そして戦ともなれば、貧乏くじを引くのはいつも民草と相場が決まっている。
 だから戦争で故郷を追われて、逃げ惑っている人たちをかっ攫おうという手筈。
 たまさぶろうを使えば、まとめて運べるしね。
 リスターナは人間種族至上主義ではないから、基本的に共存共栄が出来る方ならば他種族でも歓迎する国。
 そのわりにちっとも見かけなかったのは、カーク王子が至上主義に毒されて、みんなを追い出してしまったから。
 いくら「もうだいじょうぶだから、帰って来て」と言っても、やっぱり信じてもらえない。
 一度失われた信用は、なかなか回復しない。いろいろやらかしてくれた王子だったけど、国としての信用を著しく低下させたのが、一番の罪だったのかもしれない。
 こればっかりは時間をかけるしかないようだ。
 そんなわけでとりあえずテストケースとして、人間種族系の難民をみつくろうことにしたのだけど……。



 ボロっちいマントを頭からすっぽりと被り目元だけを出して、とある難民の集団に混じっていたのは、わたしことアマノリンネ。
 異世界渡りの勇者だとか能力とかは伏せての単独潜入中。
 設定は戦乱にて故郷を追われ、家族ともはぐれたあわれな街娘。
 村娘を名乗るほどに働き者の手をしてないし、お嬢様を名乗れるほどに品がない。まぁ、無難なところであろう。
 とある紛争地帯にて見つけたこの集団。
 その数は三百ほど。
 故郷が戦争に負けて敵国に蹂躙されちゃった。しかもあちらは占領とか支配とか細かいことは考えておらず欲望のままに、奪え犯せ殺せとやりたい放題。
 あわててみんな逃げ出したんだとか。
 はじめは万単位の大集団だったらしいのだけれども、一か所にまとまっていると目立つし、何より歩みが遅くなる。
 だから自然と四散をくり返していき、現在の規模に至ると。
 宇宙戦艦「たまさぶろう」にて大空を遊泳中、南下しているこの集団を発見。
 小さな子連れのママさんとかもいるし、お腹のおっきな人もいる。だからとっとと回収しようとしたのだけれども、それに待ったをかけたのがルーシー。

「リンネさま、難民とひと口に言っても中身は色々です。いくらせっかく建てた空き家を埋めたいからって、なんでもかんでも受け入れていたら、またぞろリスターナの治安が乱れることになりかねません。ここはある程度の選別は必要かと」

 ルーシーいわく、思想主義心情などについては多少は目をつむるとしても、性根の腐ったミカンはいらない。他のものまで傷んでしまうからとのこと。
 確かにお得だからと箱買いしたら、底の方が傷んでいて、カビるんるんでは困る。
 青い目のお人形さんの意見ももっともにて、とりあえずわたしが集団に潜り込んで、それとなく調査してみることにした。
 全身武器っ子だけれども、これでも見た目はいちおう人間種族だ。なによりさすがに人形やハイボ・ロードたちをこの集団の中に送りこむのには無理がある。
 あとたまにはお仕事しないとね。
 健康スキルにて、いくらゴロゴロしてても太らないとはいえ、体はともかく心がだるんだるんになってしまう。

 わたしがマントの下に隠し持った小型カメラを通じて撮影し、上空にてカモフラージュ機能で姿を隠しているたまさぶろうに中継。
 艦橋にいるルーシーが映像をもとに、じゃんじゃんと顔写真付き個人情報を作成してファイリング。移民候補者リストを仕上げていく。
 グランディアたちの魔導とルーシーの知識チートが融合して、いまやこの程度の芸当はお手のもの。科学と魔法が混ざりあって、ただいまずんずん暴走中。
 元いた世界のアレやコレなんかもせっせと再現中にて、いずれは市場を席巻してやろうかと目論んでいる。
 異世界には個人情報保護法なんてものは存在しないので、やりたい放題にて、これでいいのだ。
 でも、ちょっと面倒くさい。

「ねえ、ルーシー。アカシックレコードには、この手の情報はないの?」

 世界のあんなことやこんなこと、いろんな情報が網羅されているというデータベース。
 一般人は閲覧不可につき、アクセスできる者が限られている神器的な存在。
 そのへんのところ、どうなのよと通信機越しにルーシーにたずねたら彼女の答えはこうだ。

「歴史に名を残すような偉人ならばともかく、そんな有象無象まで扱ってたら、いかに神さま印のアカシックレコードでも、データ量が膨大になり過ぎてパンクしてしまいますよ。人間種族の繁殖力を舐めないで下さい。ちょっと目を離したらすぐにポンポン増えまくるんですから。そんなものをいちいち拾っていたらキリがありませんよ。データ入力係が発狂してしまいます」

 戦争中の命懸けの現場ですらも盛る種族。
 いつでもどこでもその気になったら始めてしまう。そしてわりとあちこちで産む。
 これもまた生命の神秘。種としての生存競争の選択のひとつなのだろう。
 あとデータの入力係っているんだ……。
 なんか目と肩と腰にきて大変そう。きっとブラックな職場にちがいあるまい。
 そんなことを考えながら、ウロチョロしていたら「リンネさん」と名前を呼ばれた。
 声をかけてきたのはモランという名前の黒髪の少年。
 途中から混ざってきたわたしにそれとなく気を使ってくれている、利発ないい子。彼のお母さんのユーリスさんも胸がデカい美人さんにて、やっぱりいい人。
 でも、この二人、ちょいとワケありなんだよねえ。


しおりを挟む
読んでいただきありがとうございます。お気に入り登録や感想をお待ちしております。

『クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。』の続編がスタートしました!(2025.2.8) 学園ラブコメです。是非、読みに来てみてください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/89864889

『高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。』は全編公開中です。 学園ラブコメ作品です。是非、読みに来てみてください。宜しくお願いします。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/441389601

『まずはお嫁さんからお願いします。』は全編公開中です。高校生夫婦学園ラブコメです。是非、読みに来て見てください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/120759248
感想 1

あなたにおすすめの小説

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2024.8.2)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

向日葵と隣同士で咲き誇る。~ツンツンしているクラスメイトの美少女が、可愛い笑顔を僕に見せてくれることが段々と多くなっていく件~

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の加瀬桔梗のクラスには、宝来向日葵という女子生徒がいる。向日葵は男子生徒中心に人気が高く、学校一の美少女と言われることも。  しかし、桔梗はなぜか向日葵に1年生の秋頃から何度も舌打ちされたり、睨まれたりしていた。それでも、桔梗は自分のように花の名前である向日葵にちょっと興味を抱いていた。  ゴールデンウィーク目前のある日。桔梗はバイト中に男達にしつこく絡まれている向日葵を助ける。このことをきっかけに、桔梗は向日葵との関わりが増え、彼女との距離が少しずつ縮まっていく。そんな中で、向日葵は桔梗に可愛らしい笑顔を段々と見せていくように。  桔梗と向日葵。花の名を持つ男女2人が織りなす、温もりと甘味が少しずつ増してゆく学園ラブコメディ!  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしています。

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?

みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。 普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。 「そうだ、弱味を聞き出そう」 弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。 「あたしの好きな人は、マーくん……」 幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。 よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?

管理人さんといっしょ。

桜庭かなめ
恋愛
 桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。  しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。  風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、 「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」  高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。  ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!  ※特別編10が完結しました!(2024.6.21)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※続編がスタートしました!(2025.2.8)  ※1日1話ずつ公開していく予定です。  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

処理中です...