サクラブストーリー

桜庭かなめ

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特別編3-文学姫の自宅編-

プロローグ『試験直前の休日』

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特別編3-文学姫の自宅編-



 5月16日、土曜日。
 5月も後半。あと半月で季節が夏になるだけあって、晴れていると気温が結構上がる日が増えてきた。日差しに直接当たると、温もりが心地良く思える時間は短い。すぐに「暑いなぁ」と嫌なものに変わっていく。

「暑いなぁ……」
「暑いねぇ、ダイちゃん。最近は日差しが強いもんね」
「そうだな。今の時期でこれだと、夏本番にはどれだけ暑くなるんだか」
「ふふっ。まあ、夏休みになったら、涼しい部屋の中でゆっくりと過ごそうよ。一緒に住んでいるんだし」
「それがいいな」

 早く夏休みになってほしいな。サクラと同居し始め、サクラと仲直りし、サクラと恋人になってから初めての夏休みだし。きっと、今までで一番楽しい夏休みになるのは間違いないだろう。
 ただ、夏休みまであと2ヶ月もある。無事に夏休みを迎えるためには、来週の中間試験と、7月上旬にある期末試験を乗り越えなきゃいけないのか。そう思うと、夏休みを迎えるまでの道のりは長く感じるなぁ。まあ、サクラ達と一緒に学校生活を送るのも好きだけど。

四鷹よたか駅まであと少しだから頑張ろうね、ダイちゃん」
「ああ」

 どうして、俺達が四鷹駅に向かっているのか。
 実は、これから一紗の家で中間試験対策の勉強会をするのだ。一紗の家に行くのは初めてなので、どんな感じのところなのか楽しみだ。
 一紗の家は荻窪はぎくぼ駅。なので、杏奈と羽柴と四鷹駅で待ち合わせをして、電車に乗って萩窪駅に向かう。
 一紗とは午後2時に萩窪駅の北口で待ち合わせの予定。それに合わせ、羽柴と杏奈とは午後1時45分に四鷹駅の改札前で待ち合わせすることになっている。
 また、小泉さんは萩窪駅まで自転車で向かう。小泉さんの最寄り駅は隣の西萩窪で、本人曰く、自転車で走るのにちょうど良さそうな距離だからだそうだ。
 今は午後1時35分。これなら、約束の時間までに四鷹駅の改札に着けるだろう。

「昼過ぎで暑いけど、サクラの手の温もりはいいなって思うよ」

 日差しがどんなに暑かろうと、サクラの温もりは優しくて好きだ。
 サクラは俺の目を見て、ニッコリと笑みを浮かべる。笑顔を見るだけでも可愛いと思えるけど、ベージュのフレアスカートに桃色のノースリーブのブラウスが似合っているからより可愛く思える。

「ダイちゃんがそう言ってくれて嬉しいな。私もダイちゃんから伝わる温もり……好きだよ。やんわりとしていて。肌と肌が直接触れ合っているからかな」
「……そうかもしれないな」

 今のサクラの言葉で心も温かくなっていくよ。そして、胸のあたりから全身に向かって温もりが伝わっていく感じがする。この感覚……なかなかいいな。
 それから少しして、四鷹駅の南口が見えてきた。土曜日のお昼過ぎでよく晴れているから、多くの人がいる。俺が1年以上バイトしているマスバーガー四鷹南口店に出入りする人も見える。今日もお客さんの入りは良さそうだ。こんなことを考えるのは職業病だろうか。
 南口から四鷹駅の構内に入る。すると、

「あっ、大輝先輩と文香先輩が来ましたよ!」
「おっ、そうだな。よう、2人とも!」
「こんにちは!」

 待ち合わせ場所の改札前には杏奈と羽柴の姿が。俺達に気づくと、2人とも笑顔で手を振ってきてくれる。杏奈はブラウンの膝丈スカートに白と水色のボーダーラインの半袖のカットソー姿で、羽柴は紺色のスラックスに黒色のジャケットを着ていて、よく似合っている。2人とも美男美女で金髪だから兄妹に見えてくる。
 杏奈と羽柴に手を振りながら、サクラと俺は2人のところへと向かった。

「こんにちは、杏奈ちゃん、羽柴君!」
「2人ともこんにちは。杏奈は涼しそうだけど、羽柴はその服装で暑くないか? ジャケットを着るのは羽柴らしいし、似合ってるけど」
「サンキュ。このジャケットは通気性抜群で、今ぐらいの気候なら全然暑くないぜ。風が吹けば涼しいし」
「へえ、そうなんだ」
「真夏以外は着るつもりだ。ジャケットは好きだからな。そういう速水はジーンズパンツに白の七分袖のVネックシャツか。桜井や小鳥遊ほどじゃないけど涼しそうだ」
「そうか。俺はこれでも日なたを歩くと暑かったよ」

 だから、通気性抜群とはいえ、ジャケットを着ても涼しげな様子を見せる羽柴は凄いと思うよ。そんな羽柴は持ち前の爽やかな笑みを見せる。

「ははっ、そっか。ちょっと早めだけど、麻生と小泉が待ってる萩窪駅へ行くか」

 羽柴のその言葉に俺とサクラ、杏奈は頷き、俺達は四鷹駅の改札を通る。
 東京中央線快速電車の東京方面に向かうホームに到着すると、タイミング良くまもなく列車が到着する旨のアナウンスが聞こえた。電車の種別は萩窪駅も停車する『快速』なので、すぐに来る列車に乗ることにした。
 快速列車が到着し、俺達は乗車する。
 座席は全て埋まっていたものの、立っているお客さんはちらほらいる程度。冷房がかかっており、涼しくて快適だ。
 萩窪駅は四鷹駅から東京方面に向かって2駅。車内にあるLED案内板によると7分で到着するとのこと。そんなことを確認していると、電車は発車する。
 昨日放送されたアニメの感想や、一紗の家がどんな感じかなどを話しながら電車の中での時間を過ごした。

「着きましたね、萩窪駅!」
「そうだね!」

 午後1時50分。
 電車は定刻通りに萩窪駅に到着し、俺達は降車する。サクラと杏奈はちょっと興奮気味。四鷹駅のホームにいたとき言っていたが、2人は萩窪駅に行くのは初めてなのだという。可愛いな。
 俺も去年、羽柴と一緒に、萩窪駅の南側にあるクラスメイトの家に遊びに行ったとき以来だ。
 ひさしぶりに来たけど、萩窪駅も四鷹駅と同じくらいに立派だなぁ。東都メトロという地下鉄の始発の駅もあり、利用する人が多いからかな。現にこの駅で乗降する人は結構いる。
 俺達は萩窪駅の改札を出て、案内板を頼りに待ち合わせ場所である北口の方へ。待ち合わせ10分前なので、2人が既にいる可能性はありそうだ。

「あっ、あそこに一紗先輩と青葉先輩がいますよ」

 北口に近づいたとき、杏奈がそう言って指を指した。
 杏奈の指さす方向を見ると、北口付近に一紗と小泉さんの姿が。一紗はグレーのロングスカートに黒いノースリーブの縦セーター、小泉さんは濃いブラウンのキュロットスカートに、白い肩開きの半袖のTシャツ。2人とも涼しそうだ。

「青葉ちゃん! 一紗ちゃん!」
「一紗先輩! 青葉先輩!」

 サクラと杏奈が大きめの声で一紗と小泉さんの名前を呼ぶ。それに気づいたようで、2人はこちらを向き、笑顔で手を振っている。
 俺達も手を振り、一紗と小泉さんのところへと辿り着いた。約束通りに会えたからか、サクラ達女子4人は喜んでいる。微笑ましくて可愛らしい光景だ。

「大輝君達ともちゃんと会えて良かったわ。実はここに早めに来たのだけど、もう青葉さんがいたの」
「萩窪駅まで自転車で行くのは初めてだったからさ。早めに家を出発したら、思いの外早く着いちゃったんだ」

 えへへっ、と小泉さんは彼女らしく明るく笑う。初めて行く場所だからって、念のために早めに家を出たら、かなり早い時間に待ち合わせ場所に着いちゃうことってあるよな。

「では、家に向かって出発しましょうか。ただ、その前に近くにあるゾソールでスイーツを買っていいかしら。かぼちゃのタルトがとても美味しいの」
「あのタルト美味いよな! 俺、大好きだぜ!」

 一紗の言葉に真っ先に反応したのは羽柴。羽柴は大のスイーツ好きだからな。嬉しそうにする彼にサクラ達は微笑む。
 ちなみに、ゾソールというのは全国チェーンの喫茶店。人気の高い喫茶チェーンの一つで、四鷹駅の周辺にもある。

「さすがは羽柴君。勉強会の休憩のときに食べましょう。両親がお金をくれたから、代金については気にしなくていいわ」
「ゴチになりまーす! 今日はたくさん勉強できそうだ!」

 羽柴はさっそくやる気になっているな。
 俺も甘い物好きだし、羽柴のように勉強のやる気が上がった。しかも、タダだから。
 俺達は北口を出発し、まずは近くにあるゾソールへと向かう。
 去年、友人の家に言ったときは南口の方だったから、北口の方は初めてだ。四鷹と同じくらいに商業施設があるな。サクラと杏奈、羽柴も周りの景色をよく見ている。

「ダイちゃん。あそこ、東都メトロの入り口だよ。萩窪は都会だね!」
「ははっ、そうだね」

 メトロの入口を見つけただけで、ちょっと興奮しているサクラが可愛い。東都メトロは、東京23区中心に地下を走っている。その入口を見て都会だと思うのは自然なことかも。ちなみに、今のサクラの反応に小泉さんがクスクス笑っていた。
 快速電車で2駅隣だけど、小旅行に来ている感じだ。夏休みになったら、本当の旅行に行きたいな。

「ここよ。ゾソール萩窪北口店」

 そう言い、一紗は立ち止まった。落ち着いた雰囲気の外観だ。
 一紗は店内へと入っていく。カウンターにいる茶髪の若い男性が「いらっしゃいませー」と爽やかに挨拶する。
 店内に人がそこまでいないように見えたので、俺達も店内に入った。他のお客さんに邪魔にならないように、入口から少し離れたところで一紗を待つ。店内は涼しくて快適だ。
 カウンターの方を見ると……一紗に接客している男性店員さんは新人さんなのかな。いい笑顔を見せているけど、体が少しこわばっているように見える。隣のカウンターにいる黒髪のメガネをかけた男性店員が優しく見守っているし。こういうことを考えられるようになったのは、マスバーガーでバイトを1年以上続け、杏奈の指導係を1ヶ月以上しているからかな。

「どうしました? 大輝先輩。優しい笑顔であたしの顔を見て」
「一紗に接客している男性の店員さんは新人さんかなと思ってさ」
「なるほどです」
「おおっ、さすがは杏奈ちゃんの指導係のことだけはあるね、速水君」

 あの男性店員はいい笑顔を見せられるし、近くに見守ってくれる店員がいる。俺も新人のときは彼のような感じだったのかな。きっと、慣れればとてもいい店員さんになるんじゃないだろうか。
 それから少しして、一紗はゾソールの紙の手提げを持ってこちらにやってくる。

「あら、みんな。お店の中で待ってくれたのね。ありがとう」

 そう言うと、一紗はいつもの落ち着いた笑顔を見せてくれる。私服姿なのもあって、大学生くらいの大人っぽさと艶っぽさを感じられた。

「いい感じで接客できていたね、紙透君」
「はい。始めてから1ヶ月くらい経ったので、接客も慣れてきましたがまだ緊張します。筑紫先輩が見守ってくれるのは心強いです」

 カウンターの近くにお客さんが全然いないからか、店員さん達はそんな雑談をしている。やっぱり、あの2人は新人さんと先輩店員だったか。

「黒髪の人は何年も前から店員さんをしているけど、茶髪の子はこの4月からカウンターで見るようになったの。きっと新人さんね」
「大輝先輩も新人さんだろうって言っていました」
「そうだったのね、さすがは大輝君」
「凄いね、ダイちゃん」
「凄えな、速水は」
「いえいえ、それほどでも」

 とは言うけど、みんなに褒められると嬉しくなってくる。頬が緩んできているのが分かった。あと、茶髪の店員さん、バイト頑張ってね。
 俺達はゾソールから出て、一紗の家に向かって歩き出すのであった。
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