サクラブストーリー

桜庭かなめ

文字の大きさ
上 下
96 / 194
本編-新年度編-

第63話『ひさしぶりに-前編-』

しおりを挟む
「夕ご飯美味しかったね。お腹いっぱいだよ~」
「美味かったなぁ。あと、一度の食事で牛肉をこんなに食ったのは初めてかもしれない」

 夕食はすき焼きだった。元々は魚料理にする予定だったらしいけど、

『大輝と文香ちゃんが付き合い始めるっていうおめでたいことがあったし、今夜はすき焼きにしましょう!』

 という母さんの提案ですき焼きになったのだ。それに父さんが乗っかり、近所のスーパーでたくさん牛肉を買ってきた。その牛肉をすき焼きに全投入してしまったため、サクラと俺が頑張って食べたのだ。
 食後となった今。俺達はサクラの部屋で、一緒にコーヒーを飲みながら食休みをしている。お腹いっぱいなので、ベッドに寄りかかって脚を伸ばすという楽な姿勢をとる。隣にいるサクラも同じだ。

「牛肉食べて、こんな姿勢になっていたら牛さんになっちゃうかなぁ」

 もぉ~、と牛の鳴き真似をするサクラ。もし、牛になったとしても、サクラは今みたいに可愛く鳴いて俺のことを呼んでくれそう。
 あと……もし、この場に一紗がいたら、一紗は興奮しながら乳牛になったときの話をしそうだ。

「寝てないからセーフ。人間のままでいられるよ。そう思っておこう」
「そうだね~」

 サクラは俺の方に寄りかかってきて、左肩に頭を乗せてくる。サクラの方を見ると、サクラは上目遣いで俺に微笑みかけてくる。凄く可愛い。

『文香ちゃーん。お風呂が沸いたわよ~』
「は、はーい! 分かりました! すぐに入りまーす!」

 母さんの呼びかけに対して、普段よりも大きな声で返事するサクラ。
 言ったのは母さんだけど「お風呂」という言葉を聞いたらドキドキしてきた。なんて甘美な響きなのでしょうか。鼓動が早くなってきて、体が段々と熱くなってくる。ただ、心なしかサクラから伝わってくる熱が、さっきよりも強くなった気がする。

「……い、一緒に入る?」

 頬を赤くし、俺をチラチラと見ながら、サクラはそう言ってきた。その瞬間に鼓動がさらに早まり、体温がグーンと上がっていく。
 サクラとお風呂か。恋人になったし、ひさしぶりに入ってみたいと思っていた。ただ、サクラから実際に提案されると緊張する。

「は、入っていいんですか?」

 緊張のあまり、敬語になってしまった。
 ただ、サクラはそんな俺を馬鹿にして笑うことはせず、ゆっくりと首肯する。

「ひさしぶりに入りたいな……って。恋人になったし。和奏ちゃん、いつ帰省するか分からないけど、それまでの間に一緒に入浴する練習というか」
「確かに、姉さんが帰省するまでに入っておいた方がいいな」

 ただ、練習と言われてしまうと、急に作業のような感じがしてくるけど。

「分かった。一緒に入ろうか」

 俺がそう言うと、サクラはぱあっと明るい笑みを浮かべて頷いた。

「分かった。あっ、でも……服を脱いだり、体を洗ったりするところを見られるのはちょっと恥ずかしいから、その後に入ってもらっていいかな。ごめんね、一緒に入りたいって言っておきながら、色々と注文しちゃって」
「ううん、いいんだよ。俺もサクラと一緒に入りたいけど、見られたら恥ずかしい場所はあるし。俺達のベースで、長く一緒に入られるようになっていけばいいと思う。一緒にサクラと入れるだけで、今は嬉しいんだ」

 サクラの頭を優しく撫でると、サクラは嬉しそうな笑顔になってゆっくりと頷く。そして、ちゅっ、と唇にキスしてくれた。

「ダイちゃんがそう言ってくれて嬉しい。じゃあ……一緒に入ろっか」
「ああ」

 こうして、サクラとひさしぶりに一緒にお風呂に入ることが決まった。
 昔からサクラが好きで、いつかまた一緒にお風呂に入りたいとは思っていた。実際に恋人になって、一緒に入れる状況になると感慨深いものがあるな。
 サクラと俺はそれぞれ必要なものを準備して、1階の洗面所の前まで行く。

「じゃあ、私が『いいよ』って言うまではここで待っててね」
「分かった」
「……あと、ダイちゃんだから大丈夫だとは思うけど、こっそり扉を開けて脱ぐところを覗かないでね」
「了解だ。俺含めて誰も覗かないようにここに立ってるよ」
「うん、よろしく」

 サクラは1人で洗面所の中へと入っていった。
 中から布の擦れる音が聞こえてくる。きっと、サクラが服を脱ぎ始めたんだろう。この後すぐにサクラと一緒に風呂に入ると思うと、凄く緊張してくる。

「あら、どうしたの? 大輝。こんなところで、寝間着とかを持ちながら立って」

 さっきの話し声が聞こえたのか、母さんが俺のところにやってきた。こんなところで立っているからか、不思議そうな様子。俺とサクラは恋人なんだし、正直に話すか。

「これからサクラと一緒にお風呂に入るんだよ。ただ、最初から一緒なのは恥ずかしいみたいだから、サクラが入ってきていいって言ってくれるまではここで待っているんだよ」
「あらぁ……」

 母さんはうっとりとした様子に。若い頃に父さんと一緒にお風呂に入ったときのことでも思い出しているのだろうか。

「お母さんも付き合い始めた直後に、お父さんと初めて一緒にお風呂に入ったの。そのとき、私も恥ずかしくて髪や体を洗い終わってから、お父さんに入ってきてもらったわ」
「今回の俺達とそっくりだ」

 あと、やっぱり父さんとのことを思い出していたんだな。

「大輝。文香ちゃんの嫌がるようなことをしないように気をつけなさいね! あと、楽しみなさいね!」
「もちろんさ」

 サクラと浴室で何をするつもりだと思っているんだろう。一緒に湯船に浸かることとかだよね? 母親だし、そういうことを想定しているんだよね?

「大輝の話を聞いたら、私もお父さんと一緒に入りたくなってきたわ。文香ちゃんの日課にはなっているけど、お風呂から出たらお母さんに声を掛けてね」
「分かった。じゃあ、ごゆっくり~」

 母さんは楽しげな様子でリビングの方へと戻っていった。あの様子だと、今夜は確実に父さんと一緒にお風呂に入る展開になるな。
 母さんと話していたからか、気づけば中からシャワーの音が聞こえている。気持ちいいのか鼻歌も聞こえてきて。だから、気持ちよさそうにシャワーを浴びるサクラの様子を思い浮かべてしまう。い、いいよね、恋人なんだし。
 それにしても、あと少しで、あの音がする場所へ行くんだよな。興奮してきた。下手すると、ここでのぼせてしまいそうだ。そうならないように、何度も深呼吸をする。

『ダ、ダイちゃん! 入ってきていいよ!』
「あ、ああ。分かった」

 いよいよ、そのときがやってきたか。
 俺は洗面所の中に入り、服や下着を脱いでいく。湯船に浸かっているのか、中からは「あぁ、気持ちいい」というサクラの声が聞こえてくる。扉の一つ向こうに、裸身のサクラがいるんだ。
 タオルを腰に巻き、脱いだものを洗濯物カゴに入れる。よし、これで準備完了だな。

「サクラ、入るよ」
『ど、どうぞ!』

 曇りガラスで俺がいると確認したからか、サクラは普段よりも高い声で返事した。
 浴室の扉をゆっくりと開けると、そこには湯船に入り、湯船の縁に両方の前腕を置いてこちらを見るサクラの姿があった。なので、見えてはまずそうな部分は見えていない。それでも裸であることは変わりなく、艶やかさは十分に感じられる。あと、ヘアクリップでまとめた髪型も似合っているな。

「じっと見られると恥ずかしいんだけど」

 ちょっと不機嫌な様子でそう言うサクラ。

「ご、ごめん。お邪魔します」

 その言葉が良かったのか、サクラの顔には微笑みが浮かぶ。

「いらっしゃい。ちなみに、はっきりとダイちゃんを見ちゃってるけど大丈夫?」
「大丈夫だよ。見られて恥ずかしい部分はタオルで隠してるし」
「……なるほど。やっぱり、そこが恥ずかしいところなんだね」

 と言いながらも、サクラはタオルで隠れている腰から股間のあたりをまじまじと見てくる。タオルで隠しているとはいえ、ここまでじっと見られると恥ずかしい。興奮しているけど、見た目的には平常運転で良かった。

「私はもう洗い終わったから、ゆっくり洗ってかまわないからね。私も湯船に浸かるのは好きだし」
「分かった」

 お言葉に甘えて、普段と同じような感じで髪と体を洗うか。興奮や緊張でそういう風にはできないかもしれないけど。
 俺はバスチェアに座り、さっそく髪を洗い始める。目を瞑っていると、いくらか緊張がほぐれる。
 ただ、サクラが湯船に浸かっていると思うと、彼女がどうしているのか気になる。ゆっくりと目を開け、鏡に映るサクラのことを見ると、彼女は俺のことをじーっと見ていた。鏡越しに目が合うと、サクラはちょっと驚いた様子に。

「ご、ごめんダイちゃん。こんなに近いところから、ダイちゃんの裸を見るのはひさしぶりだから、つい」
「ううん、気にするな」
「……去年の水泳の授業のときにも思ったけど、昔よりも筋肉がついたように見えるね。バイトを始めたからかな?」
「それはあるかもしれない。中学までは体育以外では運動を全然しなかったからなぁ。小学生のときは、サクラと和奏姉さんと一緒に公園で遊んだりもしたけど。だから、バイトするだけでも俺にとってはいい運動になっているんだと思う。たまに力仕事をするときもあるし。実際、高校生になってから体力がついた感じがするし」
「なるほどね。ちょ、ちょっと触ってみてもいい?」
「いいよ」

 俺が許可すると、サクラは少し俺に近づく。そのことで鳴るお湯の音が甘美に響いて。サクラはゆっくりと右手を伸ばし、俺の背中を優しく触ってきた。

「……これが男の子の体なんだね。青葉ちゃんや一紗ちゃん、和奏ちゃん達とはちょっと違う」
「そ、そっか」
「あと、体を洗う前だけど、肌触りが結構いいね。これは青葉ちゃん達と一緒だ」
「そうなんだ」

 肌触りとか全然意識したことがなかったけど、俺の肌は女の子並みなのか。
 俺の肌触りがいいからなのか、サクラは撫でるようにして俺の背中を何度も触る。それがくすぐったくて、体がビクついてしまう。

「ごめんダイちゃん。思ったよりも肌触りが良くて」
「別にいいよ。ちょっとくすぐたかったけど。シャンプーの泡を落としたいから、お触りタイムは終わりだ」
「うんっ」

 俺の背中からサクラの手が離れたのを確認してから、シャワーで髪に付いた泡を落としていく。
 昔はこういうときに、和奏姉さんと一緒にちょっかいを出してきたっけ。なので、ちょっと警戒してしまう。
 しかし、泡を落としている間に、何かされることはなかった。だから、警戒したことに罪悪感が。

「よし、これで髪はOKだな」
「ね、ねえ、ダイちゃん。ひさしぶりのお風呂だし……昔みたいに背中を流そっか? もちろん、ダイちゃんさえよければだけど」
「ほ、本当に流してくれるのか?」
「うん」

 サクラはしっかりと頷く。昔、一緒にお風呂に入ると、サクラが背中を流してくれることがあった。それがまた体験できるとは。

「嬉しいなぁ。じゃあ、お願いできるかな。俺の使っているボディータオルはそこの水色のやつだよ」
「分かった! 任せて! じゃあ、いいよって言うまでは目を瞑ってて」
「ああ」

 サクラの言う通り、しっかりと目を瞑る。
 それからすぐに、背後から水の音が聞こえる。きっと、サクラが湯船から出たのだろう。サクラの足音やボディーソープのポンプを押す音なども、普段よりもはっきりと聞こえてくる。目を瞑ると、普段よりも耳から情報を仕入れようとするのだろうか。

「これなら……きっと見えないかな。ダイちゃん、目を開けていいよ。ただし、一切、振り返ってはいけません。その……恥ずかしい部分を晒しているので。いいね?」
「りょ、了解です。では、目を開けます」
「ど、どうぞ」

 ゆっくりと目を開けると、鏡に肩から上だけサクラが映っていた。これなら大丈夫だ。鏡越しに目が合うと、サクラはニッコリと笑う。その笑顔は小さい頃から変わっていないなぁと思った。

「じゃあ、背中を流し始めるね」
「うん、お願いします」

 サクラに背中を流し始めてもらう。ひさしぶりなのもあってか、サクラは優しい手つきで俺の背中を洗ってくれる。気持ちいいし、本当に幸せだ。

「ど、どうかな、ダイちゃん」
「気持ちいいよ。こんな感じでお願い」
「うん、分かった」

 そう言うサクラは嬉しそうだ。背中を流すのもひさしぶりだし、昔とは違って今は恋人同士だからだろうか。
 あと、誰かに背中を洗ってもらうって凄く気持ちいいんだな。洗ってくれる人がサクラという恋人だからか、温かくて愛おしい気持ちにもなる。
 いつかは俺も、サクラの背中を洗いたい。それで、今の俺のようにサクラも幸せな気持ちになってもらいたいなぁ。

「ねえ、ダイちゃん。前に肩を揉んだときにも思ったんだけど、小さい頃に比べて背中が広くなったね」
「小6くらいから、背が伸び始めたからかな。おとといの健康診断で身長を測ったら180cmだった」
「180cmなんだ! ダイちゃん大きくなったねぇ」
「その言い方、親戚のおばさんみたいだ。サクラは身長いくつだった?」
「163cm。確か、平均よりも高いはずだけど、青葉ちゃんと一紗ちゃんの身長が高いから、これでも低いのかなって思っちゃう。和奏ちゃんも私より高いし」
「3人の身長は高いよなぁ」

 和奏姉さんの身長は……確か169cmだったはず。一紗も小泉さんも、姉さんとさほど変わりない背の高さに見えるから、おそらく169cm前後だろう。そんな女子達と一緒にいたら、自分は背が低いんじゃないかと思うのも自然だと思う。

「3人の誰かと一緒にいるときは、サクラは小さめに見える。だけど、昔に比べたら、結構背が高くなって、スラッとした女性になったと思うよ」
「中1まで背がちっちゃかったからね。ダイちゃんは背が小さい私と、今の背の私……どっちが好き?」

 そう言うと、背中を流すサクラの手が止まる。鏡越しにサクラのことを見ると、彼女は真剣そうな様子で俺を見ている。

「背の小さかった頃から今まで、サクラのことがずっと好きだからなぁ。どっちがいいかは決められない。どっちもサクラなんだし。俺はどっちも好きだよ」

 つい最近まで、サクラにこういうことは全然言えなかったのに。互いに好きだと分かり、恋人になった途端にこんなにも自然と言えてしまうとは。自分のことでもちょっと不思議に思えてしまう。
 中身は今のまま、背が小さくて見た目が幼い雰囲気になると、どんな感じになるのかは興味がある。髪型が昔のようにショートヘアだったら、杏奈のような感じなのかな。
 サクラの顔は見る見るうちに赤くなっていく。

「……凄く嬉しいです。ありがとう」

 敬語でお礼を言うと、サクラは右頬にキスしてくれる。反射的に顔を右に向け、俺はサクラと目を合わせる。

「私もどんな背の高さでもダイちゃんが好きだよ。今の背の高いダイちゃんはかっこよくて好き」

 サクラはそう言うと、ちゅっ、と唇にキス。浴室で2人きりだから、一瞬でもかなりの威力があるな。サクラ可愛いよ。振り返って抱きしめたいよ。ただ、振り向いてはダメだと言われたので、必死に理性を働かせた。
 そして、サクラは再び背中を流してくれる。
 嬉しすぎて。幸せすぎて。自然と表情が緩んでしまう。鏡に映る自分の顔がおかしくて、このままだと声に出して笑ってしまいそうだ。なので、目を瞑った。

「どうしたの、目を瞑っちゃって」
「自分の緩い顔を見たら笑っちゃいそうだから」
「何それ。……でも、確かに笑いを誘う顔になってるね」

 ふふっ、とサクラの可愛らしい笑い声が浴室に響く。顔を笑われるのは恥ずかしいけど、サクラの笑い声が聞けるのは嬉しい。目を開けると、鏡には楽しそうに笑うサクラが映った。

「ダイちゃん、一通り洗えたよ」
「ありがとう。気持ち良かった。あとは自分で洗うよ」
「うん」

 サクラからボディータオルを渡され、俺は一応目を瞑った。
 聞こえる音からして、サクラはシャワーで手に付いた泡を落とし、湯船に入ったのだと思われる。
 それから、残りの部分を自分で洗っていく。さっきまでサクラが持っていたと思うと、彼女に洗ってもらっているように感じ、普段よりも気持ちがいい。
 時々、鏡でサクラのことを見る。サクラは俺が浴室に入ってきたときと同じような体勢で、ずっと俺のことを見続けていた。
しおりを挟む
読んでいただきありがとうございます。お気に入り登録や感想をお待ちしております。

『クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。』の続編がスタートしました!(2025.2.8) 学園ラブコメです。是非、読みに来てみてください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/89864889

『高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。』は全編公開中です。 学園ラブコメ作品です。是非、読みに来てみてください。宜しくお願いします。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/441389601

『まずはお嫁さんからお願いします。』は全編公開中です。高校生夫婦学園ラブコメです。是非、読みに来て見てください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/120759248
感想 1

あなたにおすすめの小説

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2024.8.2)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

向日葵と隣同士で咲き誇る。~ツンツンしているクラスメイトの美少女が、可愛い笑顔を僕に見せてくれることが段々と多くなっていく件~

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の加瀬桔梗のクラスには、宝来向日葵という女子生徒がいる。向日葵は男子生徒中心に人気が高く、学校一の美少女と言われることも。  しかし、桔梗はなぜか向日葵に1年生の秋頃から何度も舌打ちされたり、睨まれたりしていた。それでも、桔梗は自分のように花の名前である向日葵にちょっと興味を抱いていた。  ゴールデンウィーク目前のある日。桔梗はバイト中に男達にしつこく絡まれている向日葵を助ける。このことをきっかけに、桔梗は向日葵との関わりが増え、彼女との距離が少しずつ縮まっていく。そんな中で、向日葵は桔梗に可愛らしい笑顔を段々と見せていくように。  桔梗と向日葵。花の名を持つ男女2人が織りなす、温もりと甘味が少しずつ増してゆく学園ラブコメディ!  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしています。

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?

みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。 普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。 「そうだ、弱味を聞き出そう」 弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。 「あたしの好きな人は、マーくん……」 幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。 よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?

管理人さんといっしょ。

桜庭かなめ
恋愛
 桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。  しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。  風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、 「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」  高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。  ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!  ※特別編10が完結しました!(2024.6.21)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※続編がスタートしました!(2025.2.8)  ※1日1話ずつ公開していく予定です。  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

処理中です...