サクラブストーリー

桜庭かなめ

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本編-新年度編-

第59話『あなたがいる』

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 4月19日、日曜日。
 起きたときから、四鷹市は晴天。天気予報によると、今日は気温が20度近くまで上がるらしい。こういう日はどこかに出かけたり、公園などでゆっくりしたりすると気持ちがいいのだろう。
 ただ、俺は午前10時から午後3時までマスバーガーでバイトだ。もちろん、杏奈と一緒に。
 昨日、中学時代の話をした後は、四鷹駅で志気さんと会ったときと比べて杏奈の顔色が良くなっていた。ただ、今日のバイト中に、志気さんや浮須さんが来るかもしれないと怖がっている可能性もある。なので、

『おはよう。今日はバイトができそうだと思ったら来てくれ。無理はしなくていいからな』

 というメッセージを送った。
 杏奈もトーク画面を見ているのだろうか。俺が送信したメッセージにすぐに『既読』マークが付く。
 それから10秒もしないうちに、

『ありがとうございます。大丈夫です』

 杏奈からそんな返信が届いた。

「大丈夫です……か」

 言葉通りだったらいいけれど。今日はいつも以上に、先輩としてバイト中は杏奈のことを気にかけるようにしよう。それが、俺のできる最大限のことだと思うから。


 午前9時半。
 普段よりも早めにマスバーガーに到着した。
 スタッフルームに行くと……まだ杏奈の姿はない。何人かのスタッフが椅子に腰掛け、スマホを眺めたり、コーヒーや紅茶を飲んだりしてゆっくりとしていた。

「おはよう、大輝君」
「おはようございます」
「確か、今日のシフトは10時からだったよね。いつもよりも早めに来たけど、どうかしたのかい?」

 フロアから戻ってきた萩原店長は、落ち着いた様子で俺に問う。

「コーヒーでも飲んでリラックスしてから仕事をしたいと思いまして。今日も日曜日ですし、お客様がたくさん来ると思いますから」

 それに、杏奈がここに来たとき、俺がいた方が少しは気持ちが安らぐんじゃないかと思ったから。

「なるほどね。杏奈君もバイトを始めてから1週間経って、少しずつ慣れてきたね」
「ええ。飲み込みが早くて凄いですよ。ちょっとしたミスもありますけど」
「新人の頃は特にミスはつきものだよ。大輝君、引き続き杏奈君の指導を頼むよ」
「分かりました」
「今日もよろしくね」

 そう言うと、萩原店長は穏やかに微笑み、俺の肩をポンポンと軽く叩いた。店長はスタッフルームを歩いて行き、オフィスへと入っていった。
 シフト表を見てみると……今日は正午から夕方まで百花さんもシフトが入っているのか。きっと、杏奈にとって心強いんじゃないかと思う。
 ロッカールームで制服に着替え、俺はスタッフルームでコーヒーを飲みながら杏奈のことを待つ。あれから休むという連絡は特にないので、きっと来ると思っている。まだ、仕事が始まるまで20分くらいあるので、確認のメッセージはまだ送らないでおこう。
 ――ガチャン。
 従業員用の出入口の扉が開く音が聞こえた。杏奈が来たかもしれないので、俺は足早に向かう。そこにはキュロットスカートにパーカー姿の杏奈の姿があった。
 杏奈は俺と目が合うと微笑みかけてくれる。

「大輝先輩。おはようございます」
「おはよう。体調は大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。あと、さっきはメッセージをありがとうございました。あのメッセージを見て、元気をもらいました」
「……そうか」

 杏奈に元気を与えられたことを嬉しく思う。

「ここには、陽菜ちゃんとも葵ちゃんとも来たことがあります。駅からも近いですし、バイト中に2人と会うかもしれない。怖くないと言ったら嘘にはなります。ただ、その覚悟はバイトを始めたときからあります。それに、しばらくの間、バイト中はいつも大輝先輩が側にいてくれます。百花先輩もたまに一緒に働いてくれます。店長さんも時々様子を見に来てくれます。何よりも、このお店は大好きですから。今日からもここでバイトを頑張ります。大輝先輩、今日もよろしくお願いします」

 しっかりとした口調でそう言うと、杏奈はいつもの明るい笑顔を見せてくれる。そして、俺に向かって深めに頭を下げた。
 やっぱり、バイト中に志気さんや浮須さんに会うかもしれないことに怖さを抱いているのか。
 ただ、それでもここでバイトをしたいと思えるほどに、このお店を好きでいてくれる。それは常連客として何度もここに来てくれたことや、彼女が接客しているときの笑顔で十分に分かっている。俺にできるのは、そんな杏奈の想いを先輩としてサポートすることだと思った。

「こちらこそよろしく」

 俺は杏奈の頭を優しく撫でる。
 撫でてからすぐに杏奈はゆっくりと頭を上げ、照れくさそうに笑う。

「ここで決意表明みたいなことを言って、大輝先輩に頭撫でられると……さすがに照れますね」
「ご、ごめん」

 慌てて杏奈の頭から右手を離した。それでも、杏奈の温もりは右手に残っている。

「い、いいんですよ。頭から先輩の温もり感じて安心感がありましたし」
「……そうか。今日も一緒に頑張ろうな」
「はい!」
「あと、今日はサクラが一紗と一緒にここに来て、お昼ご飯を食べるそうだ」
「そうなんですか! ……あたしの様子を見守ってくれるのかな。何にせよ、2人が来てくれることは嬉しいですね」
「俺も幼馴染と友人が来てくれると嬉しいよ。……さあ、今日も制服に着替えたら、一緒にフロアに出て仕事するか」
「はいっ!」

 元気に返事をすると、杏奈はスタッフルームにいる従業員達に挨拶をして、女性用のロッカールームに入っていった。あの様子なら、とりあえずは大丈夫そうかな。
 杏奈が制服に着替えた後、今日もフロアに行く前に言葉遣いなどの復習を軽く行う。バイトを始めてから1週間経つので、接客のときに使う言葉をすんなりと言えるようになってきた。確かな成長が感じられる。
 一通り復習が終わったときには10時を過ぎていた。なので、一緒にフロアに行き、杏奈のすぐ後ろで接客の様子を見守り、時にはサポートをしていく。不安もあるけど、杏奈の友人や俺のクラスメイトが来たとき中心に、杏奈は楽しそうに接客をしている。
 あと、今日は志気さんや浮須さんが来ないかどうか確かめるため、時折、お店の入り口の方を見るようにしている。志気さんは実際に一度ここに来ている。浮須さんも杏奈がバイトをしていることを知っている可能性は考えられるし。
 たまに休憩を入れるようにしているからか、杏奈は大きくミスをすることなく接客業務ができている。また、志気さんや浮須さんが来店したり、入り口の近くにいたりすることもない。平和に午前中の時間が過ぎていく。

「お疲れ様、大輝君、杏奈ちゃん」

 シフト通り、正午頃に百花さんがカウンターにやってくる。そのことに安心したのか、杏奈はとても柔らかな表情を見せた。

「杏奈ちゃん、ダイちゃん、来たよ」
「いらっしゃいました! 大輝君、杏奈さん!」
「ふふっ。いらっしゃいませ、文香先輩、一紗先輩」

 百花さんがカウンターに立ってから15分ほどで、サクラと一紗が一緒に来店してきた。2人の姿を見てか、杏奈も嬉しそうだ。
 多少、言葉遣いが砕けた感じにはなるけど、学校の先輩相手でも杏奈はしっかりと接客する。ちなみに、サクラはチーズバーガーのポテトMセット、一紗はダブル野菜バーガーのポテトLセットを注文した。一紗の食欲のすごさは今日も健在のようだ。

「杏奈ちゃん、ダイちゃん、バイト頑張ってね」
「2人とも頑張ってね。バイトが終わるまでテーブル席にいるから」
「ありがとうございます! ごゆっくり」

 2人は俺達に手を振って、近くにあるテーブル席に座る。カウンターから見えるところに親しい人がいるのはいいな。
 サクラと一紗が来てくれたからか、お昼時のピークが過ぎるまで杏奈は元気そうに接客していった。
 まかないを食べながら長い休憩を取り、午後の仕事も杏奈はしっかりとこなしていく。
 俺は引き続き、杏奈の面倒を見ながらも、志気さんや浮須さんが来ていないかどうか定期的に確認。しかし、彼女たちが来店したり、姿を見せたりすることはなかった。今日は日曜日だし、バスケ部に入っている浮須さんはともかく、志気さんは来るかもしれないと予想していたんだけど。昨日は杏奈が激しく怒っていたし、昨日の今日で会わない方がいいと思ったのかな。 


 午後3時過ぎ。
 無事にバイトを終えた俺と杏奈はカウンターを離れる。特に大きなミスをすることなくバイトを終えられたからか、杏奈はほっとした様子だ。

「大輝先輩。今日もありがとうございました」
「いえいえ。着替えたら一緒にお店を出るか。たぶん、従業員用の出入り口の近くにサクラと一紗がいると思う」
「そうですね。じゃあ、また後で」
「ああ。出口のところで会おう」

 俺は男性用のロッカールームに入り、私服へと着替えていく。
 まだ午後3時過ぎだし、サクラと一紗が待ってくれていたら、オリオとかに行くのも良さそうだ。そんなことを考えていたときだった。
 ――プルルッ。プルルッ。
 スマホが鳴ったので確認してみると、サクラがLIMEで俺と杏奈、一紗がメンバーのグループを作ったことと、そのグループにサクラがメッセージを送信したと通知が届いた。一紗と待っているっていうメッセージを送るために、わざわざグループトークを作ったのか? そう思って見てみると、

「……えっ」

 サクラからのメッセージを見たとき、思わず声を漏らしてしまった。

『従業員用の出入口の近くで、志気さんと浮須さんが杏奈ちゃんのことを待ってる』

 志気さんと浮須さんが一緒に待っているだと?
 俺の監視していた範囲では、彼女達らしき姿は見えなかった。
 ただ、今日は日曜日でお昼ご飯の時間を中心にお客様がたくさん来る時間帯があった。変装をすればより気づかれにくい。それに、木曜日に志気さんがお店に来たときのように、杏奈がバイトをしているかどうかは、お店に入らずとも確認ができる。ここの制服姿の杏奈の姿を確認できれば、あとはバイトが終わって、姿を現すまで従業員用の出入口で待っていればいいと考えたのだろう。

『教えてくれてありがとう、サクラ。
 杏奈、どうする? 正面の出入口からお店を出るか? 今日着ているパーカーのフードを被れば、2人にもより気づかれにくいと思う』

 俺はそんなメッセージをグループトークに送る。あとは杏奈の判断に任せよう。
 昨日、志気さんは杏奈に話したいことがあるようだった。まさか、浮須さんが一緒だとは。1年前のことが絡んでいるのは間違いなさそうだ。
 ――プルルッ。
 スマホが鳴ったので確認すると、杏奈からメッセージが送信されたという通知が。

『大輝先輩達が側にいてくれますか?』

 ということは、杏奈は志気さんと浮須さんに会うつもりでいるのかな。

『もちろんさ』

 すぐさまにそんなメッセージを送信した。そして、

『私も一緒にいるよ!』
『私もいるわ』

 サクラと一紗からも、すぐにそんなメッセージが送られる。2人も杏奈の力になりたいと思っているんだな。

『ありがとうございます。彼女達と会います。なので、あたしの側にいてください。お願いします』

 杏奈の顔を見たり、声を聞いたりしていないけど、このメッセージは杏奈の決意表明だと分かった。
 了解、と一言のメッセージを送り、俺は素早く私服へ着替えた。従業員用出入口の近くに行き、杏奈のことを待つ。
 この扉の向こうには志気さんと浮須さんがいるんだよな。おそらく、サクラと一紗も。

「お待たせしました」

 2、3分ほど経って、私服に着替えた杏奈がやってきた。さっきのメッセージのやり取りもあってか、杏奈は真剣な様子だ。

「杏奈。これから志気さんと浮須さんに会うけど……大丈夫か?」
「はい」
「よし。じゃあ、行こう」

 俺は従業員用出入口の扉をゆっくりと開ける。数え切れないほどに開け閉めしているのにやけに重く感じる。
 扉の向こうには……サクラと一紗はもちろんのこと、志気さんと浮須さんもいたのであった。
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