サクラブストーリー

桜庭かなめ

文字の大きさ
上 下
25 / 194
本編-春休み編-

第24話『看病のお礼』

しおりを挟む
 3月31日、火曜日。
 目を覚まし、壁に掛かっている時計で時刻を確認すると……針が午前8時過ぎを指していた。今日はバイトがないけど、もう起きるか。
 洗面所で顔を洗い、歯を磨いていると、鏡に寝間着姿の文香が映る。

「おはよう、大輝」
「おはよう、文香」

 口をゆすぎ、ゆっくりと振り返る。文香の顔色や表情を見る限り、体調がかなり良くなっているように思える。

「顔色が良くなったな。体調の方はどうだ?」
「結構良くなったよ。処方された薬のおかげでとても良く眠れたし。さっき、体温を測ったら平熱の36度2分まで下がってた」

 文香からその言葉を聞いて、ほっと胸を撫で下ろした。

「それは良かった。ただ、今日か明日くらいまでは、家でゆっくりしていた方がいいだろう。今日はバイトもないから、体調がおかしくなったら、俺に遠慮なく言ってくれ」
「ありがとう。普段よりも体力がない感じがするから、今日は家でゆっくりするつもり。シャワー浴びてくるね。昨日は汗を掻いたし、お風呂に入っていないから」
「分かった」
「じゃあ、また後でね」

 文香は小さく手を振って洗面所を後にした。
 一晩経って、普段とさほど変わりない体調に戻ったようで良かった。ただ、病み上がりの時期なので、文香のことを気に掛けるようにしよう。



 何かあったら俺に言ってと言ったけど、特に体調に異変がなかったからか、午前中は文香から助けを求められることはなかった。
 昼前から、母さんがスーパーのパートに行ったため、お昼ご飯は俺が作ることに。文香はまだ病み上がりなので、体に優しい温かいきつねうどんにする。
 できたら呼ぶと言ったのだが、

「キッチンにいたい気分なの」

 と、文香に言われてしまった。なので、食卓の椅子に座っている文香に見守られながら昼食作りをしていく。

「誰かが料理をしているのを見るのはいいね」
「えっ?」
「小さい頃に風邪を引くと、だるさがあまりないときとか、たまにお母さんがお粥とかを作っている様子をソファーに座りながら見ていたの。たぶん、一人だと心細くて、誰かの姿を見ると安心できたからだと思う。昨日の午前中はだるかったから、玉子粥ができるまでベッドで横になっていたけど」
「その気持ち、何か分かる気がする」

 俺は風邪を引くとずっとベッドにいて、薬を飲むとぐっすり寝てしまうタイプだ。それでも、様子を見に来る和奏姉さんの姿や、お見舞いに来た文香の姿を見ると、結構嬉しい気持ちになった。
 そういえば、和奏姉さんが風邪を引いたとき、玉子粥を作っている様子を今の文香のように見ていたことがあったな。
 あと、今の話をされると、一つ訊きたくなることがある。

「もし、昨日の午前中……だるさがあまりなかったら、文香はここで玉子粥を作っている俺の様子を見ていたか?」

 そう問いかけて、文香の方に振り返ると、文香はほんのりと赤くして俺をチラチラと見ていた。

「……た、多分見ていたと思う」

 そう答えると、文香の頬がさらに赤くなる。それはとても可愛いけど、風邪がぶり返してしまわないかどうか心配になった。
 それからすぐに、温かいきつねうどんが完成。
 4人で食べるときは文香と隣同士の椅子に座るけど、今日は2人きりなので文香と向かい合って座る。以前、文香が同棲発言もあってか、こうしていると文香と同棲しているように思えた。

「いただきます」
「どうぞ召し上がれ」

 文香の感想が気になるため、俺はまだきつねうどんに手を付けず、彼女が食べる姿を見ることに。
 文香は箸でうどんとお揚げを一緒に掴み、ふーっ、ふーっ……と息を吹きかける。熱いかもしれないと思っているのか、そっと口の中に入れた。

「……美味しい」

 微笑みながら、小さな声でそう言う文香。ただ、キッチンで2人きりでいる分には十分な声の大きさで。その声が心の奥まで響き渡った。

「……良かった。俺もいただきます」

 きつねうどんを一口食べてみると、

「うん、美味しくできてる」

 文香は病み上がりなので、いつもよりもめんつゆを薄めにしたけど、これもいける。これからは、このくらいの濃さでいいかもしれない。

「大輝、本当に料理ができるようになったよね」
「小さい頃から手伝いをしていたからな。中学生になったあたりから、今日みたいに母さんがパートで家にいないときは食事を作るようになってさ。あと、バイトでたまに調理するし。それでも、文香や母さん達に比べたら俺はまだまだだよ」
「……そっか」

 ふふっ、と嬉しさの中に上品さも感じられるように笑って、文香はきつねうどんを食べ進めていく。
 2人きりで食事をするのがひさしぶりだからか、無言の時間になってしまうことが多い。それでも、居心地良く思えた。文香も同じような気持ちなら嬉しい。

「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「ありがとう。ごちそうさまでした。後片付けは俺がやっておくから、文香は薬を飲みな」
「うん」

 俺はお昼ご飯の後片付けをする。
 俺の作ったきつねうどんを美味しいと言ってくれ、完食をしてくれて嬉しかったな。食欲はそれなりにあるようだし、明日くらいまで安静していれば普段と変わらないところまで回復するだろう。
 もうすぐ後片付けが終わろうとしたとき、コーヒーの香りがしてきた。文香が淹れてくれたのだろうか。
 後片付けが終わってテーブルの方に振り返ると、さっき座っていたところに温かいコーヒーが入った俺のマグカップが置かれていた。その向かい側には、同じく温かいコーヒーが入った文香のマグカップが。
 ゆっくりと文香の方に視線を向けると、彼女は微笑みながら俺を見る。

「後片付けお疲れ様。コーヒー淹れたよ」
「ありがとう」

 椅子に座って、さっそくコーヒーを一口飲む。

「……美味い」

 コーヒーの苦味が強くて俺好みだ。その苦味と温かさが、後片付けでちょっと疲れた体を癒してくれる。
 文香はほっと胸を撫で下ろし、コーヒーを一口飲んだ。

「美味しい。……大輝。昨日の朝から私に色々としてくれたから、何かお礼がしたいな」
「お礼かぁ。突然言われると、すぐには思い浮かばないな。ただ、看病中に文香はありがとうってたくさん言ってくれた。このコーヒーを淹れてくれて。それが立派なお礼に思えるというか……」

 それに、看病を通じて文香と一緒にいる時間をたくさん過ごせたから。そもそも、看病したいというのは俺のわがままでもあるし。

「……お父さんみたいなことを言うね」

 ふふっ、と笑ってコーヒーを飲む文香。
 確かに、哲也おじさんはこういうときのお礼をあまり要求しないイメージがある。父さんもお礼をしてもらうときは、大好きな日本茶やコーヒーを淹れてもらったり、肩を揉んでもらったりする程度だった。

「……肩揉みなんていいかもなぁ。看病や食事作り、それにバイトもしたし」
「肩揉みね、分かったよ」
「あっ、声に出ていたか。じゃあ、肩揉みをお願いします」
「うん。ここ何年かは定期的にお父さんとお母さんに肩揉みをしていたから上手だよ」

 自信ありげにそう言うと、文香はゆっくりと立ち上がって俺の背後までやってくる。両手を置いたのか、肩から優しい温もりが。
 昔から肩はあまり凝らない体質だけど、マッサージ的な感覚で文香の肩揉みを堪能しよう。御両親の肩揉みで経験があるようだし、きっと気持ちが――。

「よいしょっ」
「いたたっ!」

 両肩から強い痛みを感じたので、思わず大きな声が出てしまった。

「ご、ごめん!」
「……ふ、文香が悪いわけじゃないよ。ただ、こんなに肩が痛むなんて。俺、肩凝ってるのかなぁ。普段、あまり違和感ないけど」
「優しく揉んでみるね。……うん、揉んだ感じだとかなり肩が凝ってるよ。仕事の疲れが溜まっていたときのお父さん並みに凝ってる」
「……マジかよ」

 親世代の人並みに凝っているなんて。何とも言えない気分になるな。

「大輝はバイトを頑張っているもんね。その疲れが肩に溜まっていたのかも。あとは、スマホゲームのやり過ぎとか」
「それは言えてるかも。特に休日で長い時間バイトをやると疲れを感じることもあるし。最近はラノベも読むけど、一時期は『ガールズバンドデイズ!』っていうスマホのリズムゲームアプリばかりやっていたから」

 『ガールズバンドデイズ!』はゲームに出る女の子達が組むバンドのオリジナル曲はもちろん、人気のあるJ-POP曲やアニソンのカバー曲でも遊ぶことができることから、人気のあるゲームアプリだ。オリジナル楽曲やTVアニメも人気がある。

「やっぱり。これからは少しでもいいから、ストレッチをした方がいいよ。大輝は昔から運動をあまりしないタイプだから、きっと、そういうこともやっていないでしょう?」
「全然やっていないな。文香は日課でストレッチをやっているのか?」
「毎日、お風呂から出た後にストレッチしてるよ。体型維持のために。甘い飲み物やスイーツが好きだから、油断すると体重が増えることもあって。和奏ちゃんや青葉ちゃんみたいに、運動系の部活に入っているわけじゃないし」
「そうか」

 思い返せば、文香が太っているように見えたことは一度もないな。それは日々のストレッチがあってのことなのだろう。

「あと、『ガルバン!』なら私もダウンロードして、たまにプレイする。アニメも録画して観たし、気に入った曲は駅前のレンタルショップで借りたり、ダウンロードしたりしてるし」
「そうなのか」

 と返事はしたけど、駅前のレンタルショップで『ガルバン!』関連のCDを手に取っているところを見たことがあった。ただ、そのときはアニメの放送時期だったので、アニメに影響を受けているのかなと思い、ゲームをしているとは思わなかった。
 『ガルバン!』は羽柴も和奏姉さんはもちろんのこと、中学時代や1年生のときにクラスメイトだった友人達の中にも好きな奴は多かった。

「俺も中学まではレンタルやダウンロードがほとんどだったけど、高校生になってバイト代が入ってからは好きなバンド中心にCDを買うようにしてる」
「そうなの」

 それからも『ガルバン!』の話をしながら、文香に肩を揉んでもらう。話していくと、文香と共通して好きなバンドや曲があると分かり嬉しい気持ちになった。
 気付けば、文香に肩を揉まれても痛みをあまり感じなくなっていた。

「大輝、どう? だいぶほぐれたけど」

 文香がそう言うので、俺はゆっくりと肩を回してみる。

「うん、全然痛みを感じない。あと、結構軽くなった感じがする。ありがとう」
「それなら良かった。……じゃあ、最後にお礼の仕上げをするね。大輝、前を向いて」

 文香の言う通りに前を向くと、肩から上の背面に温かいものが当たる。そして、後頭部辺りになかなか柔らかい感触が。髪に温かな吐息がかかるし、優しくて甘い匂いを感じる。凄くドキドキしてきたぞ。
 背後から文香の両腕が現れ、俺の胸のあたりで両手を重ねる。文香の手に右手を添えようとしたけど、その勇気は出なかった。

「大輝。看病してくれてありがとう。大輝が側にいて心強かったよ」

 普段よりも甘い声で、文香はそんなお礼の言葉を言う。その言葉がとても嬉しくて、何とか冷静になることができる。

「いえいえ。1日でここまで回復して良かった」

 昨日の朝、文香が体調を崩していると分かったときはどうしようかと思ったけど。文香の力になれたのなら嬉しい。
 ――ドクン、ドクン。
 後頭部から、はっきりと心臓の鼓動を感じる。その鼓動は段々早くなっていって。あと、文香の体から感じる熱が、さっきよりもかなり強くなっているぞ。

「文香。鼓動も強いし、体の熱も凄いぞ。もしかして、風邪をぶり返したのか?」
「ううん、それはないと思う。こういう風に抱きしめるのがひさしぶりだから、緊張しているだけ」
「……そうか」
「あと、今はこっちに振り返らないで。変な顔になってると思うから」
「……分かった」

 変な顔になっていると言われると、ちょっとだけでもいいから見たくなるけど……文香がダメだと言っているので止めておこう。

「だけど、もし……風邪をぶり返したとしても、大輝がまた看病してくれるよね?」
「もちろんだ。そのときはまた、病院に連れて行って玉子粥を作るよ」

 今の会話がとても自然にできるのは、一緒に住み始めたからなのだろう。いつでも文香の看病をするつもりだけど、健康なのが一番だ。看病する回数ができるだけ少なくなるのを祈るばかりである。
 それから少しの間、俺は文香に抱きしめられ続けるのであった。
しおりを挟む
読んでいただきありがとうございます。お気に入り登録や感想をお待ちしております。

『クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。』の続編がスタートしました!(2025.2.8) 学園ラブコメです。是非、読みに来てみてください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/89864889

『高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。』は全編公開中です。 学園ラブコメ作品です。是非、読みに来てみてください。宜しくお願いします。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/441389601

『まずはお嫁さんからお願いします。』は全編公開中です。高校生夫婦学園ラブコメです。是非、読みに来て見てください。
URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/347811610/120759248
感想 1

あなたにおすすめの小説

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2024.8.2)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

向日葵と隣同士で咲き誇る。~ツンツンしているクラスメイトの美少女が、可愛い笑顔を僕に見せてくれることが段々と多くなっていく件~

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の加瀬桔梗のクラスには、宝来向日葵という女子生徒がいる。向日葵は男子生徒中心に人気が高く、学校一の美少女と言われることも。  しかし、桔梗はなぜか向日葵に1年生の秋頃から何度も舌打ちされたり、睨まれたりしていた。それでも、桔梗は自分のように花の名前である向日葵にちょっと興味を抱いていた。  ゴールデンウィーク目前のある日。桔梗はバイト中に男達にしつこく絡まれている向日葵を助ける。このことをきっかけに、桔梗は向日葵との関わりが増え、彼女との距離が少しずつ縮まっていく。そんな中で、向日葵は桔梗に可愛らしい笑顔を段々と見せていくように。  桔梗と向日葵。花の名を持つ男女2人が織りなす、温もりと甘味が少しずつ増してゆく学園ラブコメディ!  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしています。

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?

みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。 普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。 「そうだ、弱味を聞き出そう」 弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。 「あたしの好きな人は、マーくん……」 幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。 よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?

管理人さんといっしょ。

桜庭かなめ
恋愛
 桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。  しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。  風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、 「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」  高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。  ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!  ※特別編10が完結しました!(2024.6.21)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※続編がスタートしました!(2025.2.8)  ※1日1話ずつ公開していく予定です。  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

処理中です...