34 / 42
第33話『伝染アビューズ』
しおりを挟む
夜になって、天宮先生から電話があり、カミングアウトの内容を漏らした人が瀬戸さんであること、伊織が瀬戸さんに絶交宣言したことを聞いた。伊織は部活に参加したけれど、ずっと元気がなくて早退してしまったことも。
僕は緒方と一緒に瀬戸さんの家に行ったこと、その後に自分1人で伊織の家に行ったことを伝えた。2人の過去についてざっくりと話す。すると、先生は、
「伊織ちゃんがあまりにも不憫ね。というか、そんなことをしてまで実った恋はいつか燃えて散っていくよ、必ず。そうじゃないと平等じゃないわ」
低い声でそう言った。それが先生の本音なんだろう。彼女の気持ちは分かるけれど、教師としてそれを教え子に言ってしまっていいものなのだろうか。僕も先生と同じことを思ったけど。
電話の向こう側にいる天宮先生の表情が容易に想像できたので、伊織とは以前のような距離感になったと伝えた。すると、良かったねと嬉しそうな声色で先生は言ってくれた。その声はとても心地よかった。
また、明日から再び登校すると先生に伝えるのであった。
4月21日、金曜日。
今日は水曜日以来の登校をする。
今日の予報は曇り。天気予報では降水確率は終日10%だと言っていたけれど、今にも雨が降りそうなどんよりとした雲に覆われている。
「千尋、大丈夫? 無理はしないで。辛くなったらいつでも帰ってきなさい」
「分かったよ、母さん。じゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
玄関を出ると、すぐそこに制服姿の伊織の姿が。伊織は僕と目が合うと明るい笑顔を見せる。
「おはよう、伊織」
「おはよう、千尋。本当に今日からまた登校して大丈夫なの?」
「うん。昨日、瀬戸さんと伊織の話を聞いて心の整理ができたからね。それに、伊織とたくさんキスして元気をもらったよ」
僕がそう言うと、伊織は頬を赤くして周りをキョロキョロ見た。
「……周りに人がいなくても、外で言われると結構恥ずかしいな。私も、千尋と会ってキスをしたら、好きな気持ちがより大きくなって、千尋と一緒にいたいってまた思えるようになったよ」
「……それなら良かった」
僕の心が女性であると分かっても、以前とあまり変わらずに接してくれるのがとても嬉しいな。
「ただ、千尋のことを男の子として見るべきか、女の子として見るべきかまだ分からないな。ワンピース姿がとても似合っていたからかも」
「……ゆっくり考えていいよ」
ショッピングモールデートでワンピースを試着したとき、結構楽しんだから。きっと、その時の僕が女の子らしく見えたんだろう。
「さっ、学校に行こう、千尋」
「うん」
僕はいつものように伊織と手を繋ぎながら学校へと向かい始める。こうしていると、日常が戻ってきているように思える。
「ねえ、千尋。彩音から連絡はあった?」
「ないな。昨日の夜、瀬戸さんの気持ちが落ち着いたところで家を後にしたって緒方からメッセージが来たけれど。伊織の方は?」
「……私には来てないよ」
さすがに、絶交するって言ってきた人に連絡はできないか。昨日の瀬戸さんは、伊織に絶交宣言され、生きる目的の1つを喪失したように見えた。
「今日は彩音、学校に来ないかも……」
「……そう考えた方がいいだろうね」
伊織からの絶交宣言もそうだけど、クラスメイトのいる前で僕のカミングアウトの内容を漏らした犯人だと自白したんだ。瀬戸さんに非難の言葉を浴びせようとするクラスメイトが多いかもしれない。今日は来ない方が無難かも。
僕達は学校に到着する。
水曜日に比べればまだいいけれど、普段と比べたらやっぱり変な空気だな。周りの生徒から注目を浴びているし。
「私がいるから大丈夫だよ」
「……ありがとう」
そうだ、今は隣に伊織がいるんだ。そんな彼女が笑顔でいてくれるから大丈夫だと思って、また登校しようと思ったんだ。それに、教室に行けば緒方や天宮先生もいるし。
僕と伊織は教室に到着する。
渦中の人物である僕や伊織が教室に入ったからか、それまで賑やかだった教室内が一気に静まりかえる。僕らのことを真剣な眼差しで見る人。チラチラと見る人。気まずそうに俯く人。関心が無いのかスマートフォンを弄る人。
「おっ、沖田に神岡。おはよう」
教室には既に緒方がいた。彼にも僕が登校することを伝えてあったので、僕のために早く来てくれたのかな。彼がこれまでと変わらずに接してくれるから安心できる。
「おはよう、緒方」
「おはよう、緒方君」
僕達が自分の席に着いたときだった。1人の女子生徒が僕のすぐ側までやってきて、
「沖田君。その……この前は酷いことを言ってごめんね」
真剣な表情でそう言うと深く頭を下げた。確か、彼女は水曜日に僕に対して心ない言葉を放った生徒の1人だ。
彼女のその言葉が事前に決めた合図だったかのように、次々と僕に対する謝罪の言葉が聞こえてきた。ここまで多いと逆におかしいと思えるくらい。まあ、水曜日の段階で僕に謝りたい生徒がいたみたいだし、2日経てばそんな生徒もより多くなるのかな。
しかし、
「でも、沖田君のカミングアウトを漏らした彩音ちゃんってひどいよね」
1人の女子生徒が瀬戸さんに関して非難の声を上げた。
僕への謝罪からシフトチェンジしたかのように、瀬戸さんへの非難や批判の声が相次ぐようになる。
「理由は分からんが、沖田が勇気を出してカミングアウトしたことを漏らすなんてな」
「伊織ちゃんと付き合っていることの嫉妬?」
「あんな奴がクラス委員なんてあり得ないよ」
「伊織の恋愛相談を受けてたのに。そんな彼女が漏らしたんだから、伊織が絶交するって言ったのは当然だよね。伊織がかわいそう……」
それらの言葉を聞くと、水曜日のことを思い出し……まるで自分が非難されているように思えた。彼らは本当に反省しているのかと疑ってしまう。段々と気持ち悪くなってきて、胃がキリキリとしてきた。
『そこまでだ!』
気付けば、僕はそう叫んでいたけれど、驚いたのは緒方も僕と同じ言葉を叫んでいたことだった。思わず、緒方と顔を見合う。
「沖田……」
「……僕らの想いの根っこは同じだと思うよ。それはきっと伊織も」
「……うん」
伊織の方を見ると、伊織は真剣な表情をして力強く頷いた。
「体と心の性別の違いがある僕を気持ち悪いと思うこと。そんな僕のカミングアウトのことを漏らした瀬戸さんをひどいと思うこと。そんなことをするなとは言わないよ。でも、言葉にしたことは別だ。その言葉を言ったとき、相手がどういう風に受け取るのか、どんな気持ちになるのか……それを少しは考えたらどうなんだ!」
それを僕は勢いで言ってしまったから、今の言葉に説得力はあまりないと思う。ただ、みんなに伝えたい僕の気持ちは今の言葉に詰まっている。言葉はいい意味でも悪い意味でもとても大きな力を持っているということ。
「沖田と同じ意見だ。特に瀬戸については悪意あっての行動だったから、非難したい気持ちは分かる。ただ、言葉や言い方によっては人の心を深く傷つけることになる。沖田を傷つけたんだから当然だと思う人もいるかもしれないけれど、瀬戸を傷つけていいという理由にはならないと思うぞ」
緒方の言うとおりだと思う。
瀬戸さんが僕のカミングアウトを漏らした結果、僕は心に傷を負い、短期間ではあるけれど不登校になってしまった。伊織も精神的に不安定になってしまった。だからといって、瀬戸さんを傷つけていい理由にはならない。
「うるさい!」
「瀬戸さんの方は悪意があったんでしょ! だったら、非難の言葉を受けるのは当然じゃないの?」
僕や緒方の言葉で気持ちを逆なでてしまったのか、一部の生徒はさっきよりも怒りの表情を露わにする。
「沖田君と緒方君の言う通りね」
天宮先生が教室の中に入ってきた。朝礼までにはまだまだ時間があるけれど。僕のことを心配して様子を見に来てくれたのかな。
「沖田君のカミングアウトしたことについてや、それを漏らしたのが彩音ちゃんだったこと。それを知って心がざわついている子もいると思う。イライラしている子もいると思う。それでも、想いを言葉にしたとき、相手はどう思うのか。それを考えられるようになっていこうね」
天宮先生のその言葉に、さっきまで怒った表情をしていた生徒も落ち着いていく。さすがに教師の言葉は受け入れるみたいだ。
「あと、さっき連絡があって……彩音ちゃんはお休みします」
やっぱり、瀬戸さんは欠席か。今日は金曜日だし、瀬戸さんにはこの週末はゆっくりと休んでほしい。
天宮先生はゆっくりと僕達のところにやってきて、
「沖田君も無理はしないでね」
「分かっています」
「……よろしい。何か相談したいことがあったら、遠慮無く先生に言ってきてね」
そう言ってみせる天宮先生の笑みは優しさに溢れているように思えた。彼女の笑みは浅利部長の笑みとどこか似ている。温かく僕らを包み込んでくれるような感じがして。誰もがこういう笑みを浮かべられるような温かい心を持っていたら、辛い経験のうちの何割かは消えていたのかもしれない。そんなことを思うのであった。
僕は緒方と一緒に瀬戸さんの家に行ったこと、その後に自分1人で伊織の家に行ったことを伝えた。2人の過去についてざっくりと話す。すると、先生は、
「伊織ちゃんがあまりにも不憫ね。というか、そんなことをしてまで実った恋はいつか燃えて散っていくよ、必ず。そうじゃないと平等じゃないわ」
低い声でそう言った。それが先生の本音なんだろう。彼女の気持ちは分かるけれど、教師としてそれを教え子に言ってしまっていいものなのだろうか。僕も先生と同じことを思ったけど。
電話の向こう側にいる天宮先生の表情が容易に想像できたので、伊織とは以前のような距離感になったと伝えた。すると、良かったねと嬉しそうな声色で先生は言ってくれた。その声はとても心地よかった。
また、明日から再び登校すると先生に伝えるのであった。
4月21日、金曜日。
今日は水曜日以来の登校をする。
今日の予報は曇り。天気予報では降水確率は終日10%だと言っていたけれど、今にも雨が降りそうなどんよりとした雲に覆われている。
「千尋、大丈夫? 無理はしないで。辛くなったらいつでも帰ってきなさい」
「分かったよ、母さん。じゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
玄関を出ると、すぐそこに制服姿の伊織の姿が。伊織は僕と目が合うと明るい笑顔を見せる。
「おはよう、伊織」
「おはよう、千尋。本当に今日からまた登校して大丈夫なの?」
「うん。昨日、瀬戸さんと伊織の話を聞いて心の整理ができたからね。それに、伊織とたくさんキスして元気をもらったよ」
僕がそう言うと、伊織は頬を赤くして周りをキョロキョロ見た。
「……周りに人がいなくても、外で言われると結構恥ずかしいな。私も、千尋と会ってキスをしたら、好きな気持ちがより大きくなって、千尋と一緒にいたいってまた思えるようになったよ」
「……それなら良かった」
僕の心が女性であると分かっても、以前とあまり変わらずに接してくれるのがとても嬉しいな。
「ただ、千尋のことを男の子として見るべきか、女の子として見るべきかまだ分からないな。ワンピース姿がとても似合っていたからかも」
「……ゆっくり考えていいよ」
ショッピングモールデートでワンピースを試着したとき、結構楽しんだから。きっと、その時の僕が女の子らしく見えたんだろう。
「さっ、学校に行こう、千尋」
「うん」
僕はいつものように伊織と手を繋ぎながら学校へと向かい始める。こうしていると、日常が戻ってきているように思える。
「ねえ、千尋。彩音から連絡はあった?」
「ないな。昨日の夜、瀬戸さんの気持ちが落ち着いたところで家を後にしたって緒方からメッセージが来たけれど。伊織の方は?」
「……私には来てないよ」
さすがに、絶交するって言ってきた人に連絡はできないか。昨日の瀬戸さんは、伊織に絶交宣言され、生きる目的の1つを喪失したように見えた。
「今日は彩音、学校に来ないかも……」
「……そう考えた方がいいだろうね」
伊織からの絶交宣言もそうだけど、クラスメイトのいる前で僕のカミングアウトの内容を漏らした犯人だと自白したんだ。瀬戸さんに非難の言葉を浴びせようとするクラスメイトが多いかもしれない。今日は来ない方が無難かも。
僕達は学校に到着する。
水曜日に比べればまだいいけれど、普段と比べたらやっぱり変な空気だな。周りの生徒から注目を浴びているし。
「私がいるから大丈夫だよ」
「……ありがとう」
そうだ、今は隣に伊織がいるんだ。そんな彼女が笑顔でいてくれるから大丈夫だと思って、また登校しようと思ったんだ。それに、教室に行けば緒方や天宮先生もいるし。
僕と伊織は教室に到着する。
渦中の人物である僕や伊織が教室に入ったからか、それまで賑やかだった教室内が一気に静まりかえる。僕らのことを真剣な眼差しで見る人。チラチラと見る人。気まずそうに俯く人。関心が無いのかスマートフォンを弄る人。
「おっ、沖田に神岡。おはよう」
教室には既に緒方がいた。彼にも僕が登校することを伝えてあったので、僕のために早く来てくれたのかな。彼がこれまでと変わらずに接してくれるから安心できる。
「おはよう、緒方」
「おはよう、緒方君」
僕達が自分の席に着いたときだった。1人の女子生徒が僕のすぐ側までやってきて、
「沖田君。その……この前は酷いことを言ってごめんね」
真剣な表情でそう言うと深く頭を下げた。確か、彼女は水曜日に僕に対して心ない言葉を放った生徒の1人だ。
彼女のその言葉が事前に決めた合図だったかのように、次々と僕に対する謝罪の言葉が聞こえてきた。ここまで多いと逆におかしいと思えるくらい。まあ、水曜日の段階で僕に謝りたい生徒がいたみたいだし、2日経てばそんな生徒もより多くなるのかな。
しかし、
「でも、沖田君のカミングアウトを漏らした彩音ちゃんってひどいよね」
1人の女子生徒が瀬戸さんに関して非難の声を上げた。
僕への謝罪からシフトチェンジしたかのように、瀬戸さんへの非難や批判の声が相次ぐようになる。
「理由は分からんが、沖田が勇気を出してカミングアウトしたことを漏らすなんてな」
「伊織ちゃんと付き合っていることの嫉妬?」
「あんな奴がクラス委員なんてあり得ないよ」
「伊織の恋愛相談を受けてたのに。そんな彼女が漏らしたんだから、伊織が絶交するって言ったのは当然だよね。伊織がかわいそう……」
それらの言葉を聞くと、水曜日のことを思い出し……まるで自分が非難されているように思えた。彼らは本当に反省しているのかと疑ってしまう。段々と気持ち悪くなってきて、胃がキリキリとしてきた。
『そこまでだ!』
気付けば、僕はそう叫んでいたけれど、驚いたのは緒方も僕と同じ言葉を叫んでいたことだった。思わず、緒方と顔を見合う。
「沖田……」
「……僕らの想いの根っこは同じだと思うよ。それはきっと伊織も」
「……うん」
伊織の方を見ると、伊織は真剣な表情をして力強く頷いた。
「体と心の性別の違いがある僕を気持ち悪いと思うこと。そんな僕のカミングアウトのことを漏らした瀬戸さんをひどいと思うこと。そんなことをするなとは言わないよ。でも、言葉にしたことは別だ。その言葉を言ったとき、相手がどういう風に受け取るのか、どんな気持ちになるのか……それを少しは考えたらどうなんだ!」
それを僕は勢いで言ってしまったから、今の言葉に説得力はあまりないと思う。ただ、みんなに伝えたい僕の気持ちは今の言葉に詰まっている。言葉はいい意味でも悪い意味でもとても大きな力を持っているということ。
「沖田と同じ意見だ。特に瀬戸については悪意あっての行動だったから、非難したい気持ちは分かる。ただ、言葉や言い方によっては人の心を深く傷つけることになる。沖田を傷つけたんだから当然だと思う人もいるかもしれないけれど、瀬戸を傷つけていいという理由にはならないと思うぞ」
緒方の言うとおりだと思う。
瀬戸さんが僕のカミングアウトを漏らした結果、僕は心に傷を負い、短期間ではあるけれど不登校になってしまった。伊織も精神的に不安定になってしまった。だからといって、瀬戸さんを傷つけていい理由にはならない。
「うるさい!」
「瀬戸さんの方は悪意があったんでしょ! だったら、非難の言葉を受けるのは当然じゃないの?」
僕や緒方の言葉で気持ちを逆なでてしまったのか、一部の生徒はさっきよりも怒りの表情を露わにする。
「沖田君と緒方君の言う通りね」
天宮先生が教室の中に入ってきた。朝礼までにはまだまだ時間があるけれど。僕のことを心配して様子を見に来てくれたのかな。
「沖田君のカミングアウトしたことについてや、それを漏らしたのが彩音ちゃんだったこと。それを知って心がざわついている子もいると思う。イライラしている子もいると思う。それでも、想いを言葉にしたとき、相手はどう思うのか。それを考えられるようになっていこうね」
天宮先生のその言葉に、さっきまで怒った表情をしていた生徒も落ち着いていく。さすがに教師の言葉は受け入れるみたいだ。
「あと、さっき連絡があって……彩音ちゃんはお休みします」
やっぱり、瀬戸さんは欠席か。今日は金曜日だし、瀬戸さんにはこの週末はゆっくりと休んでほしい。
天宮先生はゆっくりと僕達のところにやってきて、
「沖田君も無理はしないでね」
「分かっています」
「……よろしい。何か相談したいことがあったら、遠慮無く先生に言ってきてね」
そう言ってみせる天宮先生の笑みは優しさに溢れているように思えた。彼女の笑みは浅利部長の笑みとどこか似ている。温かく僕らを包み込んでくれるような感じがして。誰もがこういう笑みを浮かべられるような温かい心を持っていたら、辛い経験のうちの何割かは消えていたのかもしれない。そんなことを思うのであった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説


マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。


僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる