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特別編-入れ替わりの夏-
MissGirl 4
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そう、それでいい。
晴実の協力なしで進めるパターンも考えてくれて嬉しいわ。男2人と悠子ちゃんで主に話をしていくという割り振りもいいと思う。
あの女、昔からイケメンの男の子にはめっぽう弱いからね。昨日だって、藍沢君のことを見ているとき、母親ではなくて1人の女の顔をしていたよ。迷子の娘を助けてくれたっていうのも影響しているのかもね。その血が娘の七実ちゃんにもきちんと受け継がれているようね。それは仕方ないとして、せめてその素直な性格が変わらずに大人になっていって欲しいな。
あと、私のことをよくも小心者って言ってくれたわね。本当にムカつく。20年経って2児の母親になっても、性格って変わらないものなのね。本当に鍾乳洞の中で幽霊として出ちゃおうかな。何だったら、よろけさせて転ばせちゃおうかな。そのくらいだったらしてもいいんじゃないかと思っちゃう。
「でも、それは止めておくか……」
そんなことをしたら、あの女が強い警戒心を抱いてしまって、彼等の考えている計画が完遂できなくなってしまうかもしれないし。
ただ、あの6人が悠子ちゃんと一緒にいるところを目撃されてしまったのはまずいかもしれない。表情からしか推測できないけれど、ちょっと怪しんでいるように見えたから。
さあ、これからどうなるか。
まずは、晴実と晴実のお友達がここに来て、2人が悠子ちゃん達に協力したいと言ってくるかどうか。私にとってはなるべく協力してほしくないけれど、自分が生まれたきっかけと向き合いたいと言ったそうだから、協力する可能性は高そうに思える。
そして、あの女の旦那に事情を説明してしまったら、旦那があの女に計画をばらしてしまうんじゃないかという心配。坂井君と藍沢君なら、タイミングを見計らって話すか、上手い話術で旦那を納得させることができそうだけれど。私だったら、旦那や2人の子供達の前でこれまでのことを話すけれどね。その方があの女に精神的により大きなダメージを与えられそうじゃない。
「まあ、期待しているよ」
生きている人間だけでちゃんと解決しようとしてくれている。それがとても嬉しいよ。宮原さんと坂井さんの体を入れ替えさせて正解だった。計画を完遂させることができたら、2人の体が元に戻る方法を教えようかな。
さてと、死人である私は悠子ちゃん達のことをそっと見守ることにしよう。ただ、あの女次第で――。
晴実の協力なしで進めるパターンも考えてくれて嬉しいわ。男2人と悠子ちゃんで主に話をしていくという割り振りもいいと思う。
あの女、昔からイケメンの男の子にはめっぽう弱いからね。昨日だって、藍沢君のことを見ているとき、母親ではなくて1人の女の顔をしていたよ。迷子の娘を助けてくれたっていうのも影響しているのかもね。その血が娘の七実ちゃんにもきちんと受け継がれているようね。それは仕方ないとして、せめてその素直な性格が変わらずに大人になっていって欲しいな。
あと、私のことをよくも小心者って言ってくれたわね。本当にムカつく。20年経って2児の母親になっても、性格って変わらないものなのね。本当に鍾乳洞の中で幽霊として出ちゃおうかな。何だったら、よろけさせて転ばせちゃおうかな。そのくらいだったらしてもいいんじゃないかと思っちゃう。
「でも、それは止めておくか……」
そんなことをしたら、あの女が強い警戒心を抱いてしまって、彼等の考えている計画が完遂できなくなってしまうかもしれないし。
ただ、あの6人が悠子ちゃんと一緒にいるところを目撃されてしまったのはまずいかもしれない。表情からしか推測できないけれど、ちょっと怪しんでいるように見えたから。
さあ、これからどうなるか。
まずは、晴実と晴実のお友達がここに来て、2人が悠子ちゃん達に協力したいと言ってくるかどうか。私にとってはなるべく協力してほしくないけれど、自分が生まれたきっかけと向き合いたいと言ったそうだから、協力する可能性は高そうに思える。
そして、あの女の旦那に事情を説明してしまったら、旦那があの女に計画をばらしてしまうんじゃないかという心配。坂井君と藍沢君なら、タイミングを見計らって話すか、上手い話術で旦那を納得させることができそうだけれど。私だったら、旦那や2人の子供達の前でこれまでのことを話すけれどね。その方があの女に精神的により大きなダメージを与えられそうじゃない。
「まあ、期待しているよ」
生きている人間だけでちゃんと解決しようとしてくれている。それがとても嬉しいよ。宮原さんと坂井さんの体を入れ替えさせて正解だった。計画を完遂させることができたら、2人の体が元に戻る方法を教えようかな。
さてと、死人である私は悠子ちゃん達のことをそっと見守ることにしよう。ただ、あの女次第で――。
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