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第3章
第2話『久しぶりのジョギング』
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4月23日、土曜日。
今日は事故に遭ってから初めてジョギングする。およそ3年ぶりのジョギングだ。ただ、久しぶりなので、家を出発してしばらくの間はウォーキングにする予定である。
小学校の高学年の頃から、休日中心に早朝にジョギングするのが習慣になっていた。しかし、中学2年の春頃に事故に遭い、手術とリハビリをしてジョギングしても大丈夫だと医者から言われてからも、これまでやってこなかった。
ただ、あおいと一緒に競走をしたことで、走ることが楽しいと思えるようになった。だから、自分のペースでジョギングすることなら、これからも楽しめるんじゃないかと思えたのだ。あと、あおいとのレースをしたとき、中学時代よりも体力が落ちていると実感したし。体力作りのためにもジョギングしようと考えたのだ。
午前6時半頃に起きて、俺は寝間着から昨日新調した緑色のジョギングウェアに着替える。こういう服を着るのは3年ぶりだから、何だか懐かしい感覚になる。
スマホやタオルなどを入れたランニングポーチを腰に取り付け、俺は自分の部屋を出た。
1階に降りると、リビングには両親の姿が。起きたばかりなのか、2人ともまだ寝間着姿だ。ジョギングすることは昨日のうちに伝えている。
「父さん、母さん、ジョギングしてくるよ」
「いってらっしゃい。久しぶりだし、あまり飛ばさないように気をつけるんだよ」
「脚がおかしいなって思ったり、痛みを感じたりしたらすぐに休憩するのよ。いいわね?」
久しぶりのジョギングなので、父さんも母さんも注意の言葉を掛けてくれる。事故から3年近く経っているし医者からジョギングOKと言われても、心配な気持ちがあるのだろう。
俺は父さんと母さんの目を見て、しっかりと首肯する。
「ああ、気をつけるよ」
俺は冷蔵庫を開け、麦茶の入っているミニボトルを取り出し、ポーチに入れた。
「じゃあ、いってきます」
『いってらっしゃい』
父さんと母さんの声が綺麗に重なったな。
俺は家の外に出る。……今の時期でも午前6時半過ぎだと、結構肌寒い。空は雲がほとんどない青空なのに。ただ、真冬の寒さほどではないので、ウォーキングやジョギングをしていくうちに体が温まってくると思う。
以前、ジョギングしていたときは、調津駅の前を通って多摩川の沿いの道まで行き、そこからは川沿いの道を下流に向かって走る。少し走ってから、方向を変えて自宅へ戻っていく……という流れで走るのが基本だった。だいたい3、40分くらいだろうか。今回も同じコースをウォーキング&ジョギングしようと思う。
脚や腕を中心に軽くストレッチする。……これだけで、体がちょっと温まってきた。寒さの方は大丈夫そうだ。
「よし。まずは川沿いまでウォーキングするか」
ウォーキングで、まずは脚を動かすことに慣れていこう。
多摩川の方に向かってウォーキングを始める。普段歩くような感じではなくて、きちんと姿勢を正した状態で。
バイトに行くときと同じ道で、調津駅の方に向かって歩いていく。
さすがに休日の午前6時半過ぎだと、調津駅の周りにいる人の数もかなり少なくて静かだ。俺と同じようにジョギングウェアを着ている人だったり、犬の散歩をしている人だったりと地元らしき人ばかりだ。こういった景色を見るのは久しぶりだし、いつもは人が多いので新鮮さを感じられる。
俺がバイトしているサリーズも今はまだ開店前。その外観を見るのも新鮮だった。
調津駅や駅周辺の商業施設の横を通って、多摩川に向かってウォーキングし続ける。
「気持ち良くなってきた」
体が結構温かくなってきたし、呼吸する度に体に入ってくる空気の冷たさが心地よい。
駅から離れていくので、再び落ち着いた雰囲気の景色の中をウォーキングする。この地域はジョギングのときくらいしか通らなかったので懐かしい。
駅を通り過ぎてから10分ほど。俺は多摩川沿いの歩道に辿り着いた。ここで一旦立ち止まって休憩する。
「ふぅ……」
ちゃんとした姿勢でウォーキングをするのは久しぶりだから、ちょっと疲れを感じる。
ポーチから麦茶の入ったペットボトルを取り出し、麦茶を一口飲む。
「あぁ……美味しい」
少し体を動かした後だから、家で飲むとき以上に美味しい。慣れ親しんでいる味なので安心する。あと、麦茶の冷たさが全身に優しく伝わっていくのもいいなぁ。そのことで、体の疲れが取れていく。
ここからは下流の方へ向かう。そちらを見てみると……朝の日差しが川の水を照らしていて綺麗だ。朝の多摩川ってこんなにも綺麗だったんだ。気持ちが晴れやかになる。昔、ジョギングを習慣にしているときには全然感じなかったことだった。
そういえば、道本も早朝に駅周辺や川沿いをジョギングしているんだよな。中学時代には一緒に走ったことが何度もあった。
道本はいるかな……と周りを見渡すけど、彼の姿は見当たらなかった。今後、また一緒にジョギングすることがあるかもしれない。
「よし、走ってみるか」
ウォーキングをして体が温まってきたし、疲れも取れた。久しぶりだから、まずはゆっくりとした速度で走ってみよう。
下流方面に向かって、俺は川沿いの歩道をジョギングし始める。
「……このくらいの速度がいいな」
昔よりも遅いけど、今の俺にはこの速度でジョギングするのが気持ちいい。この速度なら、古傷のある脚でも無理なく走れそうだ。
「そういえば、ゆっくり走っていると思い出すな……」
愛実と一緒にジョギングしたときのことを。
甘いものを食べすぎて太ったからダイエットしたいと、愛実と一緒にジョギングしたことが何度かあった。そういうときは愛実にペースを合わせて走る速度を遅くしたり、ウォーキングしたりした。運動だけじゃなくて、甘い物を控えめにしたりするからすぐに効果が出て、一緒に走る期間は長くても2週間ほどだった。
ジョギングを始めたって愛実に教えたら……また、ダイエット目的で一緒に走ることがあるのだろうか。愛実の甘い物好きは昔から変わらないからなぁ。
「ほれ、いくぞ! ジョニー!」
「わんっ!」
近くから老人と思われる男性の声と、犬の元気な鳴き声が聞こえてきた。
走りながら周りを見てみると……川沿いの草原で、恰幅の良さそうな老齢の男性がフリスビーを投げ、ゴールデンレトリバーの犬……ジョニーがそれを元気よく追いかけている姿が見えた。
ジョニーはフリスビーが落ちる前に口で見事にキャッチし、男性の方に向かって戻る。お見事!
「偉いぞぉ、ジョニー!」
男性はジョニーのことを褒め、餌をあげて頭中心に撫で回している。あんなに勢いよく撫でて大丈夫なのかと思ったけど、ジョニーが「わぉーん!」と大きな声で鳴いているのできっと大丈夫だろう。
そういえば、昔……あの草原あたりで、休日にうちの家族とあおいの家族で一緒にお昼ご飯を食べたことがあったな。ここまでは自転車で来て。草原に着いたら、お花見のときのようにレジャーシートを広げてお弁当を食べたっけ。
「色々な思い出があるなぁ」
川沿いの景色は変わらないから、様々な思い出に浸ることができた。久しぶりに走り始めたし、これからまた多摩川沿いでの思い出が増えていくかもしれない。
思い出に浸っていたため、気付けば川沿いの車道と大通りの交差点に差し掛かっていた。この交差点で自宅のある方に曲がり、家に帰っていくのがお決まりのコースだ。
交差点が見えるところまで来たので、一旦立ち止まる。
「……大丈夫そうだな」
両脚に特に痛みは感じられない。良かった。
ただ、軽くジョギングしたので、さっき川沿いの歩道に到着したときよりも疲れがある。体も少し汗ばんでいる。昔は多少息が上がるくらいで、疲れはあまり感じなかったのに。これもブランクの影響だろう。でも、嫌な感じは全くしない。
何度か長めに呼吸して息を整え、水分補給のために麦茶を一口飲む。そのことで、体力も少し回復する。
「これなら、家までジョギングしても大丈夫そうだな」
ただし、無理はしない程度に。途中で脚が痛んだり、疲れがどっと襲ってきたりしたら、休憩をしてウォーキングに切り替えよう。
交差点にやってきて、進行方向の信号が青であることと、周りに車両がいないことを確認して、交差点の横断歩道を渡った。そして、川沿いの歩道のときと同じ速さでジョギングを再開する。
「気持ちいい」
中学のときよりも遅いけど、一歩一歩前に進んでいく感覚が気持ち良くて楽しい。ウォーキングやジョギングなら、これからもずっと楽しんでいけそうだ。自然と頬が緩んでいくのが分かった。
それから脚が痛んだり、酷い疲れを感じたりすることもなく、自宅の前までジョギングし続けたのであった。
今日は事故に遭ってから初めてジョギングする。およそ3年ぶりのジョギングだ。ただ、久しぶりなので、家を出発してしばらくの間はウォーキングにする予定である。
小学校の高学年の頃から、休日中心に早朝にジョギングするのが習慣になっていた。しかし、中学2年の春頃に事故に遭い、手術とリハビリをしてジョギングしても大丈夫だと医者から言われてからも、これまでやってこなかった。
ただ、あおいと一緒に競走をしたことで、走ることが楽しいと思えるようになった。だから、自分のペースでジョギングすることなら、これからも楽しめるんじゃないかと思えたのだ。あと、あおいとのレースをしたとき、中学時代よりも体力が落ちていると実感したし。体力作りのためにもジョギングしようと考えたのだ。
午前6時半頃に起きて、俺は寝間着から昨日新調した緑色のジョギングウェアに着替える。こういう服を着るのは3年ぶりだから、何だか懐かしい感覚になる。
スマホやタオルなどを入れたランニングポーチを腰に取り付け、俺は自分の部屋を出た。
1階に降りると、リビングには両親の姿が。起きたばかりなのか、2人ともまだ寝間着姿だ。ジョギングすることは昨日のうちに伝えている。
「父さん、母さん、ジョギングしてくるよ」
「いってらっしゃい。久しぶりだし、あまり飛ばさないように気をつけるんだよ」
「脚がおかしいなって思ったり、痛みを感じたりしたらすぐに休憩するのよ。いいわね?」
久しぶりのジョギングなので、父さんも母さんも注意の言葉を掛けてくれる。事故から3年近く経っているし医者からジョギングOKと言われても、心配な気持ちがあるのだろう。
俺は父さんと母さんの目を見て、しっかりと首肯する。
「ああ、気をつけるよ」
俺は冷蔵庫を開け、麦茶の入っているミニボトルを取り出し、ポーチに入れた。
「じゃあ、いってきます」
『いってらっしゃい』
父さんと母さんの声が綺麗に重なったな。
俺は家の外に出る。……今の時期でも午前6時半過ぎだと、結構肌寒い。空は雲がほとんどない青空なのに。ただ、真冬の寒さほどではないので、ウォーキングやジョギングをしていくうちに体が温まってくると思う。
以前、ジョギングしていたときは、調津駅の前を通って多摩川の沿いの道まで行き、そこからは川沿いの道を下流に向かって走る。少し走ってから、方向を変えて自宅へ戻っていく……という流れで走るのが基本だった。だいたい3、40分くらいだろうか。今回も同じコースをウォーキング&ジョギングしようと思う。
脚や腕を中心に軽くストレッチする。……これだけで、体がちょっと温まってきた。寒さの方は大丈夫そうだ。
「よし。まずは川沿いまでウォーキングするか」
ウォーキングで、まずは脚を動かすことに慣れていこう。
多摩川の方に向かってウォーキングを始める。普段歩くような感じではなくて、きちんと姿勢を正した状態で。
バイトに行くときと同じ道で、調津駅の方に向かって歩いていく。
さすがに休日の午前6時半過ぎだと、調津駅の周りにいる人の数もかなり少なくて静かだ。俺と同じようにジョギングウェアを着ている人だったり、犬の散歩をしている人だったりと地元らしき人ばかりだ。こういった景色を見るのは久しぶりだし、いつもは人が多いので新鮮さを感じられる。
俺がバイトしているサリーズも今はまだ開店前。その外観を見るのも新鮮だった。
調津駅や駅周辺の商業施設の横を通って、多摩川に向かってウォーキングし続ける。
「気持ち良くなってきた」
体が結構温かくなってきたし、呼吸する度に体に入ってくる空気の冷たさが心地よい。
駅から離れていくので、再び落ち着いた雰囲気の景色の中をウォーキングする。この地域はジョギングのときくらいしか通らなかったので懐かしい。
駅を通り過ぎてから10分ほど。俺は多摩川沿いの歩道に辿り着いた。ここで一旦立ち止まって休憩する。
「ふぅ……」
ちゃんとした姿勢でウォーキングをするのは久しぶりだから、ちょっと疲れを感じる。
ポーチから麦茶の入ったペットボトルを取り出し、麦茶を一口飲む。
「あぁ……美味しい」
少し体を動かした後だから、家で飲むとき以上に美味しい。慣れ親しんでいる味なので安心する。あと、麦茶の冷たさが全身に優しく伝わっていくのもいいなぁ。そのことで、体の疲れが取れていく。
ここからは下流の方へ向かう。そちらを見てみると……朝の日差しが川の水を照らしていて綺麗だ。朝の多摩川ってこんなにも綺麗だったんだ。気持ちが晴れやかになる。昔、ジョギングを習慣にしているときには全然感じなかったことだった。
そういえば、道本も早朝に駅周辺や川沿いをジョギングしているんだよな。中学時代には一緒に走ったことが何度もあった。
道本はいるかな……と周りを見渡すけど、彼の姿は見当たらなかった。今後、また一緒にジョギングすることがあるかもしれない。
「よし、走ってみるか」
ウォーキングをして体が温まってきたし、疲れも取れた。久しぶりだから、まずはゆっくりとした速度で走ってみよう。
下流方面に向かって、俺は川沿いの歩道をジョギングし始める。
「……このくらいの速度がいいな」
昔よりも遅いけど、今の俺にはこの速度でジョギングするのが気持ちいい。この速度なら、古傷のある脚でも無理なく走れそうだ。
「そういえば、ゆっくり走っていると思い出すな……」
愛実と一緒にジョギングしたときのことを。
甘いものを食べすぎて太ったからダイエットしたいと、愛実と一緒にジョギングしたことが何度かあった。そういうときは愛実にペースを合わせて走る速度を遅くしたり、ウォーキングしたりした。運動だけじゃなくて、甘い物を控えめにしたりするからすぐに効果が出て、一緒に走る期間は長くても2週間ほどだった。
ジョギングを始めたって愛実に教えたら……また、ダイエット目的で一緒に走ることがあるのだろうか。愛実の甘い物好きは昔から変わらないからなぁ。
「ほれ、いくぞ! ジョニー!」
「わんっ!」
近くから老人と思われる男性の声と、犬の元気な鳴き声が聞こえてきた。
走りながら周りを見てみると……川沿いの草原で、恰幅の良さそうな老齢の男性がフリスビーを投げ、ゴールデンレトリバーの犬……ジョニーがそれを元気よく追いかけている姿が見えた。
ジョニーはフリスビーが落ちる前に口で見事にキャッチし、男性の方に向かって戻る。お見事!
「偉いぞぉ、ジョニー!」
男性はジョニーのことを褒め、餌をあげて頭中心に撫で回している。あんなに勢いよく撫でて大丈夫なのかと思ったけど、ジョニーが「わぉーん!」と大きな声で鳴いているのできっと大丈夫だろう。
そういえば、昔……あの草原あたりで、休日にうちの家族とあおいの家族で一緒にお昼ご飯を食べたことがあったな。ここまでは自転車で来て。草原に着いたら、お花見のときのようにレジャーシートを広げてお弁当を食べたっけ。
「色々な思い出があるなぁ」
川沿いの景色は変わらないから、様々な思い出に浸ることができた。久しぶりに走り始めたし、これからまた多摩川沿いでの思い出が増えていくかもしれない。
思い出に浸っていたため、気付けば川沿いの車道と大通りの交差点に差し掛かっていた。この交差点で自宅のある方に曲がり、家に帰っていくのがお決まりのコースだ。
交差点が見えるところまで来たので、一旦立ち止まる。
「……大丈夫そうだな」
両脚に特に痛みは感じられない。良かった。
ただ、軽くジョギングしたので、さっき川沿いの歩道に到着したときよりも疲れがある。体も少し汗ばんでいる。昔は多少息が上がるくらいで、疲れはあまり感じなかったのに。これもブランクの影響だろう。でも、嫌な感じは全くしない。
何度か長めに呼吸して息を整え、水分補給のために麦茶を一口飲む。そのことで、体力も少し回復する。
「これなら、家までジョギングしても大丈夫そうだな」
ただし、無理はしない程度に。途中で脚が痛んだり、疲れがどっと襲ってきたりしたら、休憩をしてウォーキングに切り替えよう。
交差点にやってきて、進行方向の信号が青であることと、周りに車両がいないことを確認して、交差点の横断歩道を渡った。そして、川沿いの歩道のときと同じ速さでジョギングを再開する。
「気持ちいい」
中学のときよりも遅いけど、一歩一歩前に進んでいく感覚が気持ち良くて楽しい。ウォーキングやジョギングなら、これからもずっと楽しんでいけそうだ。自然と頬が緩んでいくのが分かった。
それから脚が痛んだり、酷い疲れを感じたりすることもなく、自宅の前までジョギングし続けたのであった。
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