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子供と遊ぶと手加減が一番難しい
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村を出る際に初めて他の村人にあった康成は軽く挨拶を済ませると
「華凛ちゃん!狩りに行くのか?あんまりその人族に無理させんなよ!華凛ちゃんの普通は人族にはちとハードだからな!」
「華凛ちゃんと一緒の狩りとか、うらやましい……」
「あんなひょろいので大丈夫か?猪にぶつかられたらすぐにミンチだぞ?」
「いつもの猪だろ?お裾分け期待してるぜ!」
「大丈夫だよ!無理させる程奥には行かねーよ!」
「俺ってそんなにひょろいか?」
野球や運動をそれなりに経験してきた康成は身長の平均よりは筋肉もあるし、ガタイも良いほうだと思っていた。
「さすがに俺達、鬼人族よりはひょろいぜ?康成も俺より身長低いしな。村のオッサン達を見てみろよ」
周りを見てみると康成は全体的に日焼けをしているムキムキに囲まれていた。
確かに肩幅、腕周りは競べるもなく太もも何かは俺の胴回り位もある。
「あんちゃん。華凛ちゃんについて行くんだろ?あんまり無理すんなよ!せっかく可愛いんだからな!」
むにゅむにゅ
突然耳元で鬼人族の凄く顔の濃い角刈りの男性が康成に声をかけ尻を揉んできた。
「うぉっ!」
ぞわぞわした……
何か尻がひゅん!ってした……
息子が凄く怯えているのがわかる……
「康成何してんだ?早く行くぞ?」
「華凛!待ってくれよ!」
華凛に声をかけられ、内心助かったと思いながら康成は急いで華凛について行き、村の外に出た。
森は村から10分程で着き、時折岩肌の見える、もののけみたいな壮大な森だった。
「すげーーな!やっぱり大きなモノは何でもテンションが上がるな!」
康成は童心に帰り、初めて見た東京タワーや都会のビル郡を下から見たような気持ちを思い出した。
「ここに出る猪が脂も乗っててうめーんだよ!」
「でも危なくないのか?ずいぶん広い森だし迷子にならないか?」
「大丈夫だ。今日は外に近い所で狩りをするからな。」
それなら大丈夫か。
「何で狩るんだ?俺は剣とかは持ってきてないぞ?」
「何言ってんだよ。刃物武器何か使ったら毛皮が台無しになるだろ?基本はこれだよ」
そういって華凛は荷物から100センチはありそうなハンマーを取り出した。
「すげー鈍器だな……もしかしてこれで猪を?」
「かち割る!」
まさかの、すげーパワーファイトやん
「だいぶデカイけどこれ重そうだな?」
「そんなに重かねーよ。それに康成も多分楽勝で持てるだろ?父ちゃんより力があるなら。父ちゃんなら片手で軽々振り回すぞ?」
甚平さんなら確かに楽勝だろうけど本当に俺に扱えるのかよ。
試しに柄を持つと康成は驚いた。
全然重くないのだ。
体感での重さの表しかたが康成はわからなかった。
実際にそこにあるし、感触も感じるが見た目より遥かに軽いハンマーを見て康成は驚愕した。
まるで空気の入った縁日で良く見るハンマーのようだ。
「振ったらすぐに壊れそうだな……」
「試しに少し振ってみろよ。最初は手加減しながらだぞ!俺もいつもより軽すぎてびっくりしてるんだ。村からハンマー二つ持ってきたのに、途中ホントにリュックに入ってるか心配だったぜ!これが肉体持ちかよ。すげーな!」
華凛もいつものハンマーと違う感触に驚きながら軽く素振りを始めた。
ビュッ!ビュッ!
ハンマーを振る音がまるでプロ野球のスイング音を更に鋭くしたような音をだす。
木を叩くと叩いた部分だけ抉れ、抉れた部分がまるで大砲のように森の奥へ飛んでいった。
「なぁ康成?これ猪叩いて大丈夫か?」
「多分弾け跳ぶんじゃね?」
「もう少し手加減すっかぁ……」
始めての狩りで爆発する猪何か見たくねーよ。
「俺も少し手加減して振ってみようかな?」
「ホントに気をつけろよ!ハンマーが壊れちまう!」
持ち手を娘と手を繋ぐように軽く、優しく握り、ハンマーを振ると問題なく振れた
「そっか、日常的にフライパンとかを振るときもおもいっきり振ることもないから手加減は全然問題ないな」
華凛の家で鍋やフライパン、箸、茶碗を持ったが特に力を入れる必要もなかった為か、手加減は問題ない。
手加減は問題ない
問題は霊界でどこまで力を入れることができるかだな……
「もう少し華凛位のスピードで……」
先ほどの華凛のスイングを思い出し、軽くバットを素振りするように康成はハンマーを振る。
ボッ!!
ミシッ!ミシ!
「やべ!ハンマーが軋んだ!」
空気を切り裂くではなく叩くような音と共に康成のハンマーから軋むような音が聞こえた。
ハンマーを確認すると、金属製の持ち手が弓のように少し反っていた。
「康成は今日は見学な!」
「華凛すまん!」
「まぁ古いハンマーだから良いけどよ……
康成、ホントに力を入れてないんだな?」
「全然、さっきの華凛位で振ろうと思ったらハンマーが軋んだ……」
「普通素振りをしてもハンマーは軋まねーよ!
まぁ今日は見てろよ。帰りに持つの手伝ってくれたらチャラにしてやるよ」
「りょーかい」
「それじゃあ猪探すか」
康成は華凛に促され森をあるきだした。
「どういう所にいるんだ?」
「この時期なら水辺を探せばいるはずなんだよな」
「逃げたりしないのか?」
「やんちゃな猪が多いからむしろ向かってくるぞ。さすがに正面からぶつかられたらただじゃ済まないから気をつけろよ?
あぁ……康成なら全然大丈夫だな」
「人を化け物みたいに言う…」
「まてっ!しっ!静かにしろ。」
華凛が声を静かにし、前方の水辺を指差した。
康成は水辺を見ると水を飲んでいる猪が見えた。
30メートル程の距離はあるが、明らかに大きい
あれーおかしいなー
俺の知ってる猪じゃない……
3メートルはあるぞ……
「華凛ちゃん!狩りに行くのか?あんまりその人族に無理させんなよ!華凛ちゃんの普通は人族にはちとハードだからな!」
「華凛ちゃんと一緒の狩りとか、うらやましい……」
「あんなひょろいので大丈夫か?猪にぶつかられたらすぐにミンチだぞ?」
「いつもの猪だろ?お裾分け期待してるぜ!」
「大丈夫だよ!無理させる程奥には行かねーよ!」
「俺ってそんなにひょろいか?」
野球や運動をそれなりに経験してきた康成は身長の平均よりは筋肉もあるし、ガタイも良いほうだと思っていた。
「さすがに俺達、鬼人族よりはひょろいぜ?康成も俺より身長低いしな。村のオッサン達を見てみろよ」
周りを見てみると康成は全体的に日焼けをしているムキムキに囲まれていた。
確かに肩幅、腕周りは競べるもなく太もも何かは俺の胴回り位もある。
「あんちゃん。華凛ちゃんについて行くんだろ?あんまり無理すんなよ!せっかく可愛いんだからな!」
むにゅむにゅ
突然耳元で鬼人族の凄く顔の濃い角刈りの男性が康成に声をかけ尻を揉んできた。
「うぉっ!」
ぞわぞわした……
何か尻がひゅん!ってした……
息子が凄く怯えているのがわかる……
「康成何してんだ?早く行くぞ?」
「華凛!待ってくれよ!」
華凛に声をかけられ、内心助かったと思いながら康成は急いで華凛について行き、村の外に出た。
森は村から10分程で着き、時折岩肌の見える、もののけみたいな壮大な森だった。
「すげーーな!やっぱり大きなモノは何でもテンションが上がるな!」
康成は童心に帰り、初めて見た東京タワーや都会のビル郡を下から見たような気持ちを思い出した。
「ここに出る猪が脂も乗っててうめーんだよ!」
「でも危なくないのか?ずいぶん広い森だし迷子にならないか?」
「大丈夫だ。今日は外に近い所で狩りをするからな。」
それなら大丈夫か。
「何で狩るんだ?俺は剣とかは持ってきてないぞ?」
「何言ってんだよ。刃物武器何か使ったら毛皮が台無しになるだろ?基本はこれだよ」
そういって華凛は荷物から100センチはありそうなハンマーを取り出した。
「すげー鈍器だな……もしかしてこれで猪を?」
「かち割る!」
まさかの、すげーパワーファイトやん
「だいぶデカイけどこれ重そうだな?」
「そんなに重かねーよ。それに康成も多分楽勝で持てるだろ?父ちゃんより力があるなら。父ちゃんなら片手で軽々振り回すぞ?」
甚平さんなら確かに楽勝だろうけど本当に俺に扱えるのかよ。
試しに柄を持つと康成は驚いた。
全然重くないのだ。
体感での重さの表しかたが康成はわからなかった。
実際にそこにあるし、感触も感じるが見た目より遥かに軽いハンマーを見て康成は驚愕した。
まるで空気の入った縁日で良く見るハンマーのようだ。
「振ったらすぐに壊れそうだな……」
「試しに少し振ってみろよ。最初は手加減しながらだぞ!俺もいつもより軽すぎてびっくりしてるんだ。村からハンマー二つ持ってきたのに、途中ホントにリュックに入ってるか心配だったぜ!これが肉体持ちかよ。すげーな!」
華凛もいつものハンマーと違う感触に驚きながら軽く素振りを始めた。
ビュッ!ビュッ!
ハンマーを振る音がまるでプロ野球のスイング音を更に鋭くしたような音をだす。
木を叩くと叩いた部分だけ抉れ、抉れた部分がまるで大砲のように森の奥へ飛んでいった。
「なぁ康成?これ猪叩いて大丈夫か?」
「多分弾け跳ぶんじゃね?」
「もう少し手加減すっかぁ……」
始めての狩りで爆発する猪何か見たくねーよ。
「俺も少し手加減して振ってみようかな?」
「ホントに気をつけろよ!ハンマーが壊れちまう!」
持ち手を娘と手を繋ぐように軽く、優しく握り、ハンマーを振ると問題なく振れた
「そっか、日常的にフライパンとかを振るときもおもいっきり振ることもないから手加減は全然問題ないな」
華凛の家で鍋やフライパン、箸、茶碗を持ったが特に力を入れる必要もなかった為か、手加減は問題ない。
手加減は問題ない
問題は霊界でどこまで力を入れることができるかだな……
「もう少し華凛位のスピードで……」
先ほどの華凛のスイングを思い出し、軽くバットを素振りするように康成はハンマーを振る。
ボッ!!
ミシッ!ミシ!
「やべ!ハンマーが軋んだ!」
空気を切り裂くではなく叩くような音と共に康成のハンマーから軋むような音が聞こえた。
ハンマーを確認すると、金属製の持ち手が弓のように少し反っていた。
「康成は今日は見学な!」
「華凛すまん!」
「まぁ古いハンマーだから良いけどよ……
康成、ホントに力を入れてないんだな?」
「全然、さっきの華凛位で振ろうと思ったらハンマーが軋んだ……」
「普通素振りをしてもハンマーは軋まねーよ!
まぁ今日は見てろよ。帰りに持つの手伝ってくれたらチャラにしてやるよ」
「りょーかい」
「それじゃあ猪探すか」
康成は華凛に促され森をあるきだした。
「どういう所にいるんだ?」
「この時期なら水辺を探せばいるはずなんだよな」
「逃げたりしないのか?」
「やんちゃな猪が多いからむしろ向かってくるぞ。さすがに正面からぶつかられたらただじゃ済まないから気をつけろよ?
あぁ……康成なら全然大丈夫だな」
「人を化け物みたいに言う…」
「まてっ!しっ!静かにしろ。」
華凛が声を静かにし、前方の水辺を指差した。
康成は水辺を見ると水を飲んでいる猪が見えた。
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